★タンパク質の消化率
動物性タンパク質は消化率が高い。植物性は低め。植物性タンパク質はアミノ酸スコアも低いので、植物性タンパク質中心に摂取する場合は多めに食べる必要。
What Are Good Sources of Protein? – Digestibility
http://www.bodyrecomposition.com/nutrition/what-are-good-sources-of-protein-digestibility.html
★タンパク質の消化速度
高齢になると、タンパク質への反応が鈍くなるので、アミノ酸濃度を急上昇させるタンパク質の方がアナボリック効果が高くなる。若いうちはあまり差がない。
一般的には、ホエイは血中アミノ酸濃度を急上昇させてアナボリック効果、カゼインはアミノ酸濃度を長時間保ち抗カタボリック効果と言われるが・・・
夜中寝てる間の絶食のあと、朝一にタンパク質を摂取した場合の身体の反応を調べた研究が多い。前回の食事が消化中の時にタンパク質を摂取したら身体はどう反応するかの研究は見当たらないので、現実の昼食や夕食で身体がどう反応しているのかはよくわからない。
今回の話は全て、トレーニング中後以外の時の話。トレーニングすると身体の反応が大きく変わってくる。
What Are Good Sources of Protein? – Speed of Digestion Part 2
http://www.bodyrecomposition.com/nutrition/what-are-good-sources-of-protein-speed-of-digestion-part-2.html
(テンダーロインのデータは、テンダーロインに似せたアミノ酸組成を静脈注射したもの)
WPHとWPIの消化速度はほとんど変わらない。
そもそも消化の速いタンパク質の方が良いのか?
通常の食事やトレーニング後は、より遅い、もしくは遅いのと速いタンパク質のミックスが良いとライルは言っている(高齢者除く)。ホエイとカゼインを含み、他の微量栄養素も含む牛乳もトレーニング後の回復に良い。
トレーニング前中は、吸収速いプロテインが良い。
ホエイは消化が速いので、アミノ酸燃焼されやすい。
What Are Good Sources of Protein? – Speed of Digestion Part 3
http://www.bodyrecomposition.com/nutrition/what-are-good-sources-of-protein-speed-of-digestion-part-3.html
★タンパク質のクオリティ
アミノ酸スコア: 実際に身体でどのように使われるのかや、消化率については何も語ってない。アミノ酸・タンパク質のリクワイアメントは年齢や運動種類によって変わる。
Biological Value(BV): 血流に入ったタンパク質がどれだけ身体に保持されるかの指標。摂取量と排泄量から算出。タンパク質摂取量やカロリー摂取量に影響される。タンパク質摂取量が多いとBV低下、カロリー摂取多いとBV上昇。現代先進国の人間やアスリートの高タンパク高カロリーの食事だとあまり参考にならない。
タンパク質のクオリティは、タンパク質とカロリーが不足している発展途上国では重要な問題で、各指標はそのためのもの。
カロリー十分で除脂肪体重1kgあたり2-3gのタンパク質を、高品質で色々な食材から摂取していれば、個々のタンパク質の差は問題にならない。
カロリー不足の状態ではタンパク質の差は重要に。乳製品のタンパク質(ホエイとカゼイン)が有利らしい(理由はここでは割愛されている)
What Are Good Sources of Protein? – Protein Quality
http://www.bodyrecomposition.com/nutrition/what-are-good-sources-of-protein-protein-quality.html
★アミノ酸組成
臓器、骨格筋、髪、肌、酵素、肝タンパク質など、それぞれ必要なアミノ酸組成は異なる。
大まかにわけて、基本的な健康と身体機能にとって必要なアミノ酸組成と、運動パフォーマンスの最適化に必要なアミノ酸組成がある。前者は普通に肉、魚、卵、乳製品、豆など高品質のタンパク質を食べてれば問題ない。
魚のタンパク質がインスリン感受性に良い影響を与えるという研究も。
What Are Good Sources of Protein? – Amino Acid Profile Part 1
http://www.bodyrecomposition.com/nutrition/what-are-good-sources-of-protein-amino-acid-profile-part-1.html
BCAA 分岐鎖アミノ酸。ロイシン、イソロイシン、バリン。筋肉の材料になり、運動のエネルギーとしても使われる。肉のタンパク質は15%がBCAA。ホエイが25%、カゼインが20%。
BCAA補給によるベネフィットを示した研究の多くは、十分なタンパク質を与えていない状況で行われていることに注意。欠乏状態と充足状態とでは栄養素の影響は異なる。
持久運動で消費されるカロリーの5-10%はアミノ酸を燃焼して賄われる。BCAAは特に使われる。持久運動の際、一時間あたり10-12gの吸収の速いタンパク質と炭水化物を摂取すると、筋肉のダメージを減らし回復を早める。ホエイ摂取お薦め。
ウェイトトレーニングではそれほどアミノ酸は消費されないだろう。
強度の高い持久運動による免疫力低下を防ぐには、十分なタンパク質摂取が必要。運動中の炭水化物摂取はさらに重要。
ウェイトトレーニングでは免疫力へのネガティブな影響はない傾向。毎日ハードなトレーニングをしない限りは。
What Are Good Sources of Protein? – Amino Acid Profile Part 2
http://www.bodyrecomposition.com/nutrition/what-are-good-sources-of-protein-amino-acid-profile-part-2.html
運動への適応。レジスタンストレーニングは筋肥大、持久運動はエネルギー生成に必要なミトコンドリアや酵素の増加。従って、それぞれの運動の適応に身体が必要とするアミノ酸は異なるだろう。
肝臓が身体に必要なアミノ酸を血流に放出する門の役割で、余分なアミノ酸は破棄されるか燃焼される。摂取したアミノ酸組成と血流に表れるアミノ酸組成はほとんど関係ない。BCAAは優先的に骨格筋に送られる。
BCAAは筋合成を促進する。具体的にはロイシンが。でもこれらの研究はタンパク質摂取が不足している状態だったり、高齢者を対象としてたりして、しっかり栄養摂取している若いトレーニーが追加でBCAAを摂取するとどうなるのかという疑問には答えていない。実際は、十分なタンパク質を摂取していれば良さそう。トレーニング時はホエイと炭水化物の摂取がお薦め。
高品質のタンパク質を様々な食材から得て、十分なカロリーを摂取していれば、特定のアミノ酸を摂取することでレジスタンストレーニングや持久運動のパフォーマンス向上がもたらされるとは考えにくい。
減量時にはタンパク質の必要摂取量が増加する。減量時は乳製品のタンパク質(wholeで)がお薦め。
魚のタンパク質(具体的には鱈)はインスリン感受性と、おそらくはレプチン感受性を改善する。タウリンの作用と思われる。
What Are Good Sources of Protein? – Amino Acid Profile Part 3
http://www.bodyrecomposition.com/nutrition/what-are-good-sources-of-protein-amino-acid-profile-part-3.html
亜鉛:免疫機構、食欲、レプチンレベル、テストステロンなどのホルモンレベルに関わる。対内に貯蔵出来ないので日々摂取する必要がある。多く含まれる食物は、牡蠣、赤身肉、レバー、蟹肉、チーズ、チキン。
鉄分:赤血球や甲状腺機能に関わる。赤身肉、レバー、内臓肉、チキン。
B12:ヴィーガンやB12の吸収に障害を持っている人以外は普通に食事していれば大丈夫。
カルシウム:骨の健康を保つ。十分に摂取すると、血圧を下げたり体脂肪を減らしたりする可能性。カルシウムは脂質の吸収や脂質の燃焼に影響を与えているかもしれない。乳製品。
What Are Good Sources of Protein? – Micronutrient Content
http://www.bodyrecomposition.com/nutrition/what-are-good-sources-of-protein-micronutrient-content.html
★脂質
脂肪酸の種類
- 飽和脂肪酸: 動物性の食品に含まれる。ある種の飽和脂肪酸はコレステロールレベルを上げるが、ほかは影響なし。
- 不飽和脂肪酸: 常温で液体。健康に対してはニュートラル。
- 多価不飽和脂肪酸: 主に植物性の食品に含まれる。オメガ3脂肪酸は魚油(EPA・DHA)と亜麻油・紫蘇油(ALA)。オメガ3脂肪酸はとても健康によい。
- トランス脂肪酸: たぶん健康にはそれほど良くない。摂取量による。タンパク質豊富な食品にはあまり含まれないので、ここではあまり触れない。
- MCT、CLA: タンパク質豊富な食品にはあまり含まれないので、ここではあまり触れない。
赤身肉:部分によって含まれる脂質の量が大きく異なる。飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸が半々くらい。わずかに多価不飽和脂肪酸も含む。
鶏肉:部分によって含まれる脂質の量が大きく異なる。皮なし胸肉はほぼ無脂質。大部分が不飽和脂肪酸で残りが飽和脂肪酸、わずかに多価不飽和脂肪酸。
豚肉:脂質が多い。テンダーロイン例外でほぼ無脂質。
卵:全卵のタンパク質のクオリティはとても高いが、白身だけだとそれほど高くない。コレステロールについては、少数のセンシティブな人以外は問題ない。脂質は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸が半々くらい、わずかに多価不飽和脂肪酸。
魚:種類によって含まれる脂質の量が大きく異なる。多価不飽和脂肪酸が多い。半分くらいは一価不飽和脂肪酸。
乳製品: 牛乳の脂質の大部分は飽和脂肪酸、少量の不飽和脂肪酸、ごくわずかの多価不飽和脂肪酸。
豆類とナッツ: 豆類は脂質が少ない。ナッツは脂質多いが、大部分が不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸。
大豆: 脂質多い。半分が多価不飽和脂肪酸、残りは飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の半々。植物性エストロゲンの問題。
What Are Good Sources of Protein? – Dietary Fat Content
http://www.bodyrecomposition.com/nutrition/what-are-good-sources-of-protein-dietary-fat-content.html
その他のチェックポイン後
・可用性
・タンパク質含有率、付随する脂質と炭水化物の量
・コスト
どのタンパク質がベストなのかはコンテキスト次第。
What Are Good Sources of Protein? – Wrapping it Up
http://www.bodyrecomposition.com/nutrition/what-are-good-sources-of-protein-wrapping-it-up.html
こんにちは。
返信削除いつも記事や電子書籍2お世話になっております。
特にスクワットのフォーム改善により、格段にスクワットが楽しく安全に出来るようになり本当に感謝しております。
勝手に信頼している野口様へお聞きしたいことがありまして、コメントさせていただきます。
筋肉増量の為には、体重1kgあたり2g以上のタンパク質摂取が基本だと思いますが、アミノ酸スコアによる影響は考慮するべきでしょうか。
例えば、アミノ酸スコア50の食品からタンパク質10gを摂取できるとして、実質摂取量は5gとして計算する等。
お答えいただければ幸いです。
りんごさん、
返信削除コメントありがとうございます。
肉・魚・乳製品などアミノ酸スコア100の食品は、含まれる各アミノ酸が100を超えていて、穀物などアミノ酸スコアの低い食品のアミノ酸組成を補完することができます。したがって、アミノ酸スコア100の食品を一緒に食べていれば、アミノ酸スコアの低い食品のタンパク質量もそのまま計算に入れてOKです。
穀物とナッツ類と野菜といったアミノ酸スコアの低い食品しか食べない食生活の場合は、タンパク質量にアミノ酸スコアを掛けて実質摂取量を算出すると良いと思います。
ご返信いただきありがとうございます。
削除なるほど。
アミノ酸スコアに関してあまり知らなかったので大変勉強になりました。
お時間を割いていただきありがとうございます。
更新頑張ってください。応援しております。