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5/23/2014
運動とミルクの摂取の効果
運動とミルクの摂取に関する研究はあまり多くは無いが、これまでの研究によるとミルクはレジスタンストレーニング後の筋合成にも、持久運動後の回復にも向いているドリンクだと思われる。
★低脂肪乳の成分の特徴(低脂肪乳を使った研究が多いので)
・タンパク質: カゼインとホエイで、比率は4:1~3:1。カゼインは消化吸収が遅く、長時間に渡って身体にアミノ酸を供給できる。ホエイは消化吸収が速く、BCAA含有率が約25%と高い。
・炭水化物: 乳糖。乳糖不耐症の人の摂取には向いていない。
・電解質: 豊富に含まれる。運動で失われた電解質の補給に有効。
★レジスタンストレーニング
レジスタンストレーニング後にミルクを摂取した場合の効果についての研究をいくつか。
・マクロ栄養素のバランスを等しくした無脂肪乳とソイプロテインドリンクをレジスタンストレーニング後に摂取し、その後数時間の筋合成を調べた研究では、無脂肪乳の方がより多く筋合成されたという結果に。
・期間10週間の研究。低脂肪チョコレートミルクと、市販のスポーツドリンク(カーボのみ含有)。それぞれ等カロリーをレジスタンストレーニング後に摂取。10週間後の筋力や体組成は同じくらいだった。ただ、低脂肪チョコレートミルクの方が除脂肪軟部組織(腱、靭帯、筋膜、皮膚、血管、横紋筋など)が増加した。
・期間12週間の研究。マクロ栄養素のバランスを等しくした無脂肪乳とソイプロテインドリンク。12週間後の測定では、無脂肪乳グループの方が筋量増加、脂肪減少という結果になった。脂肪減少はカルシウムの摂取が関係しているのではないかと推測される。
★持久運動
・持久運動における栄養摂取のタイミングとその目的
- 運動前: 運動に必要なエネルギーを補充する。ただし運動の邪魔にはならないように
- 運動中: エネルギーを補充し、体内のエネルギー枯渇を遅らせる。
- 運動後: 回復及び運動への身体の適応反応をサポート(ミトコンドリア増加などの持久能力の向上にも材料が必要)
・ミルクはやや腹が膨れる感覚があるが、運動能力には影響は無さそう。
・運動中に摂取したケース。運動持続が限界に達するまでの時間は、スポーツドリンク的な飲料(電解質+カーボ)、低脂肪乳、水では、この順にタイムが伸びる傾向はあったが統計的に有意な差は出なかった。
・運動後の回復は主に、グリコーゲン再合成と身体の水分回復。
- グリコーゲン再合成を直接調べた研究は無いが、激しい運動→休憩&ドリンク摂取→再び激しい運動をしてそのパフォーマンスを測定した研究では、チョコレートミルクは市販のスポーツドリンクと同程度の効果を発揮した。回復効果は高いと思われる。(この研究ではカーボドリンクの効果が劣ってたから、電解質と水分回復の影響かもしれない)
- 暑い環境で運動して脱水気味になった後に各種ドリンクを摂取した研究では、低脂肪乳の方がスポーツドリンクよりも身体の水分回復が早かった。電解質が多く含まれるのと、他のドリンクに比べて吸収が遅めなのが要因と思われる。
★結論
ミルクは運動後に飲むのに適したドリンクだと言えるだろう。ビタミンなどの微量栄養素の面ではスポーツドリンクよりも優れている。コンビニでも安く買える。カロリーが気になる場合は低脂肪乳を選択。最近ではスポーツ用と称した牛乳も売られている(明治のスポーツミルクという商品)。
ここまで書いておいてなんだけど・・・個人的にはミルクはほとんど飲まない。匂いが苦手なのと、レジスタンストレーニング後の栄養摂取目的だと量が多くてお腹がちゃぽちゃぽするので。ホエイプロテインパウダーをドロドロに溶いたものをカッテージチーズ(ほぼカゼイン)にかけたものをよく摂取する。
参考:
Milk: the new sports drink? A Review
http://www.jissn.com/content/5/1/15
関連記事: タンパク質の消化吸収速度の違いによる筋肥大への影響
http://changebodycomposition.blogspot.jp/2014/05/blog-post_15.html
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