減量終盤に受けた人間ドックで気になった点を考察。
★腎臓
BUN(尿素窒素)
基準値:8-20mg/dl
1回目
測定タイミング:前日の夜9時以降に食事禁止で昼まで何も食べられないということなので、カゼイン中心にタンパク質を100gくらい摂取。減量中のため炭水化物はほとんど無し。この時点で肝グリコーゲンはほぼ空。採血は食後13時間くらいのタイミング。
BUN:29.6
eGFR:97.8
考察:eGFRは正常値でBUNが異常値。前日からの窒素(タンパク質)供給量が多く、また筋肉由来の糖新生によっても窒素が供給されていたと思われる。そのため腎臓の濾過が間に合わず、血中の尿素窒素が高いレベルのままであったと考えられる。
2回目
測定タイミング:昼食にタンパク質70gくらい食べてから3時間後くらい。1回目の結果説明の時に、異常値が出たのでもう一度測定しましょうとなってその場で採血された。
BUN:34.0
eGFR:124.9
考察:直前のタンパク質摂取が多く、窒素の濾過が間に合わず、血中の尿素窒素が高いレベルのままであったと思われる。推定の濾過速度(eGFR)も上昇している。高タンパク食では濾過速度が上昇することが多くの研究で示されていて、その通りの挙動になっている。
3回目
測定タイミング:前日から低タンパク質・高炭水化物の食事にして、当日朝にタンパク質10gくらいと炭水化物多めに食べてから7時間後に採血。
BUN:16.1
eGFR:95.7
考察:前日から低タンパク質・高炭水化物の食事にしたおかげで、仮説通りにBUNが正常値になった。高炭水化物にしたのは糖新生を防ぐため。私の場合、血清クレアチニン値から算出されるeGFRは正常で、尿蛋白など他の指標も引っかかっていなかったので、高タンパク食による一時的なBUNの上昇だと考えてこの対策を行った。犬の実験だけど、肉を多く含むドッグフードを与えたら、食後にBUNがベースラインから2倍くらいまで上昇したという研究があるので、正常な腎臓の人間でも高タンパク食の後はBUNが一時的に上昇すると考えられる(人間を対象とした食後BUNのデータは見つからなかった)。
Postprandial changes in plasma urea nitrogen and plasma creatinine concentrations in dogs fed commercial diets
http://users.ugent.be/~jwbauwen/08022016/003.pdf
普段から高タンパク食の人は、健康診断の前は低タンパク質・高炭水化物の食事にすれば、BUNが引っかからなくなると思う。腎臓関連の他の指標も引っかかっていたら腎臓に問題がある可能性が高いので、医師の指示に従いましょう。
あとクレアチンをサプリメントとして摂取していると、クレアチニン値が高くなる(eGFRが低くなる)ことがあるので、これも偽陽性の要因になる。心配な場合はクレアチニン・クリアランス検査を受けると良いでしょう。
Elevated plasma creatinine due to creatine ethyl ester use.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21411845
How we estimate GFR--a pitfall of using a serum creatinine-based formula.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17969491
★白血球数
基準値:3200-8599
1回目(減量中)
3100
2回目(普通食)
4510
考察:エネルギー不足の状態だと、不必要だったりダメージを受けたりした免疫細胞がリサイクルされ、白血球の総数が減る。1回目は減量中だったので白血球数が減っていた。2回目は維持カロリーに戻した後だったので、白血球数が回復していた。エネルギー不足にして白血球数を一度減らしてから再びカロリーを入れると、免疫系がリフレッシュされて健康にいいかも・・・という話もある。
Fasting triggers stem cell regeneration of damaged, old immune system
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-06/uosc-fts060214.php
★食後120分血糖値
基準値:70-139mg/dl
1回目
44(空腹時78)
考察:グリコーゲンが枯渇していたため、食後血糖が急低下していた。
★腹部CT
このボディメイク記録の一週間くらい前に計測。お腹側の皮下脂肪はだいぶ薄くなっているけど、脇腹の後ろ側の皮下脂肪が残っている。ここはなかなか落ちない。あと尻の皮下脂肪もなかなか落ちない。
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