The Influence of Frequency, Intensity, Volume and Mode of Strength Training on Whole Muscle Cross-Sectional Area in Humans
ストレングストレーニングの筋肥大への影響を調べたレビュー論文。強度、頻度、ボリューム、モダリティ(コンセントリック、エキセントリック、アイソメトリック、アイソキネティック等)といったトレーニングの要素をどう調整すると、より良い筋肥大効果を引き出せるのかを調べている。
このレビュー論文で分析対象となった論文の大部分が筋トレ未経験者や初心者を被験者としているので、トレーニング歴のある人にそのまま当てはまるわけではないことに注意。
分析対象の筋肉は大腿四頭筋と上腕二頭筋。
長いので結論をサクッと書くと、普通のフリーウェイトトレーニングでは、一回のセッションあたり合計30-60レップのトレーニングボリュームが筋肥大を最適化するようだ。合計30-60レップというのは、トレーニングを複数セット行い合計のレップ数がこのレンジに収まるようにするという意味。例えば8レップを5セット行うと合計40レップ。
頻度は各部位週に2,3回。
強度は70-85% 1RM。だいたい6RM~12RMで複数セットを行うとこの合計レップ数を達成できる。5RM以下でも十分なボリュームを行えば同等の筋肥大は起こるが、時間効率と怪我のリスクを考えると、筋肥大目的のトレーニングで5RM以下のセットが大部分を占めるのは非効率的だと思われる。5RM以下を1セット程度行うことで神経系の適応を引き出し、メインとなる6RM~12RMのセットでより強度の高いトレーニングを行えるようにするのは良い。
[書籍] The Muscle and Strength Pyramid では、一回のセッションあたり合計40-70レップが推奨されている。この本で推奨ボリュームの根拠として示されているのが今回の論文なんだけど、この論文では被験者が主に未経験者・初心者だったことを考慮して、トレーニング歴のある人向けに多めのボリュームを推奨していると思われる。おそらく著者自身の経験やコーチとしての実地経験も根拠になっているだろう。上級者になるほどボリュームは増やす必要がある。
推奨レンジに上限があるのは、ボリュームが多すぎても筋肥大効果が低下するから。間違えるなら、多すぎて間違えるよりも少なすぎて間違える方がコストが低いので、最初は少なめのボリュームで毎回のトレーニングを元気よく行えるようにし、伸び悩んだらボリュームを少し増やしてみる、というアプローチが良いだろう。
以下はプログラムの組み方の個人的なお薦め。といっても優秀な人が書いていることを適当に組み合わせただけ。
・鍛えたい部位ごとに、2種目か3種目行う。
・部位ごとに多角的に補完的に鍛えるようにする。
・コンパウンド種目は6-12RMのレンジの下の方、アイソレート種目はレンジの上の方。
例えば胸だったら、ベンチプレス6-8RMを数セット、インクラインベンチプレス8-12RMを数セット、合計40-70レップ。クロースグリップベンチプレスを数セット追加で上腕三頭筋も目標ボリューム達成。
下半身だったら、スクワット数セットにフロントスクワットやレッグプレスやルーマニアンデッドリフトを数セット。合計40-70レップ。スクワットで下半身の後ろ側に負荷がかかりやすい人は、フロントスクワットやレッグプレスで腿の前側を補完的に鍛える。スクワットで腿の前側に負荷がかかりやすい人は、ルーマニアンデッドリフトで下半身の後ろ側を補完的に鍛えると良い。
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