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2/28/2018

維持カロリーを挟むダイエット方法

カロリーカットを続けるダイエット方法と、カロリーカットの間に維持カロリー期間を挟むダイエット方法を比較した研究。

Intermittent energy restriction improves weight loss efficiency in obese men: the MATADOR study
https://www.nature.com/articles/ijo2017206


★被験者
肥満の男性
BMI30–45
25-54歳



★ダイエット方法
2グループに分けて比較

a) カロリーカット継続グループ(CON) 19名
カロリーカットを16週間継続する。

b) カロリーカットと維持カロリー交互グループ(INT) 17名
カロリーカットを2週間、その次に維持カロリーを2週間、その次にカロリーカットを2週間・・・というダイエットを続ける。カロリーカット2週間×8回、維持カロリー2週間×7回。合計30週。

両グループともにダイエット前の4週間の調整期間(体重変動を見て維持カロリーを調整)と、ダイエット後の8週間の維持カロリー期間がある。

カロリーカット期間はどちらのグループも合計で16週間になる。一日あたりのカロリーカットの程度も同じなので、両グループともトータルで同じカロリーカット量のダイエットを行った。違いは維持カロリーの期間を挟むか挟まないか。



★摂取カロリー
カロリーカット期間は維持カロリーの67%を摂取する(33%のカロリーカット)。ダイエットが進むと安静時代謝が低下するので、それに合わせて摂取カロリーを調整する。安静時代謝はカロリーカット期間が4週間に達するごとに測定する。



★食事提供方法
大部分は研究者側で支給。追加の食べ物を研究者と相談の上で被験者が選択して摂取。



★マクロ栄養素
計画では、タンパク質15-20%、脂質25-30%、炭水化物50-60%。



★運動
特に言及されていない



★結果

グループごとの体重変化。交互グループ(INT)の方が体重が大きく減った。横軸の週数はカロリーカットを実施した週数で、継続グループ(CON)はカロリーカットを実施した週数イコール経過週数だけど、交互グループ(INT)は維持カロリー期間が挟まるので実際に経過した週数は約2倍になる。


交互グループのカロリーカット期間(ER)と維持カロリー期間(EB)における体重変化。維持カロリー期間では、カロリー調整が上手くいき体重変化が抑えられていることがわかる。



グループごとの除脂肪体重変動。両グループとも除脂肪体重の減少は抑えられている。


グループごとの体脂肪量変動。



両グループの安静時代謝の推移。両グループともダイエットが進むにつれて安静時代謝が低下している



除脂肪体重と体脂肪量の変化を考慮した安静時代謝。エネルギーを消費する体組織が減ればそのぶん安静時代謝も低下するが、体組織の減少以上に安静時代謝が低下する(つまり省エネ体質になる)ことがある。このグラフではそれを判断できる。結果は、交互グループ(INT)の方が除脂肪体重と体脂肪量の変化を考慮した安静時代謝の低下は小さくなっていて、リバウンドしにくいダイエットになっている。



ダイエット実験の終了後も含めた体重変化。交互グループ(INT)の方が体重のリバウンドが抑えられている。安静時代謝の低下が緩やかだったことが寄与していると考えられる。またダイエット中に維持カロリー期間を挟むことでメンタル面でのダイエット疲れが軽減されダイエット終了後の暴食が避けられたり、ダイエット終了後に維持カロリーの食生活に戻す時にどれくらい食べれば良いか経験済みで体重を維持しやすいといった要因もあると考えられる。



★コメント
カロリーカットと維持カロリーを交互に繰り返すダイエット方法の方が良い結果が出た。体重の減り方も、安静時代謝の低下も、ダイエット実験終了後のリバウンドも、どれもはっきり良い結果が出ている。

注意点としては、ダイエットにかけた期間に大きな差があるのであまりフェアな比較とは言えないこと。継続グループでも一日あたりのカロリーカットの幅を緩くして30週かけて減量すれば、安静時代謝の落ち込みは緩やかになるかもしれない。

ただそれでも交互グループのカロリーカット8週時点(14週経過)と継続グループの16週時点の体重減少量がほぼ同じで、維持カロリーを挟んでも同じ期間で同じくらい体重を減らせるという結果が出ている。

実践を考える場合も、維持カロリー期間でメンタル面での息抜きを入れていくと長期間のダイエットを続けやすいだろう。


★ダイエット休憩の実践
ダイエット中にカロリーカットを一旦中断して、摂取カロリーを増やすことをダイエット休憩と言う。(休憩は break を訳してるのだけど、日本語だとなかなか良い単語が見つからない)

ダイエット休憩の期間の長さは、2週間でかなり効果が出ている。論文では維持カロリー1-2週間で代謝低下が回復するかもと書かれているが、レファレンス先の論文の内容が関係なさそうで1週間という数字を出した根拠がよくわからない。

ボディメイクで減量を行う際は、カロリーカット4週間-6週間ごとに1-2週間の維持カロリー期間を入れるのが良いと思う。2週間ごとに維持カロリー期間を2週間入れると、減量完了まで時間がかかりすぎる。1週間では十分に回復しないかもしれないが、そこは時間効率との兼ね合い。

継続グループと交互グループの体重減少ペースの差は、4週間だと小さいけど8週間になると大きくなる。この研究の被験者はかなりの肥満なので、普通体型の人が減量する場合は8週間よりも前に体重減少ペースが低下するだろう。

個人的な経験でも8週間続けてのカロリーカットはメンタル的にもキツイし、体重が減らなくなってくるのでキツイ。目標の体重減少量が小さく(目安としては水分変動除いて体重5%以内の減量)、8週間程度で減量完了予定なら、維持カロリー期間無しでも良さそうだけど、目標の体重減少量が大きく長期的に減量を続けるなら、4週間-6週間のカロリーカットを続けたら1-2週間の維持カロリー期間を入れるのが良いと思う。

気をつけることは、ダイエット休憩中に好き放題に食べず、維持カロリーを守ること。他にもダイエット休憩を挟むダイエット方法の研究はいくつかあるけど、それらの研究では食事がコントロールされてなくて、ダイエット休憩をいれるダイエット方法の優位性があまり示されていない。この研究のようにカロリー管理をきちんすれば、ダイエット休憩が効果を上げると考えられる。


★管理された維持カロリー
筋トレを日常的に行っている人だと、減量中はグリコーゲンと水分が減っていて、リフィードではそれが一気に回復するので、維持カロリーであっても体重が2,3kg増えることも普通に起こる。

筋トレでグリコーゲンが枯渇している人なら、リフィード開始後1,2回の食事は炭水化物中心にオーバーカロリーしてもグリコーゲン補充に回されるので良いだろう。慎重に行うなら、減量前の維持カロリーから10%程度引いたカロリーをコンスタントに摂取するのが良いと思う。摂取しているカロリーが維持カロリーかどうかは、体重測定と過去の経験から判断するのが良いだろう。ダイエット休憩の開始後1,2日で体重が一気に増えて、その後体重変動が安定するならだいたい維持カロリーになっている。摂取カロリーが維持カロリーに満たないと代謝回復の効果が出にくいので、恐れずしっかり食べたほうが良い。



★ついでの雑感
ダイエット休憩については、Lyle McDonald の A Guide to Flexible Dieting という2005年の書籍に詳しく書かれている。Lyle McDonald の古い書籍は、今となっては古くなった研究の不完全なデータを使い、ある程度の推測で埋め合わせながらに書かれているのだけど、最近のより良い研究でその主旨の正しさが証明されるケースが見受けられて凄いなと思う。彼の凄さはマニアックに論文を漁っていることだけではなくて、ビッグピクチャーの把握の仕方。

エビデンスベースで栄養やトレーニングを語る人は増えてきているけど、これらの分野は研究がまだまだ不完全で、ビッグピクチャーの把握や経験などによる隙間の埋め合わせが不可欠で、その辺の能力差がエビデンスを上手く扱えるかどうかの差になるのだと思う。



関連記事:
減量時の食事調整例

減量ペースの違いによる体組成変化と運動パフォーマンス変化


10/25/2017

夜食べると太るのか

この手の話は、食べる時間帯や食事回数は関係なく、結局はカロリー収支の問題で決着がついているという認識だったけど、Examine.coの記事を読んでみて、意外と奥が深いな・・・と思ったので、夜く食べると太るのかという問題を扱った研究を調べてみた。


★研究の種類と問題点
研究は大きく分けて、観察研究と介入研究に分けられる。詳しくは、Wikipediaを参考に。

a) 観察研究
たくさんの人のデータを集めて、どんな生活習慣の人がどんな病気にかかりやすかったりするかを調べる。

{観察研究の問題点]
単なる偶然で相関関係が出来ている可能性、因果関係があるとして原因と結果はどちらなのか、研究者側の調査対象集団を選ぶバイアス、被験者の記憶や申告のバイアス(どんなものをどれくらい食べたかの自己申告は非常に不正確)、交絡因子の存在、etc。


b) 介入研究
被験者を集めて調べたい要因のみ変化させ、後は条件を揃えて、その要因の変化がどのように結果に影響を及ぼすか調べる。

[介入研究の問題点]
費用面や倫理面の制約があり、被験者数が少なく期間が短い。



★実際の研究
a) 観察研究
観察研究は探せばいくらでも出てくるだろうから割愛。よく一般メディアで「夜食べると太る」説の根拠として持ち出されるのがこの種類の研究。この手の研究はたくさんあると思うけど、個人的にはあまり興味が無いのでアブストラクト以外は読んでいない。

例えば以下のような背景で、観察研究では「夜食べる人は太りやすい」という結果が出ている可能性がある。
- 夜食べると太りやすいというのが世界共通の認識なので、体型への意識が高い人は夜にあまり食べないようにしていて、そういった人はカロリー摂取に気を使っているのでトータルの摂取カロリーが抑えられていて太りにくい。
- 多くの人は朝はゆっくり食べる時間がない。朝しっかり食べて、夜は食べないルールでやると、朝はしっかり食べようとしても、時間の問題でたくさん食べられない。結果としてトータルの摂取カロリーが抑えられて太りにくい。
- 多くの人は夜は比較的ゆっくり食べる時間があるので、たくさん食べてしまう。また夜は朝に比べて疲れているので、自己抑制が効かなくなり暴食しやすい。結果としてトータルの摂取カロリーが増えて太る。
- 夜の食事ではお酒を楽しむことも多い。お酒には食欲増進効果があるし、お酒自体にもカロリーがあるのでトータルの摂取カロリーが多くなる。


b) 介入研究
食べる時間帯の違いによる体重への影響を調べた介入研究には、主に2種類ある。実験所に閉じ込めて完全に食事管理する方法と、食事内容を細かく指示して自己管理する方法。合わせて5つの研究が見つかった。いずれも摂取カロリーを維持カロリー以下にしたダイエットの研究。

(b-1) 実験所に閉じ込めて完全に食事管理
エビデンスとしての質が高いのはこのやり方。この方法の研究は2つ見つかった(もし他に同様の研究があれば教えてもらえると有り難いです)。

ただこの種類の研究でも、どちらのグループに痩せやすい人が多くいるか、体組成の測定精度はどうなのか、被験者数の少なさや期間の短さといった問題点がある。

(1)Weight loss is greater with consumption of large morning meals and fat-free mass is preserved with large evening meals in women on a controlled weight reduction regimen.
http://jn.nutrition.org/content/127/1/75.long
1997年の論文
被験者:10人の肥満の女性
実験環境:実験室に閉じ込め。食事はカロリー計算されたものが提供され、それのみを食べる。
実験期間:3週間は体重維持でその後12週間のダイエット実験。
 最初の6週間 -> グループAは一日の総摂取カロリーの70%を午前に摂取、グループBは一日の総摂取カロリーの70%を午後に摂取。
 次の6週間 -> グループAは一日の総摂取カロリーの70%を午後に摂取、グループBは一日の総摂取カロリーの70%を午前に摂取。
食事のカロリー配分:
 午前パターン -> 8時から8時半に35%、11時半から12時に35%、16時半から17時に15%、20時から20時半に15%
 午後パターン -> 8時から8時半に15%、11時半から12時に15%、16時半から17時に35%、20時から20時半に35%
摂取カロリー:1日約1900kcal
マクロ栄養素バランス:炭水化物59.7%、タンパク質18.1%、脂質22.3%
運動:研究者側の指導のもとで、ウォーキング、有酸素運動、ウェイトトレーニングを実施。
体組成測定方法:生体インピーダンス式。
安静時代謝:間接熱量計で測定

[結果]
グループAとグループBを合わせた数字を見ると、午前パターンの方が体重は減った。午前パターンが-3.90kg、午後パターンが-3.27kg。ただ午前パターンは除脂肪体重の減少が午後パターンよりも大きく、体脂肪の減少量は午後パターンよりも小さい。午前パターンは除脂肪体重が大きく減り、体脂肪はあまり減らない質の悪いダイエットという結果になった。午前午後の食事パターンで安静時代謝に有意差無し。

私のコメント:
- 夜から翌朝の食事まで12時間空くので、その前の夕食でたくさん食べることで空腹時の筋肉の分解が抑えられ、午後パターンの方が除脂肪体重の減少が小さくなった可能性がある。
- 体重と体組成の測定タイミングが朝食前なので、午後パターンは午前パターンに比べてグリコーゲンと水分が多い状態で測定し、それが除脂肪体重と体重の変化の差に影響を与えている可能性がある。体重と除脂肪体重の推移(fig1)を見ると、両グループとも午前パターン開始後の2週目にガクンと落ちている。
- 少しの差だがグループBの方が体重が重く体脂肪率が高く安静時代謝が高い。つまりグループBの方がダイエットを始めると楽に痩せられると考えられる。またダイエットは続けるにつれ痩せにくくなるので、最初の6週間の方が次の6週間よりも楽に痩せられると考えられる。痩せやすいグループBが、痩せやすい最初の6週間に午後パターンになり、午後パターンはここで体脂肪減少の数字を稼いだ可能性がある(table4の赤丸がグループB)。次の6週間(Period2)ではグループBが午前パターンになり、午前パターンの方が体脂肪量がより多く減った。


(2)Influence of meal time on salivary circadian cortisol rhythms and weight loss in obese women.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17483007
http://www.nutritionjrnl.com/article/S0899-9007(07)00028-7/fulltext
2007年の論文
被験者:12人の肥満の女性
実験環境:病院に閉じ込め。食事はカロリー計算されたものが提供され、それのみを食べる。3回の実験の間のウォッシュアウト期間は家に帰って自由に食事。
実験期間:18日×3回 ウォッシュアウト5日×2回 
食事パターン(同じ被験者群を使って3回実験):
 ステージ1 -> 9時~20時の間に5回に分散させて食事
 ステージ2 -> 9時~11時の間にすべての食事を済ませる
 ステージ3 -> 18時~20時の間にすべての食事を済ませる
摂取カロリー:1-3日は2500kcal/dayを提供(食べたのは平均2100kcalくらい)、3-18日は900-1000kcal/day
マクロ栄養素バランス:炭水化物55%、タンパク質15%、脂質30%
運動:特になし
体組成測定方法:生体インピーダンス式
安静時代謝:間接熱量計で測定

[結果]
体重、体脂肪量、ウェスト、ヒップ、安静時代謝は、ステージ1,2,3で変化に差は無し。ウォッシュアウト中に体重が全部戻っているので、ステージ2,3もスタート時は同じ条件になっている。
コルチゾールの概日リズムも測定していて、食事時間によって変化なし。

私のコメント:
かなり極端な食事パターンだけど、食事を完全に管理すれば、いつ食べても結局はカロリー収支の問題という結果に。

 
(b-2) 食事内容を細かく指示して自己管理
この方法の研究は、指示された食事内容を守れていない可能性が高い。あと実験室に閉じ込めるのと同じく、グループに痩せやすい人が多くいるか、体組成の測定精度はどうなのかという問題点もある。

(3)High caloric intake at breakfast vs. dinner differentially influences weight loss of overweight and obese women.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23512957
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/oby.20460/pdf
2013年の論文
被験者:74人の肥満の女性
実験期間:12週間
食事パターン
朝食は6時から9時の間、昼食は12時から15時の間、夕食は18時から21時の間
 朝食多いグループ(38人) -> 朝食700kcal、昼食500kcal、夕食200kcal
 夕食多いグループ(36人) -> 朝食200kcal、昼食500kcal、夕食700kcal
摂取カロリー:1400kcal/day 栄養士の指導の下、自己管理。
マクロ栄養素バランス:炭水化物32%、タンパク質41%、脂質27%
運動:特になし

[結果]
12週間で朝食多いグループは体重8.7kg減少、夕食多いグループは3.6kg減少。ウェストサイズの減少も朝食多いグループの方が大きい。

私のコメント:
消費カロリーが2000kcalだとすると、カロリー赤字が600kcal/day。12週間で43200kcal。体重5,6kgは減るはず。さらに夕食多いグループは8週間以降で体重が増えている。体重80kgで消費カロリーが1400kcalを下回るとは考えにくい。指導された食事内容を守れていないと考えられる。

この研究では、「食事指導を受けた肥満の女性が自己管理で食事を用意するダイエットを行ったら、朝にカロリーを集中して食べた方が夜に集中して食べるよりも痩せやすかった」という結果になっている。


(4)Beneficial effect of high energy intake at lunch rather than dinner on
weight loss in healthy obese women in a weight-loss program:
https://www.researchgate.net/publication/307549097_Beneficial_effect_of_high_energy_intake_at_lunch_rather_than_dinner_on_weight_loss_in_healthy_obese_women_in_a_weight-loss_program_A_randomized_clinical_trial
2016年の論文
被験者:69人の肥満の女性
実験期間:12週間
食事のカロリー配分:
 昼食メイン -> 朝食15%、軽食15%、昼食50%、夕食20%
 夕食メイン -> 朝食15%、軽食15%、昼食20%、夕食50%
摂取カロリー:1900-2000kcal(自己申告)。栄養士の指導の下、自己管理。
マクロ栄養素バランス:炭水化物60%、タンパク質17%、脂質23%
運動:ほどほどの運動(主に早歩き)を60分週5日行うよう指導

[結果]
昼食メイングループの方が体重減少が大きかった。昼食メイングループが体重5.35kg減少、夕食メイングループが体重4.35kg減少。

私のコメント:
この研究では、「食事指導を受けた肥満の女性が自己管理で食事を用意するダイエットを行ったら、昼にカロリーを集中して食べた方が夜に集中して食べるよりも痩せやすかった」という結果になっている。


(5)Greater Weight Loss and Hormonal Changes After 6 Months Diet With Carbohydrates Eaten Mostly at Dinner
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1038/oby.2011.48/full
2011年の論文
以下の記事で取り上げた研究。

参考記事:ダイエットでは夜に炭水化物を集中的に食べよう

夜に炭水化物を多く食べるグループの方が体重がより減少し、除脂肪体重の減少も抑えられたという結果だが、スタート時点の体重と体脂肪率に差があって、夜に炭水化物を多く食べるグループの方が体重が重く体脂肪率が高く、痩せるのが容易だった可能性がある。また指示された摂取カロリーからすると体重減少が緩やかなので、食事内容を守れていないと考えられる。

この研究では、「食事指導を受けた肥満の男女が自己管理で食事を用意するダイエットを行ったら、朝昼晩バランス良く食べるよりも夜に炭水化物を集中して食べた方が痩せやすかった」という結果になっている。



★研究結果のまとめ
被験者を実験所に閉じ込め、研究者側が食事を用意し、摂取カロリーを厳格にコントロールした研究(1)(2)では、
(1)午前に多く食べたほうが体重減少は大きかったが、午後に多く食べたほうが体脂肪量の減少は大きく除脂肪体重の減少は小さかった。
(2)朝に集中して食べても夜に集中して食べても一日に分散させて食べても、体重や体脂肪量の変化に差はなかった。

栄養士の指導のもと、自己管理で食事を用意する研究(3)(4)(5)では、結果がまちまちで、
(3)朝にたくさん食べたほうが体重が減る。
(4)昼にたくさん食べたほうが体重が減る。
(5)夜にたくさん食べたほうが体重が減る。

摂取カロリーを厳格にコントロールした研究でも、測定タイミングや測定精度の問題、グループ分けの問題があるので、断言はなかなか出来ないのだけど、生理学的には摂取カロリーが同じならたぶんいつ食べようと変わらなくて、体重変動はカロリー収支の問題だろう。

ただダイエットの質についていえば、(1)と(5)の研究から、ダイエットでは夜に多く食べたほうが除脂肪体重の減少を抑えられ、質の良いダイエットを行える可能性がある。

留意点としては、体組成の測定は生体インピーダンス式で行われてて、精度はあまり良くないこと。ただ生体インピーダンス式でも、測定条件を一定にすれば相対的な変化は比較的正確に測定できると思われる。



★夜食べると太るのか
おそらく生理学的には、維持カロリー以上食べているなら結局はカロリー収支の問題で、どの時間帯に食べようと体重と体組成の変化に違いは出ない。夕食は寝る3時間前までに済ませないと脂肪として溜め込む、といった話は間違いだろう。

参考記事:栄養素の貯蔵と引き出し

ただ、ストレスの強い状況、例えば毎日午前2時に食べてその後寝るなど通常の生活サイクルから大きくズレた生活や、昼勤と夜勤が入り乱れるシフト勤務などでは、内分泌系の乱れなどにより消費カロリーが減少したり、維持カロリーの食事でも体脂肪が増えて除脂肪体重が減るといったことも考えられる。20時や21時に夕食を食べて0時までに寝るといった程度なら問題ないだろう。

カロリー不足の状況(ダイエット)だと、夕食に多く食べたほうが除脂肪体重を維持しやすいかもしれない。通常の生活サイクルだと夕食から翌朝の朝食までの時間間隔が大きく、肝グリコーゲンが枯渇し糖新生が増えることで筋肉が分解されやすくなる。夕食で炭水化物とタンパク質を多めに食べると良いだろう。また除脂肪体重の維持を目指す場合は、タンパク質摂取量を確保することも重要。

参考記事:タンパク質摂取量の目安

夜しっかり食べると実生活でどうなりやすいかは、人による。夜ダラダラ食べる傾向がある、夜疲れていて暴飲暴食する傾向がある人は、夜に何の制約もなく食べると摂取カロリーが多くなって太るだろう。その場合は、夕食の量をあらかじめ決めてそれ以外は食べない、夕食後の夜食は食べない、お菓子やインスタント食品などすぐ食べられる余計な食べ物を家に置かないなどのルールを設けるのが良いと思われる。

セルフコントロールが出来る人は、自分の体質と生活スタイルに合ったやり方でやれば良いだろう。



★夜食べると概日リズムが狂う説
夜食べることのデメリットとして、概日リズムが狂うという説があって、夜食症候群という症状が挙げられることがある。

夜食症候群の基準は、一日の総摂取カロリーの25%以上を夕食後の夜食で食べる and/or 週に2回以上夜中に起き出して食べる、とのこと。

少ししか調べていないけど、夜食症候群の人は、概日リズムが狂って夜食をするのか、夜食で概日リズムが狂うのか、ストレスや睡眠不足などが原因で概日リズムの狂いと夜食行動が起きるのか、因果関係がよくわからない。午前2時とかに食べ続ければ狂うだろうけど、そもそもその時間に活動している時点で概日リズムが狂っているだろう。食事パターンよりも環境の明暗のサイクルのほうが概日リズムへの影響が強いと考えられ、強い光を照射する治療で夜食症候群が治るケースもあるみたいなので、その場合は概日リズムが先に狂ってると考えられる。

個人差もあるだろうから夜しっかり食べると体調が悪くなる場合は、当然止めたほうが良い。夜食べないのが辛いのに、俗説を信じて無理に夜食べないようにするのは無駄な努力だし、余計なストレスが増える。



★今後の研究と議論
現時点では、食事を厳格にコントロールした研究は、食べる時間帯によって体重変動に影響が出ることを示していない。摂取したカロリーは魔法のように消えたり増えたりはしない。もし摂取カロリーが同じでも痩せたり太ったりするのなら、食べる時間帯によって消費カロリーが増減したり、カロリーの振り分けが変化したりする必要がある。従って、食べる時間帯により体重や体組成が変わることを証明したいのなら、例えば以下のような研究を行うと良いだろう。

ⅰ) 食べる時間帯で人間の24時間トータルの消費カロリーが変化することを示す。例えば、実験室に閉じ込めて24時間の呼気と尿を採取して消費カロリーを算出する。食事パターンを変えることでこの24時間の消費カロリーが変化するか調べる。

ⅱ) 食べる時間帯で人間のカロリーの振り分け(摂取したカロリーが除脂肪体重にいくか体脂肪にいくか)が変化することを示す。大勢の被験者を実験室に閉じ込めて食事を完全に管理した実験を数ヶ月間といった長期間行い、体組成変化が大きく出るようにして、精度の高い方法で体組成を測定する。また測定前には食事パターンを揃えて、測定時点でのグリコーゲンと水分の違いの影響が出ないようにする。

このような研究を何度も行い質の高いエビデンスを積み上げることが必要だろう。観察研究や食事を自己管理の介入研究やマウス実験はほとんど参考にならない。

7/06/2016

ダイエットでは夜に炭水化物を集中的に食べよう

Greater Weight Loss and Hormonal Changes After 6 Months Diet With Carbohydrates Eaten Mostly at Dinner
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1038/oby.2011.48/full

夜に集中的に炭水化物を食べるダイエットと、朝昼晩に分散させて炭水化物を食べるダイエットを比較した研究。


★背景
レプチンは食欲に影響をおよぼす。一般的には日中に低くなり、夕方から夜にかけて高くなり、午前1時にピークをつける。ラマダン中のムスリムはこのパターンが変わることが過去の研究で示されている。また、炭水化物を食べてから6-8時間後にレプチンレベルの上昇が始まることが示されている。夜に炭水化物をたくさん食べることで翌朝からレプチンレベルの上昇が始まれば、日中にレプチンレベルを高く保つことができ、空腹感を抑えてダイエットを成功させやすくするのではないか。


★被験者
年齢25-55歳 BMI>30 平均体重は90kg台 持病なし 職業は全員がイスラエルの警官
スタート時78名 完走63名
実験グループ30名
コントロールグループ33名


★方法
期間6ヶ月

・食事
1日のトータルカロリーとマクロ栄養素のバランスは両グループで同じ
- 1日1300-1500kcal
- タンパク質20%、脂質30-35%、炭水化物45-50%
- はっきり書かれていないけど栄養士の指導を受け自分で用意だと思う
- 実験グループは、夜に大部分の炭水化物を摂取
- コントロールグループは、一日を通して炭水化物を摂取


・身体測定
- 体重、体脂肪率、腹囲

・空腹感満腹感評価
1-10の10段階。数字が大きいほど満たされている。8時、12時、16時、20時、それぞれ食事前に調査票に記入。

・血液検査
- インスリンや血糖や中性脂肪やコレステロールなどメタボ関連指標
- 炎症マーカー
- レプチンとアディポネクチン


★結果
・身体測定
- 夜に大部分の炭水化物を摂取した実験グループの方が、体重が大きく減った(ただし実験グループの方が平均体重が重い)。
- BMI、腹囲、体脂肪率は実験グループの方が減る傾向にあった(有意差は無し)


 ・空腹感満腹感
- 一日を通して炭水化物を摂取したコントロールグループは、より空腹感を感じ満腹感が低かった。特に12時の調査で強い空腹感を感じた。
- 実験グループでは日中のレプチンレベルの低下が抑えられたことが、日中の空腹感の抑制につながったと考えられる。


・血液検査
- インスリンとグルコースは実験グループの方が改善
- 中性脂肪とコレステロールは同程度。HDLは実験グループの方が良い。
- 炎症マーカーは実験グループの方が良い結果

・ホルモン
- 日中レプチンは実験グループの方が減少率が小さい傾向(有意差なし)
- 日中アディポネクチンは実験グループの方が高い。
※アディポネクチンは、脂質と炭水化物の代謝に関わり、血中の糖と脂質を減らし、インスリン感受性を改善し、抗炎症作用がある。肥満の人においては、一日を通してアディポネクチンレベルは低い。普通の体脂肪率の人や減量をしている肥満の人はアディポネクチンレベルが上昇し、昼間にピークをつけるようになる。アディポネクチンレベルが高いほうが健康に良いと考えられる。



☆コメント
90kg台の体重でそれなりの活動量がありそうな職業なので、1300-1500kcalの食事なら一日のカロリー不足は1000kcalを越えるだろう。1ヶ月に4kgは減るはず。ダイエットを続けるにつれて消費カロリーが低下するとしても、中盤以降でも1ヶ月に2kgは減っていくはず。半年で10kg前後しか減っていないのは、カロリー摂取量については厳格には守れていなかったためだと思われる。従ってこの研究は、炭水化物を食べる時間帯によって代謝上の有利不利があるかではなくて、「夜に集中的に炭水化物を食べるというざっくりとしたガイドラインに沿ったダイエットをするとどうなるか」というものになる。夜に炭水化物を集中的に食べたほうが日中の空腹感を抑制でき、食事量を抑えやすかったのだろう。

体重減少に占める体脂肪と除脂肪体重の割合を計算すると、

- 実験グループ 体脂肪91.8% 除脂肪体重8.2%
- コントロールグループ 体脂肪83.7% 除脂肪体重16.3%

実験グループの方が除脂肪体重の減少が抑えられ、体脂肪が多く減った。体脂肪率の測定は常に誤差問題がつきまとうが、腹囲の減少も実験グループの方が大きい傾向があるので、夜に炭水化物を集中的に食べたほうがより良い結果が出ていると考えられる。

除脂肪体重の減少が抑えられた要因としては、おそらく夕食に炭水化物を多く食べることで、食事間隔が空いている間でも筋肉の分解が起きにくかったのだろう。夕食から翌朝の朝食までの食事間隔が最も大きい。肝グリコーゲンが少なくなると、脳へのグルコース供給のためにアミノ酸からグルコースへの転換が活発に行われるようになる。外部からアミノ酸の供給が無ければ、自分の体内のタンパク質(主に骨格筋)を分解してアミノ酸を調達し、グルコースを作り出す。詳しくは、食事回数と量の配分の[アンダーカロリー]の項目に。

他の研究でも、夜にたくさん食べた方が体脂肪の減少が大きく除脂肪体重の減少が小さいという結果が出ている。この研究は食事が厳格に管理されているのは良いけど、被験者数が10名と少なく体組成の計測があまり正確でない方法なのが弱点。

インスリンや血糖は起きている間だけ測定しているので食事パターンの影響がありそうだが、炎症マーカーでも良い結果が出ているので、健康にも良い影響がありそう。

日中のレプチンレベルの低下が抑えられているのは、分泌パターンが変わったからだと思う。しかし、仮に24時間のレプチンレベルの低下が抑えられているとしたら、減量に伴う消費カロリーの低下も抑えられている可能性がある。


栄養素の貯蔵と引き出しでも書いたように、どの時間帯に食べようが、トータルのカロリー収支のマイナス分の体重が減っていく。体重の減少は体脂肪の減少と除脂肪体重の減少によって起こる。体脂肪を減らし、除脂肪体重は減らさないのが良いダイエット。

ダイエットで夜に炭水化物を集中的に食べることのメリットは、
- 除脂肪体重が減りにくい。
- 昼間に空腹感を感じにくい。
- 満たされた状態で床に就けるのでぐっすり眠れる。睡眠不足だと太りやすい。
- 家族や友人や同僚と同じ夕食を食べることができる。

最近は糖質制限が流行っていて、特に夕食で糖質カットするやり方をしているのを見かけるけど、これは逆効果だから止めたほうが良いですね。

強度の高いウェイトトレーニングを組み合わせるケースでは、夜にウェイトトレーニングをするならそのままトレーニング後に炭水化物をたくさん食べるのが良い。朝や昼にトレーニングをする場合は、トレーニング後の炭水化物摂取を優先し、夕食など次の食事まで間隔が空く食事では消化吸収の遅いタンパク質を多めに摂取するのが良いと思う。

9/18/2015

ダイエットに効果のあるサプリメント

Lyle McDonald の記事から。近日リリース予定の女性のためのフィットネス本の内容が抜粋されている。女性向けの内容だけど男性にも有効。

Fat Loss Supplements
http://www.bodyrecomposition.com/fat-loss/fat-loss-supplements-2.html/


★はじめに
ダイエットに効果のあるサプリメントには、消費カロリーを増やすもの、食欲を抑制するもの、頑固な脂肪の分解を促進するものがある。ヨヒンビン以外は消費カロリーを増やすもので、ものによっては食欲も抑制する。消費カロリーの増加は良くて5-10%程度。副作用は心拍数が増え血圧が上がるものが多い。

ダイエットにはこれらのサプリメントが必須というわけではない。正しい食事と運動がダイエットの基本。これらのサプリメントは、低い体脂肪率でコンテスト等に向けて減量している人が、なかなか体重が落ちなくなってきた時の切り札として使うのが良いだろう。

詳しい服用方法についてはリンク先の記事や、Lyle McDonald の以前の書籍に書かれている。自分で調べられるレベルの人のみが使用した方が良いと思うので、意図的に私の記事には詳しく書いていない。

現時点では、この記事に書かれているサプリメントのみがダイエットに効果があると考えて良い。ガルシニアやカルニチンはダイエットには無意味。市販されていない薬物にはもっと効果のあるものもあるだろうけど私は詳しくは知りません。。


★カフェイン
- 1日600mgの摂取で100kcal程度消費カロリーを増やす。
- 女性の黄体期ではカフェインへの感受性が鈍り体内の滞在時間が長くなる。
- 睡眠への影響を避けるため就寝が近い時間帯に摂取しない。
- ストレスに対するコルチゾールの反応を高めるので、過剰摂取しないほうが良い。

★唐辛子
- 消費カロリー増加と脂肪の分解・燃焼にわずかな効果がある。
- 効果の持続時間は長くても数時間。

★緑茶(有効成分EGCG)&カフェイン
- EGCGとは没食子酸エピガロカテキンのこと。
- 消費カロリーを5%程度増やす。
- 緑茶で効果のある量を摂取するのは難しいので、サプリメントの利用が良い。
- 推奨服用方法は、130-160mgのEGCGと100mgのカフェインを一日三回摂取。

★ニコチン&カフェイン
- 消費カロリーを5%程度増やす。
- 食欲の抑制に効果大。
- 効果の持続時間は2時間程度。
- 推奨服用方法は、1mgのニコチンと100mgのカフェイン。

★エフェドリン&カフェイン(ECスタック)
- 1990年代に流行。過剰摂取と他の薬物との併用による死亡例あり。
- 消費カロリーを5-10%程度増やす。
- 食欲抑制し脂肪燃焼を増やしエクササイズのパフォーマンスを向上させる。
- 心拍数と血圧が上がる。慣れるとこの副作用は消える。
- 他の薬物とは逆に、使用を続けていると効果が増していく。
- 推奨服用方法は、20mgのエフェドリンと200mgのカフェインを一日三回摂取。使ったこと無い人は半分の量からスタート。

★ヨヒンビン
- 頑固な脂肪の分解を促進する。体脂肪率が低い人向け。
- わずかなインスリンの分泌でヨヒンビンの効果が消されるので、空腹時に使用し同時に有酸素運動を行い分解された脂肪を燃焼する。
- 運動中の心拍数が上がる。
- 保水効果があるので体脂肪が減ってないように見えるが、水が抜ければ減ってるのがわかる。摂取量を減らすと水が排出される。
- 推奨服用方法は、0.2mg/体重kgのヨヒンビンと100-200mgのカフェイン。
- 男女とも性器への血流が増す。男性は勃起に注意。
- 多量の摂取は不安発作のトリガーになるので、その性質のある人は使用禁止。

4/01/2014

リフィード(もしくはチートデイ)の効率的なやりかた

リフィードは、減量中に24-48時間程度、摂取カロリーを増やす方法です。リフィードは、減量をスムーズに進める目的で筋トレ愛好家の間で広く行われています。

リフィードの効果は、以下の3つがあるとされています。

・代謝低下の抑制

・筋肉の維持・肥大

・メンタル面の息抜き

リフィードは理屈の上では効果がありそうでも、根拠となる研究は短期的なものや部分的なメカニズムに関するものが中心で、実際のところの効果ははっきりしていませんでした。しかし、2020年に筋トレ愛好家にとって喜ばしい研究デザインのリフィードの研究が出てきました。

研究では、「維持カロリーからコンスタントに25%のカロリー不足にするグループ」と、「維持カロリーから週に5日は35%のカロリー不足にして、週に2日は炭水化物中心のリフィードで維持カロリーにするグループ」を比較しました。その結果、リフィードグループのほうが体組成変化の面で良い成果が出ました。コンスタントにカロリー不足にするグループは実験前後で除脂肪体重が減少しましたが、リフィードグループは実験前後で除脂肪体重の変化は有意差なしでした。体脂肪率は両グループとも低下し、その変化はグループ間で有意差なしでした。安静時代謝の低下は、リフィードグループのほうがやや抑えられました。週ベースの摂取カロリーは、両グループとも維持カロリーから25%カットで同じです。

おそらくリフィードは、代謝回復で体脂肪の減少を促進するというよりも、除脂肪体重の維持に有効だと思われます。リフィードでグリコーゲンを補充してトレーニングの質が上がったり、筋肉のエネルギーレベルが一時的に高くなることで、筋肉の維持・肥大がしやすくなることが期待されます。

それでは、リフィードのやり方を説明していきます。リフィードではタンパク質と脂質の摂取量は増やさず、炭水化物の摂取を増やします。具体的にはグルコースが必要なので、白米やうどんなどデンプン質の炭水化物を食べます。なぜグルコースが必要なのかというと、筋グリコーゲンを補充することでトレーニングの質を維持しやすくなることや、身体全体の代謝と筋肉の局所的な筋肉合成シグナルの両方でグルコースが有利と思われるためです。高GIの炭水化物食品のほうが筋グリコーゲンがより多く回復することが期待できるので、白米、餅、精白パン、うどん、じゃがいもなどが、リフィードに適しています(オートミールなど消化の遅い炭水化物はリフィードに向いていません。詳しくは、関連記事:リフィードでの筋グリコーゲン回復に適した炭水化物 )。

フルクトースを含む甘いものを食べたい場合は、リフィード開始直後の運動後が良いでしょう。運動後だとスクロース(グルコース+フルクトース:砂糖の主成分)を摂取しても筋グリコーゲンの回復速度が高いです。肝臓と筋肉のグリコーゲン貯蔵がある程度満たされた後は、フルクトースが含まれる糖類は筋グリコーゲンの回復がデンプンに劣るようになります。従って、リフィード後半はデンプン質の炭水化物を食べたほうが良いでしょう。

リフィードをおこなうと、グリコーゲンと水分の増加により体重が一気に増えますが、体脂肪が増えたわけではないので慌てないようにします。身体の大きな男性ではリフィードで体重が2-3kg増えるのも珍しくないですが、体脂肪を1kg増やすのには7000-7500kcalのカロリー超過が必要なことを考えると、短期間にそれほど体脂肪が増えることはありえません。

またリフィードのあと、水分が抜けて見た目がすっきりして皮下脂肪が減ったように見える現象が起きることがあります。コルチゾールレベルが下ることにより水分が抜けるのか、摂取した炭水化物がグリコーゲンとして貯蔵される際に水分を吸い出すのかわかりませんが、リフィードで体脂肪の燃焼が促進されているわけではないでしょう。

体脂肪率が20%以下の男性の減量、体脂肪率が28%以下の女性の減量ではリフィードを入れるのをおすすめします。体脂肪率が低くなればなるほどリフィードは必須になり、リフィードの頻度も上げていったほうが良いと思います。

体脂肪率が高い時の減量は筋肉が減りにくいので、体脂肪率が高い場合にリフィードを入れたほうが良いかはわからないです。生理学的に効果があるかどうかの期待値と、メンタルが何でも食べていいモードになって減量失敗になるリスクを考えると、体脂肪率が高い場合はあまりリフィードを入れないほうが良いかもしれません。その代わりメンタル面での息抜きを目的として、週に1食だけ好きなものを食べても良いという方法にすると良いでしょう。ただしビュッフェで限界まで食べるといったことはやらないようにします。

減量が2ヵ月以内で終わるなら、リフィードを週に1,2日入れるペースで乗り切りたいです。大幅に体脂肪率を下げることを目標とし、減量が2ヵ月以上つづくなら、リフィードと合わせて定期的に1-2週間のダイエット休憩を入れるのがおすすめです。ダイエット休憩については次で説明します。

リフィード日は維持カロリーか、それを上回るくらいの摂取カロリーにすると良いでしょう。炭水化物を多く摂取してカロリー超過にしても、肝臓と筋肉のグリコーゲンが少ない状態では炭水化物はグリコーゲン補充に回されやすいので、すぐに体脂肪は増えないです。週ベースの体重減少ペースを保ちたい場合は、一週間でのカロリー不足量を一定にするために、リフィード日以外の摂取カロリーを減らす必要があります。

<リフィード例(週ベースのカロリーカット25%)>

月曜日~金曜日:維持カロリーから35%カット。例えば維持カロリーが2500kcalなら摂取カロリーを1625kcalにする。

土曜日、日曜日:炭水化物の摂取量を増やして摂取カロリーを2500kcalにする。

 

参考研究:
Effects of short-term carbohydrate or fat overfeeding on energy expenditure and plasma leptin concentrations in healthy female subjects
http://www.nature.com/ijo/journal/v24/n11/full/0801395a.html

High-fat meals reduce 24-h circulating leptin concentrations in women.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10334310?dopt=Abstract&holding=npg

Low-dose leptin reverses skeletal muscle, autonomic, and neuroendocrine adaptations to maintenance of reduced weight.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16322796?dopt=Abstract

Responses of leptin to short-term fasting and refeeding in humans: a link with ketogenesis but not ketones themselves.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8866554?dopt=Abstract&holding=npg

Evidence that glucose metabolism regulates leptin secretion from cultured rat adipocytes.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9449624?dopt=Abstract&holding=npg


関連記事:

リフィードでの筋グリコーゲン回復に適した炭水化物

The Ultimate Diet 2.0 メモ

レプチンについて

運動後に摂取するカーボの種類によるグリコーゲン回復の違い

炭水化物の摂取をサイクルさせるダイエット  

3/06/2014

Alan Aragon に聞く栄養の基礎


1. 筋肉を増やしたり体脂肪を減らしたりといった身体組成の変化を扱う場合、マクロの栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物の割合)とカロリーが同じならば、どんなものを食べるかは問題にはならないか? 例えばハンバーガーとプロテインシェイクの食事と、チキンとブロッコリーとオリーブオイルとアーモンドといった健康的な食事を比べた場合、筋肉と体脂肪について言えば結果は同じか?


A. 身体組成についていえば、食事内容は問題にはならない。食物繊維の摂取量や、固形物か流動食かといったことに伴う満足感の問題が起こる可能性はあるが。健康意識をそれなりに持ち、ジャンクフード中毒者のようには食べない人は気にしなくて良い。


2. 夜に食べると不必要に体重が増加するか? 特に炭水化物を食べると?

A. 脂肪燃焼が、起きている間に多いか寝ている間に多いかは問題にはならない。問題になるのは24時間での脂肪のバランス、つまり脂肪合成と脂肪燃焼の差である。もし昼間あまり食べず、夜多く食べた場合、脂肪燃焼は昼間に多く起こる。逆の食事パターンだったら、夜に脂肪燃焼が多く起こる。結果、24時間での脂肪のバランスは同じになる。その時間帯に何らかの活動をすることでエネルギー摂取の増加が必要になるのでない限りは、昼に多く食べて夜に少なく食べることは、身体組成の変化にとって本質的には役に立つわけではない。


3. ワークアウト後の炭水化物摂取は必要か? タンパク質と脂質を含む食事は同じくらい効果的か? インスリンレベルの急騰が役に立つといった考えは正しいのか。

A. ワークアウト後がアナボリックの好機であるという考え方は、とても誤用され乱用されている。一日に複数回のグリコーゲン枯渇を伴う活動をする持久運動のアスリートでない限りは、ワークアウト前の栄養摂取によりワークアウト後の栄養摂取の緊急性はほぼ無くなる。最近の研究によれば、45gのホエイ・アイソレートの投与は、血中アミノ酸レベルをピークにするのに約50分かかり、それに伴うインスリンレベルの上昇はホエイ投与から40分後にピークになり、投与後120分間は筋分解を抑制する水準を超えたままであった。この投与では、インスリンとアミノ酸レベルが元に戻るまで3時間かかった。炭水化物をこれに加えれば、インスリンとアミノ酸のピークレベルを高くし持続時間をより長くするだろう。

アナボリックチャンスはワークアウト後のごく短い時間だとか、トレーニング中にアミノ酸を摂取しなければならないといった戯言はもうやめよう。ワークアウト前に栄養摂取をしておけば、トレーニング中から血中に栄養素が出回り、それはトレーニング終了後も続く。ワークアウト前の栄養摂取がない場合でさえ、ワークアウト後の食事のアナボリック効果は、ワークアウト前の栄養摂取がないことを補う形で増加する。また最近の研究では、ワークアウト後のタンパク質と炭水化物の投与は、タンパク質のみの投与に比べてネットでの筋肉量をより増やすことは無かった。炭水化物を加える事が逆効果になると言うわけではないが、最適の結果を得るためにはワークアウト後すぐに炭水化物を大量摂取しないといけないという考えは疑わしい。

多くの人が認識していないことは、ワークアウト後に短い時間だけ起こる魔法のようなアナボリックのタイミング(日本だと所謂ゴールデンタイム)なんてものは存在しないということだ。トレーニングを行えば、タンパク質摂取に対する筋肉の反応は少なくとも24時間は続く。


4. 多くの人は、炭水化物の摂取が日々の活動や、ジムでのトレーニングに必要なエネルギーを与えるのに必要であると考えている。脂質とタンパク質で主に構成された食事でも、同じようにエネルギーを与えるのだろうか?

A. 何を目標とするかによる。ざっくりとした言い方をすれば、個人の好みと許容度次第だ。気晴らし程度の運動目的なら、単純に一日のマクロ栄養素の目標を守ることが重要だ。


5. ケトジェニック・ダイエット(厳しい糖質制限ダイエット)は、体脂肪燃焼をより効果的に行うのか? それとも維持カロリー以下の摂取カロリーにすることが最も重要なのか?

A. ケトジェニック・ダイエットは体脂肪減少についてに何ら特別な効果はない。これはコントロールされた長期の研究で繰り返し示されている。よくあるデザインの悪い研究は、タンパク質の摂取量を揃えていないものだ。

タンパク質の摂取量を揃えれば、代謝上わずかに優位性があるのは、炭水化物が多いダイエットだ(理由は書いていないが食事誘導性体熱産生やDNL変換でのロスやレプチンレベルが関係していると考えているのだろうか)。まあともかく、炭水化物中心か脂質中心かについては、どっちかに極端に偏った食事にするのでなく、大雑把な中間的な立場が良いだろう。個人の炭水化物の必要性は許容度や好みや目標によって大きく違う。ある人にとっては炭水化物が少ない方が効果的だし、他の人にとってはそうではない。


6. 複雑な炭水化物と二糖類などのシンプルな炭水化物について。体組成変化を扱う場合になにか違いはあるか。満足感とか。GI値の違いとか。

A. 炭水化物の複雑さと満足感にははっきりとした関連性があるわけではない。しかしながら、含まれる微量栄養素の観点からnon-milk extrinsic sugars(砂糖など)の摂取割合は抑えた方が良いだろう。
GI値についていえば、以下の条件を全て満たさない限りは、糖尿病患者を含む全ての人にとって関係ない。
- 高炭水化物/低タンパク質/低脂質/低食物繊維の食事
- 慢性的なオーバーカロリーの状態
- 座ってばかりで運動せず


7. 玄米や全粒粉にはビタミンやミネラルの吸収を阻害する物質が含まれていて、吸収される栄養的には精製された食品に比べて単に高価格なだけであるというのは本当か?


A. 本当だ。玄米は窒素保持に劣り、生体の利用できる微量栄養素の観点では優位性が無い。


8. 一日の食事回数について。カロリーとマクロ栄養素を満たした場合、一日の食事回数に最善の方法はあるか。

A. 結論から言えば、食事回数は個人の嗜好や許容度や目標に沿って決められるべきだ。食事回数を多くすることに代謝上の優位性は無い。コントロールされた研究で繰り返し示されている。


9. 全卵を食べるとコレステロール値に影響するか?

A. 全卵を食べるとLDL値とHDL値が上昇する傾向がある。しかしこのLDL値の上昇は動脈硬化に対してニュートラルな副画分でのものだ。だからリラックスして良い。全卵に含まれる脂質はちゃんとマクロ栄養素にカウントするように。


10. 一回に吸収できるタンパク質の量に上限はあるのか? そうだと仮定すれば、タンパク質を摂取するベストのタイミングはワークアウト後と朝なのだろうか?

A. いいえ。一日のトータルの摂取量を満たせば、それでうまくいく。

 Intermittent Fastingで良い結果を出している人々は一部の成功者なのか、それとも人間の身体は一定時間内の食事で残りの一日を効率的にやっていくことが出来るのか?

A. IFの成功例は、食事を効率的に消化し同化する身体の能力を示している。すごいカラダをしている人は多い食事回数によるものだと人々は思い込んでいるが、それは正しくない。IFの成功例は、人間の身体は我々が認めているよりも賢いという事実を強固にするものだと私は考える。


その他のQA

- もしたくさん飲み食いしてしまったら、どのようにリカバーして元のペースに戻すのがベストか?

A. くよくよせず、目標に向かってこれまでどおりのことをやれ。

- 寝る前にカゼイン摂取は必要か? 他のタンパク質は?
A. 高品質の様々な食材を適切な量食べていれば、寝る前のカゼインは成功にとって重要ではない。どのような高品質のタンパク源も有効。どのみちトータルのタンパク質摂取の一部分でしか無い。

- トータルのタンパク質摂取量が十分な場合、BCAAの摂取は効果があるか?
A. トータルのタンパク質摂取量が十分なら、追加で摂取するBCAAはプラシーボ効果はあるだろう。

- Nutrient-Partitioners(筋肉にエネルギーを送り込んで、脂肪を分解すると謳うサプリメント)は試す価値があるか?
A. 個人的には、人間を対象として体組成やパフォーマンスにポジティブな効果があることを示すエビデンスを見たことがない。ただ全部チェックしたわけではないので、もし見る価値のあるデータがあるなら送ってほしい。


参考:
Nutrition Facts 101: Alan Aragon
http://fitnfly.com/learn-about-food/nutrition-facts
http://fitnfly.com/learn-about-food/nutrition-facts-2

2/27/2014

シクリカル・ダイエット

自分の現在の知識でシクリカル・ダイエットについてまとめます。

シクリカル・ダイエット(カーボサイクル/サイクル・ダイエット)とは、数日から一週間程度といった短いサイクルでアナボリックフェーズとカタボリックフェーズを繰り返す方法。アナボリックフェーズでは、カーボ中心のリフィードとウェイトトレーニングを行うことで内分泌系・神経系の回復と筋肉量の維持増加を狙い、カタボリックフェーズでは低カロリー低カーボもしくはファスティングにより体脂肪の減少を狙う。この方法により、以下の成果を目指す。

・減量:筋肉をなるべく減らさないようにしながら、体脂肪を減らしていく。
・体組成組み換え:筋肉を少しずつ増やしながら、体脂肪を少しずつ減らしていく。
・増量:体脂肪の増加をなるべく抑えながら、筋肉を増やしていく。

具体的なプロトコルとしては、Lyle McDonald の The Ultimate Diet 2.0 や Martin Berkhan の Leangains が挙げられる。

オーソドックスな減量期(アンダーカロリーで体脂肪減らす)と増量期(オーバーカロリーで筋肉増やす)を数ヶ月スパンで繰り返すのに対して、このようなシクリカル・ダイエットを用いるメリットは、

・体脂肪率15%以上の人(女性の場合は+7%が基準)
- 減量目的・・・時間と手間がかかるだけで、特にメリットは無さそう。この体脂肪率なら、そこまでシビアにやらなくても、オーソドックスなダイエットで筋肉を残しながら体脂肪を減らせる。
- 体組成組み換え目的・・・増量減量に伴う体脂肪量の大幅な変動を避けられ、見た目や服のサイズの問題を回避できる。
- 増量目的・・・筋肥大速度は遅くなるが、体脂肪量の増加を抑えられ、見た目や健康にメリット。

・体脂肪率12-15%以下の人
- 減量目的・・・多くの人はこのくらいの体脂肪率から、筋肉量を維持しながらの減量が難しくなってくるので、シクリカル・ダイエットの手法を使うメリットがある。
- 体組成組み換え目的・・・低い体脂肪率でオーソドックスな減量と増量をすると、減量期に筋肉が減りやすく増量期に体脂肪が増えやすくなり、体組成組み換えの進捗が非効率になると思われる。シクリカル・ダイエットは、カテコールアミンの分泌、脂質の燃焼、alpha-2受容体抑制による頑固な脂肪の分解、骨格筋のインスリン感受性を高めてからのリフィードといったテクニックを用いることで、Calorie Partitioning(カロリーが体脂肪にいくか筋肉にいくかの問題)を改善しているので、低い体脂肪率でも体組成組み換えが効率的に行えることが期待される。
- 増量目的・・・筋肥大速度は遅くなるが、体脂肪量の増加を抑えられ、見た目や健康にメリット。


関連記事:
炭水化物の摂取をサイクルさせるダイエット 

2/26/2014

The Ultimate Diet 2.0 メモ

★Ultimate Diet 2.0(UD2.0)について
- アスリートやボディビルダーと違って、遺伝的に恵まれているわけでもなく、薬物も使わない人向けのプロトコル。遺伝的に恵まれていない人が、いかに筋肉を残しながら(できれば少し増やしながら)低い体脂肪率を実現するか。
- このプロトコルの対象は体脂肪率12-15%くらいの人(女性はこれに+7%くらいを基準として考える)。このくらいの体脂肪率までは、オーソドックスなダイエットで落とせる。このへんから下は、筋肉を残しながら体脂肪を落とすのが難しくなってくる。


★内分泌系と体脂肪の基礎知識
- インスリンは貯蔵ホルモン。エネルギーを貯蔵する。筋肉のインスリン感受性が高いと、糖質が筋肉に送り込まれやすい。体脂肪のインスリン感受性が高いと脂質が貯蔵されやすい。
- 体脂肪の分解。トリグリセリドとグリセロールにする。分解速度の鍵は hormone sensitive lipase (HSL).
- インスリン(炭水化物摂取でもタンパク質摂取でも出る)も、血中トリグリセリドもHSLの活動を抑制する。つまり何を食べても体脂肪の分解は抑制される。
- カテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン)がHSLを活性化する。正確にはcAMPがHSLの活動を決定、インスリンやカテコールアミンはcAMPに影響。
- インスリンとカテコールアミンのレベルが同時に上ったら(例えば運動中にカーボ摂取するとか)、インスリンの影響が勝つ(脂肪分解が抑制される)
- アドレナリンレセプター:alpha-2が脂肪分解抑制。beta-2が脂肪分解促進。 
- アンドロゲンと甲状腺ホルモンはbeta-2の感度を上げる
- 頑固な脂肪エリアは血行も良くないので、脂肪が分解されたとしてもそれを燃焼させる組織へなかなか運ばれず再合成されてしまう。
- ファスティングで脂肪細胞への血行がよくなる。ファスティングを続けると筋肉も落ちるので、低炭水化物・ケトジェニックダイエットでそれに近い状態にする。
- 甲状腺ホルモンレベルが高いと脂肪細胞への血行が良くなりやすい。
- エクササイズでも脂肪細胞への血行が良くなりやすい。
- 肝臓や筋肉に分解された脂肪が運ばれ燃焼される。肝臓・筋肉のグリコーゲンレベルが低いと燃焼されやすい。


★筋肥大の基礎知識
・主に二種類の筋肥大:筋原線維と筋小胞体
- 筋原線維の肥大→繊維のサイズとタンパク質量の増加。ホルモンなど様々な要因と、繊維への強いテンションが肥大を開始させるシグナルになる。
- 筋小胞体の肥大→繊維以外(グリコーゲン、水、ミネラルなど)のサイズと量の増加。高レップのトレーニングを続けると、毛細血管の密度やミトコンドリアの密度や他の筋収縮以外のサイズアップに貢献する要素が増加する。あまり顕著に肥大しない。

・普通は筋原線維の肥大を目的とする
- 筋原線維の肥大のプロセスは、高負荷のテンションが繊維にかかる(ダメージも付随)→細胞内の核がmRNAを生成→リボゾームに入り→リボゾームがアミノ酸を掴んで→それをくっつけて新たな収縮用タンパク質を作り出し→既存の筋繊維に統合する。
- 細胞のエネルギーレベルが低いと(グリコーゲンが枯渇していたりクレアチンリン酸のレベルが低かったり)、タンパク質合成はあまり起こらない。mRNAが続く時間は36時間程度。リボゾームの活動レベルが筋合成速度の鍵。アンドロゲンはリボゾームを活発にする。


★三種類のトレーニング
・Volume Training
- 高レップ・多セット・短インターバル(パンプトレーニングともいう)。
- 筋グリコーゲンを枯渇させる。普通の人(遺伝的に恵まれておらず、薬物も使用していない人)は、トレーニング後の栄養補給では、筋グリコーゲンの再充填が筋合成よりも優先され、筋合成が効率的に起こらない。だからUD2.0では、筋肉の成長を目的としてはこのトレーニングを行わない。
- このトレーニングの目的は以下の通り。
- グリコーゲン枯渇させてからのグリコーゲン超回復。
- グリコーゲンを枯渇させることで、脂肪の分解燃焼を促す。
- 乳酸レベルを上げて成長ホルモンの分泌を促す。成長ホルモンは脂肪分解に関わる。
- カテコールアミンなどのホルモン反応が脂肪分解を促す。
- カロリー消費が大きい。トレーニング後のカロリー消費は脂質の燃焼で賄われる割合が高い。
- いつも高負荷のトレーニングだと関節にダメージがたまる。高レップトレで関節に休息を与える。また血行や乳酸レベルの上昇が関節強化にも繋がる。
- UD2.0では低炭水化物・低カロリーのフェーズでこのトレーニングを行う(めちゃくちゃキツイとのこと)

・Tension training
- 6-12レップ インターバルは1.5-2分
- 基本は、重いウェイトを使って限界(付近)までやる。
- リスクは、怪我と神経系の疲労。
- 筋肉と神経系の疲労と回復のタイミング。神経系に大きな疲労が残ると、筋肉は次の刺激を受け入れられる状況になっても、神経系の回復に時間がかかってトレーニングできず非効率。
- UD2.0ではカーボロードスタートの際に行ってグリコーゲン超回復とリボゾーム増加を促して、パワートレーニングの効果を高める。

・Power training
- 3-5レップ 3-10セット 3-5分休憩
- ATP/クレアチンリン酸を主に使うので筋グリコーゲンをあまり消費しない。筋肥大に有利。
- UD2.0ではグリコーゲンを十分に充填した状態で行って筋肥大を目指す。


★体脂肪を減らすには。
- 低カーボでインスリンを抑える。カテコールアミンレベルが上がる。ウェイトトレーニングと有酸素運動でもカテコールアミンレベルが上がる。
- ファスティングか低カーボケ・トジェニックで脂肪細胞への血行が良くなる。有酸素運動でも良くなる。
- alpha-2 receptorsを抑制するにはどうするか。ヨヒンビンがその効果があるが・・・
- 血中の脂肪酸濃度を上げるとalpha-2 receptorsが抑制される。カーボをトータルカロリーの20%以下にすると、血中の脂肪酸濃度が上がる。ついでにエクササイズへのカテコールアミンの反応も上がる。
- 3-4日間、血中の脂肪酸へさらされるとalpha-2受容体が抑制される。低カーボをこのくらいの期間続けると良い。
- グリコーゲンを枯渇させることで、筋肉と肝臓での脂肪酸燃焼を促進。


★ケトーシスとは
- 脂肪酸燃焼が増えて肝臓がそれ以上エネルギーとして使えなくなると起こる。絶食、低カーボ、長時間の持久運動で起こる。脂肪酸が部分的に酸化され、余ったacetyl-CoAがケトンに転換される。ケトンの濃度がある一定レベルを越えると、身体がケトーシス状態であると言う。ケトーシスが起こり、血糖レベルが低いと、ケトンは多くの組織で優先的に燃料になる。
- 太ってる人なら、ケトーシスでエネルギーを賄うことでタンパク質(筋肉)分解を抑えられる。痩せている人は体脂肪分解が難しくなってくるので、ケトーシスでタンパク質分解を抑えるのは無理。
- ケトンは同量の脂質よりもややエネルギー効率が低い。変換ロス?
- 痩せている人にとっては、ケトーシスは脂肪燃焼を手早く行うことに伴う副作用と考えた方が良い。ケトーシス自体を目的とはしない。


★UD2.0を始めるにあたって
- 体脂肪を減らすフェーズでは筋肉の減少は避けられない。
- 週末に2-3日のリフィードを行う。グリコーゲン枯渇とテンショントレーニングで筋肉のインスリン感受性が高まっているので、摂取した炭水化物は筋グリコーゲンとして蓄えられる。内分泌系・神経系もある程度回復する。
- それまで別のダイエットをしていたら、UD2.0を始める前に2週間の維持期を入れる。
- 高炭水化物・低脂質のダイエットをしていたら、炭水化物と脂質を適度に摂る2週間の期間を挟む。
- UD2.0の実行は6-8週間以内にすること。続けたかったら2週間の維持期を入れる。


★UD2.0の具体的プロセス。一週間で一サイクル。
・月曜と火曜:低カーボの食事。高レップ短インターバルのトレーニング実施。
- 脂肪減少を最大にしたい場合は、維持カロリーの半分の摂取カロリーにする。ただし1200kcal/day以下にはしないこと。タンパク質と微量栄養素の摂取量が確保できない。
- カロリー不足を大きくしたい場合は、有酸素運動を行う。
- 体脂肪を増やさない筋肥大が目的の場合は、維持カロリーから10-25%減らす。
- 炭水化物の摂取は総カロリーの20%以下にすること。一日あたり65-70グラム程度以内。
- 除脂肪体重1ポンドあたり1-1.5gのタンパク質摂取。
- 残りのカロリーは脂質で調整。オメガ3脂肪酸は摂取すること。
- 筋分解が増えない程度までグリコーゲンを枯渇させる。各部位あたり10-12セット(種目を変えていろんな方向から筋肉を動かした方が良い)。60% 1RMの重量。15-20レップ。60-90秒インターバル。吐き気やめまいやバーン感が出るレベルまでやること。トレーニングを月曜火曜の二日に分ける(部位で分けても、全身のセット数半々で分けても良い)。

・水曜:月曜火曜と同じ低カーボの食事。ウェイトトレーニングはやらない。やりたければ有酸素運動を。

・木曜:(一日4食として)最初の3食は低カーボの食事。夜のトレーニングの30-60分前に25-30グラムの炭水化物と15グラムのホエイを摂取。
- テンショントレーニング各部位2-4セット、6-12レップ(70-85% 1RM)。二日後のパワートレーニングに支障が出ないように限界一歩手前まで。全身をトレーニングすることで、全身の筋肉にグリコーゲンを一気に送り込む。
- 強度の高いトレーニングと適切な炭水化物の摂取で、24時間以内にグリコーゲンを100%まで回復させられる。
- 正しくグリコーゲン枯渇させてたとして。除脂肪体重1kgあたり12-16グラムの炭水化物を木曜夜から金曜夜までに摂取。それと1ポンドあたり1グラムのタンパク質と、総カロリーの15%の脂質。合わせると総カロリーは維持カロリーの2倍くらいになる。グリコーゲンの再貯蔵に優先的に回されるため、脂肪貯蔵されにくく、グリコーゲン貯蔵中は脂肪燃焼が続きやすい。
- 筋グリコーゲン補充のために、フルクトースは大量に摂取しない。肝臓で代謝されるので。ただ50グラム程度(スクロースなら100グラム)摂取するとカーボロードが効果的になるようだ。
- グリコーゲン合成速度に上限があるだろうから、24時間で8-10回に分けて摂取。1000グラムを10回に分けると一回100グラム。
- 水も十分に飲むこと。1グラムのグリコーゲンあたり3-4グラムの水が蓄えられる。
- クレアチンを併用するのも効果的。
- カフェインは控える。

・金曜:木曜夜の続きで、夜までひたすら食べて休む。

・土曜:パワートレーニングの日
- トレーニングの2-3時間前にほどほどの炭水化物とタンパク質の食事。30分前に30グラムの炭水化物と15グラムのホエイを摂取。
- 各部位につき、3-6セット、3-6レップ。
- 2-4秒掛けて下ろして、全力で挙げる。
- 3-5分のインターバルを取る。
- この日のトータルの栄養摂取は、除脂肪体重1kgあたり4-5グラムの炭水化物、2gのタンパク質、40-50グラム程度の脂質。だいたい維持カロリーくらいになる。減量重視の場合は10-20%炭水化物減らす。

・日曜
- 筋肥大を重視する場合は維持カロリーくらい。
- 減量を進める場合は除脂肪体重1kgあたり2-3gの炭水化物。
- 朝のうちは複合炭水化物を食べても良い。午後は低GIの野菜中心。


★なるべく体脂肪を増やさず筋肥大をさせたい場合のUD2.0の応用
- 低カーボの日(月曜~木曜午前)は、維持カロリーかマイナス10-25%程度のカロリー摂取、炭水化物を100g以内にして、高レップのテンショントレーニングを行う(ボリュームトレーニングより重量をやや上げて、レップ数とセット数を減らす)。
- 週末のカーボロードとトレーニングは同じ。
- 土日は維持カロリーかプラス10%程度のカロリー摂取。


参考: The Ultimate Diet 2.0 / Lyle McDonald

2/20/2014

糖質制限ダイエットについて

★糖質制限ダイエットのメリット
カロリー不足の状態ではタンパク質の必要摂取量が増加する。高タンパク高脂質の食品は多いけど、高タンパク高炭水化物の食品はほぼ無いため、糖質制限ダイエットは結果としてタンパク質の摂取量が確保しやすい。それと単品を抜けばいいので、栄養についての知識が無い人でも頭を使わず実行できる。

一食分のご飯(米)を抜くといったレベルでこのダイエットを行うなら、タンパク質の摂取量を確保し、カロリー収支をマイナスにするための手軽な手段としてお薦め出来る。

次に、厳しく糖質を制限したダイエットについて。炭水化物依存症みたいになっていて、少し炭水化物を摂取すると、食欲に歯止めが効かなくなる体質の人にも向いている。それと、体脂肪率一桁でさらに体脂肪を減らしたい人も、極度に低い体脂肪率だと体脂肪の分解がボトルネックになるので、体脂肪分解を促進するテクニックとして有効。

通常からぽっちゃり程度の体脂肪率の人で、炭水化物摂取に対して悪い反応が起きない人は、過度に炭水化物を制限せずそれなりに炭水化物を摂るダイエットにした方が良い。レプチンレベルの低下をなるべく抑えるのにも炭水化物を摂取したほうが良い


★糖質制限ダイエットに関する誤った認識
糖質は中性脂肪に合成されやすいというのは間違いで、人間においては、糖質から脂質への変換(DNL)は、糖質を過剰摂取してオーバーカロリーにしグリコーゲン貯蔵がだいぶ満たされてから、ようやく活発になる。通常は糖質は脂質よりも優先的に活動エネルギーとして使用され、あまった脂質が体脂肪として蓄えられる。(余剰エネルギーはグリコーゲンか体脂肪の形で蓄えられ、適宜取り出されてエネルギーになるので、普通は脂肪合成がどうとか気にする必要はない)

また、糖質を摂らなければ血糖値が上がらずインスリン分泌による体脂肪合成が起こらないというのも間違い。タンパク質摂取でもインスリンは分泌されるし、そもそも遊離脂肪酸とグリセロールから体脂肪合成を行うのはASPで、インスリンはLPLを活性化し、LPLが血中の脂質から遊離脂肪酸を取り出す役割を果たす。ちなみに脂質だけ摂取しても体脂肪は合成される。


★糖質制限ダイエットを始めるとすぐに体重が減る理由
グリコーゲンとそれに付随する水分が抜ける。それと腎臓の水分吸収に影響するインスリンのレベルの低下と、ケトン体の脱水効果によっても水分が抜ける。体重減少イコール体脂肪減少ではない。


★結局はカロリー収支の問題
減量の基本は、カロリー不足の状態を作り出すこと。糖質制限だろうが何だろうが、カロリー不足分のエネルギーが、体脂肪か除脂肪部分(主に筋肉)の分解燃焼により賄われ、(水分変動を除いての)体重が減っていく。なるべく筋肉を残したかったら、高タンパク質の食事とウェイトトレーニングを行う。ある程度の炭水化物を摂取して筋グリコーゲン補充した方が高負荷のウェイトトレーニングをやりやすい。


★補足
高炭水化物ダイエットに比べて糖質制限ダイエットの方が有利という研究があるかもしれないけど、そういうのを見かけたら、カロリー摂取量とタンパク質摂取量が同じ条件になっているか、食事内容が自己申告制ではなくコントロールされたものか、水分変動のことを考えているか、といった点をチェックしよう。


※ 文章中の糖質と炭水化物の使い分けに特に意味は無いです。世間では「糖質制限」という呼称が一般的なので、糖質制限ダイエットについて言及するときは糖質という表現を使いましたが、糖質と糖分を混同する人がいそうなのと、carbohydrateは炭水化物と訳すのが自然と思うので、なるべく炭水化物という表現を使おうとしたら、中途半端に混じった文章になりました。

2/19/2014

なぜダイエットをしてもリバウンドしやすいのか




参考: Why Is It So Easy To Regain Weight?
http://weightology.net/weightologyweekly/?page_id=415

エネルギー収支は、摂取エネルギーと消費エネルギーからなる。エネルギー収支がマイナスなら主に筋肉か体脂肪が分解燃焼されることで体重が減り、エネルギー収支がプラスなら主に筋肉か体脂肪が合成されることで体重が増える。

摂取エネルギーについては、人間の身体はとにかく飢餓を避けるようになっているので、体重が減ってくると食欲が増して摂取エネルギーを増やそうとする。ダイエットしても食欲が抑えられなくて食べ過ぎちゃう~(>_<)ということがよく起こる。これはシンプルな話。

今回の主題は、ダイエットをした場合の消費エネルギーの変化について。

減量をすると消費カロリーが低下する。身体が軽くなれば動くのに必要なエネルギーは減るし、筋肉と体脂肪の減少により基礎代謝量もそれなりに低下する(骨格筋1kgあたりの基礎代謝量は13kcal、体脂肪1kgあたりの基礎代謝量は4.5kcal)。ただ、現実にはそれ以上に消費エネルギーが低下する。それはなぜなのか調べたのが今回紹介する研究。


★基礎知識
トータルの消費エネルギーは以下のように分解できる。
・安静時エネルギー消費量
・活動時エネルギー消費量
 - 計画的なエクササイズによるもの。ジムにいったりランニングしたり。
 - Non-Exercise Activity Thermogenesis (NEAT)。計画的ではない身体活動。貧乏ゆすりとかウロウロしたりとか家事したりとか移動を目的としての歩行とか、エクササイズ以外の全ての活動。
・食事誘発性熱産生


★研究
・3種類の被験者
- 恒常的にその体重の人
- 10%以上体重を減らし、それを5-8週間保っている人
- 10%以上体重を減らし、それを1年以上保っている人

・実験方法
- 被験者は実験センターで生活し、安静時エネルギー消費量などを測定される。
- 食事は体重変動がないよう調整された流動食。
- エクササイズは無し。

・結果
- 体重を減らした人は1年以上経っても、恒常的に同じ体重の人に比べて消費カロリーが低い。
- 消費カロリーの低下は、主に活動時エネルギー消費量の低下によるものである。エクササイズはしていないので、NEATによるエネルギー消費量が低下していると思われる。
- 体重を減らした人は、無駄な動きをせずじっとしている傾向があるのだろう。また、減量により骨格筋動作のエネルギー効率が上がるという研究もあるので、動作自体のエネルギー消費量が低下していると思われる。
- 基礎代謝もそれなりに減っている。(体組成の違いによるエネルギー消費量の差異を調整してのデータなので、レプチンレベルの低下といった内分泌系の問題だと思う)


・対策
- 減量後に体重を維持するには、摂取カロリーを抑え意識的に運動するようにしよう。駅では階段を使う、ひと駅手前で降りて歩く、といった意識的なNEATの積み重ねも有効。
- いったん太ると、維持しやすい体脂肪率(セットポイント)が上方に変化して、減量した時に消費カロリーが低下してリバウンドしやすくなると思われる。1年以上減量状態を維持した人も消費カロリーが低下しているので、セットポイントを下方に変化させるのは困難な模様。まずは太らないようにしよう。


ちなみにレプチンを投与すると減量に伴う消費カロリーの低下をかなり抑えられる。ただ、レプチンは研究所外では手に入らない。

それとカロリーオーバーの状態にした時の体重増加を調べた研究もあって、これもNEATが関係しているという結果になっている。食べ過ぎても太りにくい人は、無意識のうちに無駄な動きが増えたりして余分なカロリーを消費している。

2/12/2014

大幅なカロリー制限と長時間の運動の組み合わせ

大幅なカロリー制限と長時間の運動の組み合わせはダイエットに逆効果になることがある。短期間で減量したい場合でも、大幅なカロリー制限のみか長時間の運動のみか、どちらかにすべき。

経験的に逆効果になる事例が多い。大幅なカロリー不足の状況で、週に6時間の有酸素運動をやったら代謝低下したという研究もある。

メカニズムの推測としては、恒常的なコルチゾールレベルの上昇によるレプチン感受性の低下で代謝低下しているのでは。また、強迫観念的なストレスを感じやすい人はコルチゾールレベルが高くなっている可能性があり、体重減らない!もっとやらなきゃ!で悪循環になりやすい。


Why Big Caloric Deficits and Lots of Activity Can Hurt Fat Loss
http://www.bodyrecomposition.com/fat-loss/why-big-caloric-deficits-and-lots-of-activity-can-hurt-fat-loss.html

2/03/2014

ダイエットでは朝は少なめで夜たくさん食べよう

朝多めに食べる食事パターンと夜多めに食べる食事パターンとでダイエット効果を比較したら、夜多めに食べるほうが体脂肪減少は大きくて、除脂肪体重(主に筋肉)の減少は少なかったという結果に。

論文内で言及されてないけど、これは多分、朝多めに食べるパターンだと夜中に体内の栄養が欠乏気味になって、筋肉の分解が進んだんだろう。夜食から朝食まで12時間空いているし、一日のトータルのタンパク質摂取量も体重1kgあたり1.2gでダイエット中としては足りていない。

炭水化物と脂質は体内に貯蔵場所があって適宜出し入れしているので、一回の食事の量とタイミングにかかわらず最終的にはトータルのカロリー収支が問題になる。タンパク質は体内に貯蔵場所が無く、カロリー不足の状態では体脂肪の分解燃焼も起きるけど、筋肉を分解してアミノ酸をエネルギーとして利用しようとする動きも出てくるので、ダイエットでは食事由来のアミノ酸(タンパク質)の供給が途切れないようにして、筋肉をなるべく保存する必要がある。普通の食事で血中へのアミノ酸供給は6時間前後続くし、たくさん食べればもっと長く続くので、ダイエット中は夜に高タンパク質の食事をしっかり食べることが大事になる。

(消化中の食事のカロリーとタンパク質摂取量と肝臓グリコーゲンの残量を計算してどのくらいの絶食時間なら筋肉の減少を抑制できるか考えられる人は、ダイエット中も朝多めにカロリー摂取して夜の摂取カロリーを少なくしても大丈夫だと思うけど、普通の人はそんな面倒なこと考えないだろうから、夜多めに食べるというざっくりしたルールが良いと思われる)


Weight loss is greater with consumption of large morning meals and fat-free mass is preserved with large evening meals in women on a controlled weight reduction regimen.
http://jn.nutrition.org/content/127/1/75.long



関連記事:ダイエットでは夜に炭水化物を集中的に食べよう 

1/30/2014

レプチンについて

レプチンは、身体のエネルギーレベル(脂肪貯蔵とエネルギー摂取)を脳に伝える役割を持つホルモン。代謝率や食欲を変動させて、一定水準のエネルギーレベルに保とうとする。ただし、人間は太りやすさと痩せやすさは非対称。人間にとって飢餓回避が最も重要だったから。

主に脂肪細胞から分泌される。骨格筋や内臓からも少量分泌される。

脂肪細胞は、単なるエネルギーの貯蔵場所ではなくて、内分泌器官であるというのが現在の考え方。レプチン以外にもホルモンを分泌している。

男性は体脂肪率15%くらいからレプチンレベルの問題が大きくなってくる。体脂肪率が10%以下になると、血中のレプチンレベルが検知できないレベルまで低下する。

レプチンレベルは食事内容によっても変化する。特に炭水化物の摂取が重要。

レプチンレベルの変化は速い。減量を始めると、一週間以内にレプチンレベルが30-50%低下する。それ以降は体脂肪率の変化とともに変化していく。

短期間の過食でも、レプチンレベルは回復する。体脂肪が増加するよりも早く。短期間では炭水化物の摂取がレプチンレベルの回復に有効。脂質摂取はおそらく関係ない。脂肪細胞内でのグルコースの代謝がレプチンの合成と分泌に影響。

レプチンの働きは、骨格筋での脂質燃焼促進、脂肪細胞の代謝、肝臓の代謝、免疫機構、脳機能、思春期の始まり、生殖機能、etc。

レプチン抵抗性。太っている人はレプチンレベルが高いけど、レプチン抵抗性の獲得によりレプチンによるシグナルが身体に伝わりにくくなっている。だから肥満の人にレプチン投与しても痩せない。

ダイエットによりレプチンレベル低下した人のレプチンレベルを引き上げるのは効果がある。ただ、注射で注入しないといけないし、現状では手に入るとしても非常に高額。市販もされない。

インスリンレベルの上昇は主に皮下脂肪の増大によってもたらされる。
レプチンレベルの上昇は主に内臓脂肪の増大によってもたらされる。

食事制限でカロリー不足を作っても、運動でもカロリー不足を作っても、レプチンレベルの低下は変わらない。

レプチンレベルが低下すると、他の様々なホルモンに影響が出て代謝低下が起き、食欲が増し、NEAT的な活動量が低下する。

レプチンレベルの低下にどう対応するか。ターゲットとなる場所は、脂肪細胞での生産、脳へのシグナル、脳への輸送。
- 現状ではリフィードが最善手。5時間~3日の期間、高炭水化物・高カロリーの食事を摂る。体脂肪率が低下するほど頻繁にリフィードを行う必要。一回の食事ではレプチンは反応しない。
- 一定期間ごとに10-14日の維持期を入れる。頻度は体脂肪率によって異なる。
- 亜鉛とビタミンEが助けになるかも。
- 定期的な運動がレプチン感受性を高めるかも。
- インスリンとアドレナリンは、レプチンの脳への輸送を増やす。炭水化物中心のリフィードが効くもう一つの理由かも。運動でアドレナリンも有効なのかも。


Bodyweight Regulation: Leptin Part 1-6
http://www.bodyrecomposition.com/fat-loss/the-hormones-of-bodyweight-regulation-leptin-part-1.html
http://www.bodyrecomposition.com/fat-loss/the-hormones-of-bodyweight-regulation-leptin-part-2.html
http://www.bodyrecomposition.com/fat-loss/the-hormones-of-bodyweight-regulation-leptin-part-3.html
http://www.bodyrecomposition.com/fat-loss/the-hormones-of-bodyweight-regulation-leptin-part-4.html
http://www.bodyrecomposition.com/fat-loss/the-hormones-of-bodyweight-regulation-leptin-part-6.html
http://www.bodyrecomposition.com/fat-loss/the-hormones-of-bodyweight-regulation-leptin-part-the-last.html

1/28/2014

減量中のナトリウムと乳製品について

ナトリウム
- 身体の保水量増加は、低ナトリウムに慣れてから高ナトリウムに切り替えると起きる。相対的変化。常に高ナトリウムに慣れて、水分を抜きたい直前に低ナトリウムにすれば抜ける。
- 低ナトリウムのダイエットだと、食後にグレリンが大幅に増加し、代謝率の低下や脂肪貯蔵の増加につながる恐れ。
- 身体が脱水状態だと、脂肪分解が低下し、身体のタンパク質のロスが起きやすい。保水量十分だとその逆。

乳製品
- 減量中の体脂肪減少を増加させる。
- 低カルシウム状態での高タンパク食は骨を脆くする恐れ。乳製品はカルシウム豊富。


結論。減量中も、ナトリウムと乳製品はしっかり摂取しよう。

Contest Dieting Part 1
http://www.bodyrecomposition.com/fat-loss/contest-dieting-part-1.html

1/22/2014

減量期のトレーニング

1. 高強度・低中レップ・普通インターバル。

2. 中強度・高レップ・短インターバルト。
メリットは関節への負荷が低い、消費カロリーが多い、グリコ枯渇、ホルモンリリースうんたら。だけど筋肉の肥大及び維持には、筋肉にかかるテンションが重要なので、減量期にこのトレーニングだけやると筋肉量が減少しやすい。

減量期に一つだけトレーニングをやるなら、「1.高強度・低中レップ・普通インターバル」を選ぶ。ただし、トレーニングを組み合わせるのは構わない。(初心者は除く。初心者は大概のトレーニングが効果的)

減量期はトレーニングのボリュームを落とさないといけない。カロリー不足の状態では回復力が低下するので。(ドラッグユーザーは除く)

維持の為のトレーニングは、強化の為のトレーニングよりもボリュームと頻度を落として良い(強化のためのトレーニングに比べて、それぞれ1/3のレベルまで落として良い)。ただし、強度(扱うウェイト)は維持すること!


Weight Training for Fat Loss Part 1-2
http://www.bodyrecomposition.com/training/weight-training-for-fat-loss-part-1.html
http://www.bodyrecomposition.com/training/weight-training-for-fat-loss-part-2.html

1/19/2014

The Sutubborn Fat Solution メモ

体脂肪率が10%付近まで減量して、そこからさらに筋肉を残しつつ頑固な脂肪を落としたい場合。体脂肪率10%付近までは普通の減量で落とせ。(女性は17%くらい?)

 頑固な脂肪。男の下背部、脇腹、下腹部の脂肪。女の尻・太もも。


HSL(hormone sensitive lipase)の活動レベルが脂肪分解速度に影響を与える

テストステロンやコルチゾールやエストロゲンや成長ホルモンもHSLに影響を与えるが、カテコールアミンとインスリンが重要。

インスリンはHSLを不活性化する。血中のトリグリセリドもHSLを抑制する。何か食べればHSLは抑制される。

カテコールアミンはHSLを活性化する。カテコールアミンはアドレナリンで、副腎皮質から分泌され血液に乗って脂肪細胞に届けられる。

HSLの調整は、cAMPが行う。

アドレナリン受容体が重要。beta-2受容体にカテコールアミンがくっつくとcAMPレベルがあがり脂肪分解が進む。alpha-2受容体にカテコールアミンがくっつくとcAMPレベルが低下し脂肪分解が妨げられる。体脂肪の場所によって、このアドレナリン受容体の分布が異なり、脂肪分解が起きやすい場所と起きにくい場所が出てくる。

血行が良ければ、分解後の遊離脂肪酸が流れていく。悪いとまた脂肪細胞に戻る。筋肉や肝臓に運ばれた遊離脂肪酸は、グリコーゲンが少ないと盛んに燃焼される。

beta-2受容体は脂肪組織の血流増加にも影響。alpha-2受容体は逆。

成長ホルモンは筋肥大に関係ない。脂肪分解に関係ある。

コルチゾールは高いレベルが続くと身体に悪い影響。

甲状腺ホルモン

レプチンは通常より高いレベルにしても痩せる効果はない。低いレベルになると痩せを妨げる効果がある。非対称。
ダイエットの際にレプチンのレベルが下がらないようにするのはダイエットをスムーズにする効果がある。
レプチンは脂肪の分解や燃焼に影響を与える。また甲状腺ホルモンやテストステロンなど他のホルモンにも影響を与える。
体脂肪率が10%を切るとレプチンとても低下。

 atrial natriuretic peptide
《生化学》心房性ナトリウム利尿ペプチド◆【略】ANP

落ちにくい場所の脂肪細胞はアドレナリンalpha-2受容体の割合が高い。
落ちにくい場所の脂肪組織は血行が悪い。

体脂肪の脂肪酸が多価不飽和脂肪酸だと分解されやすい。不飽和脂肪酸だと分解されにくい。

agonistがレセプターにつくと活性化、antagonistがレセプターにつくと非活性化(ブロック)

脂肪分解促進には
- betaレセプターにagonist
- alphaレセプターにantagonist
頑固な脂肪組織はalphaレセプターが多いのでこれをブロックしたい。

4日以上のローカーボ(炭水化物の占めるカロリー割合20%以下)で、alphaレセプターが抑制される。

サプリならヨヒンビンでalphaレセプターが抑制される。

低強度運動 ノルアドレナリン出やすい 落ちやすい脂肪には効くが、頑固な脂肪には効かない。
高強度運動 アドレナリンも出てきて頑固な脂肪を分解しやすい。が、高強度運動では遊離脂肪酸を使いにくい。また乳酸が出て分解を阻害する。運動やめて乳酸濃度低下すると分解されてくる。

インスリンレベル低下、グリコーゲン枯渇時に運動すると頑固な脂肪分解されやすい。

男ならカーボベースの食事と朝食前の有酸素運動で体脂肪を落とせるが、女性の下半身の脂肪はそうはいかない。


★ 頑固な脂肪を落とすプロトコル4つ。組み合わせても良い。SFPは週に2回まで! オーバートレーニングに気をつける!

1. ローカーボ&低強度有酸素運動
ローカーボでalpha-2レセプターを抑制して脂肪組織の血流を上げて、その状態で低強度有酸素運動で脂肪燃焼。運動時間は45-60分。心拍130-140程度。

2. ヨヒンビン&低強度有酸素運動

3. オリジナルの頑固脂肪プロトコル(SFP1.0) 週に2回程度。
- 朝食前に行う(インスリンレベル低い)
- 運動の30分前にカフェイン、ヨヒンビンなどを摂取
- 5-10のウォームアップ
- 10分間のインターバルトレーニングを行う。
- 5分間休憩して、遊離脂肪酸を血中に放出させる。
- 20-40分の低強度有酸素運動を行う。
- 運動終了して一時間後に食事。(
改訂版のSFP1.0
- 一日のどの時間帯でも良い。食事から3時間以上開けるのが理想。
- カフェイン、ヨヒンビンなどのサプリメントは摂らなくても良い。
- 5-10のウォームアップ
- 10分間のインターバルトレーニングか、20分以内の高レップ・短インターバルのウェイトトレーニング
- 5分間休憩
- 20-40分の低強度有酸素運動を行う。
- 運動後すぐ食事して良い。インターバルトレーニング後はインスリンあっても脂肪燃えるらしい
脚の高強度トレの日に、SFP1.0をやるのがいい。脚の回復期間を取れるので。
メニューを無理にこなそうとせず、疲労具合と相談しながらやるのがいい。

4. SFP2.0
- 食事から少なくとも3時間空ける
- できればカフェイン、ヨヒンビンなどのサプリメント
- 5-10のウォームアップ。インスリンレベルを下げる。
- 5分のインターバルトレーニング。10-15秒の最高強度運動と45-50秒の回復目的の低強度運動を5回繰り返す。
- 5分間休憩
- 20-40分の低強度有酸素運動を行う。
- 5-10分のインターバルトレーニング。30-60秒の高強度運動と30-60秒の回復運動。
- 3-5分のクールダウン。
- 運動後すぐ食事して良い。


参考: Lyle Mcdonald / The Stubborn Fat Solution

1/15/2014

チートデイについて


チートデイ(もしくはリフィード)とは。
ダイエット期間中に、意図的に炭水化物中心にたくさん食べる日のこと。カロリー不足が続き体脂肪率が低下してくると、代謝低下が起きて体脂肪が減少しにくくなる。これを戻す働きがあると言われている。

脳を含めての人間の身体は、自分の身体の状態をモニターしていて、痩せてくるとこれを食い止めようとする働きが出てくる。具体的には、甲状腺ホルモンやレプチンのレベルが低下したり、テストステロン低下、コルチゾール上昇などが起きる。体脂肪が減少しにくくなり筋分解が起きやすくなるので、定期的にたくさん食べてこれらの内分泌系の機能を元に戻せたらいいね、という話。

一日程度ドカ食いしたところで、実際に戻るのかは不明。その人の遺伝的体質、食事内容、現在の体脂肪率、トレーニング内容などによって異なるだろうし、各ホルモンによっても低下レベル、低下するまでの期間と回復するまでの期間が異なるだろう。

体重減少が停滞している時にチートデイを入れると、体重がスルスルと落ちる現象がよくある。この現象についての推測は以下の通り。脂肪細胞から脂質が使われてその代わりに水が入り(グリセロールが水を引きつける)脂肪組織が減っていないように見えることがある。炭水化物を大量に摂取するとグリコーゲンと同時に水分が蓄えられることになるが、この時に脂肪組織に詰まっていた水分が引っ張りだされる、またはエネルギー摂取を検知した身体が安心して水を手放すよう何らかのシグナルを出して水分が放出される・・・といったメカニズムで、停滞期のチートデイで体重が一気に減少するのではないだろうか。仮にチートデイで代謝がいくらか戻るとしても、体脂肪減少に必要な消費カロリーを考えれば一日に数100gも体脂肪が減るようになるわけではない。


関連記事:
リフィード(もしくはチートデイ)の効率的なやりかた

ダイエットの原則

1. カロリー収支と体重の関係。
・カロリー不足なら、不足分のカロリーが体脂肪か筋肉の分解によって賄われ、体重が減る。
・カロリー超過なら、超過分のカロリーが体脂肪の増加か、筋肉合成のエネルギーに使われ、体重が増える。ただし、筋肥大は十分なタンパク質を摂取することが条件。
・ダイエットではカロリー不足の状況を作り、その際、筋肉の減少をなるべく抑え、不足分のカロリーが体脂肪の減少によって賄われることを目指す。(臓器や骨などの量も変動するが、相対的に微量なので、筋肉と脂肪の変動量のみを考える)

2. 筋肉と体脂肪の変化量に運動が与える影響
・基本は、強度の高いウェイトトレーニングを行い、身体に筋肉をなるべく残すようシグナルを送り、食事制限でカロリー不足を作り出す。
・有酸素運動は消費カロリーを増やし、カロリー不足を増やす役割を果たす。長期的に見た場合、有酸素運動を行うことで体脂肪が優先的に減っていくことはない。強度の低い運動では運動中に脂肪が使われる割合が高く、強度の高い運動では運動中に脂肪が使われる割合が低いが、運動後の休息時には脂肪が使われる割合が逆転し、24時間で見ると運動強度にかかわらず脂肪が使われる割合は同じくらいになる。カロリー不足の状況では身体の回復能力が低下するので、ランニングなど関節に負担がかかる有酸素運動はあまりやりすぎない方が良い。食事制限でカロリー不足を作ったほうが時間も労力も節約でき、身体負担も軽くなる。体重が軽く消費カロリーが小さくてカロリー不足を作りにくい場合は、補助的に軽い有酸素運動を行う

3. 栄養摂取
・十分な量のタンパク質を摂取するのが最優先事項。ダイエットに並行して運動を行う人は、除脂肪体重1kgあたり2-3gのタンパク質を毎日摂取すると良い。食事量が減るとアミノ酸組成の補完が起きにくくなるので、穀物や野菜のタンパク質は摂取量にカウントしない方が無難。
・他にはEPAやDHAなどの必須脂肪酸、ビタミン・ミネラルが必要。それと健康のためには野菜や果物を食べよう。

 ・目標摂取カロリーから必要タンパク質分のカロリーを引き、残りのカロリーを脂質と炭水化物から摂る。炭水化物やや多めが普通のやり方。ある程度炭水化物を摂って筋グリコーゲンを補充しないと、強度の高いウェイトトレーニングを行えない。
・ダイエットにはGI値は気にしなくて良いが、精製度の低いものをエネルギー源とした方が健康には良い。
・飽和脂肪酸も適度に摂取する。飽和脂肪酸の摂取量が少なすぎると、テストステロンレベルの低下が起きる。 
・食事回数は多くても少なくても体重の増減には関係ない。ただ、プロテイン粉末など消化吸収の早い形でタンパク質を摂取する場合は、食事間隔が空くと血中アミノ酸濃度が低下して筋分解が起こりやすくなり、結果として脂肪が減りにくくなる。通常の固形物で食事を摂る場合は一日3食で十分。無理して4回5回に分ける必要は無い。一日の摂取カロリーを考える。タンパク質の摂取を確保できれば朝多めに食べるか夜多めに食べるかもどうでもいいが、考えるのが面倒な場合は、夜多めに食べる
・メンタル面と内分泌系・神経系の回復のために、週に1,2回くらい通常の食事の範囲内で好きに食べ、1,2ヶ月おきに体重維持カロリーの食事に戻すダイエット休みを2週間ほど入れると良い。

4. 分解と合成
・筋肉も脂肪も、分解と合成が並行して行われている。トータルで見て分解が優勢になれば量が減っていき、合成が優勢になれば量が増えていく。
・体脂肪を減らすには、分解し、臓器や筋肉など脂質をエネルギーとして使う組織へ運搬し、燃焼する、というプロセスを経る必要がある。細かく言えば分解されやすい部位とされにくい部位があるが、身体全体の体脂肪量で見れば、
かなり体脂肪率を低くしない限りは分解はボトルネックにならないので、普通の体脂肪率の人は単純にカロリー不足を作り出すだけで良い。