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11/28/2015

食事回数と量の配分


身体のメカニズムを理解し、フレキシブルに食事を組み立てられるようになると、ストレスを軽減できて良いです。


★食事頻度
1日1食や1日20食といった極端なことをやらない限りは、体組成への影響に違いはない。従って、その人の生活スタイルや一日の総摂取量に合わせて、食事頻度と一回あたりの食事量を決めると良い。

小柄な女性など身体の小さい人の場合、一日の総カロリーが少ないため、食事回数を増やすと一回あたりの食事量が極端に少なくなる。一回あたりがあまりに少ないと食事構成を考えるのも大変だし、食事による満足感を得にくくなる。食事回数は1日3回程度が良いだろう。お腹が空いて気分が不安定になる場合は軽食を入れると良い。




運動量の多いアスリートの場合、食事回数が少ないと一回の食事量が多すぎて食べるのが困難になり、トレーニングにも支障が出る。例えば1日5000~10000kcalを3食だと1食あたりの食事量が膨大になる。従って軽食を交えつつ量を確保できるようにする。




★各食事のカロリー配分

[維持カロリー]
摂取カロリー=消費カロリーの場合。

・各食事が等しいカロリー
一般的な生活スタイルだとこんな感じだろう。図中の赤がタンパク質、黄色が脂質、灰色が炭水化物。肝グリコーゲン残量と血中アミノ酸濃度のイメージ図も付記してある。後述するが、ダイエットの際になるべく筋肉を残し体脂肪を減らすには、肝グリコーゲン残量と血中アミノ酸濃度を意識することが重要になる。




[アンダーカロリー]
維持カロリーから20%程度カロリーカットしてダイエットする場合。

・夕食を少なくするパターン
「寝る前に食べると太る」という迷信から、このやり方をやってる人も多いと思う。この食事パターンだと、食事間隔の空く夕食から朝食の間に肝グリコーゲン残量が尽き、アミノ酸供給も途絶える。そうすると筋分解で得たアミノ酸をグルコースに転換する活動が活発になり、これにより筋肉の分解が合成を上回りやすくなり、筋肉の量が減っていく。




・夕食を多くするパターン
図では夕食を少なくするパターンよりもタンパク質摂取量を多くしてあるのであんまりフェアな比較ではないんだけど、夕食にタンパク質と炭水化物をしっかり摂取することで、筋分解を抑制することが出来る。



・夕食を多くすることの長所
- ダイエット中でもお腹が満たされた状態で眠りにつける。空腹だと寝にくいし、睡眠不足になるとコルチゾールレベルが上がり、ダイエットにも健康にも良くない。
- ダイエット中でも家族や友人と同じ食事を食べることが出来、社会性の維持が可能。
- 高齢者の場合、骨格筋がアナボリック抵抗性を持つようになるので、各食事均等に食べるよりも一食にタンパク質摂取を集中させたほうが筋肉の維持につながる。



[ウェイトトレーニングをする場合]

トレーニングの前後にしっかり栄養が供給されるようにするのが基本。夜にトレーニングする場合は、夕食を多く食べる。



リーンゲインズのようなIntermittent Fastingは、夜にトレーニングをする生活スタイルと相性が良い。私はやったことないけど朝か昼にトレーニングをやって夜にFastingの時間がくると辛いと思う。



ダイエット+ウェイトトレーニングの場合は、全体的にタンパク質摂取量を増やして、炭水化物と脂質を減らす。ウェイトトレーニング後は筋グリコーゲンが回復しやすいのでこのタイミングで多めに食べると良い。筋グリコーゲンは激しい運動をしなければ数日はもつので、シビアに減量する場合は、ウェイトトレーニング後に炭水化物摂取で筋グリコーゲン回復させて、他の食事では炭水化物と脂質をカットし、次のウェイトトレーニングで前回補充した筋グリコーゲンを使ってトレーニングする。



★留意点
摂食障害の経歴がある人は、食事量を変動させるのは避けたほうが良い。各食事が等しいカロリーにするのが無難。


参考サイト:
Meal Frequency and Meal Patterning Part 1 – Book Excerpt

8/30/2015

ダイエット方法の評価軸

1. 継続性
ダイエットで最も重要なことは、消費カロリーが摂取カロリーを上回る状態を続けることである。不足した分のカロリーが、主に体脂肪と骨格筋を分解・燃焼することで賄われ、体重が減っていく。

特定の栄養素を食事から抜く、特定の食品群のみ食べるといったダイエットはカロリー収支をマイナスにしやすく、実行もしやすいので継続性に優れている。ただ、効率性や健康面で問題があるケースもあるし、特定の栄養素を抜いたから痩せるという間違った因果関係で理解すると、いずれは訪れる停滞期で行き詰まる。個人的には、ゆるくやるならこれらのダイエット方法は有用だと思うけど、イモ類や果物の摂取も禁止する厳格な糖質制限や原理主義的なマクロビオティックやパレオダイエットなどは、特定の疾患を持つ人以外が行うのは病的だと思う。下手すると摂食障害にもなるのであまり良い印象を持っていない。食事のおおまかな方針としては役に立つ方法も多いが、そうすると結局は、「加工度・精製度の低い食品(ホールフード)を中心にバランス良く食べ、カロリーオーバーしない食生活が健康によい」というごく当たり前の食事方針に収束する。

空腹感の抑制についての研究は、個人差と主観が入ってくるため興味が持てずあまり読んだことはないけど、一般的にはタンパク質の摂取量を増やすと空腹感が抑えられやすい傾向があるようだ。個人的には、カゼインを含むものを食べる、低カロリーで旨味成分のあるものを食べるといった方法が空腹感を抑えるのに効果を感じている。カゼインは卵やチーズ、脂質をカットしたい場合はカッテージチーズやカゼインプロテインパウダー(ミセラーカゼインがお薦め)。旨味成分のある食品は出汁の効いたスープや、パルミジャーノ等の熟成チーズを少量。


2. 効率性
そのダイエット方法が依拠する理論は生理学的に正しいのか、無駄な努力をせず効率的に結果を出せるか。例えば、糖質制限&ハードな筋トレで短期間で結果を出すことを謳うパーソナルトレーニング系のやり方は、グリコーゲン不足で無駄に苦しく筋肉も維持しにくいので、あまり効率的とは言えない。トレーニング歴のない体脂肪率の高い人なら筋肉減少は起こりにくく、ろくに食べずにハードなトレーニングを行えばカロリー収支のマイナスが大きくなるので体重は短期間で減るとは思うけど、その間はかなり辛いだろうし長期的な体重コントロールの方法を身につけるのも難しいだろう。そしてパワー系アスリートにこんなやり方をさせるのはマズイ(よく春先になるとプロ野球選手がこういった方法でダイエットしたというニュースが出てくる)。


3. 健康面
サラダのみ食べていてもジャンクフードのみ食べていても、カロリー収支がマイナスなら体重は減っていく。でもこういったダイエット方法は健康には良くないだろう。

健康によいダイエット方法の基本は以下の通り。
タンパク質の摂取量を増やし、炭水化物と脂質の摂取をほどほどにする。
・加工度・精製度の低い食品を中心に、多品目をバランス良く食べる。
・ジャンクフードやお菓子やアルコールはほどほどに。カロリーコントロール出来るなら何を食べても良いが、これらの食品は微量栄養素が乏しいので食事の大半を占めるような食べ方はNG。大雑把な目安としては、摂取カロリーの1~2割まではこれらの食品を食べても問題ないと思う(私はお菓子もビールも好きです)。
・たいていのものは適度に食べれば問題は無く、食べ過ぎれば当然身体には毒となる。All or Nothing で考えない方が良い。
・筋肉量の維持のためにウェイトトレーニングを行う。健康面への効用もある(詳細は失念)。
・標準以上の体脂肪率の人にとっては有酸素運動は消費カロリーを増やす効果のみで優先的に体脂肪を減らす効果は無いが、ウェイトトレーニングとは異なる健康面への効用(たしか循環器系への効用)があるので、疲れを溜めない程度にやると良い。

8/19/2015

栄養素の貯蔵と引き出し


★マクロ栄養素
多量に消費される栄養素。ビタミン・ミネラルなどはミクロ栄養素。
・炭水化物
・脂質
・タンパク質
・(アルコール)


★主なエネルギーの貯蔵場所
・炭水化物:肝臓と骨格筋にグリコーゲンとして貯蔵される。個人差があるが肝臓に50g程度、骨格筋に350-450g程度。カーボローディングを行えばもっと貯蔵できるが、最大限貯蔵しても一日の必要エネルギーに満たない程度。
・脂質:体脂肪。ほぼ無制限にエネルギー貯蔵でき、数ヶ月分の必要エネルギーを蓄えることも可能。
・タンパク質:筋肉や臓器。10-15kgくらい。身体機能の構成要素でもありエネルギー貯蔵場所でもある。分解してエネルギーを取り出すことはできるが、通常はエネルギーの貯蔵・引き出し場所としては用いられない。
・アルコール:身体には貯蔵できない。


★摂取栄養素が活動エネルギーに使われる優先順序
身体の貯蔵容量に対しての摂取量が大きいほど、優先的にエネルギーとして使われる。

貯蔵余地があまりない栄養素が入ってきたら、それは優先的に使われる。炭水化物は摂取量に対して貯蔵容量が小さいので優先的に燃焼されエネルギー利用される。タンパク質はその次。脂質はエネルギー利用の優先順序が低い。

タンパク質、炭水化物、脂質を含む通常の食事たくさん食べると、炭水化物、タンパク質が優先的にエネルギー利用され、あまったエネルギー分の脂質が体脂肪として貯蔵される。

炭水化物やタンパク質からも脂質を合成して体脂肪として蓄えることは出来るが、変換によりエネルギーの一部が失われる。飢餓との戦いで進化してきた人間の身体は、エネルギーを無駄遣いするようなことは避けるので、通常は炭水化物から脂質はあまり合成されない。グリコーゲン貯蔵を高水準にし、さらに炭水化物を大量摂取すれば脂質合成が活発に行われるようになる。アルコールは貯蔵できないので、最優先で代謝される。



★カロリー収支の原則

(カロリー収支) = (摂取カロリー) - (消費カロリー)

カロリー収支がプラスなら、余ったカロリーが身体に貯蔵される。

細かいことを言うと、食べたものの一部は消化吸収されずにウンコとして排泄されるし、糖尿病のように消化吸収された栄養素が利用されずに尿から排泄されるケースもあるが、簡便のため摂取カロリーを身体が利用するエネルギーとする。

お金の収入と支出のバランスと同じで、収入が支出を上回れば、余った分が貯蓄として増えていく。お金はいつ収入があっても、分割または一括して収入があっても、紙幣や小銭などどのような形であっても、トータルの収支バランスの結果が貯蓄の増減を決める。カロリー収支も同様で、食べる時間帯や一日の食事回数がどうであっても、エネルギーの形が脂質でも炭水化物でも、トータルのカロリー収支のバランスの結果が体重の増減を決める。

筋肉を例えるなら・・・自動車などの耐久財かな。生活を便利にするものだが、維持コストがかかる。貯蓄(体脂肪)が少なくなってくると、換金され支出に回される。

従って、夜食べると太るとか、食事回数を増やすと太りにくいだとか、食べる順ダイエットとか、GI値とか、MCT(※1)とかは体重増減の観点からはナンセンス。トータル収支がプラスなら余ったエネルギーが貯蔵され体重は増えるし、マイナスなら蓄えたエネルギーが引き出され体重が減る。ウェイトトレーニング無しの減量では、体脂肪と筋肉の両方が減少する。

※1:中鎖脂肪酸。通常の脂質よりも優先的に代謝される。厳密には、MCTは他の脂質よりも食事誘発性熱産生が大きいので、身体が利用できるエネルギーが同質量の他の脂質よりも少なくなり太りにくいとは言える。

ダイエットの時の食事は、タンパク質多めで、残りのカロリーを炭水化物と脂質からそれぞれほどほど摂取するのが良い。炭水化物が少なすぎるとレプチンレベルが低下し消費エネルギーの減少をもたらす。また、筋グリコーゲンレベルが低いと強度の高いウェイトトレーニングが行えず、筋グリコーゲンレベルが低いままだと筋肉が分解されやすくなり、筋肉の維持が困難になる。脂質(飽和脂肪酸)の摂取量が少なすぎるとテストステロンレベルが低下する。従って、炭水化物が少なすぎても脂質が少なすぎても、なるべく体脂肪を減らし筋肉を維持するという観点では非効率なダイエットになる。

食事回数は1日3回なら特に気にしなくて良い。1日1回だと絶食時に筋肉の分解→糖新生によるエネルギー供給が起きやすくなり、その分体脂肪が減少しにくくなる。1日2回の食事は、消化に時間のかかるタンパク質を意識して摂取し身体へのアミノ酸供給が維持されるようにすればOKだけど、考えるのが面倒な場合は1日3回食べましょう。

いわゆる飢餓モードは3-4日間絶食すればなるが、1食抜いたくらいではならない。食事量を少なくした後に一気に食べると、減っていたグリコーゲンと水分が回復し体重が大幅に増える。でもこれは体脂肪が何kgも増えたわけではない。体脂肪の増減と、グリコーゲン+水分の増減を区別することが重要。


★体脂肪の分解
通常の体脂肪率の人の身体においては、体脂肪の分解はボトルネックにならない。体脂肪の分解と貯蔵は日々行われている。時間当たりの消費エネルギーを考えれば、食後はエネルギー収支プラスで脂肪貯蔵と炭水化物貯蔵と筋肉合成(タンパク質貯蔵)が行われ、食間にはエネルギー収支マイナスになり貯蔵からの引き出し(分解・燃焼)が行われる。

体脂肪率が10%台前半(※2)になってくると、定期預金のように分解されにくい頑固な脂肪の問題が出てくる。これに対処するにはテクニックが必要になる。

※2:男性の場合。女性は+7%程度して考える

貯蓄がわずかしかないのにフェラーリや自家用ジェットを所有するような人は常識的な価値観からすると気違いじみているが、わずかな体脂肪で大量の筋肉を保有しようとするのはこれと似た行為であり、飢餓を避けようとする身体から見れば気違いじみている。そのためどうにかしてそれを避けようと、体脂肪率が低くなればなるほど、支出(エネルギー消費)を減らし、貯蓄(体脂肪)を守り増やし、筋肉を優先的にエネルギー源にしようとする。これに抵抗するには、ウェイトトレーニングで筋肉に負荷を与えこの組織をなるべく残すよう身体に指示する、分解されにくい頑固な脂肪を分解するような食事とトレーニングを行う、トレーニング(もしくは薬物)により摂取カロリーが脂肪ではなく筋肉になるべく回されるようにする、といった方法で減量を行う必要がある。

運動歴の無い体脂肪率の高い人は、貯蓄が豊富にあり車を持ってない人に例えられる。このような人は、トレーニングにより体脂肪減と筋肉増を同時に行うことができる。



関連記事:
ダイエットの原則

The Sutubborn Fat Solution メモ (頑固な脂肪について)

3/06/2014

Alan Aragon に聞く栄養の基礎


1. 筋肉を増やしたり体脂肪を減らしたりといった身体組成の変化を扱う場合、マクロの栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物の割合)とカロリーが同じならば、どんなものを食べるかは問題にはならないか? 例えばハンバーガーとプロテインシェイクの食事と、チキンとブロッコリーとオリーブオイルとアーモンドといった健康的な食事を比べた場合、筋肉と体脂肪について言えば結果は同じか?


A. 身体組成についていえば、食事内容は問題にはならない。食物繊維の摂取量や、固形物か流動食かといったことに伴う満足感の問題が起こる可能性はあるが。健康意識をそれなりに持ち、ジャンクフード中毒者のようには食べない人は気にしなくて良い。


2. 夜に食べると不必要に体重が増加するか? 特に炭水化物を食べると?

A. 脂肪燃焼が、起きている間に多いか寝ている間に多いかは問題にはならない。問題になるのは24時間での脂肪のバランス、つまり脂肪合成と脂肪燃焼の差である。もし昼間あまり食べず、夜多く食べた場合、脂肪燃焼は昼間に多く起こる。逆の食事パターンだったら、夜に脂肪燃焼が多く起こる。結果、24時間での脂肪のバランスは同じになる。その時間帯に何らかの活動をすることでエネルギー摂取の増加が必要になるのでない限りは、昼に多く食べて夜に少なく食べることは、身体組成の変化にとって本質的には役に立つわけではない。


3. ワークアウト後の炭水化物摂取は必要か? タンパク質と脂質を含む食事は同じくらい効果的か? インスリンレベルの急騰が役に立つといった考えは正しいのか。

A. ワークアウト後がアナボリックの好機であるという考え方は、とても誤用され乱用されている。一日に複数回のグリコーゲン枯渇を伴う活動をする持久運動のアスリートでない限りは、ワークアウト前の栄養摂取によりワークアウト後の栄養摂取の緊急性はほぼ無くなる。最近の研究によれば、45gのホエイ・アイソレートの投与は、血中アミノ酸レベルをピークにするのに約50分かかり、それに伴うインスリンレベルの上昇はホエイ投与から40分後にピークになり、投与後120分間は筋分解を抑制する水準を超えたままであった。この投与では、インスリンとアミノ酸レベルが元に戻るまで3時間かかった。炭水化物をこれに加えれば、インスリンとアミノ酸のピークレベルを高くし持続時間をより長くするだろう。

アナボリックチャンスはワークアウト後のごく短い時間だとか、トレーニング中にアミノ酸を摂取しなければならないといった戯言はもうやめよう。ワークアウト前に栄養摂取をしておけば、トレーニング中から血中に栄養素が出回り、それはトレーニング終了後も続く。ワークアウト前の栄養摂取がない場合でさえ、ワークアウト後の食事のアナボリック効果は、ワークアウト前の栄養摂取がないことを補う形で増加する。また最近の研究では、ワークアウト後のタンパク質と炭水化物の投与は、タンパク質のみの投与に比べてネットでの筋肉量をより増やすことは無かった。炭水化物を加える事が逆効果になると言うわけではないが、最適の結果を得るためにはワークアウト後すぐに炭水化物を大量摂取しないといけないという考えは疑わしい。

多くの人が認識していないことは、ワークアウト後に短い時間だけ起こる魔法のようなアナボリックのタイミング(日本だと所謂ゴールデンタイム)なんてものは存在しないということだ。トレーニングを行えば、タンパク質摂取に対する筋肉の反応は少なくとも24時間は続く。


4. 多くの人は、炭水化物の摂取が日々の活動や、ジムでのトレーニングに必要なエネルギーを与えるのに必要であると考えている。脂質とタンパク質で主に構成された食事でも、同じようにエネルギーを与えるのだろうか?

A. 何を目標とするかによる。ざっくりとした言い方をすれば、個人の好みと許容度次第だ。気晴らし程度の運動目的なら、単純に一日のマクロ栄養素の目標を守ることが重要だ。


5. ケトジェニック・ダイエット(厳しい糖質制限ダイエット)は、体脂肪燃焼をより効果的に行うのか? それとも維持カロリー以下の摂取カロリーにすることが最も重要なのか?

A. ケトジェニック・ダイエットは体脂肪減少についてに何ら特別な効果はない。これはコントロールされた長期の研究で繰り返し示されている。よくあるデザインの悪い研究は、タンパク質の摂取量を揃えていないものだ。

タンパク質の摂取量を揃えれば、代謝上わずかに優位性があるのは、炭水化物が多いダイエットだ(理由は書いていないが食事誘導性体熱産生やDNL変換でのロスやレプチンレベルが関係していると考えているのだろうか)。まあともかく、炭水化物中心か脂質中心かについては、どっちかに極端に偏った食事にするのでなく、大雑把な中間的な立場が良いだろう。個人の炭水化物の必要性は許容度や好みや目標によって大きく違う。ある人にとっては炭水化物が少ない方が効果的だし、他の人にとってはそうではない。


6. 複雑な炭水化物と二糖類などのシンプルな炭水化物について。体組成変化を扱う場合になにか違いはあるか。満足感とか。GI値の違いとか。

A. 炭水化物の複雑さと満足感にははっきりとした関連性があるわけではない。しかしながら、含まれる微量栄養素の観点からnon-milk extrinsic sugars(砂糖など)の摂取割合は抑えた方が良いだろう。
GI値についていえば、以下の条件を全て満たさない限りは、糖尿病患者を含む全ての人にとって関係ない。
- 高炭水化物/低タンパク質/低脂質/低食物繊維の食事
- 慢性的なオーバーカロリーの状態
- 座ってばかりで運動せず


7. 玄米や全粒粉にはビタミンやミネラルの吸収を阻害する物質が含まれていて、吸収される栄養的には精製された食品に比べて単に高価格なだけであるというのは本当か?


A. 本当だ。玄米は窒素保持に劣り、生体の利用できる微量栄養素の観点では優位性が無い。


8. 一日の食事回数について。カロリーとマクロ栄養素を満たした場合、一日の食事回数に最善の方法はあるか。

A. 結論から言えば、食事回数は個人の嗜好や許容度や目標に沿って決められるべきだ。食事回数を多くすることに代謝上の優位性は無い。コントロールされた研究で繰り返し示されている。


9. 全卵を食べるとコレステロール値に影響するか?

A. 全卵を食べるとLDL値とHDL値が上昇する傾向がある。しかしこのLDL値の上昇は動脈硬化に対してニュートラルな副画分でのものだ。だからリラックスして良い。全卵に含まれる脂質はちゃんとマクロ栄養素にカウントするように。


10. 一回に吸収できるタンパク質の量に上限はあるのか? そうだと仮定すれば、タンパク質を摂取するベストのタイミングはワークアウト後と朝なのだろうか?

A. いいえ。一日のトータルの摂取量を満たせば、それでうまくいく。

 Intermittent Fastingで良い結果を出している人々は一部の成功者なのか、それとも人間の身体は一定時間内の食事で残りの一日を効率的にやっていくことが出来るのか?

A. IFの成功例は、食事を効率的に消化し同化する身体の能力を示している。すごいカラダをしている人は多い食事回数によるものだと人々は思い込んでいるが、それは正しくない。IFの成功例は、人間の身体は我々が認めているよりも賢いという事実を強固にするものだと私は考える。


その他のQA

- もしたくさん飲み食いしてしまったら、どのようにリカバーして元のペースに戻すのがベストか?

A. くよくよせず、目標に向かってこれまでどおりのことをやれ。

- 寝る前にカゼイン摂取は必要か? 他のタンパク質は?
A. 高品質の様々な食材を適切な量食べていれば、寝る前のカゼインは成功にとって重要ではない。どのような高品質のタンパク源も有効。どのみちトータルのタンパク質摂取の一部分でしか無い。

- トータルのタンパク質摂取量が十分な場合、BCAAの摂取は効果があるか?
A. トータルのタンパク質摂取量が十分なら、追加で摂取するBCAAはプラシーボ効果はあるだろう。

- Nutrient-Partitioners(筋肉にエネルギーを送り込んで、脂肪を分解すると謳うサプリメント)は試す価値があるか?
A. 個人的には、人間を対象として体組成やパフォーマンスにポジティブな効果があることを示すエビデンスを見たことがない。ただ全部チェックしたわけではないので、もし見る価値のあるデータがあるなら送ってほしい。


参考:
Nutrition Facts 101: Alan Aragon
http://fitnfly.com/learn-about-food/nutrition-facts
http://fitnfly.com/learn-about-food/nutrition-facts-2

1/15/2014

ダイエットの原則

1. カロリー収支と体重の関係。
・カロリー不足なら、不足分のカロリーが体脂肪か筋肉の分解によって賄われ、体重が減る。
・カロリー超過なら、超過分のカロリーが体脂肪の増加か、筋肉合成のエネルギーに使われ、体重が増える。ただし、筋肥大は十分なタンパク質を摂取することが条件。
・ダイエットではカロリー不足の状況を作り、その際、筋肉の減少をなるべく抑え、不足分のカロリーが体脂肪の減少によって賄われることを目指す。(臓器や骨などの量も変動するが、相対的に微量なので、筋肉と脂肪の変動量のみを考える)

2. 筋肉と体脂肪の変化量に運動が与える影響
・基本は、強度の高いウェイトトレーニングを行い、身体に筋肉をなるべく残すようシグナルを送り、食事制限でカロリー不足を作り出す。
・有酸素運動は消費カロリーを増やし、カロリー不足を増やす役割を果たす。長期的に見た場合、有酸素運動を行うことで体脂肪が優先的に減っていくことはない。強度の低い運動では運動中に脂肪が使われる割合が高く、強度の高い運動では運動中に脂肪が使われる割合が低いが、運動後の休息時には脂肪が使われる割合が逆転し、24時間で見ると運動強度にかかわらず脂肪が使われる割合は同じくらいになる。カロリー不足の状況では身体の回復能力が低下するので、ランニングなど関節に負担がかかる有酸素運動はあまりやりすぎない方が良い。食事制限でカロリー不足を作ったほうが時間も労力も節約でき、身体負担も軽くなる。体重が軽く消費カロリーが小さくてカロリー不足を作りにくい場合は、補助的に軽い有酸素運動を行う

3. 栄養摂取
・十分な量のタンパク質を摂取するのが最優先事項。ダイエットに並行して運動を行う人は、除脂肪体重1kgあたり2-3gのタンパク質を毎日摂取すると良い。食事量が減るとアミノ酸組成の補完が起きにくくなるので、穀物や野菜のタンパク質は摂取量にカウントしない方が無難。
・他にはEPAやDHAなどの必須脂肪酸、ビタミン・ミネラルが必要。それと健康のためには野菜や果物を食べよう。

 ・目標摂取カロリーから必要タンパク質分のカロリーを引き、残りのカロリーを脂質と炭水化物から摂る。炭水化物やや多めが普通のやり方。ある程度炭水化物を摂って筋グリコーゲンを補充しないと、強度の高いウェイトトレーニングを行えない。
・ダイエットにはGI値は気にしなくて良いが、精製度の低いものをエネルギー源とした方が健康には良い。
・飽和脂肪酸も適度に摂取する。飽和脂肪酸の摂取量が少なすぎると、テストステロンレベルの低下が起きる。 
・食事回数は多くても少なくても体重の増減には関係ない。ただ、プロテイン粉末など消化吸収の早い形でタンパク質を摂取する場合は、食事間隔が空くと血中アミノ酸濃度が低下して筋分解が起こりやすくなり、結果として脂肪が減りにくくなる。通常の固形物で食事を摂る場合は一日3食で十分。無理して4回5回に分ける必要は無い。一日の摂取カロリーを考える。タンパク質の摂取を確保できれば朝多めに食べるか夜多めに食べるかもどうでもいいが、考えるのが面倒な場合は、夜多めに食べる
・メンタル面と内分泌系・神経系の回復のために、週に1,2回くらい通常の食事の範囲内で好きに食べ、1,2ヶ月おきに体重維持カロリーの食事に戻すダイエット休みを2週間ほど入れると良い。

4. 分解と合成
・筋肉も脂肪も、分解と合成が並行して行われている。トータルで見て分解が優勢になれば量が減っていき、合成が優勢になれば量が増えていく。
・体脂肪を減らすには、分解し、臓器や筋肉など脂質をエネルギーとして使う組織へ運搬し、燃焼する、というプロセスを経る必要がある。細かく言えば分解されやすい部位とされにくい部位があるが、身体全体の体脂肪量で見れば、
かなり体脂肪率を低くしない限りは分解はボトルネックにならないので、普通の体脂肪率の人は単純にカロリー不足を作り出すだけで良い。