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7/12/2024

ブリッジとベタ寝を比較した研究(ベンチプレス)

ブリッジをした場合と、ブリッジをしなかった場合のベンチプレスの1RMや挙上距離を測定した研究です。

Flat-Back vs. Arched-Back Bench Press: Examining the Different Techniques Performed by Power Athletes
https://journals.lww.com/nsca-jscr/fulltext/9900/flat_back_vs__arched_back_bench_press__examining.422.aspx


<研究内容>

被験者:15名(男性13名、女性2名) 平均年齢29歳 体重87.5kg 身長176.8cm 10名がパワーリフター 3名がウェイトリフター 2名が投擲競技の選手 ベンチプレス平均1RMはベタ寝で体重の1.38倍

フォーム:被験者がそれぞれブリッジを組んでベンチプレスをした場合(アーチ)と、ベタ寝でベンチプレスをした場合(フラットバック)の、1RM、挙上距離、挙上速度、筋電位を測定し比較する。

「アーチ」のフォームは、腰を反る、肩甲骨を寄せるくらいしか書かれてないので、たぶん各自がやりやすいやり方で実施しています。

「フラットバック」のフォームは、腰椎をニュートラルします。いわゆるベタ寝ですね。胸椎については記述がありませんが、胸椎もニュートラルだと肩が危ないのでさすがに胸は張っていると思います。

各自やりやすい手幅で行うが、アーチとフラットバックのフォームで手幅は揃える。

両フォームとも、尻はベンチにつける、かかとは床につける。


4/19/2024

ベンチプレスで足を置く位置

動画:【ウッシー有料級指導!】ベンチプレス100kgへの道
https://www.youtube.com/watch?v=o13E6dMansU

ベンチプレスで足を置く位置について、パワーチューブの動画を見てちょっと思ったことを。

動画では足を遠くに置くのを推奨していますが、おそらくこれは小柄な人向けのフォームで、大柄な人はやりにくいと思います。


5/10/2023

効かせるベンチプレスとデッドリフトで関節を壊した実例

昔からYouTubeで動画を投稿しているボディビルダーのカトちゃんさん。個人的には、年齢も近く、誠実そうな人柄に好感を持っています。しかし・・・晒すようで申し訳ないですが、関節を壊すフォームの実例として取り上げさせていただきます。


まずはベンチプレスから。

こちらは、2021年7月の動画でベンチプレスで肩痛が発生した時のものです。大胸筋に効かせるフォームでのベンチプレスです

動画:【筋トレ】ベンチプレスで肩痛!ダンベル種目に変更した減量中の胸のトレーニング&トレ後の減量食【解説付】
https://www.youtube.com/watch?v=0u-Xo_mLIEw


下は2022年10月の動画です。腱板断裂とのことで、このあと手術を受けていました。上の動画だと右肩を痛めていましたが、腱板断裂したのは左肩とのことです。両肩ともだいぶ消耗していると思います。

動画:【ご報告】左肩の腱板が断裂してました。原因や症状、治療やトレーニングの計画などについて
https://www.youtube.com/watch?v=BQAgbHTLUjg


4/19/2023

ベンチプレスのグリップでは人差し指は頑張らない理論

ここで目指すベンチプレスは、怪我をしにくいフォーム、パワーリフティング寄りのフォームです。筋肥大のためのベンチプレスではなくて、ベンチプレスのためのベンチプレスのフォームです。


下の画像のように、人差し指を中指・薬指と揃えて深く握ると、負荷が「拇指球→橈骨」にかかりやすいです。




この位置に乗せるデメリットはいくつもあって、

・拇指球のあたりの関節や、手首を痛めやすい。

・拇指球の出っ張りがあるため、小指側の掌底に乗せるよりも高い位置に乗せる必要がある。そのため、バーを胸に付けるには、より深く肘を降ろさないといけない。

・上腕三頭筋を使いにくい。上腕三頭筋の腱が付着しているのは尺骨なので、橈骨側に負荷を乗せると上腕三頭筋を使いにくい。

・肘を絞りにくい。ベンチプレスで怪我をしにくいフォームでは、上腕骨を外旋させて肘を絞る動作が必須なのですが、人差し指を深く握り込むとこの動作をやりにくくなります。

・握り込むことで、肘を痛めやすい(上腕骨内側上顆炎)。

ベンチプレスが厄介なのは、本能的に大胸筋に力を入れやすいのは、人差し指を深く握り込み、橈骨に負荷を乗せるフォームなこと。意識して訓練しないと、人類はほぼこのフォームになります。


11/11/2022

ベンチプレスのレップ数が増える呼吸法

一言で言うと、ハイパーベンチレーションを使います。ハイパーベンチレーションは、速いペースで深く息を吸って吐くのを繰り返す呼吸法で、素潜りの時間を伸ばすのに使われます。

素潜りでは、ハイパーベンチレーションを行うことで血液中の二酸化炭素濃度を低下させ、これにより脳が息苦しいと感じるタイミングを後ろにずらし、長く潜っていられるようになります。取り込む酸素の量が増えて長く潜れるようになるのではなくて、息苦しさを感じにくくなることで長く潜れるようになります(やりすぎると水中で酸素不足になって意識消失して死亡するケースもあります)。

筋トレでハイパーベンチレーションを使う場合の想定効果は、血液中の二酸化炭素濃度を低下させることで血液と筋肉をアルカリ性に傾け、無酸素解糖系で発生する水素イオンによる酸性化を緩衝することで疲労を遅らせ、中・高レップのセットの最大レップ数を増やします。水素イオンによる酸性化の緩衝作用の点では、ベータアラニンや重曹や水素水と同じです。

疲労について詳しく知りたい方は、関連記事を参考に。

関連記事:疲労のメカニズム

関連記事:水素水の運動パフォーマンスへの効果


10/14/2022

ベンチプレスの握りが簡単に決まる小技


まず初めに、感情線のあたりに指先を押し付けながら、中指、薬指、小指を握ります。



小指側がやや下がるように握ります。


10/23/2021

前腕の回内・回外の可動性はけっこう大事

前腕をスムーズに捻れる(回内・回外できる)ことは、筋トレでけっこう大事です。ベンチプレスはストレートバーに合わせて握る必要があるので、前腕が十分に回内できないと手首や肩に捻れストレスがかかり、痛めやすくなります。

特にナローで握ってお腹側にバーを下ろす場合は、要求される回内角度が大きくなります。ベンチプレスは上腕を外旋させる必要があり、さらにバーを握るときに親指が邪魔になるので(サムアラウンドの場合)、回内角度が大きくなります。ナローグリップのボトムでの脇角度を45°とすると、リラックスした状態で脇角度45℃くらいで手の甲を真上に向けるには回内角度45°でOKですが、ベンチプレスの身体の使い方だと70-80°くらい回内角度が必要です。

ワイドグリップだとスムーズに下ろせるけど、ナローグリップだと手首・肘・肩が詰まる感じがしてスムーズに下ろせない、といった場合は回内の可動性に問題があるかもしれません。

他に前腕の捻りが要求される種目には、ストレートバーでのアームカールや逆手懸垂があります。これらの種目では、前腕を十分に回外する必要があります。

今回の記事では、前腕の回内・回外がスムーズに出来ない場合のケア方法について書いていきます。


回内・回外の説明

前腕を外側に捻るのが回外、内側に捻るのが回内です。正常な可動域は、回内と回外それぞれ90°くらいです。脇を閉じて肘を直角に曲げた姿勢で、回外した時は手のひらが上を向く、回内した時は手の甲が上を向く(下の写真の状態)なら十分な可動域があります。


動画:その腕ちゃんと回せてる?「回内・回外」編 ~家族でできるROM(関節可動域)検査/練習~ 医療学生も必見!
https://www.youtube.com/watch?v=x4mSfCXRuUs


9/20/2021

手と指のケア(ベンチプレスの手首痛対策)


ベンチプレスで手首や手が痛くなる場合、下の動画のケアがおすすめです。手は細かい骨の集まりで構成されていて、これらの細かい骨同士が凝り固まっていると力が正しく伝わらなくなり、変なところに痛みが出たりします。そうならないように骨同士をほぐしていきます。

動画:【やってないならチャンス】手を強化すればもっとパフォーマンスが上がる
https://www.youtube.com/watch?v=0qPbI5AkA94



動画:指を絶対に軽視してはならない理由【必ず強化してください】
https://www.youtube.com/watch?v=ZBv8QErK6X4

2つ目の動画にある指をクリクリ回すケアは、下の動画の最後のほうで鈴木祐輔選手もやってますね。

動画:【神回】世界チャンピオンに教わるベンチプレス200kgあげる方法がヤバすぎた!!【鈴木佑輔】
https://youtu.be/fEfgH94VhYw?t=465


パワーリフターの人の動画で、ベンチに手をあてて体重をかけてやる手首のストレッチが推奨されている場合があるのですが、個人的にはこのストレッチには慎重になったほうが良いかなと思います。関節が固い人にはいいのかもしれませんが、 私はこれをやると手首が緩くなって痛めやすくなります。手首の曲げ伸ばし(掌屈・背屈)のストレッチは、反対側の手を当てて軽く伸ばす程度で良いと思います。

手と指のケアは、ジムに行く途中に歩きながらでも出来ますし、ベンチプレスのセット間インターバルでも出来るので、手首や手の調子が悪い方は試してみてください。

ちなみに足も同じように細かい骨で構成されているので、同じようなやりかたでほぐすことが出来ます。寝る前にやると、じんわり温かくなって気持ちが良いです。

9/18/2021

ベンチプレスで重要な脇の締め方(スクワットやデッドリフトにも使える)

バーベル種目をやる時に、前鋸筋に力を入れて肩甲骨を肋骨にぴったり張り付ける感じにし、両腕と胴体の間を窮屈にすると、肩周りや体幹が安定します。自分で実践していたのですが、この感覚って人に伝えにくいなと思ってました。

スポーツ向けの動画なのですが、この感覚(=脇を締める)を言語化していて、感覚を掴むためのエクササイズも構築しているので紹介します。自在に脇を締められるようになると、身体コントロールのレベルが上がり、パフォーマンス向上や怪我防止に効果的なので、バーベル種目をやる人も是非感覚を掴んで欲しいです。バーベル種目は脇を締めっぱなしで良いので比較的簡単です。動きの激しいスポーツだと、締めと緩めを切り替えていく必要があります。

動画:【肩甲骨操作】体幹の力をフルで腕につなげるためのトレーニング方法
https://www.youtube.com/watch?v=LCbcC3IufLM



9/11/2021

ベンチプレスのバーの握り方とブリッジ

前回の記事の続きです。

関連記事:ベンチプレスでの肩甲骨の動き

今回は、バーの握り方とブリッジについて。  

 

バーを握る手幅と握り方

バーの握り方の基本は、手首を寝かせて、指の付け根から被せるように握ります。指先で握ると肩を怒らせる力の入れ方になりやすいですし、バーを手の甲側に押し込むことになるので、手首に負担がかかります。指の付け根を曲げて握ると、手の甲側にバーが転がりにくくなるので、手首を寝かせても手首を痛めにくくなります。


上級者の人がバーは強く握り込まないと言っている場合もありますが、ピンポイントで前腕骨に荷重を載せられるのが前提なので、慣れないうちは親指以外の指(特に小指)をしっかり握って、バーがズレないようにするのも良いと思います。指の付け根から強く握ろうとしても、わしづかみのようにはならないので困ったことにはなりにくいです。

親指に力を入れると、拇指球のあたり(親指の付け根付近)が固く盛り上がって、バーを乗せにくくなるので、親指には力は入れないほうが良いです。拇指球付近の肉厚な部分を柔らかくしておいて、そこにバーを「むにゅっ」と押し付けると安定します。

 

8/28/2021

ベンチプレスでの肩甲骨の動き

最近、苦手なベンチプレスをちゃんとやろうと試行錯誤しているのですが、身体の使い方が結構しっくりくるようになってきました。

ベンチプレスは日本のレベルが非常に高くて、トップレベルのベンチプレッサーの方々が解説しているYouTubeが勉強になります。中でも鈴木佑輔選手の動画がわかりやすくて、自分には合っていました。


動画:ベンチプレス動作 詳細解説【SBDアスリート】鈴木 佑輔
https://www.youtube.com/watch?v=3l7IIc9Cx1Y


肩甲骨と腕の動きを理解する上で前提となる考え方が、

バーがトップポジション付近にある時(a)と、バーがミドルレンジを上下動する時(b)とでは、安全性と出力面で最適となる肩甲骨と腕の位置が異なる。

(a)「バーがトップポジション付近にある時」というのは、ラックアップ直後と、一度下ろしてから挙げていき、最後に肘を伸ばし切る位置です。

(b)「バーがミドルレンジを上下動する時」は、ラックアップ後に肘を絞ってスタートポジションに持っていき、そこからボトム付近まで下げて挙げてをするレンジです。


(a)と(b)とで、肩甲骨と腕の位置が違ってくるので、(a)から(b)、(b)から(a)にバーが移動するときは、それに合わせて肩甲骨と腕の位置を変えると、怪我リスクを小さくしつつ、高い出力を出せるフォームになります。


5/15/2021

パワーリフティングのケガ率/BIG3の調整

過去のパワーリフティングのケガ率の研究で、パワーリフティングのケガ率は低いというものがあります。同じようにウェイトリフティング(五輪の重量挙げ)のケガ率が低いという研究もあり、マッチョ寄りのフィットネス業界ではそれらの研究をもとに「バーベルを使ったウェイトトレーニングは、正しく行えばケガ率が低く安全である」と言われることが多いです。

しかし、それらの研究での怪我は、トレーニングや試合出場を中断せざるを得ないレベルの怪我のことでした。今回紹介する研究では、怪我を「痛みと、トレーニングに影響を与える機能障害」と定義し、記録上位25%のエリートレベルを除くパワーリフターにアンケートを送って、現在の怪我、過去12ヶ月の怪我について回答を集めています。調査はスウェーデンで行われました。

Prevalence and Consequences of Injuries in Powerlifting: A Cross-sectional Study
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5954586/

バーベルを使って趣味でBIG3をする場合、パワーリフティング系、特にRippetoeのスターティング・ストレングスのやり方をする人も多いと思います。このブログの過去記事にもスターティング・ストレングスのやり方は紹介していますし、自分もそのやり方をやっていました。

ただ、趣味でBIG3をやるなら、パワーリフティング系のやり方から何箇所か調整したほうが、怪我リスクを下げられます。

今回のパワーリフティングの怪我リスクの研究をもとに、BIG3で怪我をしやすい部位、原因、趣味でやる場合の調整方法などを考察していきます。

(今回はパワーリフティングについての研究なのでパワーリフティングのみ取り上げていますが、ウェイトリフティングのケガ率も似たようなものだと思います。トレーニングや試合出場を中断せざるを得ないレベルの怪我は少ないが、痛みを抱えるケースは多いでしょう)

12/19/2020

怪我をしにくいベンチプレスのやり方

怪我をしにくいベンチプレスのやり方について、いくつかポイントを書いていきます。 

 

1. 肩甲骨の位置

肩甲骨は可動範囲の下限まで下げます。それから、下げた状態をキープしながら寄せます。肩甲骨の下げ(下制)と寄せ(内転)だったら、下げを優先したほうが良いです。下制が緩むと肩の怪我をしやすくなります。

肩甲骨を最も寄せられるのは、肩甲骨を少し上に上げた位置ですが、その位置で寄せると脇が開いて肩を怪我しやすくなると思います。まず下げてから、できる範囲で寄せるイメージで肩甲骨を動かすと良いでしょう。


7/27/2017

ベンチプレスの背中のアーチ


上の動画を見て、なるほど~と思ったので紹介。


★脊椎の怪我リスク
脊椎は自然なS字カーブのニュートラルポジションを逸脱しつつ、強い力が加わると怪我のリスクが高くなる。デッドリフトやスクワットは圧縮方向の力とせん断方向の力が強く加わるので、脊椎はニュートラルポジションを維持する必要がある。

ベンチプレスでは、良いフォームで行えば脊椎に強い力が加わらないので、脊椎がニュートラルポジションから多少逸脱しても怪我のリスクは低い。もちろん過度に逸脱すれば怪我のリスクは高まる。

脊椎の安全or危険は、以下のとおり。(脊椎が健康であることが前提)
a) ニュートラルポジションを維持しつつ強い力が加わる→安全
b) ニュートラルポジションから逸脱するが強い力は加わらない→安全
c) ニュートラルポジションから逸脱しつつ強い力が加わる→危険


★ベンチプレスでの良い背中のアーチの作り方
1) 腰椎を限界まで反るのではなくて、背中全体を反る。腰椎は自然にカーブしているのであまり反ることを意識せず、胸を突き上げ胸椎を反るのを意識する。動画のような背中のアーチを作るには胸椎の柔軟性が要求されるので、普段から胸椎の柔軟性トレーニングをしておく必要がある。猫背・反り腰の人は、まずは姿勢矯正を行わないと、良いアーチが作れないだろう(下の参考記事を参照)。

2) 尻はベンチにつける。下の「悪い背中のアーチ」の図のように、尻を浮かして、腹を突き出して、腰を反ると、腰への負担が大きくなる。

3) 臀筋に力を入れる。そうすると骨盤の前傾(=腰椎の過度の反り)を防げるし、脚から上半身への力の伝達(レッグドライブ)がやりやすくなる。

4) 肩甲骨は引き寄せて動かさない。動かすのは肩関節と肘関節のみ。脊椎も肩甲骨も動かさない。

5) 挙上中はグラグラしない。脊椎にも肩関節にも危険。





★目的によるアーチの違い
競技としてベンチプレスを行う場合は、限界までアーチを作って挙上距離を短くしたほうが有利になる。単なる筋トレとしてベンチプレスを行う場合は、挙上距離を長くした方が筋肥大効果が高まり、力を発揮できる関節の角度の範囲が広くなる。ただ、アーチを作ると肩関節への負担が小さくなるので、肩の怪我リスクとトレーニング効果のバランスを考えると、筋トレ目的のベンチプレスでは軽くアーチを作るのが良い思う。



参考記事:
胸椎の姿勢矯正

バランスの取れたトレーニング種目の選択-エクササイズ編-

骨盤の前傾の矯正

5/27/2016

ベンチプレスの肘の位置

Tucking the Elbows for Bench – You’re Probably Doing it Wrong
http://strengtheory.com/why-you-should-not-tuck-your-elbows-benching/

ギア無しのベンチプレスの話。

tuckがちょっと日本語にしにくいんだけど、押しこむとか仕舞いこむとかそんなニュアンスで、この場合は肘を胴体の方に寄せる動きを意味している。

ベンチプレスでは肘はある程度は胴体に寄せるが、多くの人は寄せすぎている。「肘を胴体に寄せろ」というのは一般的に悪いキュー(合図)。


肘を胴体に寄せすぎると、肘がバーよりも奥(下半身の方向)にいってしまい上腕三頭筋に余計な負荷がかかる。肘は常にバーの真下に位置する必要がある。


また肘を胴体に寄せすぎると、上腕の動く方向と大胸筋の筋繊維の方向があまり一致しなくなり、大胸筋が大きな力を発揮できなくなる。

上腕の動く方向と多くの筋繊維の方向が一致することで、大胸筋がより強い力を発揮できる。

肘を胴体に寄せていくと、手のひらが自分の顔の方を向く(アンダーハンドグリップになる)のが肘にとって自然な動き。だがベンチプレスはオーバーハンドグリップで握るので、肘を胴体に寄せすぎると肘に捻じれ方向の負荷がかかってしまう。この状態で重たいバーベルの負荷が上からかかるので肘を痛めやすい。サムレスグリップの方が挙上しやすいと感じる人が多いのは、肘を胴体に寄せすぎる間違ったフォームでも、サムレスグリップで握ると手のひらに遊びが出来、肘の捻じれからある程度逃げられるため。
バーを下ろす位置は、乳首からみぞおちの上の間くらい。肘を胴体に押し込むイメージではなくて、「肘を開いて押し上げる」イメージで行う。こうすれば大胸筋をより効果的に使うことが出来る。このフォーム改善により多くの人は大胸筋の負荷が上がり、大胸筋が鍛えられ、よい重い重量を挙げられるようになる。


関連記事:
ベンチプレスのバーの軌道

5/21/2016

ベンチプレスのバーの軌道

Fix Your Bar Path for a Bigger Bench
http://strengtheory.com/bench-press-bar-path/

ネタ元。これを書いている人はトップクラスのパワーリフター。バーの軌道を修正すると、筋力が変わらなくてもベンチプレスの重量を伸ばすことができるという記事。


トップクラスのパワーリフターと、初心者(と言っても平均で100kg挙上)のベンチプレスのバーの軌道を比較すると、
- 下ろす際の軌道は、トップリフターと初心者はほぼ同じ。ややアーチした直線になる。
- 挙げる際の軌道が大きく違う。初心者は前半は胸から真っ直ぐ上に挙げて、後半に肩の真上に向かって挙げる。トップリフターはその逆で前半に顔の方に斜めに挙げて、後半に真上に挙げる。

なぜこのような違いが出ているのか、ベンチプレスで使う筋肉への負荷のかかり方から考えてみると・・・

まずベンチプレスでバーベルを持ち上げるのに使う筋肉の動きは、以下の組み合わせになる。
1) 広げた腕を前で閉じる動き(主に大胸筋)
2) 腕を前方に上げる動き(主に三角筋前部)
3) 肘を伸ばす動き(上腕三頭筋)




胸から真っ直ぐ上に挙げるとスティッキングポイントで三角筋前部(腕を前方に上げる動作)がボトルネックになり、まだ大胸筋(広げた腕を前で閉じる動作)は力を発揮できるのに挙がらなくなる。




挙上前半で顔の方に向かって斜めに挙げると、肩関節からバーまでの水平距離が小さくなる。これによりスティッキングポイントで三角筋前部がボトルネックになりにくくなり、より重い重量が挙がるようになる。

トップリフターは挙上中に発揮する最大の力と最小の力の差が小さい。初心者は最大の力と最小の力の差が大きい。挙上重量を決めるのは「最小の力(スティッキングポイント)」。バーの軌道の改善、つまりスティッキングポイントでのモーメントアームの縮小により、各筋肉の筋力は同じでも最小の力を引き上げ、挙上重量を伸ばすことができる。

脇の角度を90度にしてバーを真っ直ぐ鎖骨に下ろして、真っ直ぐ上に挙げるなら前部三角筋の負荷は大幅に減るが、それだと筋力を十分に発揮できる範囲を超えて下ろすことになるし、肩関節や大胸筋の怪我のリスクも上がる。一方で、腹の方に下ろすと挙上距離は縮まるが、前部三角筋の負荷が大きすぎてここがボトルネックになり重量が落ちる(大胸筋にも十分に刺激が入らない)。バーを下ろす位置は、乳首からみぞおち付近の間が良い。


バーの軌道の変更は、数週間から数ヶ月かけて行う。身体が動作を学び直す必要がある。いきなり重い重量でフォームを変えようとするのは危ないので気をつける。



★コメント
パワーリフター体型の人に向いているフォームの可能性もあるけど、腕が細長い私がやってみても力が入りやすい感じがして、肩や肘に変な負荷がかかっている感じもしなかったので、たぶん万人向けのフォームだと思います。大胸筋の負荷が上がるので大胸筋を鍛えたい人にも向いている。もちろん肩や肘に違和感を感じる場合は止めた方が良いです。


関連記事:
ベンチプレスの肘の位置 

2/24/2014

ベンチプレスの基本ポイント

・肩甲骨をしっかり寄せる。肩はなるべく固定し、肩でバーを前に押し出さない。
・バーを上げ下げする時はバーに焦点を合わさない。天井を見る。そうするとバーの軌道が安定する。
・サムレスグリップは絶対ダメ!
・バーの握り方は、手をやや内側に傾け、親指が横向きになるようにし、母指球の辺りでバーを受け止めて握りこむ。前腕の親指側の骨(橈骨)に荷重がかかるようにする。
・バーが胸に付く位置で前腕が垂直になる手幅で握る。
・上から見た時の胴体に対する上腕の角度(腋の開く角度)は45度~75度。
・広背筋を収縮させ胸を高く張る。バーの移動距離が短くなるし、肩関節の故障リスクが下がるし、上腕と胸の角度が狭まることで大胸筋と三角筋前部の長さが短くなり、より強い力を発揮できる。
・バーを下ろしてから上げる時は、胸に軽くタッチしてから一気に上げる。胸でバウンドさせない。
・バーを下ろしている時も一気に上げることをイメージし続ける。
・後頭部を強くベンチに押し付けない。首を痛める。後頭部の髪の毛がベンチに軽く触れるくらいのイメージ。
・脚と尻に力を入れ、上半身のアーチをキープする。
・尻はベンチから上げない。骨盤をベンチと並行くらいに。膝を曲げる角度は90度くらい。
・レップ開始の前に息をおもいっきり吸い込んで胸を高くする(ただし肩が上がらないように)。
・息継ぎは、腕を上げきったレップの間々に行う。バーを下ろして上げる間はアーチキープのために息は止める。
・ラックアップしてからレップ開始は、腕を伸ばしてバーを肩の真上でしっかり止めてから。レップ終了時も肩の真上に肘を伸ばしきるまで挙げて、それからラックに戻す。


参考: Starting Strength Basic Barbel Training 3rd Edition / Mark Rippetoe
(本の説明では図と写真が多く入っていてわかりやすいです。他にはスクワットプレスデッドリフトパワークリーンの解説があります。いずれまとめます)

 

関連記事:

怪我をしにくいベンチプレスのやり方

 

2/13/2014

ベンチプレスを強くする12のステップ

書いているのはパワーリフティングの人。ボディビルだとまた違ったフォーム。


1. 上腕三頭筋を鍛える
- クロースグリップのプレス動作で鍛えること。ベンチプレスは大胸筋の強さではない。

2. 肩甲骨を引きタイトに寄せる

3. 上背部と僧帽筋への圧力を維持する
- 足を踏ん張り身体をベンチに押し付ける。

4. バーを直線で押す
- 顎を引いて腋を開かず腹部の上か胸部の下の辺りにバーを下ろし直線で押し上げる。挙上距離が短くなるし肩関節への負担も軽くなる。

5. 腋を開かずバーは手首と肘の垂直線上に乗せる
- 腋が開くと力が入りにくい。

6. バーを胸部の下か腹部の上に下ろす

7. 腹いっぱいに息を吸い込み維持する
- マックス狙いと3レップ以下では息は吸い込んだまま。息継ぎは腹でする。胸で息をすると肩が動いてしまい安定性が低下する。

8. compensatory acceleration でトレーニングする。
- どんな重さでも最大の力で押すようにする。スティッキングポイントを通過しやすくなる。

9. バーベルを握りしめ、へし折るように

10. 週に1日、dynamic-effortトレーニングをする
- 45-60% 1RM の重さを最大速度で挙上する。握る位置を変えていくと効果的。

11. 週に1日、最大挙上のトレーニングをする。
- dynamic-effortの日から72時間後、90-100% 1RM で1-3レップ。最大挙上で同じ動作を3週間以上続けると逆効果になってくるので、手幅を変えたりして動作を変えていく。

12. ベンチと同じ動作平面で広背筋をトレーニングする。
- ローイング動作で広背筋をトレーニング。プルダウンは動作平面が違う。


Bench Press 600 Pounds A 12 Step Program
http://www.t-nation.com/free_online_article/sports_body_training_performance/bench_press_600_pounds_a_12_step_program