主働筋-拮抗筋ペアードセット(paired set)と通常セット(traditional set)を比較した研究を調べてみました。
主働筋-拮抗筋ペアードセットは例えば、ベンチプレス1セット目→ロウイング1セット目→ベンチプレス2セット目→ロウイング2セット目→ベンチプレス3セット目→ロウイング3セット目 といった感じで主働筋-拮抗筋が入れ替わる種目を交互に行うトレーニング方法。
通常セットは例えば、ベンチプレス1セット目→ベンチプレス2セット目→ベンチプレス3セット目→ロウイング1セット目→ロウイング2セット目→ロウイング3セット目 という順番で行うトレーニング方法。
研究ではペアードセットと通常セットについて以下のようなポイントを比較している。
・1回のトレーニングにかかる時間
・各セット限界までやった場合のトレーニングボリューム(重量×レップ数)
・疲労度合い(主にEMGを測定しているけどブレが大きく参考程度にしかならないのでこの記事では割愛)
・長期的に続けた場合のストレングスとパワーの伸び
★ペアードセットの研究
いずれの研究も被験者はトレーニング歴のある若い男性で体格が良い。大学の運動選手の模様。
(1)Volume Load and Neuromuscular Fatigue During an Acute Bout of Agonist-Antagonist Paired-Set vs. Traditional-Set Training.
https://www.researchgate.net/publication/279164429_Volume_Load_and_Neuromuscular_Fatigue_During_an_Acute_Bout_of_Agonist-antagonist_Paired-set_Versus_Traditional-set_Training
・トレーニング種目:
1種目目:ベンチプレス
2種目目:シーテッドロウ
・重量と追い込み度:10RMの重量で限界まで各種目3セット
・比較ポイント:各セット限界までやった場合のトレーニングボリューム
・セット間インターバル
a) ペアードセット
同一種目の実質インターバルは約170秒
ベンチプレス1セット目(約40秒)→(移動約10秒)→ロウ1セット目(約40秒)→(インターバル2分)→ベンチプレス2セット目→以下両種目3セット終わるまで続く
b) 通常セット
インターバルは2分
ベンチプレス1セット目→(インターバル2分)→ベンチプレス2セット目→以下両種目3セット終わるまで続く
・ウォームアップ含めてトレーニングにかかった時間
通常セットが16分、ペアードセットが8.5分
<結果>
ペアードセットの方がトレーニングボリューム(重量×レップ数)が多くなった。おそらく同一種目の実質インターバルが長いため、主働筋がより回復できたからだと思われる。
面白いのが、2種目目の1セット目(ロウ1セット目)もペアードセットの方が通常セットよりもレップ数が多くなったこと。(2)の研究でも示されているが、ペアードセットで1種目目と2種目目のインターバルが短いと、2種目目のトレーニングボリュームが増えるようだ。
(2)Effects of different rest intervals between antagonist paired sets on repetition
performance and muscle activation.
https://pdfs.semanticscholar.org/f7df/05325e8fcbcaa14d7a9fd79be50508ba6fb0.pdf
・重量と追い込み度:10RMの重量で限界まで
種目:ニーエクステンションとニーフレクション(ライイングレッグカール)
比較ポイント:ニーエクステンションを10RMの重量で何レップ出来るか
a) ニーエクステンションのみを限界まで1セット(TP)
b) ニーフレクション1セットの直後(移動に約15秒)にニーエクステンションを限界まで1セット(PMR)
c) ニーフレクション1セットの30秒後にニーエクステンションを限界まで1セット(P30)
d) ニーフレクション1セットの1分後にニーエクステンションを限界まで1セット(P1)
e) ニーフレクション1セットの3分後にニーエクステンションを限界まで1セット(P3)
f) ニーフレクション1セットの5分後にニーエクステンションを限界まで1セット(P5)
<結果>
b,c,dの順で、ニーエクステンションのレップ数は多かった。つまりニーフレクションからニーエクステンションまでの休憩時間が短いほど、ニーエクステンションのレップ数が多くなった。3分以上の休憩だと、ニーフレクション無しの場合と有意差なし。
(3)Exercise order affects the total training volume and the ratings of perceived exertion in response to a super-set resistance training session
https://www.researchgate.net/publication/221867808_Exercise_order_affects_the_total_training_volume_and_the_ratings_of_perceived_exertion_in_response_to_a_super-set_resistance_training_session
ペアードセットで種目の実施順序を変えた場合のボリューム測定
a) 1種目目レッグエクステンション→2種目目レッグカール(QH)
b) 1種目目レッグカール→2種目目レッグエクステンション(HQ)
・比較ポイント:各セット限界までやった場合のトレーニングボリューム
<結果>
1種目目レッグカールの方がトータルのトレーニングボリュームが多くなった。主働筋-拮抗筋の組み合わせによっては、どちらを先に行うかでトレーニングボリュームに違いが出ることがあるようだ。
(4)The effect of an upperbody agonist-antagonist resistance training protocol on volume load
and efficiency.
https://www.researchgate.net/publication/46288879_The_Effect_of_an_Upper-Body_Agonist-Antagonist_Resistance_Training_Protocol_on_Volume_Load_and_Efficiency
・トレーニング種目:
1種目目:ベンチプル
2種目目:ベンチプレス
・重量と追い込み度:4RMの重量で限界まで各種目3セット
・比較ポイント:各セット限界までやった場合のトレーニングボリューム
・セット間インターバル
a) ペアードセット
インターバル2分。同一種目のインターバルは4分。
b) 通常セット
インターバル2分。
・トレーニング終了までの時間は両方とも同じ。(合計6セットを2分インターバルで行う)
<結果>
ペアードセットの方がトレーニングボリュームが大きくなった。同一種目のインターバルが大幅に違うので当然の結果。
(5)Physical performance and electromyographic
responses to an acute bout of paired set strength training versus
traditional strength training.
http://www.academia.edu/14519745/Physical_Performance_and_Electromyographic_Responses_to_an_Acute_Bout_of_Paired_Set_Strength_Training_Versus_Traditional_Strength_Training
・トレーニング種目:
1種目目:ベンチプル
2種目目:ベンチプレス
・重量と追い込み度:4RMの重量で限界まで各種目3セット
・比較ポイント:各セット限界までやった場合のトレーニングボリューム
・セット間インターバル
a) ペアードセット
インターバル2分。同一種目のインターバルは4分。
b) 通常セット
インターバル4分
<結果>
トータルボリュームはペアードセットと通常セットで有意差なし。効果量を見ると通常セットの方がごくわずかに上。
(6)Effects of agonist-antagonist complex resistance training on upper body
strength and power development.
https://www.researchgate.net/publication/40454501_Effects_of_agonist-antagonist_complex_training_on_upper_body_strength_and_power_development
これのみ長期の研究で、8週間のトレーニングを行っている。
・トレーニング種目
1種目目:ベンチプル
2種目目:ベンチプレス&ベンチプレススロー
重量:3-6RM
トレーニング頻度・ボリューム:部位あたり合計18–25レップを週2回。実際にどれくらいボリュームをこなせたかは書かれていない。
・セット間インターバル
a) ペアードセット
インターバル2分。同一種目のインターバルは4分。
b) 通常セット
インターバル4分
<結果>
ベンチプルとベンチプレスの1RMは、ペアードセットのみトレーニング前→後の伸びが有意差あり。通常セットも1RMは伸びてはいるけど有意差はなし。
被験者数が少なく、ベンチプレス100kgくらい挙がる人にとってはトレーニングボリュームが少なく、実験期間が短いので、有意差の有無は偶然ではないかと思う。トレーニング前後の1RM変化の効果量を見ると、ベンチプルはペアードセットの方が大きいけど、ベンチプレスは通常セットの方が大きい。
ペアードセットでトレーニング時間を約半分にしても、ストレングストレーニングの効果は通常セットと同じくらい出た、とこの研究からは言える。
★ペアードセットで2種目目のボリュームが増えるメカニズム
(1)(2)の研究では、ペアードセットで1種目目と2種目目のインターバルが短いと、2種目目の限界レップ数が増えることが示されている。
これについてのメカニズムは明確にはなっていないが、論文に書かれている推測メカニズムを書くと、
・拮抗筋を事前に疲れさせることで、主働筋のセットの際に拮抗筋がブレーキとして働く時間が短くなって、差し引きでの力の発揮が大きくなる。ただこれはバリスティックトレーニングで働くメカニズムなので、通常のレジスタンストレーニングではあまり関係がないかも。
・拮抗筋のセットで拮抗筋の腱紡錘と主働筋の筋紡錘を刺激することで、主働筋のセットの時に主働筋が収縮しやすくなると同時に拮抗筋が緩みやすくなり、差し引きで発揮する力が大きくなる。
注意点としては、拮抗筋は関節を安定させる働きがあるので、このようなメカニズムが働いていた場合、関節が不安定になり怪我リスクが上がるかもしれない。
★ペアードセットについてのコメント
トレーニングボリュームを維持しつつトレーニング時間を短縮できるのは明確なメリット。効率よくトレーニングを行うためには積極的に取り入れたいトレーニング方法だと思う。
1種目目と2種目目の間隔を短く(1分以内程度に)することで、2種目目のボリュームを増やせる可能性があるが、これはメリットなのか不明。ボリュームを増やすと次のトレーニングセッションまでの回復時間が長くなるので、長期的に見てトレーニングの質と量を増やせるのかわからない。
また関節の安定性が低下する可能性もある。保守的にやるなら、1種目目と2種目目の間隔は1分以上空けて、肘(アームカール-トライセップスエクステンション)や膝(レッグエクステンション-レッグカール)といった単関節種目でペアードセットを行うのが良いだろう。肩関節のような自由度の高い関節でのフリーウェイトでのコンパウンド種目は怪我のリスクが上がるかもしれない。コンパウンド種目をやるならスミスマシンなどを使った方が良いと思う。
ちなみに私はスミスマシンで、大胸筋のアイソレートを意識したインクラインベンチプレスと、身体を後ろに傾けてバーを掴んで身体を持ち上げるプル動作(Inverted Row)でペアードセットをやっています。
体幹やスタビライザーの役割が重要な種目でも、ペアードセットはフォームが崩れやすくやらないほうが良いだろう。スクワットやデッドリフト(何とペアにするのかわからないが)は不向き。心肺能力面でも困難だろう。
研究での被験者はすべて若いアスリートで、彼らはトレーニングをこなす体力があるし、回復力もあるだろう。自分がペアードセットをトレーニングに取り入れる時は、疲労の溜まり具合や怪我リスク(関節の違和感など)をよくチェックしながらやった方が良いと思う。
またトレーニングボリュームを測定した研究では各種目3セット程度しか行っていないので、セット数が多くなってくるとどうなるのかわからない。ペアードセットだと疲れてボリュームが低下したりフォームが崩れたりするかもしれない。その場合はインターバルを長くする必要があるだろう。
★細かいつっこみ
主働筋-拮抗筋のペアードセットというけれど、ベンチプレスは肩甲骨を寄せるから、ロウ系種目(シーテッドロウやベンチプル)の完全に対称的な動作ではない。腕立て伏せとロウ系だったら、だいたい対称的な動作になるけれど、それでも上腕三頭筋長頭は肘関節の伸展に加えて肩関節の伸展の働きがあるのでプッシュの動作とロウの動作の両方で使われる。
11/30/2017
3/02/2017
特異性の原則
Why are strength gains specific? (and why does it matter?)
https://www.strengthandconditioningresearch.com/perspectives/just-get-strong-is-wrong/
Why are strength gains force-vector specific? (strength is specific)
https://www.strengthandconditioningresearch.com/perspectives/force-vector/
トレーニングによる刺激に対して身体は特異的に適応する。ストレングストレーニングは、達成したい目標に合致した特異性を鍛えるものにする必要がある。特異性にどのような面があり、それがどのようなメカニズムで起こるか、8つの面から見ていく。
1. 筋肉の動く方向性(エキセントリックかコンセントリックか)
エキセントリックトレーニングのみ行うと、コンセントリックの筋力も向上するがエキセントリックの筋力の方がより向上する。コンセントリックトレーニングのみ行うと、その逆になる。(上のリンク先に研究結果のグラフが一通り載っているので、それを見たほうが効果の違いがよくわかります。下の他の項目も同様)
想定メカニズム:
- 細胞外マトリクスとチチンの内容物の増加により、受動的に発揮される力が向上する。
- 神経系が適応する。
2. 筋収縮速度(速いか遅いか)
低速度でのトレーニングでは低速度で発揮される筋力が大きく向上し、高速度での筋力はあまり向上しない。高速度でのトレーニングでは高速度で発揮される筋力が大きく向上し、低速度での筋力もかなり向上する。
速度への適応は、速く動かそうとする意図(高重量だと全力でも速く動かせない)だけではなく、実際に速く動くことが必要だと思われる。
想定メカニズム:
- 筋膜長の増加。
- 筋繊維一本あたりの収縮速度の上昇。
- 動作の初期から大きな力を発揮するような神経系の適応。
- 拮抗筋の抑制。
- 協調動作の改善。
3. レップ数(最大筋力か筋持久力か)
低レップ(高重量)のトレーニングでは最大筋力が大きく向上し、筋持久力は変わらないかやや低下する。高レップ(低重量)のトレーニングでは最大筋力はやや向上し、筋持久力は大きく向上する。各セットを限界まで行えば、数カ月の実験期間においては、低レップも高レップも筋肥大は同等という結果が出ている。
想定メカニズム:
- 低レップ(高重量)のトレーニングでの最大筋力の向上は、筋肉間の協調動作の向上、筋繊維一本ごとの収縮能力の変化、横方向の力の伝達の改善(lateral force transmission)、神経系の適応などによる。
- 高レップ(低重量)のトレーニングでの筋持久力の向上は、毛細血管の発達、代謝物への耐性向上、イオン(Na+, K+, Ca²+) 輸送能力の向上などによる。
4. 動作範囲(フルレンジかパーシャルか)
パーシャルでのトレーニング(例えばハーフスクワット)を行えば、その動作範囲での最大筋力はフルレンジでのトレーニングよりも大きく向上する。フルレンジでのトレーニングを行えば、フルレンジでの最大筋力はパーシャルでのトレーニングよりも大きく向上する。
想定メカニズム:
- パーシャルのトレーニングでは、その関節の角度で大きな力を発揮するよう神経系が適応する。
- フルレンジのトレーニングでは、使われる部位の筋肥大により筋肉が伸びた状態で大きな力を発揮できるようになる。
5. 安定性(マシントレーニングのように安定かフリーウェイトのように不安定か)
軌道が固定されたマシンでのトレーニングと、軌道が固定されないケーブルマシンでのトレーニングの効果を比較すると、軌道固定マシンではそのマシンでの筋力がより向上し、ケーブルマシンではケーブルマシンでの筋力がより向上した。それとケーブルマシンのトレーニングを続けた後では、拮抗筋の活動抑制と協力筋の活動活発化が見られ、より効率的に力を発揮できるように身体が適応したことが観察された(軌道固定マシンではこの適応は起こらず)。
想定メカニズム:
- 拮抗筋の抑制や協力筋の動員により、不安定な状況でもより効率に身体を使い筋力を発揮できるようになる。
6. 負荷のタイプ(一定の負荷か変化するか)
空気圧で一定の負荷を与えるマシンでは、動作範囲の間は一定の負荷がかかる。フリーウェイトは慣性の影響で動作範囲の間で負荷が変わる。前者でのトレーニングでは前者の1RMがより向上し、後者でのトレーニングでは後者の1RMがより向上する。
想定メカニズム:
- 「2. 筋収縮速度」と「4. 動作範囲」のメカニズムの組み合わせ。
7. 力ベクトル(垂直方向か水平方向か)
スクワットでは地面に対して垂直方向の筋力(例えば垂直跳び)が鍛えられ、ヒップスラストでは地面に対して水平方向の筋力(例えばスプリントの加速フェーズ)が鍛えられる。プライオメトリクストレーニングでも同様に、負荷をかける方向の能力が強化される。
想定メカニズム:
- 「4. 動作範囲」とその動作で使われる筋肉の部位の発達。
8. 筋肉の部位
トレーニングで使われた筋肉が強くなる。
https://www.strengthandconditioningresearch.com/perspectives/just-get-strong-is-wrong/
Why are strength gains force-vector specific? (strength is specific)
https://www.strengthandconditioningresearch.com/perspectives/force-vector/
トレーニングによる刺激に対して身体は特異的に適応する。ストレングストレーニングは、達成したい目標に合致した特異性を鍛えるものにする必要がある。特異性にどのような面があり、それがどのようなメカニズムで起こるか、8つの面から見ていく。
1. 筋肉の動く方向性(エキセントリックかコンセントリックか)
エキセントリックトレーニングのみ行うと、コンセントリックの筋力も向上するがエキセントリックの筋力の方がより向上する。コンセントリックトレーニングのみ行うと、その逆になる。(上のリンク先に研究結果のグラフが一通り載っているので、それを見たほうが効果の違いがよくわかります。下の他の項目も同様)
想定メカニズム:
- 細胞外マトリクスとチチンの内容物の増加により、受動的に発揮される力が向上する。
- 神経系が適応する。
2. 筋収縮速度(速いか遅いか)
低速度でのトレーニングでは低速度で発揮される筋力が大きく向上し、高速度での筋力はあまり向上しない。高速度でのトレーニングでは高速度で発揮される筋力が大きく向上し、低速度での筋力もかなり向上する。
速度への適応は、速く動かそうとする意図(高重量だと全力でも速く動かせない)だけではなく、実際に速く動くことが必要だと思われる。
想定メカニズム:
- 筋膜長の増加。
- 筋繊維一本あたりの収縮速度の上昇。
- 動作の初期から大きな力を発揮するような神経系の適応。
- 拮抗筋の抑制。
- 協調動作の改善。
3. レップ数(最大筋力か筋持久力か)
低レップ(高重量)のトレーニングでは最大筋力が大きく向上し、筋持久力は変わらないかやや低下する。高レップ(低重量)のトレーニングでは最大筋力はやや向上し、筋持久力は大きく向上する。各セットを限界まで行えば、数カ月の実験期間においては、低レップも高レップも筋肥大は同等という結果が出ている。
想定メカニズム:
- 低レップ(高重量)のトレーニングでの最大筋力の向上は、筋肉間の協調動作の向上、筋繊維一本ごとの収縮能力の変化、横方向の力の伝達の改善(lateral force transmission)、神経系の適応などによる。
- 高レップ(低重量)のトレーニングでの筋持久力の向上は、毛細血管の発達、代謝物への耐性向上、イオン(Na+, K+, Ca²+) 輸送能力の向上などによる。
4. 動作範囲(フルレンジかパーシャルか)
パーシャルでのトレーニング(例えばハーフスクワット)を行えば、その動作範囲での最大筋力はフルレンジでのトレーニングよりも大きく向上する。フルレンジでのトレーニングを行えば、フルレンジでの最大筋力はパーシャルでのトレーニングよりも大きく向上する。
想定メカニズム:
- パーシャルのトレーニングでは、その関節の角度で大きな力を発揮するよう神経系が適応する。
- フルレンジのトレーニングでは、使われる部位の筋肥大により筋肉が伸びた状態で大きな力を発揮できるようになる。
5. 安定性(マシントレーニングのように安定かフリーウェイトのように不安定か)
軌道が固定されたマシンでのトレーニングと、軌道が固定されないケーブルマシンでのトレーニングの効果を比較すると、軌道固定マシンではそのマシンでの筋力がより向上し、ケーブルマシンではケーブルマシンでの筋力がより向上した。それとケーブルマシンのトレーニングを続けた後では、拮抗筋の活動抑制と協力筋の活動活発化が見られ、より効率的に力を発揮できるように身体が適応したことが観察された(軌道固定マシンではこの適応は起こらず)。
想定メカニズム:
- 拮抗筋の抑制や協力筋の動員により、不安定な状況でもより効率に身体を使い筋力を発揮できるようになる。
6. 負荷のタイプ(一定の負荷か変化するか)
空気圧で一定の負荷を与えるマシンでは、動作範囲の間は一定の負荷がかかる。フリーウェイトは慣性の影響で動作範囲の間で負荷が変わる。前者でのトレーニングでは前者の1RMがより向上し、後者でのトレーニングでは後者の1RMがより向上する。
想定メカニズム:
- 「2. 筋収縮速度」と「4. 動作範囲」のメカニズムの組み合わせ。
7. 力ベクトル(垂直方向か水平方向か)
スクワットでは地面に対して垂直方向の筋力(例えば垂直跳び)が鍛えられ、ヒップスラストでは地面に対して水平方向の筋力(例えばスプリントの加速フェーズ)が鍛えられる。プライオメトリクストレーニングでも同様に、負荷をかける方向の能力が強化される。
想定メカニズム:
- 「4. 動作範囲」とその動作で使われる筋肉の部位の発達。
8. 筋肉の部位
トレーニングで使われた筋肉が強くなる。
12/10/2016
ボディメイクの継続
筋肉の増加も体脂肪の減少も効果がはっきりと表れるまでに時間がかかる。一方で、トレーニングの実施や食事内容の管理といった労力はその場で必要になる。一般的に人間が好むのは、便益はすぐ手にして、費用は後払い(例えば家や車をローンで買う)。ボディメイクはその逆で、便益を手に入れるのには時間がかかり、費用はすぐ払わないといけない。従って、続けることが難しい。
どうすれば続けられるようになるか。これが簡単に出来れば巷にダイエット本が溢れ続けることはないわけで・・・。あまり詳しくないけど、どこかで見たような攻略法を書くと、
・コストのコントロール
ここでのコストは時間や労力など含めてのコスト。トレーニングを行うコストはなるべく下げる。例えば通うのに時間がかかるジムだと、だんだん億劫になってくる。遠くのゴールドジムより近くのフィットネスクラブ。ダイエットでは、食べるコストをなるべく上げる。すぐ食べられる高カロリーの食べ物は手の届く範囲に置かない。何か食べたかったら自炊するか外に出て買ってくるかしないといけなくする。
・苦しみを喜びに変換。
筋肉が悲鳴を上げればマッチョへの階段をまた一つ上がる! 空腹は体脂肪が減っている証! とその瞬間の苦しみを長期的な喜びにリンクさせる。
・小さな目標を設定
段階的に小さな目標を設定し、それをクリアする喜びを味わうことでモチベーションを維持する。目標達成という内部からの報酬を自分にこまめに与える。挙上重量だったり、体重だったり。ただし、無理に挙上重量を上げたり、水抜きなどで体重を落としたりしても意味がない。
・周囲に宣言
あらかじめ周囲に「○○やるぞ」と宣言する。諦めると自分の評判が下がるので、それを避けようと頑張る。レピュテーションリスクを利用するのだ。見栄を張りたい相手に宣言するのがいいと思う。
・大事なものを賭ける
目標を達成できなかったら、それを没収して良いという条件で、信頼できる人に自分の大事なものを預ける。失ったら困る金額のお金を預けるのも良い。
・仲間と励まし合う
目標や意欲のレベルが同じくらいじゃないとなかなか難しいけど、よい仲間と励ましあえればとても良いと思う。
・ゲーミフィケーション
最近はジムに通うとポイントが溜まったりするアプリがある。外部からの報酬を自分にこまめに与える。ゲーセンのパンチングマシーンでパンチ力の結果でアニメーションが変化するのと同じ感じで、トレーニングの重量やボリュームをアプリに入力するとアニメーションが表示されたり、ゲーム内のキャラが強くなったりするアプリがあると面白いと思う。
どうすれば続けられるようになるか。これが簡単に出来れば巷にダイエット本が溢れ続けることはないわけで・・・。あまり詳しくないけど、どこかで見たような攻略法を書くと、
・コストのコントロール
ここでのコストは時間や労力など含めてのコスト。トレーニングを行うコストはなるべく下げる。例えば通うのに時間がかかるジムだと、だんだん億劫になってくる。遠くのゴールドジムより近くのフィットネスクラブ。ダイエットでは、食べるコストをなるべく上げる。すぐ食べられる高カロリーの食べ物は手の届く範囲に置かない。何か食べたかったら自炊するか外に出て買ってくるかしないといけなくする。
・苦しみを喜びに変換。
筋肉が悲鳴を上げればマッチョへの階段をまた一つ上がる! 空腹は体脂肪が減っている証! とその瞬間の苦しみを長期的な喜びにリンクさせる。
・小さな目標を設定
段階的に小さな目標を設定し、それをクリアする喜びを味わうことでモチベーションを維持する。目標達成という内部からの報酬を自分にこまめに与える。挙上重量だったり、体重だったり。ただし、無理に挙上重量を上げたり、水抜きなどで体重を落としたりしても意味がない。
・周囲に宣言
あらかじめ周囲に「○○やるぞ」と宣言する。諦めると自分の評判が下がるので、それを避けようと頑張る。レピュテーションリスクを利用するのだ。見栄を張りたい相手に宣言するのがいいと思う。
・大事なものを賭ける
目標を達成できなかったら、それを没収して良いという条件で、信頼できる人に自分の大事なものを預ける。失ったら困る金額のお金を預けるのも良い。
・仲間と励まし合う
目標や意欲のレベルが同じくらいじゃないとなかなか難しいけど、よい仲間と励ましあえればとても良いと思う。
・ゲーミフィケーション
最近はジムに通うとポイントが溜まったりするアプリがある。外部からの報酬を自分にこまめに与える。ゲーセンのパンチングマシーンでパンチ力の結果でアニメーションが変化するのと同じ感じで、トレーニングの重量やボリュームをアプリに入力するとアニメーションが表示されたり、ゲーム内のキャラが強くなったりするアプリがあると面白いと思う。
11/13/2016
バランスの取れたトレーニング種目の選択-エクササイズ編-
前回の記事(バランスの取れたトレーニング種目の選択-メカニズム編-)の続き
★一般的なトレーニングプログラムに付け加えるべきエクササイズ
スクワット(レッグプレス)、デッドリフト、ベンチプレス、懸垂(ラットプルダウン)、ローイング、ショルダープレス、腕と脚のカールやエクステンションなどのアイソレート種目、といった一般的なトレーニングプログラムで生じる筋力のアンバランスと姿勢の悪化を防ぐために、付け加えた方が良いエクササイズを紹介していく。
個々人の骨格、筋力バランス、それまでのトレーニング歴などによって理想的なトレーニングプログラムは異なってくるけど、大雑把にバランスを取るにはどのようなエクササイズを行えば良いか見る。以下に紹介するエクササイズを参考にして、自分が効かせやすいエクササイズを選び、バランスの取れたトレーニングプログラムを組むのが良いだろう。左右差がある場合もあるので、その場合はアンバランスが大きい側を重点的に行う。
アンバランスのなおしかたの基本は、
- 強くて縮んでいる筋肉を緩めて伸ばす
- 弱くて伸びている筋肉を鍛える
一般的なトレーニングプログラムを行う場合、この図の赤い部分の筋肉を緩めて伸ばし、青い部分の筋肉をしっかり鍛えることを意識する。
緩めて伸ばすのは、他人の手を借りず自分でやる場合は、フォームローラーと静的ストレッチが手軽で良い。フォームローラーのやり方は、ターゲットの部位に体重をかけながら、ゆっくりコロコロと動かし心地よい痛みを味合う。
弱くて伸びている筋肉を鍛えるときは、軽めの重量でターゲットの筋肉をしっかり収縮させることを意識する。特に肩周りでは細かい筋肉を鍛えるので、無理に重い重量を扱おうとすると力を入れやすい大きな筋肉が使われてしまって、細かい筋肉が働かずバランスがさらに悪くなってしまう。
★肩周り
・緩めて伸ばす部位:
大胸筋、三角筋前部、広背筋、肩甲骨まわり、胸椎
◇フォームローラー例
[大胸筋、三角筋前部]
[広背筋、大円筋]
Lat & Thoracic Cage Mobility On Foam Roller 広背筋にはこれも良い
[胸椎](肩甲骨のやや下から肩甲骨の真ん中あたりまでを行う)
◇ストレッチ例
[大胸筋]
[広背筋]
[僧帽筋上部]
[肩甲骨周り]
- 肩甲骨があまり動かない場合は、よくある肩甲骨剥がしのエクササイズなどをやると良い。肩甲骨の可動域を確保するのは怪我の予防に非常に重要。
- 肩甲骨の前傾は胸椎の過度の屈曲の矯正や小胸筋のストレッチ。
[首]
- 首の後ろを伸ばして屈曲を鍛える
・主に鍛える動作:
上腕の外旋、水平方向の外転、肩甲骨の上方回旋、肩甲骨の外転、細かい筋肉による肩甲骨の下制
[上腕の外旋]
Cable External Rotation 可愛い。脇を締め胴体は捻らず上腕の外旋だけで行う。それと三角筋後部で引っ張らないように注意する。三角筋後部を使うと上腕骨頭が前方に動いて肩の前側がゴリゴリ当たる。
Cuban Press
The Face Pull
[水平方向の外転と肩甲骨の内転]
Seated Cable Rows 肩甲骨から動かし始めて腕は後からついてくる意識で。広背筋で重い重量を引かないように。
Seated Bent Over Rear Delt Raise 僧帽筋上部で引っ張り上げないように。シュラッグではないので。
[肩甲骨の上方回旋と挙上]
- 普通のシュラッグではなく腕を挙げてのシュラッグが良い。
EricCressey.com: Wall Slides with Overhead Shrug
Scaption with a shrug
[肩甲骨の外転]
- フルレンジでのプッシュアップや、肩甲骨プッシュアップ。前鋸筋を鍛える。
The Perfect Push Up - Do it right! ボトムでは肩甲骨を寄せ、トップでは肘を伸ばし肩甲骨を突き出す。
Scapula Pushup 肩甲骨のみ動かしてのプッシュアップ
1-Arm Quadruped Protraction 肩甲骨の動かし方がよくわからない場合は片腕ずつやるとわかりやすいかも。
TonyGentilcore.com Band Wall Walks このエクササイズは外旋と外転が同時に鍛えられる。バンドをはめていったん肩甲骨を寄せてから肘を前に突き出す。脇を締め肘を突き出した状態を維持するのに気をつけながら、腕をトコトコ上下に動かす。
[肩甲骨の下制]
ShoulderPerformance.com: Prone 1-arm Trap Raise 三角筋を使うのではなくて、僧帽筋下部を使う。肩甲骨を尾てい骨がある方向に引きつけて、腕はあとからついてくるイメージ。
Prone Cobra
★体幹・股関節
・緩めて伸ばす部位:
広背筋、脊柱起立筋群、ハムストリングス、股関節の屈筋、大腿四頭筋、内転筋群、腰方形筋
◇フォームローラー例
[内転筋群](個人的には仰向けの方がやりやすい)
[股関節の屈筋](男性は片脚ずつやったほうが良いかも)
[ハムストリングス]
◇ストレッチ例
[腰方形筋]
[ハムストリングス]
[股関節の屈筋]
[内転筋群]
・主に鍛える動作:
腹直筋下部、外腹斜筋、股関節の伸展、股関節の外転・外旋、
[腹直筋下部・外腹斜筋]
デッドバグ(dead bug)
腹直筋の下部と外腹斜筋を収縮し、骨盤を後傾し腰椎のアーチをフラットにする。背中全体が床にべたっと付くように。ドローインを同時に行うと骨盤を後傾しやすい。この骨盤と腰椎の姿勢をキープしたままデッドバグの動作を行う。(もちろんこの骨盤と背骨の位置でデッドリフトなどをやってはだめ)
初級編は、片脚を床すれすれに伸ばしてまた元の位置に戻す。強度を上げるには、両腕を同時に動かしたり、脚を上げたり。
プランク
関連記事:プランクのやり方
[股関節の外転・外旋]
- チューブを使うと良い。
X Band Walk
Athletic Mini Band Side Steps つま先は開き気味で、かかと側から足を運ぶようにすると良い。つま先から足を運ぶと、おそらく太ももの外側の筋肉を使ってしまう。
The Band Side Lying Clam
[股関節の伸展(臀筋群とハムストリングス)]
臀筋群はグルートブリッジ、ヒップスラスト
- かかとで踏ん張って、トップで膝が90度くらいになるように。腰椎はニュートラルのままで腰を反らせないよう注意する。トップで臀筋群を強く収縮させると良い。
- まずは両足自重。10レップくらい余裕なら片足自重。これも余裕ならバーベル使ってヒップスラスト。無理な重量でやると腰や大腿四頭筋を使おうとして臀筋群に効かないので、軽めの重量でケツを収縮させるのを意識すること。自重だとこんな感じ。この動画イイネ! 是非音声も聞いていただきたい(ヒップスラストは5:45くらいから)。
ハムストリングスは、ルーマニアンデッドリフト(RDL)など。股関節の伸展でハムストリングスに効く種目が良いだろう(レッグカールは膝関節の屈曲なのでちょっと違う)。RDLは尻を後ろに引いて大腿四頭筋を関与させないことを意識。背中はタイトなままで。
★その他
普段の生活で良い姿勢を意識する。座りっぱなしは避けて、こまめに立ち上がって伸びをしたり、うろうろしたり軽くストレッチをしたりする。トレーニングのときだけ良い姿勢になっても、一日の時間の大部分を占めるのは普段の生活なので。
参考サイト:
15 Ways to Foam Roll
https://www.t-nation.com/training/feel-better-for-10-bucks
Neanderthal No More - Part 1
https://www.t-nation.com/training/neanderthal-no-more-1
Neanderthal No More - Part 2
https://www.t-nation.com/training/neanderthal-no-more-2
Neanderthal No More - Part 3
https://www.t-nation.com/training/neanderthal-no-more-3
Neanderthal No More - Part 4
https://www.t-nation.com/workouts/neanderthal-no-more-4
Neanderthal No More - Part 5
https://www.t-nation.com/workouts/neanderthal-no-more-5
関連記事:
懸垂のやり過ぎによる怪我リスク(肘と肩)
肩の健康のために
膝の健康のために
★一般的なトレーニングプログラムに付け加えるべきエクササイズ
スクワット(レッグプレス)、デッドリフト、ベンチプレス、懸垂(ラットプルダウン)、ローイング、ショルダープレス、腕と脚のカールやエクステンションなどのアイソレート種目、といった一般的なトレーニングプログラムで生じる筋力のアンバランスと姿勢の悪化を防ぐために、付け加えた方が良いエクササイズを紹介していく。
個々人の骨格、筋力バランス、それまでのトレーニング歴などによって理想的なトレーニングプログラムは異なってくるけど、大雑把にバランスを取るにはどのようなエクササイズを行えば良いか見る。以下に紹介するエクササイズを参考にして、自分が効かせやすいエクササイズを選び、バランスの取れたトレーニングプログラムを組むのが良いだろう。左右差がある場合もあるので、その場合はアンバランスが大きい側を重点的に行う。
アンバランスのなおしかたの基本は、
- 強くて縮んでいる筋肉を緩めて伸ばす
- 弱くて伸びている筋肉を鍛える
一般的なトレーニングプログラムを行う場合、この図の赤い部分の筋肉を緩めて伸ばし、青い部分の筋肉をしっかり鍛えることを意識する。
緩めて伸ばすのは、他人の手を借りず自分でやる場合は、フォームローラーと静的ストレッチが手軽で良い。フォームローラーのやり方は、ターゲットの部位に体重をかけながら、ゆっくりコロコロと動かし心地よい痛みを味合う。
弱くて伸びている筋肉を鍛えるときは、軽めの重量でターゲットの筋肉をしっかり収縮させることを意識する。特に肩周りでは細かい筋肉を鍛えるので、無理に重い重量を扱おうとすると力を入れやすい大きな筋肉が使われてしまって、細かい筋肉が働かずバランスがさらに悪くなってしまう。
★肩周り
・緩めて伸ばす部位:
大胸筋、三角筋前部、広背筋、肩甲骨まわり、胸椎
◇フォームローラー例
[大胸筋、三角筋前部]
[広背筋、大円筋]
Lat & Thoracic Cage Mobility On Foam Roller 広背筋にはこれも良い
[胸椎](肩甲骨のやや下から肩甲骨の真ん中あたりまでを行う)
◇ストレッチ例
[大胸筋]
[広背筋]
[僧帽筋上部]
[肩甲骨周り]
- 肩甲骨があまり動かない場合は、よくある肩甲骨剥がしのエクササイズなどをやると良い。肩甲骨の可動域を確保するのは怪我の予防に非常に重要。
- 肩甲骨の前傾は胸椎の過度の屈曲の矯正や小胸筋のストレッチ。
[首]
- 首の後ろを伸ばして屈曲を鍛える
・主に鍛える動作:
上腕の外旋、水平方向の外転、肩甲骨の上方回旋、肩甲骨の外転、細かい筋肉による肩甲骨の下制
[上腕の外旋]
Cable External Rotation 可愛い。脇を締め胴体は捻らず上腕の外旋だけで行う。それと三角筋後部で引っ張らないように注意する。三角筋後部を使うと上腕骨頭が前方に動いて肩の前側がゴリゴリ当たる。
Cuban Press
The Face Pull
[水平方向の外転と肩甲骨の内転]
Seated Cable Rows 肩甲骨から動かし始めて腕は後からついてくる意識で。広背筋で重い重量を引かないように。
Seated Bent Over Rear Delt Raise 僧帽筋上部で引っ張り上げないように。シュラッグではないので。
[肩甲骨の上方回旋と挙上]
- 普通のシュラッグではなく腕を挙げてのシュラッグが良い。
EricCressey.com: Wall Slides with Overhead Shrug
Scaption with a shrug
[肩甲骨の外転]
- フルレンジでのプッシュアップや、肩甲骨プッシュアップ。前鋸筋を鍛える。
The Perfect Push Up - Do it right! ボトムでは肩甲骨を寄せ、トップでは肘を伸ばし肩甲骨を突き出す。
Scapula Pushup 肩甲骨のみ動かしてのプッシュアップ
1-Arm Quadruped Protraction 肩甲骨の動かし方がよくわからない場合は片腕ずつやるとわかりやすいかも。
TonyGentilcore.com Band Wall Walks このエクササイズは外旋と外転が同時に鍛えられる。バンドをはめていったん肩甲骨を寄せてから肘を前に突き出す。脇を締め肘を突き出した状態を維持するのに気をつけながら、腕をトコトコ上下に動かす。
[肩甲骨の下制]
ShoulderPerformance.com: Prone 1-arm Trap Raise 三角筋を使うのではなくて、僧帽筋下部を使う。肩甲骨を尾てい骨がある方向に引きつけて、腕はあとからついてくるイメージ。
Prone Cobra
★体幹・股関節
・緩めて伸ばす部位:
広背筋、脊柱起立筋群、ハムストリングス、股関節の屈筋、大腿四頭筋、内転筋群、腰方形筋
◇フォームローラー例
[内転筋群](個人的には仰向けの方がやりやすい)
[股関節の屈筋](男性は片脚ずつやったほうが良いかも)
[ハムストリングス]
◇ストレッチ例
[腰方形筋]
[ハムストリングス]
[股関節の屈筋]
[内転筋群]
・主に鍛える動作:
腹直筋下部、外腹斜筋、股関節の伸展、股関節の外転・外旋、
[腹直筋下部・外腹斜筋]
デッドバグ(dead bug)
腹直筋の下部と外腹斜筋を収縮し、骨盤を後傾し腰椎のアーチをフラットにする。背中全体が床にべたっと付くように。ドローインを同時に行うと骨盤を後傾しやすい。この骨盤と腰椎の姿勢をキープしたままデッドバグの動作を行う。(もちろんこの骨盤と背骨の位置でデッドリフトなどをやってはだめ)
初級編は、片脚を床すれすれに伸ばしてまた元の位置に戻す。強度を上げるには、両腕を同時に動かしたり、脚を上げたり。
プランク
関連記事:プランクのやり方
[股関節の外転・外旋]
- チューブを使うと良い。
X Band Walk
The Band Side Lying Clam
[股関節の伸展(臀筋群とハムストリングス)]
臀筋群はグルートブリッジ、ヒップスラスト
- かかとで踏ん張って、トップで膝が90度くらいになるように。腰椎はニュートラルのままで腰を反らせないよう注意する。トップで臀筋群を強く収縮させると良い。
- まずは両足自重。10レップくらい余裕なら片足自重。これも余裕ならバーベル使ってヒップスラスト。無理な重量でやると腰や大腿四頭筋を使おうとして臀筋群に効かないので、軽めの重量でケツを収縮させるのを意識すること。自重だとこんな感じ。この動画イイネ! 是非音声も聞いていただきたい(ヒップスラストは5:45くらいから)。
ハムストリングスは、ルーマニアンデッドリフト(RDL)など。股関節の伸展でハムストリングスに効く種目が良いだろう(レッグカールは膝関節の屈曲なのでちょっと違う)。RDLは尻を後ろに引いて大腿四頭筋を関与させないことを意識。背中はタイトなままで。
★その他
普段の生活で良い姿勢を意識する。座りっぱなしは避けて、こまめに立ち上がって伸びをしたり、うろうろしたり軽くストレッチをしたりする。トレーニングのときだけ良い姿勢になっても、一日の時間の大部分を占めるのは普段の生活なので。
参考サイト:
15 Ways to Foam Roll
https://www.t-nation.com/training/feel-better-for-10-bucks
Neanderthal No More - Part 1
https://www.t-nation.com/training/neanderthal-no-more-1
Neanderthal No More - Part 2
https://www.t-nation.com/training/neanderthal-no-more-2
Neanderthal No More - Part 3
https://www.t-nation.com/training/neanderthal-no-more-3
Neanderthal No More - Part 4
https://www.t-nation.com/workouts/neanderthal-no-more-4
Neanderthal No More - Part 5
https://www.t-nation.com/workouts/neanderthal-no-more-5
関連記事:
懸垂のやり過ぎによる怪我リスク(肘と肩)
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11/07/2016
バランスの取れたトレーニング種目の選択-メカニズム編-
本格的に全身のウェイトトレーニングを行う場合、一般的には以下のような種目を組み合わせることが多い。
スクワット(レッグプレス)、デッドリフト、ベンチプレス、懸垂(ラットプルダウン)、ローイング、ショルダープレス、あとは腕と脚のカールやエクステンションなどのアイソレート種目。
一見バランス良く全身をトレーニング出来ているように見えるが、このようなプログラムの組み方では筋肉の発達がアンバランスになり、姿勢が悪くなったり怪我をしやすくなったりする。良いフォームで行っていたとしてもそうなる。
さらに仕事や勉強で座っている時間が長い場合、下の図のように座ることで悪くなりやすい姿勢を、トレーニングによりさらに悪化させる方向に筋肉が発達してしまう。(実際に自分がそうなった。なので現在、姿勢矯正のためのトレーニングを行っている)
以下、デスクワーク+一般的なトレーニングプログラムでどう筋肉のアンバランスが起こるのか見ていく。
★動作のアンバランス
対になる動作をそれぞれ見ていく。図で赤くなっている動作が一般的なトレーニングプログラムでは強化され、青くなっている動作が弱いまま。
・股関節
内転と外転:スクワットやスモウデッドで内転はよく鍛えられるが、外転がほぼ鍛えられない。
伸展と屈曲:座りっぱなしで屈曲の筋肉は固く縮みやすい。スクワットやデッドリフトでは臀筋群がそれほど使われず、臀筋群が弱い場合が多い。
内旋と外旋:内旋を行う筋肉が強くなりやすい。
・肩関節
水平方向の内転と外転:ベンチプレスで内転は鍛えられるが、外転が全く鍛えられない。
伸展と屈曲:懸垂で伸展が鍛えられるが、屈曲が全く鍛えられない。
内旋と外旋:大胸筋も三角筋前部も広背筋も内旋を行う。従ってベンチプレス、ショルダープレス、懸垂では内旋を行う筋肉ばかりが鍛えられる。外旋の動作が全く鍛えられない。
・肩甲骨
挙上と下制:デッドリフトや懸垂で下制はするが、広背筋が支配的になってしまって僧帽筋下部など細かい制御を行う筋肉が働いていないケースがある。
内転と外転:ベンチプレスで内転の動作(肩甲骨を寄せる)。ローイングは内転を鍛えられるが、外転は鍛えられない。一般的には内転も外転も弱く、特に外転の動作が全く無いので外転で使う筋肉が上手く働かない。
上方回旋と下方回旋:あまり動きがない。どちらかに寄って動きにくくなっているケースがある。
前傾と後傾:猫背や身体の前側に重いものを持つ(アームカールなど)ことで前傾しやすい。
肩甲骨の動きについてはこのサイトがわかりやすい。
★筋肉のアンバランス
赤い部分が強くて固く縮こまってる。
青い部分が弱くて伸びている。
ハムストリングス(紫色)は一般的には弱くて固い。
・股関節
- 内転と内旋が強いことで大腿骨が内側によれる。膝を痛めやすくなる。
- 座りっぱなしで屈曲の筋肉は固く縮みやすい。腹筋と臀筋群が弱く、脊柱起立筋群と広背筋が強いので、骨盤が前傾し、腰椎が過度に伸展する。腰椎が過度に伸展すると腰を痛めやすい。また内蔵が前に押され、下腹部がぽっこり出る。
・肩関節と肩甲骨
- 水平方向の内転と内旋が強いことで猫背や巻き肩になる。座りっぱなしでも猫背や巻き肩になりやすいので、筋トレでさらにこれが悪化する。
- 伸展と肩甲骨の前傾と猫背により、上腕骨の骨頭と肩関節のソケットの接点がずれたり、衝突無く動かすためのスペースが少なくなったりして肩を痛めやすくなる。
- 肩甲骨の外転動作が行われないので前鋸筋が働かなくなり、腕を上げたりする時の制御が不安定に。
各関節は連動するため、一箇所の関節がおかしくなると他の関節にも影響が及ぶ。例えば、腰椎が過度の伸展をする(腰が反りすぎる)と、そのままでは上体が後ろに仰け反って倒れてしまうので、胸椎を前に曲げる(胸椎を過度に屈曲する)ことで重心のバランスをとる。そして胸椎が曲がると視線が下の方に向いて前が見にくくなるので、頭を起こす(頚椎を過度に伸展させる)。
怪我の発生リスクは、関節の強度や重量やボリュームやアンバランスの度合いなど個人の状況によって異なってくるので、一般的なトレーニングプログラムを行っているからといって必ず怪我をするわけではないけど、アンバランスが大きくなるとそれだけ怪我のリスクが上がるので、怪我をなるべく避けたい場合はバランスを整えるためのエクササイズを行ったほうが良いだろう。具体的なエクササイズ例は次の記事で書く予定。
次の記事: バランスの取れたトレーニング種目の選択-エクササイズ編-
参考記事:
Neanderthal No More - Part 1
https://www.t-nation.com/training/neanderthal-no-more-1
Neanderthal No More - Part 2
https://www.t-nation.com/training/neanderthal-no-more-2
Neanderthal No More - Part 3
https://www.t-nation.com/training/neanderthal-no-more-3
Neanderthal No More - Part 4
https://www.t-nation.com/workouts/neanderthal-no-more-4
Neanderthal No More - Part 5
https://www.t-nation.com/workouts/neanderthal-no-more-5
関連記事:
懸垂のやり過ぎによる怪我リスク(肘と肩)
肩の健康のために
膝の健康のために
スクワット(レッグプレス)、デッドリフト、ベンチプレス、懸垂(ラットプルダウン)、ローイング、ショルダープレス、あとは腕と脚のカールやエクステンションなどのアイソレート種目。
一見バランス良く全身をトレーニング出来ているように見えるが、このようなプログラムの組み方では筋肉の発達がアンバランスになり、姿勢が悪くなったり怪我をしやすくなったりする。良いフォームで行っていたとしてもそうなる。
さらに仕事や勉強で座っている時間が長い場合、下の図のように座ることで悪くなりやすい姿勢を、トレーニングによりさらに悪化させる方向に筋肉が発達してしまう。(実際に自分がそうなった。なので現在、姿勢矯正のためのトレーニングを行っている)
以下、デスクワーク+一般的なトレーニングプログラムでどう筋肉のアンバランスが起こるのか見ていく。
★動作のアンバランス
対になる動作をそれぞれ見ていく。図で赤くなっている動作が一般的なトレーニングプログラムでは強化され、青くなっている動作が弱いまま。
・股関節
内転と外転:スクワットやスモウデッドで内転はよく鍛えられるが、外転がほぼ鍛えられない。
伸展と屈曲:座りっぱなしで屈曲の筋肉は固く縮みやすい。スクワットやデッドリフトでは臀筋群がそれほど使われず、臀筋群が弱い場合が多い。
内旋と外旋:内旋を行う筋肉が強くなりやすい。
・肩関節
水平方向の内転と外転:ベンチプレスで内転は鍛えられるが、外転が全く鍛えられない。
伸展と屈曲:懸垂で伸展が鍛えられるが、屈曲が全く鍛えられない。
内旋と外旋:大胸筋も三角筋前部も広背筋も内旋を行う。従ってベンチプレス、ショルダープレス、懸垂では内旋を行う筋肉ばかりが鍛えられる。外旋の動作が全く鍛えられない。
・肩甲骨
挙上と下制:デッドリフトや懸垂で下制はするが、広背筋が支配的になってしまって僧帽筋下部など細かい制御を行う筋肉が働いていないケースがある。
内転と外転:ベンチプレスで内転の動作(肩甲骨を寄せる)。ローイングは内転を鍛えられるが、外転は鍛えられない。一般的には内転も外転も弱く、特に外転の動作が全く無いので外転で使う筋肉が上手く働かない。
上方回旋と下方回旋:あまり動きがない。どちらかに寄って動きにくくなっているケースがある。
前傾と後傾:猫背や身体の前側に重いものを持つ(アームカールなど)ことで前傾しやすい。
肩甲骨の動きについてはこのサイトがわかりやすい。
★筋肉のアンバランス
赤い部分が強くて固く縮こまってる。
青い部分が弱くて伸びている。
ハムストリングス(紫色)は一般的には弱くて固い。
・股関節
- 内転と内旋が強いことで大腿骨が内側によれる。膝を痛めやすくなる。
- 座りっぱなしで屈曲の筋肉は固く縮みやすい。腹筋と臀筋群が弱く、脊柱起立筋群と広背筋が強いので、骨盤が前傾し、腰椎が過度に伸展する。腰椎が過度に伸展すると腰を痛めやすい。また内蔵が前に押され、下腹部がぽっこり出る。
・肩関節と肩甲骨
- 水平方向の内転と内旋が強いことで猫背や巻き肩になる。座りっぱなしでも猫背や巻き肩になりやすいので、筋トレでさらにこれが悪化する。
- 伸展と肩甲骨の前傾と猫背により、上腕骨の骨頭と肩関節のソケットの接点がずれたり、衝突無く動かすためのスペースが少なくなったりして肩を痛めやすくなる。
- 肩甲骨の外転動作が行われないので前鋸筋が働かなくなり、腕を上げたりする時の制御が不安定に。
各関節は連動するため、一箇所の関節がおかしくなると他の関節にも影響が及ぶ。例えば、腰椎が過度の伸展をする(腰が反りすぎる)と、そのままでは上体が後ろに仰け反って倒れてしまうので、胸椎を前に曲げる(胸椎を過度に屈曲する)ことで重心のバランスをとる。そして胸椎が曲がると視線が下の方に向いて前が見にくくなるので、頭を起こす(頚椎を過度に伸展させる)。
怪我の発生リスクは、関節の強度や重量やボリュームやアンバランスの度合いなど個人の状況によって異なってくるので、一般的なトレーニングプログラムを行っているからといって必ず怪我をするわけではないけど、アンバランスが大きくなるとそれだけ怪我のリスクが上がるので、怪我をなるべく避けたい場合はバランスを整えるためのエクササイズを行ったほうが良いだろう。具体的なエクササイズ例は次の記事で書く予定。
次の記事: バランスの取れたトレーニング種目の選択-エクササイズ編-
参考記事:
Neanderthal No More - Part 1
https://www.t-nation.com/training/neanderthal-no-more-1
Neanderthal No More - Part 2
https://www.t-nation.com/training/neanderthal-no-more-2
Neanderthal No More - Part 3
https://www.t-nation.com/training/neanderthal-no-more-3
Neanderthal No More - Part 4
https://www.t-nation.com/workouts/neanderthal-no-more-4
Neanderthal No More - Part 5
https://www.t-nation.com/workouts/neanderthal-no-more-5
関連記事:
懸垂のやり過ぎによる怪我リスク(肘と肩)
肩の健康のために
膝の健康のために
8/28/2016
プラトー打破とピリオダイゼーション
★トレーニングへの適応モデル
(1) 下図の左側のバケツが運動能力を表す。運動能力には様々な面がある。ストレングス、パワー、スピード、アジリティ、筋持久力、全身持久力など。その他にもそのスポーツ独自のスキル、チームプレイのスキルなど。
右側のジョウロがワークキャパシティを表す。ワークキャパシティとは、トレーニングセッションでどれだけトレーニングをこなせるか、次のトレーニングセッションまでにどれだけ回復できるか。ジョウロの中の水が体力で、図では体力が十分に満ちている状態。
(2) 運動能力のバケツを満たすだけのトレーニングを継続的に実施する。バケツに水(体力)を注ぎ込むイメージ。
(3) 運動能力が向上する。バケツのサイズが大きくなるイメージ。
(4) さらに向上し続けるには、強度とボリュームを上げたトレーニングを実施する必要がある。これにはより多くの体力を必要とする。
レジスタンストレーニングの例だと、スクワット3セット×8レップで向上しなくなったら(重量が伸びなくなったら)、スクワット5セット×8レップにしたり、レッグプレス2セット×8レップを加えたりする。順調に向上が続いている間は、ボリュームは無理に増やさない方が良い。その時点の運動能力の向上に必要な水準を大幅に越えるボリュームをこなしても、次のトレーニングセッションまでに体力が回復せず、長期的なトレーニング効果が低下する。
★プラトー
ある程度運動能力が向上すると、ワークキャパシティが足りなくなり、さらなる向上が難しくなる。この運動能力の向上が停滞した状態をプラトーと言う。
◇◇◇プラトーを打ち破るには◇◇◇
★運動能力の分割
運動能力を分割することで、それぞれの運動能力の向上にワークキャパシティが足りるようになる。一般的なスポーツ、例えばサッカーだったら、最初はゲームをプレイし続けることで、サッカーに必要な運動能力はある程度は向上する。しかしそのままでは上達が止まるので、持久力やアジリティなどの基礎能力を向上させる練習、パスやドリブルやシュートなどボールを扱うスキルを向上させる練習、チームプレイのスキルを向上させる練習などに分けて、それぞれの運動能力を向上させていく。(スポーツでは分割して反復練習した方がスキルの習得が容易という理由もある)
レジスタンストレーニングの例だと、最初は毎回のトレーニングセッションでBIG3+αを行い全身をトレーニングしていたのを、例えば上半身と下半身に分割して別の日にトレーニングする。そうすることで、各部位の強度とボリュームを上げることができ、向上を続けることが出来る。
★期間を分けて各運動能力を強化
数週間~数ヶ月の期間に分けて、それぞれの運動能力を集中的に強化していく。強化対象ではない運動能力は、何もしないと衰えていくので、維持のためのトレーニングを並行して行う。運動能力の維持に必要なトレーニングは、向上に必要な量よりもずっと少なくて済む。スポーツでは一般的には、土台となる基礎体力から始めて、基礎スキル、高度なスキル、コンディションを整えて試合に臨む、といった順番になる。
レジスタンストレーニングの例だと、中レップ(6-12レップ)のトレーニングを高ボリュームで行って筋肥大を目指す期間と、低レップ(1-5レップ)のトレーニングを行いストレングスの向上を目指す期間に分ける。また体力や時間の制約で全身の筋肉を同時に成長させるのが難しい状況では、特定の部位を集中的に強化し、他の部位は維持を目的として軽くトレーニングする方法もある。
★ワークキャパシティの拡大
プラトー打破の手段としては、運動能力を分割する以外にも、ワークキャパシティを大きくするというアプローチもある。運動能力を細かく分割しすぎても、各運動能力のトレーニング頻度が下がりトレーニング効果を得られなくなるので、いずれにせよ継続的な向上のためにはワークキャパシティを大きくする必要がある。ワークキャパシティを大きくするには、一般的に低強度・高ボリュームのトレーニングを行う。
レジスタンストレーニングでは、中レップと高レップ(15レップ以上)のトレーニングを多く行ったり、有酸素運動を行うことでワークキャパシティは大きくなる。低レップ中心のトレーニングをしている人は、プラトーが訪れたらワークキャパシティの拡大を意識すると良い。
★トレーニングの強弱
運動能力が向上するにつれ、さらなる向上にはよりハードなトレーニングが必要になる。しかしハードなトレーニングを連続すると体力の回復が追いつかなくなり、運動能力を向上させられるだけのトレーニングが行えなくなる(下図(3))。これを避けるために、トレーニングの強度とボリュームを下げる期間を挟んだり、休息を入れたりする。例えば、2週間はハードにトレーニングを行い、1週間は軽いトレーニングを行う、または一週間のうちでハードにトレーニングする日と軽くトレーニングする日を設ける。
体力を回復させずにハードトレーニングを続けると、そのトレーニングは体感ではハードだが実際には運動能力を向上させるほどハードではないので、停滞が続くことになる。体感でハードなトレーニングを行えているかどうかではなくて、運動能力のバケツを満たすだけのトレーニングを行えているかを考える必要がある。
関連記事:
筋肥大トレのピリオダイゼーション
6/06/2016
カーフが発達しにくい理由とトレーニング方法
Training the Calves
http://www.bodyrecomposition.com/muscle-gain/training-the-calves.html/
なぜカーフは発達しにくいのか。その理由について、生まれつきの問題とトレーニング方法の問題が書かれている。その後で推奨トレーニング方法も。
★生まれつきの問題
◇カーフを構成する主な筋肉
- 腓腹筋: 速筋の割合が高め。二関節筋で膝を曲げる動作にも寄与する。
- ヒラメ筋: 遅筋主体。
◇筋肉の長さ
黒人スプリンターのようにアキレス腱が長く筋肉が短い場合、カーフはデカくなる余地があまり無い。
◇アンドロゲンレセプターの分布
- アンドロゲンレセプターはテストステロン等が結合し、その効果の一つはタンパク質の合成を促すこと。一般的に男性は上半身ではアンドロゲンレセプターの分布密度が高く、下半身では低い。特に僧帽筋と肩まわりの密度が高いので、ステロイドユーザーはその部分が顕著に発達する。
- カーフは下半身のさらに下の方になるので、生まれつきアンドロゲンレセプターの密度が低い傾向がある。そのためトレーニングを行ってもなかなか発達しない。
- 現代のボディビルダーが昔のボディビルダーよりも脚部が発達しているのは、大量の薬物投与によりアンドロゲンレセプターが下半身で増えて脚部が発達しやすくなっている・・・という話もある。
- あくまで経験ベースであるが、下半身のアンドロゲンレセプターの密度が高くて、上半身の密度が低いように見える男性もいる。そのような人は下半身は発達しやすいが、上半身が発達しにくい。
★トレーニング方法の問題
カーフレイズを早いテンポでビヨンビヨンやると、アキレス腱に弾性エネルギーが蓄えられ、踵を上げる力のかなりの部分にその弾性エネルギーを使う。こうすると筋肉があまり力を発揮せずカーフに刺激が入らない。ゴムを引っ張って戻すのと同じ。腱は疲れないので、ビヨンビヨンとカーフレイズをやると筋肉が疲れるまでかなりの回数をやることになる。
★推奨トレーニング方法
以下のメニューを週に2回~5日に1回。他の筋肉と同じように漸進的過負荷で行う。慣れていないと筋肉痛がひどくなるかもしれないので最初の数週間は追い込まない方が良い。
1) 膝を伸ばした状態で行う
- 腓腹筋とヒラメ筋の両方が使われる。腓腹筋を主にターゲット。
- 5レップ×5セット
- 高重量
- ボトムで2秒静止→一気に上げる→トップで1秒カーフの筋肉を絞り上げる→3秒かけて下ろす
- セット間休憩3分
- 下ろすときはカーフをストレッチしすぎないように注意
2) 膝を曲げた状態で行う
- 膝を曲げると腓腹筋が関与しにくくなる。遅筋主体のヒラメ筋をターゲット。
- 8-10レップ×3-4セット
- ボトムで2秒静止→2秒かけて上げる→トップで少しの間静止→2秒かけて下ろす
- セット間休憩60-90秒
☆感想
腓腹筋はそれほど速筋優位なわけではないからレップレンジは10RM前後でも良いと思う。あと最近の研究で30%1RMで遅筋が優先的に肥大したというのがあるので、ヒラメ筋のレップレンジももっと高めで良いかもしれない。
アフリカ系のように暑い地域の人は放熱に有利なように膝下が細くて、北ヨーロッパ系のように寒い地域の人は熱を蓄えやすいように膝下が太いという話を読んだことがある(ベルクマンの法則と同じ)。個人的には黒人スプリンターのカーフがかっこいい。機能美を感じる。
競技のためのトレーニングという観点では、ボディビル以外ではカーフを上記の方法で鍛えない方が良いと思う。大部分のスポーツは弾性エネルギーを活用して効率的な動作を行ったが良いし、末端部を重くすると余計なモーメントが増えて素早い動作や持久力に悪影響が出る。
http://www.bodyrecomposition.com/muscle-gain/training-the-calves.html/
なぜカーフは発達しにくいのか。その理由について、生まれつきの問題とトレーニング方法の問題が書かれている。その後で推奨トレーニング方法も。
★生まれつきの問題
◇カーフを構成する主な筋肉
- 腓腹筋: 速筋の割合が高め。二関節筋で膝を曲げる動作にも寄与する。
- ヒラメ筋: 遅筋主体。
◇筋肉の長さ
黒人スプリンターのようにアキレス腱が長く筋肉が短い場合、カーフはデカくなる余地があまり無い。
◇アンドロゲンレセプターの分布
- アンドロゲンレセプターはテストステロン等が結合し、その効果の一つはタンパク質の合成を促すこと。一般的に男性は上半身ではアンドロゲンレセプターの分布密度が高く、下半身では低い。特に僧帽筋と肩まわりの密度が高いので、ステロイドユーザーはその部分が顕著に発達する。
- カーフは下半身のさらに下の方になるので、生まれつきアンドロゲンレセプターの密度が低い傾向がある。そのためトレーニングを行ってもなかなか発達しない。
- 現代のボディビルダーが昔のボディビルダーよりも脚部が発達しているのは、大量の薬物投与によりアンドロゲンレセプターが下半身で増えて脚部が発達しやすくなっている・・・という話もある。
- あくまで経験ベースであるが、下半身のアンドロゲンレセプターの密度が高くて、上半身の密度が低いように見える男性もいる。そのような人は下半身は発達しやすいが、上半身が発達しにくい。
★トレーニング方法の問題
カーフレイズを早いテンポでビヨンビヨンやると、アキレス腱に弾性エネルギーが蓄えられ、踵を上げる力のかなりの部分にその弾性エネルギーを使う。こうすると筋肉があまり力を発揮せずカーフに刺激が入らない。ゴムを引っ張って戻すのと同じ。腱は疲れないので、ビヨンビヨンとカーフレイズをやると筋肉が疲れるまでかなりの回数をやることになる。
★推奨トレーニング方法
以下のメニューを週に2回~5日に1回。他の筋肉と同じように漸進的過負荷で行う。慣れていないと筋肉痛がひどくなるかもしれないので最初の数週間は追い込まない方が良い。
1) 膝を伸ばした状態で行う
- 腓腹筋とヒラメ筋の両方が使われる。腓腹筋を主にターゲット。
- 5レップ×5セット
- 高重量
- ボトムで2秒静止→一気に上げる→トップで1秒カーフの筋肉を絞り上げる→3秒かけて下ろす
- セット間休憩3分
- 下ろすときはカーフをストレッチしすぎないように注意
2) 膝を曲げた状態で行う
- 膝を曲げると腓腹筋が関与しにくくなる。遅筋主体のヒラメ筋をターゲット。
- 8-10レップ×3-4セット
- ボトムで2秒静止→2秒かけて上げる→トップで少しの間静止→2秒かけて下ろす
- セット間休憩60-90秒
☆感想
腓腹筋はそれほど速筋優位なわけではないからレップレンジは10RM前後でも良いと思う。あと最近の研究で30%1RMで遅筋が優先的に肥大したというのがあるので、ヒラメ筋のレップレンジももっと高めで良いかもしれない。
アフリカ系のように暑い地域の人は放熱に有利なように膝下が細くて、北ヨーロッパ系のように寒い地域の人は熱を蓄えやすいように膝下が太いという話を読んだことがある(ベルクマンの法則と同じ)。個人的には黒人スプリンターのカーフがかっこいい。機能美を感じる。
競技のためのトレーニングという観点では、ボディビル以外ではカーフを上記の方法で鍛えない方が良いと思う。大部分のスポーツは弾性エネルギーを活用して効率的な動作を行ったが良いし、末端部を重くすると余計なモーメントが増えて素早い動作や持久力に悪影響が出る。
6/04/2016
部位あたり週に何回トレーニングすべきか
How Many Times Should You Train a Muscle Each Week?
http://www.lookgreatnaked.com/blog/how-many-times-should-you-train-a-muscle-each-week/
Effects of Resistance Training Frequency on Measures of Muscle Hypertrophy: A Systematic Review and Meta-Analysis
https://www.researchgate.net/publication/301578131_Effects_of_Resistance_Training_Frequency_on_Measures_of_Muscle_Hypertrophy_A_Systematic_Review_and_Meta-Analysis
筋肉の部位あたりのトレーニング頻度が筋肥大に与える影響についてのSchoenfeld他のメタアナリシス研究。今年の4月のものなので出来立てほやほや。
研究結果では、部位あたり週1回でもそれなりに筋肥大するが、部位あたり週1回よりも週2回の方が筋肥大効果が高い。週3回がさらに良いかは不明。
週ベースのトレーニングボリュームは同じ。コメント欄によると、正確には7つの研究のうち5つがボリュームが等しくて、あと2つはボリュームが違うが、Schoenfeldの見解ではこれが解析結果を大きく変えるとは思わないとのこと。
解析対象になっているのは6-12週の比較的短い期間の研究なので、高いトレーニング頻度で短期的には良い結果が出ても、オーバートレーニングになった場合は長期的にはパフォーマンスが落ちる可能性がある。頻度を高くする場合は、トレーニングの強度・頻度・ボリュームを減らすデロード期間を組み込んだピリオダイゼーションが安全だろう。
あとどのトレーニング頻度が良い結果をもたらすかは個人差がある。自分の身体の反応を見ながら行うのが良い。
☆感想
この研究では週ベースのトレーニングボリュームが同じなら、週1回よりも週2回に分けた方が筋肥大効果が高いという結果が示された。ただどの程度のトレーニング頻度が最適かははっきりとはわからない。また筋量や年齢や回復力などによって変わってくるかもしれないし、筋肉の部位(もしくはタイプⅠ・Ⅱ筋繊維の構成割合)によっても違うかもしれない。この研究では解析対象となる研究の数が少ないため、トレーニング歴や年齢で分けずに解析している。
とりあえず現場で効果の出ている一般的なトレーニングプログラムを元に、トレーニングに割ける時間と労力を勘案し、自分の身体の反応を見ながらプログラムを組み立てるのが良いと思う。今回の研究の結果を反映させると、例えば週2回トレーニング日を作れるなら、下半身の日と上半身の日に分けるよりも、2日とも全身をトレーニングした方が筋肥大効果が高くなると考えられる。
コンパウンド種目を主体にする場合は、部位あたり週2回~5日に1回が良いだろう。スクワットやデッドリフトなど全身への負荷が高い種目をやり過ぎると、中枢神経系の疲労によるオーバートレーニングになりやすいかもしれないので、ルーマニアンデッドリフトやレッグプレスやレッグエクステンションやランジなど補助トレーニングを上手く活用して、中枢神経系の疲労を抑えつつ局所的に筋肉に負荷をかけると良いと思う。
関連記事:
筋肥大トレの推奨ボリューム
筋肥大トレーニングプログラムにおけるトレードオフ
http://www.lookgreatnaked.com/blog/how-many-times-should-you-train-a-muscle-each-week/
Effects of Resistance Training Frequency on Measures of Muscle Hypertrophy: A Systematic Review and Meta-Analysis
https://www.researchgate.net/publication/301578131_Effects_of_Resistance_Training_Frequency_on_Measures_of_Muscle_Hypertrophy_A_Systematic_Review_and_Meta-Analysis
筋肉の部位あたりのトレーニング頻度が筋肥大に与える影響についてのSchoenfeld他のメタアナリシス研究。今年の4月のものなので出来立てほやほや。
研究結果では、部位あたり週1回でもそれなりに筋肥大するが、部位あたり週1回よりも週2回の方が筋肥大効果が高い。週3回がさらに良いかは不明。
週ベースのトレーニングボリュームは同じ。コメント欄によると、正確には7つの研究のうち5つがボリュームが等しくて、あと2つはボリュームが違うが、Schoenfeldの見解ではこれが解析結果を大きく変えるとは思わないとのこと。
解析対象になっているのは6-12週の比較的短い期間の研究なので、高いトレーニング頻度で短期的には良い結果が出ても、オーバートレーニングになった場合は長期的にはパフォーマンスが落ちる可能性がある。頻度を高くする場合は、トレーニングの強度・頻度・ボリュームを減らすデロード期間を組み込んだピリオダイゼーションが安全だろう。
あとどのトレーニング頻度が良い結果をもたらすかは個人差がある。自分の身体の反応を見ながら行うのが良い。
☆感想
この研究では週ベースのトレーニングボリュームが同じなら、週1回よりも週2回に分けた方が筋肥大効果が高いという結果が示された。ただどの程度のトレーニング頻度が最適かははっきりとはわからない。また筋量や年齢や回復力などによって変わってくるかもしれないし、筋肉の部位(もしくはタイプⅠ・Ⅱ筋繊維の構成割合)によっても違うかもしれない。この研究では解析対象となる研究の数が少ないため、トレーニング歴や年齢で分けずに解析している。
とりあえず現場で効果の出ている一般的なトレーニングプログラムを元に、トレーニングに割ける時間と労力を勘案し、自分の身体の反応を見ながらプログラムを組み立てるのが良いと思う。今回の研究の結果を反映させると、例えば週2回トレーニング日を作れるなら、下半身の日と上半身の日に分けるよりも、2日とも全身をトレーニングした方が筋肥大効果が高くなると考えられる。
コンパウンド種目を主体にする場合は、部位あたり週2回~5日に1回が良いだろう。スクワットやデッドリフトなど全身への負荷が高い種目をやり過ぎると、中枢神経系の疲労によるオーバートレーニングになりやすいかもしれないので、ルーマニアンデッドリフトやレッグプレスやレッグエクステンションやランジなど補助トレーニングを上手く活用して、中枢神経系の疲労を抑えつつ局所的に筋肉に負荷をかけると良いと思う。
関連記事:
筋肥大トレの推奨ボリューム
筋肥大トレーニングプログラムにおけるトレードオフ
6/03/2016
筋力と筋量の維持に必要なトレーニング量
忙しかったりストレスがきつかったりでトレーニングが思うように行えない時がある。そのような場合は、どの程度のトレーニングを行えば筋力と筋量を維持できるのか。
筋肉の維持に必要なトレーニング量の研究はいくつかあるけど、この研究は年齢の影響、筋力(1RM)、筋肥大(生体組織診断による筋繊維断面積とDXAによる筋肉量測定)と包括的に調べていて、かつ被験者数が多く実験期間が長い。
Exercise Dosing to Retain Resistance Training Adaptations in Young and Older Adults
★被験者
60-75歳グループと20-35歳グループで計70名(実験を完遂したのは56名)。肥満ではない。過去5年にトレーニング歴無し。
★実験方法
・第一段階
全員が以下のレジスタンストレーニングプログラムを16週間実施。
- トレーニング日は週3回。
- トレーニング種目はニーエクステンション、レッグプレス、スクワット。
- 各トレーニング日に上記3種目を重量75-80%1RMで8-12レップ×3セット。
・第二段階
高齢者グループと若者グループをそれぞれ以下の3グループに分ける。期間は32週間。
1) トレーニング無し
2) トレーニングボリューム1/3:トレーニング日を週に1回に減らす。トレーニング日の内容は第一段階と同じ。
3) トレーニングボリューム1/9:トレーニング日を週に1回に減らす。各種目1セットに減らす。
★測定項目
- 1RM
- TLM(Thigh lean mass)。体脂肪と骨を除いた太腿の質量。DXAで測定。
- 外側広筋の筋繊維のタイプ別の断面積と構成割合
★結果
・第一段階
高齢者グループも若者グループも、筋力の向上と筋肥大が見られた。若者グループの方がより筋肥大し、それは主にタイプⅡ筋繊維の肥大によるものだった。タイプⅡ筋繊維の割合はグループ間で差はなく、割合変化(タイプⅡx→タイプⅡaへのシフト)も差がなかった。
・第二段階
高齢者グループ
- トレーニング無し:筋量はトレーニング前のレベルに戻った。筋力は維持。
- トレーニングボリューム1/9:筋量低下。筋力は維持。
- トレーニングボリューム1/3:筋量低下。筋力は維持。
若者グループ
- トレーニング無し:筋量はトレーニング前のレベルに戻った。筋力は維持。
- トレーニングボリューム1/9:筋量は概ね維持。筋力は上昇。
- トレーニングボリューム1/3:緩やかではあるが筋肥大と筋力の上昇が続いた。
※他の研究でもレジスタンストレーニングで獲得した筋力(神経系の適応などによる)は、何もしなくても数ヶ月間は維持されることが示されている。ただ、この研究では4-8週間ごとに行った1RM測定が筋力の維持に寄与した可能性もある。
レジスタンストレーニングへの適応として起こるタイプⅡ筋繊維の割合(ⅡaとⅡx)の変化は、高齢者グループと若者グループで同じ。
- トレーニング無し:割合は元に戻った。
- トレーニングボリューム1/9:割合はややリバーサルした。
- トレーニングボリューム1/3:割合は維持。
★結論
若い人はトレーニングボリュームを1/3に減らしても筋量と筋力を数ヶ月は維持・向上できるようだ。高齢になるとボリューム1/3でも筋量の維持には足りないが、筋力の維持はできる。高齢者の筋力の維持は転倒予防につながる。筋量は糖や脂質の代謝などに影響するので、筋量もなるべく維持した方が健康には良い。
☆コメント
筋肥大に必要なトレーニングボリュームに比べて、筋量と筋力の維持はかなり少ないボリュームで可能。各人の状況によって必要なトレーニングボリュームは変わってくると思われる。自分の身体の反応を見ながら調整するのが良いだろう。筋力の維持よりも筋量の維持の方が必要ボリュームが多いようなので、筋量を維持したい場合は、筋力をギリギリ維持できるボリュームよりも多くした方が良いだろう。
- 年齢が高くなると維持に必要なトレーニングボリュームは多くなる。
- 減量時(カロリー収支マイナス)には維持に必要なトレーニングボリュームは多くなるだろう。
- 体脂肪率が極度に低い場合は維持に必要なトレーニングボリュームは多くなるだろう。
- 筋量の水準の影響はどうだろう。筋量が増えればそれだけさらなる筋肥大に必要なボリュームは増えるので維持に必要な絶対的なトレーニングボリュームも増えるはずだが、相対的には筋量が少ない場合と同じなのだろうか。
筋肉の維持に必要なトレーニング量の研究はいくつかあるけど、この研究は年齢の影響、筋力(1RM)、筋肥大(生体組織診断による筋繊維断面積とDXAによる筋肉量測定)と包括的に調べていて、かつ被験者数が多く実験期間が長い。
Exercise Dosing to Retain Resistance Training Adaptations in Young and Older Adults
★被験者
60-75歳グループと20-35歳グループで計70名(実験を完遂したのは56名)。肥満ではない。過去5年にトレーニング歴無し。
★実験方法
・第一段階
全員が以下のレジスタンストレーニングプログラムを16週間実施。
- トレーニング日は週3回。
- トレーニング種目はニーエクステンション、レッグプレス、スクワット。
- 各トレーニング日に上記3種目を重量75-80%1RMで8-12レップ×3セット。
・第二段階
高齢者グループと若者グループをそれぞれ以下の3グループに分ける。期間は32週間。
1) トレーニング無し
2) トレーニングボリューム1/3:トレーニング日を週に1回に減らす。トレーニング日の内容は第一段階と同じ。
3) トレーニングボリューム1/9:トレーニング日を週に1回に減らす。各種目1セットに減らす。
★測定項目
- 1RM
- TLM(Thigh lean mass)。体脂肪と骨を除いた太腿の質量。DXAで測定。
- 外側広筋の筋繊維のタイプ別の断面積と構成割合
★結果
・第一段階
高齢者グループも若者グループも、筋力の向上と筋肥大が見られた。若者グループの方がより筋肥大し、それは主にタイプⅡ筋繊維の肥大によるものだった。タイプⅡ筋繊維の割合はグループ間で差はなく、割合変化(タイプⅡx→タイプⅡaへのシフト)も差がなかった。
・第二段階
高齢者グループ
- トレーニング無し:筋量はトレーニング前のレベルに戻った。筋力は維持。
- トレーニングボリューム1/9:筋量低下。筋力は維持。
- トレーニングボリューム1/3:筋量低下。筋力は維持。
若者グループ
- トレーニング無し:筋量はトレーニング前のレベルに戻った。筋力は維持。
- トレーニングボリューム1/9:筋量は概ね維持。筋力は上昇。
- トレーニングボリューム1/3:緩やかではあるが筋肥大と筋力の上昇が続いた。
※他の研究でもレジスタンストレーニングで獲得した筋力(神経系の適応などによる)は、何もしなくても数ヶ月間は維持されることが示されている。ただ、この研究では4-8週間ごとに行った1RM測定が筋力の維持に寄与した可能性もある。
レジスタンストレーニングへの適応として起こるタイプⅡ筋繊維の割合(ⅡaとⅡx)の変化は、高齢者グループと若者グループで同じ。
- トレーニング無し:割合は元に戻った。
- トレーニングボリューム1/9:割合はややリバーサルした。
- トレーニングボリューム1/3:割合は維持。
★結論
若い人はトレーニングボリュームを1/3に減らしても筋量と筋力を数ヶ月は維持・向上できるようだ。高齢になるとボリューム1/3でも筋量の維持には足りないが、筋力の維持はできる。高齢者の筋力の維持は転倒予防につながる。筋量は糖や脂質の代謝などに影響するので、筋量もなるべく維持した方が健康には良い。
☆コメント
筋肥大に必要なトレーニングボリュームに比べて、筋量と筋力の維持はかなり少ないボリュームで可能。各人の状況によって必要なトレーニングボリュームは変わってくると思われる。自分の身体の反応を見ながら調整するのが良いだろう。筋力の維持よりも筋量の維持の方が必要ボリュームが多いようなので、筋量を維持したい場合は、筋力をギリギリ維持できるボリュームよりも多くした方が良いだろう。
- 年齢が高くなると維持に必要なトレーニングボリュームは多くなる。
- 減量時(カロリー収支マイナス)には維持に必要なトレーニングボリュームは多くなるだろう。
- 体脂肪率が極度に低い場合は維持に必要なトレーニングボリュームは多くなるだろう。
- 筋量の水準の影響はどうだろう。筋量が増えればそれだけさらなる筋肥大に必要なボリュームは増えるので維持に必要な絶対的なトレーニングボリュームも増えるはずだが、相対的には筋量が少ない場合と同じなのだろうか。
4/19/2015
低負荷トレーニングと高負荷トレーニング
ネタ元: Lyle McDonaldの記事
Effects of Low-Versus High Load Resistance Training – Research Review
http://www.bodyrecomposition.com/research-review/effects-of-low-versus-high-load-resistance-training-research-review.html/
★実験方法
被験者: トレーニング経験のある若い男性。1.5-9年のトレーニング歴で、皆さんスクワットとベンチプレスは自体重以上を挙上できる。
期間: 8週間
人数: 18名。各グループ9名。(当初24名で途中で6名脱落)
食事: 自由+トレーニング後にホエイプロテイン24gを支給
低負荷グループ: 25-35レップ/3セットを7種目
高負荷グループ: 8-12レップ/3セットを7種目
- エクササイズ種目は、ベンチプレス、ミリタリープレス、ワイドグリッププルダウン、シーテッドケーブルロウ、スクワット、レッグプレス、レッグエクステンション。
- 各種目週3回トレーニング。トレーニング間隔は最低1日は空ける。
- 各セットは限界まで行い、毎週重量を増やそうと試みた。
★結果
筋肥大。各筋肉の厚みを測定。グループ間の結果に統計的有意差は無し。
- 低負荷グループ: 上腕二頭筋+5.3% 上腕三頭筋+6.0% 大腿四頭筋+9.3%
- 高負荷グループ: 上腕二頭筋+8.6% 上腕三頭筋+5.2% 大腿四頭筋+9.5%
1RM測定。スクワットはグループ間に有意差有り、ベンチプレスは有意差無し。
- 低負荷グループ: スクワット+8.8% ベンチプレス+2.0%
- 高負荷グループ: スクワット+19.6% ベンチプレス+6.5%
上半身の筋持久力。50%1RMでのベンチプレスを何回できる測定。
- 低負荷グループ: +16.6%
- 高負荷グループ: -1.2%
★コメント
- 神経系の適応を考えると高負荷グループの1RMが伸びるのは不思議ではない。
- 筋肥大については、筋繊維の種類ごとには測定していない。Type I/Type Ⅱの変化に違いがある可能性。
- 低負荷グループと高負荷グループとではトータルのトレーニングボリュームが異なる。
- 低負荷高レップのトレーニングは実際にやるとなると非常にキツイ。(実験では低負荷グループの被験者の約半数が嘔吐したとのこと・・・)
★結論
- 高負荷トレーニングと同等の筋肥大が得られるとしても、低負荷高レップのトレーニングや加圧トレーニングは非常にキツイし時間もかかるので実用的ではない。怪我をしていて高負荷のトレーニングが行えない場合か、筋持久力を伸ばしたい場合に行うと良いだろう。
★個人的な感想
私は増量期はHSTベースのトレーニングをしているので、低負荷高レップ(15-25レップ)のフェーズを取り入れています。高レップトレーニングは関節周りの組織を強化し怪我予防になり、持久力もつくので、低中レップトレーニング期の準備になる。また完全休養空けは低負荷でも筋肉に刺激が入るし、スタートラインを低くしておくとその後の漸進的な負荷増大が行えるので効率的かなと。でもまあキツイのでこのフェーズ早く終われと思いながらやっています。
関連記事:
レップ数によるトレーニング効果の違い
Effects of Low-Versus High Load Resistance Training – Research Review
http://www.bodyrecomposition.com/research-review/effects-of-low-versus-high-load-resistance-training-research-review.html/
★実験方法
被験者: トレーニング経験のある若い男性。1.5-9年のトレーニング歴で、皆さんスクワットとベンチプレスは自体重以上を挙上できる。
期間: 8週間
人数: 18名。各グループ9名。(当初24名で途中で6名脱落)
食事: 自由+トレーニング後にホエイプロテイン24gを支給
低負荷グループ: 25-35レップ/3セットを7種目
高負荷グループ: 8-12レップ/3セットを7種目
- エクササイズ種目は、ベンチプレス、ミリタリープレス、ワイドグリッププルダウン、シーテッドケーブルロウ、スクワット、レッグプレス、レッグエクステンション。
- 各種目週3回トレーニング。トレーニング間隔は最低1日は空ける。
- 各セットは限界まで行い、毎週重量を増やそうと試みた。
★結果
筋肥大。各筋肉の厚みを測定。グループ間の結果に統計的有意差は無し。
- 低負荷グループ: 上腕二頭筋+5.3% 上腕三頭筋+6.0% 大腿四頭筋+9.3%
- 高負荷グループ: 上腕二頭筋+8.6% 上腕三頭筋+5.2% 大腿四頭筋+9.5%
1RM測定。スクワットはグループ間に有意差有り、ベンチプレスは有意差無し。
- 低負荷グループ: スクワット+8.8% ベンチプレス+2.0%
- 高負荷グループ: スクワット+19.6% ベンチプレス+6.5%
上半身の筋持久力。50%1RMでのベンチプレスを何回できる測定。
- 低負荷グループ: +16.6%
- 高負荷グループ: -1.2%
★コメント
- 神経系の適応を考えると高負荷グループの1RMが伸びるのは不思議ではない。
- 筋肥大については、筋繊維の種類ごとには測定していない。Type I/Type Ⅱの変化に違いがある可能性。
- 低負荷グループと高負荷グループとではトータルのトレーニングボリュームが異なる。
- 低負荷高レップのトレーニングは実際にやるとなると非常にキツイ。(実験では低負荷グループの被験者の約半数が嘔吐したとのこと・・・)
★結論
- 高負荷トレーニングと同等の筋肥大が得られるとしても、低負荷高レップのトレーニングや加圧トレーニングは非常にキツイし時間もかかるので実用的ではない。怪我をしていて高負荷のトレーニングが行えない場合か、筋持久力を伸ばしたい場合に行うと良いだろう。
★個人的な感想
私は増量期はHSTベースのトレーニングをしているので、低負荷高レップ(15-25レップ)のフェーズを取り入れています。高レップトレーニングは関節周りの組織を強化し怪我予防になり、持久力もつくので、低中レップトレーニング期の準備になる。また完全休養空けは低負荷でも筋肉に刺激が入るし、スタートラインを低くしておくとその後の漸進的な負荷増大が行えるので効率的かなと。でもまあキツイのでこのフェーズ早く終われと思いながらやっています。
関連記事:
レップ数によるトレーニング効果の違い
1/31/2015
ベルトをすべきか
ライル・マクドナルドのサイトにリンクがあったブログを読んでて見つけた面白そうな記事を紹介。書いているのはパワーリフティングの世界記録持ってた人とのこと。いくつか記事を読んでみたけど、他にもリフティングや身体のメカニズムについての面白い記事がある。
Should you wear a belt or not? Study write-up
http://www.strengtheory.com/should-you-wear-a-belt-or-not-study-write-up/
スクワットの際のベルトの着用の有無がどのような差をもたらすのかを調べた研究をもとに記事を書いている。内容を抄訳すると、
・研究結果
- ベルト着用の有無で、外腹斜筋、脊柱起立筋の筋活動に違いは見られなかった。
- 大腿四頭筋には違いが見られ、ベルト着用の方がより筋活動が高かった(特にスティッキングポイント通過時)。
- ハムストリングスはベルト着用の方が、セットを通じて筋活動が高かった(ベルト着用しないとセット開始時は同じ程度でレップを重ねると筋活動が低下していく)。
- ベルトをした方が腹圧が高まった。
・結果から得られるインプリケーション
- ベルトをした方が同じ重量でも容易に上がるようになるが、筋活動は大腿四頭筋とハムストリングスはベルトをした方が高く、脊柱起立筋と外腹斜筋については同程度という結果になった。ベルトをすることで筋肉の負荷が低下するわけではなく、より大きな力を引き出すことが出来る。
- 脊柱起立筋は、しゃがむ局面と立ち上がる局面で同じ程度の筋活動だった。外腹斜筋は立ち上がる局面の方が筋活動が高い。スクワットのボトムで重量に負けて背中が丸まるのは、脊柱起立筋の問題ではなくて腹筋側が弱いためだと思われる(脊柱起立筋の弱さが問題ならラックアップしてしゃがむ局面で背中が丸まるだろう)。
なぜ大腿四頭筋とハムストリングスがより強い力を発揮できるようになるのかよくわからないけど、結論としてはベルトを着用した方がより効果的にトレーニングが出来そうなのでそうしよう。
8/04/2014
挙上重量によるデッドリフトのフォームの違い
デッドリフトのフォームは、挙上するバーベルの重さによって変わってくると思われる。私はパワーリフティングなどをやってるわけではなく、それほど自信はないのだけど、考えたことを書いてみたい。
まず初めに、スクワットやデッドリフトの効率的な動作は以下の基本要件に従う。
・重心(身体の重心とバーベルの重心の合成)は常に足の真上
・無駄なモーメントアームを無くす
・バーベルは最短距離を動く(つまり直線)
無駄なモーメントアームを無くすというのは、例えばデッドリフトだと、バーが身体から離れると、それだけ関節(股関節)から挙上対象部分(上半身+バーベル)の重心への水平距離(モーメントアーム)が長くなり、関節により大きなトルクがかかるようになるので、バーを身体に沿わせてモーメントアームを短くしましょうという話。
★バーベルが軽い時のフォーム
例えばバーのみを持つ場合。図の赤い印が身体の重心で、緑の印が身体+バーベルの重心。バランスを崩さないためには、身体+バーベルの重心は常に足の真上にある必要がある。基本要件を満たすフォームは以下のようになる。
- 肩はバーよりも前側に出る。
- 広背筋を使って腕を胴体に引きつけ、バーを身体に沿わせながら挙上する。力を入れないと、振り子の動作で腕が前側に垂れる。
- 身体の重心は足の真上を動く。
★とても重たいバーベルを挙上する場合(失敗例)
バーベルが軽い時のように身体の重心が真上に動くように立ち上がると、振り子の力に耐えられずに前に倒れこんでしまう。
★とても重たいバーベルを挙上するフォーム
とても重たいバーベルを挙上するには、身体の重心を足の位置よりも後ろ側にし、腕が鉛直に近くなるようにする。バーベルが十分に重ければ、身体+バーベルの重心はバーベルに近くなるので、バーベルが足の真上を移動する限り、身体の重心が後ろ側にあってもバランスを崩さない。
実例を動画で見てみる。
★以前書いた記事の補足
バーベルが軽いと、身体+バーベルの重心が身体の重心に近くなるので、身体を後ろ側に傾けながら挙上するとバランスを崩す。以前書いた記事(デッドリフトの基本ポイント)でのデッドリフトの説明は、軽いバーベルを挙上する時のフォーム。元ネタのMark Rippetoeの本は、女性含めての初心者向けのものなので。
同一人物の、軽い重量と重い重量のフォームの違いを見てみる。序盤の軽い重量でのフォームはMark Rippetoeの本での説明通り。終盤の重い重量でのフォームは身体の重心が後ろ側になっている。
関連記事:
デッドリフトの基本ポイント
自重での膝を前に出さないスクワット
7/29/2014
自重での膝を前に出さないスクワット
普段通ってるフィットネスクラブで、パーソナルトレーナーが指導したり、彼らに教えてもらったとおぼしき人たちが、主に自重で「膝を前に出さないスクワット」を窮屈そうにやっているのを見て思ったことを書いてみたい。
膝を前に出さないスクワットには、膝への負担が軽い、股関節周りの筋肉を鍛えられるといったメリットがあり、これが一般的に推奨されている要因であろう。膝への負担が軽い理由は、私の知る範囲では以下の通り。
・モーメントアームの問題。挙上対象部分の重心への水平距離が短いほど関節のトルクは小さくなる。
・ハムストリングスが伸びて大腿の前面側(四頭筋)のテンションを相殺することで前十字靭帯への負荷が低くなる。
・個人差はあるが、膝の角度が鋭角になりすぎると膝の軟骨への負担が大きくなり怪我をしやすくなる。膝を前に出さないスクワットは膝の角度があまり鋭角にならない。
私も膝を前に出さないスクワット(ロウバースクワット)を普段やっているのだけど、バーベル担ぐのと自重とでは重心の関係でフォームが変わってくる。
スクワットに限らず立った状態で行うトレーニングは、重心が足の真上に来ないとバランスが取れない。自重で膝を前に出さないスクワットをちゃんとやろうとすると、重心が足よりも後ろ側になり後ろに倒れる(図1)。赤い印が身体の重心。適当に描いたけど多分ここら辺だろう。
試してみればわかるように、大腿が床と平行になるまでしゃがむのは至難の業だ。これは足首や股関節の柔軟性の問題ではなく、重心の問題である。無理にやろうとするとなんとか重心を前に残そうとして、背中を丸めたり上半身を前側に倒しこんだりする不自然な姿勢になる(図2)。自重ならあまり害はないだろうけど、このフォームでスクワットを覚えてバーベルを担ぐと怪我をするリスクが高い。
上半身をやや前に倒して腕を前に出すと、重心が前側に移動してバランスが取れる(図3)。自重で膝を前に出さないスクワットをやりたい場合はこうやるのが良いと思う。下背部が丸まらないように注意する。手で何かに掴まりながらでも良いだろう。
個人的には、自然に膝を前に出して自重スクワットをやればいいと思う(図4)。健康体なら、蹲踞やうさぎ跳びみたいやり方をしない限り、膝を壊すようなことにはならないでしょう。
重たいバーベルを担いでの膝を前に出さないスクワット(ロウバースクワット)は、自然にバランスが取れる。重心(身体の重心とバーベルの重心の合成)がバーベル近くになる(図5)。緑の印が、身体+バーベルの重心。バーベルが軽い場合は、合成重心が身体の重心に近くなるので膝が前に出る。
それと5kgとか10kgのバーを首の辺りに担いで膝を前に出さないスクワットをしてるケースも見るけど、上体を前に倒しつつ首の辺りで担ぐと頚椎に負担がかかって危ない感じがする。軽量では問題が起きることはあまり無いだろうけど、男性だと重量を増やしていく人もいるから気をつけないと・・・。ロウバーもハイバーも担ぐ位置には合理性がある。
関連記事:
スクワットの基本ポイント
6/11/2014
レップ数によるトレーニング効果の違い
ネタ元: Lyle McDonaldの記事
Effects of different volume-equated resistance training loading strategies on muscular adaptations in well-trained men – Research Review
一般的に、低レップトレーニングは筋力を伸ばし、中レップトレーニングは筋肥大に向いていると言われる。しかしこれまでの研究の多くはトレーニングボリュームが揃っておらず、実験デザインに問題がある。例えば、3セット・3レップと3セット・10レップで実験をして、低レップは筋力向上、中レップは筋肥大をもたらすといった主張をしても、差をもたらしたのはレップ数の違いなのかトレーニングボリュームの違いなのかわからない。
この研究では、パワーリフティング型の低レップトレーニングと、ボディビル型の中レップトレーニングをトレーニングボリュームを揃えて実施し、筋肥大と筋力への影響を調べている。
★実験方法
被験者: トレーニング経験のある若い男性
期間: 8週間
人数: 17名(当初20名で途中で3名脱落)
食事: 自由+トレーニング日にプロテインサプリメント24gを支給
トレーニングボリュームは、セット×レップ×重量で表せる。これが等しくなるよう調整。
- 低レップ群: 7セット・3レップ / インターバル3分
- 中レップ群: 3セット・10レップ / インターバル90秒
トレーニング日は週3回。低レップ群は各トレーニング日に全身(胸、背中、脚)。中レップ群は、胸の日、背中の日、脚の日を分け、各部位3種目を週1回ずつトレーニング。
★結果
筋肥大については、上腕二頭筋を測定。両群とも筋肥大の程度に差は無しという結果になった。ただ、プル系の種目で上腕二頭筋をある程度使うとは言っても、上腕二頭筋にフォーカスした種目はトレーニングプロトコルに含まれておらず、なぜこのような測定方法なのかモヤモヤが残る。これについてはコメント欄に論文著者が書き込んでいて、実験では大腿四頭筋の測定も行ったが、十分なデータが得られなかったので論文には載せなかったとのこと。得られた範囲のデータでは、同じくらいの筋肥大を示していた。
筋力についてはベンチプレスとスクワットの1RMを測定。低レップ群の方が伸びが大きかった。
- 低レップ群: ベンチプレス+13%、スクワット+25.9%
- 中レップ群: ベンチプレス+9.1%、スクワット+22.2%
低レップ群の方が、肉体的・精神的に強い疲労を感じていた。
脱落者3名は、2名が関節周りの怪我、1名が個人的な理由。怪我の2名は低レップ群から出た。当実験では小さいサンプルではあるが、一般的に低レップ高重量のトレーニングは関節周りの怪我のリスクが高くなる懸念がある。
トレーニングにかかる時間に大きな差がある。7セット・3レップ/インターバル3分をこなすにはかなり時間がかかる
★個人的な感想
筋力の伸びの差をもたらした要因が発火頻度とモーターユニット連動だけなら、トレーニング時間効率と怪我のリスクを考慮して、ボディメイクでは中レップトレーニングを中心に行うのが良いと思う。ただ、8週間という短さでは筋肥大測定で有意な差が出ていない可能性があり、実際には筋肥大の程度に差が出ていてそれも筋力の伸びの差の要因になっているのなら、低レップにも優位点がある。まあ特定のレップ数のみでトレーニングを行わなければならない理由はないので、適当に混ぜてやれば良いと思う。
関連記事:
セット数によるトレーニング効果の違い
筋肥大トレーニングプログラムにおけるトレードオフ
Effects of different volume-equated resistance training loading strategies on muscular adaptations in well-trained men – Research Review
一般的に、低レップトレーニングは筋力を伸ばし、中レップトレーニングは筋肥大に向いていると言われる。しかしこれまでの研究の多くはトレーニングボリュームが揃っておらず、実験デザインに問題がある。例えば、3セット・3レップと3セット・10レップで実験をして、低レップは筋力向上、中レップは筋肥大をもたらすといった主張をしても、差をもたらしたのはレップ数の違いなのかトレーニングボリュームの違いなのかわからない。
この研究では、パワーリフティング型の低レップトレーニングと、ボディビル型の中レップトレーニングをトレーニングボリュームを揃えて実施し、筋肥大と筋力への影響を調べている。
★実験方法
被験者: トレーニング経験のある若い男性
期間: 8週間
人数: 17名(当初20名で途中で3名脱落)
食事: 自由+トレーニング日にプロテインサプリメント24gを支給
トレーニングボリュームは、セット×レップ×重量で表せる。これが等しくなるよう調整。
- 低レップ群: 7セット・3レップ / インターバル3分
- 中レップ群: 3セット・10レップ / インターバル90秒
トレーニング日は週3回。低レップ群は各トレーニング日に全身(胸、背中、脚)。中レップ群は、胸の日、背中の日、脚の日を分け、各部位3種目を週1回ずつトレーニング。
★結果
筋肥大については、上腕二頭筋を測定。両群とも筋肥大の程度に差は無しという結果になった。ただ、プル系の種目で上腕二頭筋をある程度使うとは言っても、上腕二頭筋にフォーカスした種目はトレーニングプロトコルに含まれておらず、なぜこのような測定方法なのかモヤモヤが残る。これについてはコメント欄に論文著者が書き込んでいて、実験では大腿四頭筋の測定も行ったが、十分なデータが得られなかったので論文には載せなかったとのこと。得られた範囲のデータでは、同じくらいの筋肥大を示していた。
筋力についてはベンチプレスとスクワットの1RMを測定。低レップ群の方が伸びが大きかった。
- 低レップ群: ベンチプレス+13%、スクワット+25.9%
- 中レップ群: ベンチプレス+9.1%、スクワット+22.2%
低レップ群の方が、肉体的・精神的に強い疲労を感じていた。
脱落者3名は、2名が関節周りの怪我、1名が個人的な理由。怪我の2名は低レップ群から出た。当実験では小さいサンプルではあるが、一般的に低レップ高重量のトレーニングは関節周りの怪我のリスクが高くなる懸念がある。
トレーニングにかかる時間に大きな差がある。7セット・3レップ/インターバル3分をこなすにはかなり時間がかかる
★個人的な感想
筋力の伸びの差をもたらした要因が発火頻度とモーターユニット連動だけなら、トレーニング時間効率と怪我のリスクを考慮して、ボディメイクでは中レップトレーニングを中心に行うのが良いと思う。ただ、8週間という短さでは筋肥大測定で有意な差が出ていない可能性があり、実際には筋肥大の程度に差が出ていてそれも筋力の伸びの差の要因になっているのなら、低レップにも優位点がある。まあ特定のレップ数のみでトレーニングを行わなければならない理由はないので、適当に混ぜてやれば良いと思う。
関連記事:
セット数によるトレーニング効果の違い
筋肥大トレーニングプログラムにおけるトレードオフ
5/03/2014
筋肥大トレーニングプログラムにおけるトレードオフ
筋肥大を主目的とした3種類のトレーニングプログラムを比較する。
1. HST
2. Doggcrap
3. Lyle McDonald のアプローチ
各トレーニングプログラムは、以下の3つの要素のうち1つの要素にフォーカスし、残り2つはある程度妥協せざるを得ない。
- 頻度(frequency)
- 強度(intensity)
- ボリューム(volume)
各トレーニングプログラムの内容を簡単に見ていく。
1. HST
主に遺伝子の発現による筋肥大を狙う。全身を週に3回という高い頻度でトレーニングを行うが、最大強度で行うのは2週間に1回で、トレーニングボリュームも少ない。
2. Doggcrapp
強度にフォーカスし、漸進的な過負荷による筋肥大を狙う。非常に高い強度のトレーニングを行うが、トレーニング頻度は5日に1回程度で、レストポーズを用いてボリュームも少なくする。多くの人々はこのトレーニング方法では燃え尽きてしまうが、やり遂げた人は非常に良い結果が得られる。
3. Lyle McDonald のアプローチ
各部位を週に2回トレーニング。強度はDoggcrappに比べてやや低いが、HSTよりは高い。各セットを限界の1レップ手前で止めることを推奨。トータルのボリュームを多くする。
どのタイプのトレーニングプログラムにするかは、個人の好みやトレーニング環境や疲労回復速度で決めれば良い。
ボリュームと強度による疲労度合いと回復にかかる時間(コスト)と、得られる筋肥大の量(パフォーマンス)を鑑みて、コスパの良いパラメータ配分にすれば長期的に良い結果が得られる・・・ということだと思う。例えば回復に2週間かかるような激しいトレーニングは2週間分の筋肥大を得られるわけではないのでコスパが悪いし、逆に毎日同じ部位をトレーニングできる強度のトレーニングはコストは低いけどパフォーマンスも低い。
参考:A Quick Look at Some Popular Hypertrophy Programs
http://www.bodyrecomposition.com/muscle-gain/a-look-at-some-popular-hypertrophy-programs.html
関連記事:HST(筋肥大に特化したトレーニング)について
4/17/2014
パワークリーンの基本ポイント
★予備知識
- 短い時間に大きな力を発揮する(つまりパワーを発揮する)能力を鍛える。
- デッドリフトの50-75%程度の重量でトレーニングする。
- 前腕が長いなどの理由でラックポジションが難しい場合はパワースナッチを行う。
★習得順序
1. ハングポジション
- まずはプレートを付けずにバーのみで行う。
- 足幅はデッドリフトと同じくらい。垂直跳びをする時と同じくらい。ジャンプをしてバーを肩に乗っけた(ラックした)後は、足幅が少し開いてスクワットくらいの足幅になる。
- 手幅はデッドリフトよりも両サイドで2-3インチ広めに握る。
- まずは普通の順手で握る(あとでフックグリップを習う)
- 目線はデッドリフトの時と同じく12-15フィート先の地面を見る。パワークリーンの動作中はこの地点を見続ける。
- 腕をやや回内させて、肘を伸ばして握る。腕や肩でバーを引っ張りあげないよう、肘を伸ばすのは特に意識すること。バーをぶら下げたこの状態がハングポジション。
2. ラックポジション
- とりあえず持ち上げ方は何でもいいので、バーを持ち上げて肘を前に出してバーを前部三角筋の上に乗せる。肘を高く上げ、上腕は水平近くになるようにする。前腕は上腕の真上ではなくて外側の隣にくる。これがラックポジション。
- ラックポジションでは指を引っ掛け、手でバーを支えない。バーは前部三角筋に乗せて支える。柔軟性の問題で苦しかったら、小指や薬指はバーから外れても良い。
- バーを下ろす時は、バーをなるべく胸に近い軌道で重力に任せて落とし、ハングポジションでキャッチする。リバースカールの動きで下ろすわけではない。
3. ジャンピングポジション
- 膝関節と股関節を曲げる。尻を後ろに突き出す感じで行う。バーが腿の中間あたりにくるまで曲げる。バーは腿に触れた状態、腕は垂直、肘は真っ直ぐ。これがジャンピングポジション。
- ジャンピングポジションから肘を伸ばしたままジャンプしてみる。何度かジャンプ。肘を伸ばしたまま全力でジャンプ。
4. クリーンの練習
- 肘を伸ばしたままのジャンプに十分に慣れたら、ラックポジションへの移行をやってみる。全力でジャンプし、膝関節と股関節を伸ばしきり、ジャンプの頂点に達したら、バーを軸に一気に腕を回転させ肘を前に突き出しラックポジションにする。どの過程でもバーを腕力で動かさないこと。
- ジャンプのあと、膝関節と股関節を少し曲げてバーの下に潜り込んでドン!と足を踏みつけると同時に肘を突き出すと、動作をクイックに行える。
- バーは上げるときも下げるときも、なるべく垂直で、自分の身体に近い軌道を通るようにする。決してアップライトローの動作で持ち上げない。バーを上げるのは、膝関節と股関節の伸展による力がメインである。
- 何度かこの動作を行い、動きを習得する。次に、デッドリフトのネガティブの動作と同じように、尻を後ろに突き出し、バーが脚から離れないようにしながらバーを膝のすぐ下まで下ろす。このポジションからゆっくりとバーを脚から離さないように引き上げていき、ジャンピングポジションに達したら、動作を止めず一気にジャンプしクリーンを行う。
- 膝下からの動作に慣れてきたら、バーを脛の中間あたり(プレートが付いたバーをデッドリフトする時の位置)まで下げて、また同じようにバーをゆっくりと引き上げジャンピングポジションに来たらクリーンを行う練習をする。
- バーが床から膝上までの間の動作はデッドリフトと同じ。慣れてくるにつれて加速の要素が入ってくるが、最初はゆっくりデッドリフトするイメージで。
- 次にバーにプレートを付ける。バーのみと同様の順序で練習していく。ジャンピングポジションからのクリーンを練習、膝下までバーを下げてからのクリーンを練習、そして地面にプレートを付けてそこからデッドリフトの動作で膝上まで上げてからクリーンを行う。これでパワークリーンの完成。地面に置いた時のバーベルの高さは、できれば20kgプレートを付けた時と同じ高さになるようにする。バンパープレート等便利なものがない場合は適当に工夫。
5. フックグリップ
- 動作に慣れてきたらフックグリップを覚える。持ち方は、親指の爪の上に中指を乗せて握る。通常は柔軟性の制約から、ラックポジションの時にはフックグリップを解く。
6. 動作のスピードアップ
- 最初のうちは、膝上までのデッドリフトフェーズではゆっくり正確な動作を意識する。ジャンピングポジションに達してからは一気にジャンプしてラックポジションでキャッチ。これに慣れてきたら、デッドリフトフェーズでバーの高さが上がっていくにつれて加速するようにする。
7. その他の細かいポイント
- ジャンプするときのシュラッグは反射的に起こるので意識しなくても良い。重量がかなり重くなったら意識的にシュラッグする。
- ジャンピングポジションに入る時に、伸びてた膝関節が再び少し曲がってそれからジャンプするが、脚からバーを離さないようにしていると自動的にこの動作になるので意識しなくても大丈夫。あまり意識しすぎると、動作がいったん止まってしまって、膝上までの加速がその後のジャンプに使えなくなってしまう。
★パワースナッチ
- パワークリーンよりも軽い重量で行う。
- 手幅はかなり広く握る。
- パワークリーンと同様に、腕で持ち上げず、バーはなるべく垂直に上下する。
- 動作中はずっとフックグリップ。
- ラックポジションは頭上にバーを挙上した状態。手のひらを上に突き出し、肘を伸ばしきり、僧帽筋を収縮させる。プレスのトップポジションを広い手幅で行う感じ。だがバーの上げ下げはプレス動作では行わないこと。パワークリーンと同様に膝関節と股関節の伸展でバーを挙げる。
- ジャンピングポジションでのバーの位置は、パワークリーンの時よりも高くなる。手幅が広い分、垂直方向の腕の長さが短くなるので。
- ジャンプしたら、バーの上方向への移動に伴い肘を曲げ、バーが頭上に来たら一気にラックポジションに。パワークリーンと同様に、膝関節と股関節を少し曲げバーの下に潜り込む。
- パワークリーンと同様の練習手順で動作を習得していく。
- スタートポジション(プレートが地面についた状態)は、垂直方向の腕の長さが短くなるため、上体が水平に近くなる。
参考: Starting Strength Basic Barbel Training 3rd Edition / Mark Rippetoe
(本の説明では図と写真が多く入っていてわかりやすいです。他にはスクワットとデッドリフトとベンチプレスとプレスの解説があります。)
参考動画:
Mark Rippetoe: Coaching the Powerclean
https://www.youtube.com/watch?v=6tXcS0Xp1aE
Mark Rippetoe Teaching Power Snatch from Starting Strength
https://www.youtube.com/watch?v=O327jxFqzQM
- 短い時間に大きな力を発揮する(つまりパワーを発揮する)能力を鍛える。
- デッドリフトの50-75%程度の重量でトレーニングする。
- 前腕が長いなどの理由でラックポジションが難しい場合はパワースナッチを行う。
★習得順序
1. ハングポジション
- まずはプレートを付けずにバーのみで行う。
- 足幅はデッドリフトと同じくらい。垂直跳びをする時と同じくらい。ジャンプをしてバーを肩に乗っけた(ラックした)後は、足幅が少し開いてスクワットくらいの足幅になる。
- 手幅はデッドリフトよりも両サイドで2-3インチ広めに握る。
- まずは普通の順手で握る(あとでフックグリップを習う)
- 目線はデッドリフトの時と同じく12-15フィート先の地面を見る。パワークリーンの動作中はこの地点を見続ける。
- 腕をやや回内させて、肘を伸ばして握る。腕や肩でバーを引っ張りあげないよう、肘を伸ばすのは特に意識すること。バーをぶら下げたこの状態がハングポジション。
2. ラックポジション
- とりあえず持ち上げ方は何でもいいので、バーを持ち上げて肘を前に出してバーを前部三角筋の上に乗せる。肘を高く上げ、上腕は水平近くになるようにする。前腕は上腕の真上ではなくて外側の隣にくる。これがラックポジション。
- ラックポジションでは指を引っ掛け、手でバーを支えない。バーは前部三角筋に乗せて支える。柔軟性の問題で苦しかったら、小指や薬指はバーから外れても良い。
- バーを下ろす時は、バーをなるべく胸に近い軌道で重力に任せて落とし、ハングポジションでキャッチする。リバースカールの動きで下ろすわけではない。
3. ジャンピングポジション
- 膝関節と股関節を曲げる。尻を後ろに突き出す感じで行う。バーが腿の中間あたりにくるまで曲げる。バーは腿に触れた状態、腕は垂直、肘は真っ直ぐ。これがジャンピングポジション。
- ジャンピングポジションから肘を伸ばしたままジャンプしてみる。何度かジャンプ。肘を伸ばしたまま全力でジャンプ。
4. クリーンの練習
- 肘を伸ばしたままのジャンプに十分に慣れたら、ラックポジションへの移行をやってみる。全力でジャンプし、膝関節と股関節を伸ばしきり、ジャンプの頂点に達したら、バーを軸に一気に腕を回転させ肘を前に突き出しラックポジションにする。どの過程でもバーを腕力で動かさないこと。
- ジャンプのあと、膝関節と股関節を少し曲げてバーの下に潜り込んでドン!と足を踏みつけると同時に肘を突き出すと、動作をクイックに行える。
- バーは上げるときも下げるときも、なるべく垂直で、自分の身体に近い軌道を通るようにする。決してアップライトローの動作で持ち上げない。バーを上げるのは、膝関節と股関節の伸展による力がメインである。
- 何度かこの動作を行い、動きを習得する。次に、デッドリフトのネガティブの動作と同じように、尻を後ろに突き出し、バーが脚から離れないようにしながらバーを膝のすぐ下まで下ろす。このポジションからゆっくりとバーを脚から離さないように引き上げていき、ジャンピングポジションに達したら、動作を止めず一気にジャンプしクリーンを行う。
- 膝下からの動作に慣れてきたら、バーを脛の中間あたり(プレートが付いたバーをデッドリフトする時の位置)まで下げて、また同じようにバーをゆっくりと引き上げジャンピングポジションに来たらクリーンを行う練習をする。
- バーが床から膝上までの間の動作はデッドリフトと同じ。慣れてくるにつれて加速の要素が入ってくるが、最初はゆっくりデッドリフトするイメージで。
- 次にバーにプレートを付ける。バーのみと同様の順序で練習していく。ジャンピングポジションからのクリーンを練習、膝下までバーを下げてからのクリーンを練習、そして地面にプレートを付けてそこからデッドリフトの動作で膝上まで上げてからクリーンを行う。これでパワークリーンの完成。地面に置いた時のバーベルの高さは、できれば20kgプレートを付けた時と同じ高さになるようにする。バンパープレート等便利なものがない場合は適当に工夫。
5. フックグリップ
- 動作に慣れてきたらフックグリップを覚える。持ち方は、親指の爪の上に中指を乗せて握る。通常は柔軟性の制約から、ラックポジションの時にはフックグリップを解く。
6. 動作のスピードアップ
- 最初のうちは、膝上までのデッドリフトフェーズではゆっくり正確な動作を意識する。ジャンピングポジションに達してからは一気にジャンプしてラックポジションでキャッチ。これに慣れてきたら、デッドリフトフェーズでバーの高さが上がっていくにつれて加速するようにする。
7. その他の細かいポイント
- ジャンプするときのシュラッグは反射的に起こるので意識しなくても良い。重量がかなり重くなったら意識的にシュラッグする。
- ジャンピングポジションに入る時に、伸びてた膝関節が再び少し曲がってそれからジャンプするが、脚からバーを離さないようにしていると自動的にこの動作になるので意識しなくても大丈夫。あまり意識しすぎると、動作がいったん止まってしまって、膝上までの加速がその後のジャンプに使えなくなってしまう。
★パワースナッチ
- パワークリーンよりも軽い重量で行う。
- 手幅はかなり広く握る。
- パワークリーンと同様に、腕で持ち上げず、バーはなるべく垂直に上下する。
- 動作中はずっとフックグリップ。
- ラックポジションは頭上にバーを挙上した状態。手のひらを上に突き出し、肘を伸ばしきり、僧帽筋を収縮させる。プレスのトップポジションを広い手幅で行う感じ。だがバーの上げ下げはプレス動作では行わないこと。パワークリーンと同様に膝関節と股関節の伸展でバーを挙げる。
- ジャンピングポジションでのバーの位置は、パワークリーンの時よりも高くなる。手幅が広い分、垂直方向の腕の長さが短くなるので。
- ジャンプしたら、バーの上方向への移動に伴い肘を曲げ、バーが頭上に来たら一気にラックポジションに。パワークリーンと同様に、膝関節と股関節を少し曲げバーの下に潜り込む。
- パワークリーンと同様の練習手順で動作を習得していく。
- スタートポジション(プレートが地面についた状態)は、垂直方向の腕の長さが短くなるため、上体が水平に近くなる。
参考: Starting Strength Basic Barbel Training 3rd Edition / Mark Rippetoe
(本の説明では図と写真が多く入っていてわかりやすいです。他にはスクワットとデッドリフトとベンチプレスとプレスの解説があります。)
参考動画:
Mark Rippetoe: Coaching the Powerclean
https://www.youtube.com/watch?v=6tXcS0Xp1aE
Mark Rippetoe Teaching Power Snatch from Starting Strength
https://www.youtube.com/watch?v=O327jxFqzQM
3/28/2014
プレスの基本ポイント
プレス・・・立って膝関節をロックした状態でバーベルを使って行うオーバーヘッドショルダープレス。肩周りの筋肉、上腕三頭筋、体幹が鍛えられる。
プレスのバリエーション
・ ミリタリープレス: 尻や背中の動きを使わないストリクトなプレス。
・ プッシュプレス: 膝関節の伸展も使うプレス。
★ プレスの手順
- ラックにバーを乗せた状態からスタート。ラックにセットする高さはスクワットと同じくらいで、胸のあたり。
- 最初はおもりをつけずに、バーのみでフォームを習得する。
- 手幅は、後ろから見て前腕が垂直になるように握る。
- グリップは手を少し回内させ、拇指球と手のひら中央で挟むように握り、前腕に垂直に荷重がかかるようにバーを乗せる。バーが生命線にフィットする感じ。
- バーをラックアップして、やや肩をシュラッグして少し前に出す。鎖骨から三角筋前部のあたりにバーを乗せる。前腕が長い人はバーが浮くけど、仕方が無いので浮いた状態をスタートポジションにする。
- 横から見て肘はバーより前に出る。橈骨(前腕の親指側の骨)が垂直になるようにすると、肘は前に出る。
- 足幅はスクワットくらい。それほど厳密な足幅は要求されないので、やりやすい足幅で。
- 胸を上にクイッと上げる。脊柱起立筋の上部を収縮させる。
- プレスの動作中は、視線を水平を保つ。壁でもなんでもいいので、目の高さと同じ位置のものを見続ける。
- バーを上に押し上げる。顔面ギリギリをバーが通過するようにする。鼻をかするくらい。余計なモーメントアームが発生しないようにする。
- スタート直前の全身の姿勢は、大腿四頭筋に力を入れて膝関節をロック、臀筋と腹筋に力を入れ全身がやや弓なりになった状態。重心はつま先側。この弓なり姿勢から直立姿勢に戻る勢いに乗せて、バーを上に押し上げる感じにする。
- バーが額の前を通過したら、弓なり姿勢からの戻りを利用して、頭部と胴体をバーの下に入れる。バーの軌道は垂直。身体がバーの動きに合わせる。
- バーを上げきったら、僧帽筋を収縮させ、肘関節を伸ばしきって、ロックアウトする。首の後ろの上辺りにバーがくる。足の中央、肩関節、バー、これらが垂直線上にあるような位置でロックアウト。重心は足の中央。
- 呼吸はバーが下にあるときに行う。動作中は息を大きく吸い込んだ状態で息を止めて体幹を固定する(バルサルバ法)。各レップごとに呼吸を行うこと。
参考: Starting Strength Basic Barbel Training 3rd Edition / Mark Rippetoe
(本の説明では図と写真が多く入っていてわかりやすいです。他にはスクワットとデッドリフトとベンチプレスとパワークリーンの解説があります。)
参考動画:
Mark Rippetoe: Press Review
https://www.youtube.com/watch?v=GJFjYyA40ss
Mark Rippetoe: Weighted Press 2
https://www.youtube.com/watch?v=TtTEMRse54g
3/20/2014
スクワットの基本ポイント
スクワットの基本ポイント
ここで解説するスクワットは、ロウバー(low bar)パラレルスクワット。膝をあまり前に出さず、股関節伸展を主動力とするスクワット。
★基本的な考え方
- 重心の位置が足の中心の真上にくるようにする。バーベルを担いだ人間の重心位置は、身体とバーベルから合成される。バーベルが重くなると重心はバーベルの位置に近づき、足の中心のほぼ真上にバーベルが来るようになる。以下の記述では簡便のため、バーベル位置=重心位置とする。
- バーベルは常に足の真上に来るので、バーベルを担ぐ位置が、背中の角度および股関節・膝関節の角度を決める。バーベルを担ぐ位置が高くなれば(ハイバースクワット)、背中の角度は垂直に近くなる。
- パラレルスクワットは、膝頭より股関節が下になるまでしゃがみ込む。大腿部の下側が水平になるだけでは、しゃがみ込みが足りない。
- スクワットの各フォームによる膝関節への負担の違いは、大腿部前面(四頭筋)のテンションと大腿部後面(ハムストリングス)のテンションの釣り合いの問題が大きい。パラレルスクワットはボトムに近づくにつれハムストリングスにかかるテンションが強くなることで、四頭筋のテンションと釣り合いが取れ膝関節への負担が軽くなる。ハーフスクワットやクオータースクワットだとボトムでの切り返しの時にハムストリングスにあまりテンションがかかっておらず、扱える重量が増えることも相まって膝関節の負担が大きくなる。
★まずはバーを担がずにフォーム確認
- 目安としては踵の位置が肩幅と同じくらいになるように立ち、身体を前後に通る中心線からそれぞれ30度くらいつま先を外側に開く。
- 股関節が膝頭より下にくるようにしゃがむ。体格にもよるが、だいたい膝はつま先より少し前に出るくらいの位置。
- 両手の平を合わせて、肘を膝の内側に当てて肘を外側に突き出し、膝を外側に押し出す。こうするとつま先の向きと膝の向きが揃う。
- 深くしゃがむのが難しい場合、その多くは膝が十分に外側に出ておらず、股関節が屈曲するにつれて骨盤の下側と大腿部がぶつかり、それ以上しゃがむのを邪魔するからである。ハムストリングスの柔軟性に問題があるケースは少ない。立ち幅と脚の開く角度を調整して、自分が深くしゃがめるポジションを決める。
- 背中は丸めず反らしすぎずフラットに。ボトムポジションでの地面に対する背中の角度は45度くらい。胸を張り、目線は1-1.5メートルくらい先の地面を見る。首の位置は顎にテニスボールを挟むくらいになる(実際に挟んでみるのも良い)
- 立ち上がる時は、尻を上に上げていく感じにする。そうすると各関節と筋肉が自然に連動して立ち上がれる。足をふんばろうとか膝を伸ばそうとか、一部分にフォーカスすると連動が上手くいかない可能性がある。誰か他の人に尾てい骨のあたりを手で押さえてもらいながら立ち上がると意識しやすい。
★バーを担ぐ
- 肩甲骨を寄せて背中をタイトにする。
- バーを乗せる位置は、肩甲骨の上端部より少し下の位置。後部三角筋の上、僧帽筋の下、ちょうどここに窪みができてバーが安定しやすいはず。
- 握り方はサムレスで、バーの上に手をかぶせるようにする。バーの重量は背中で受け止める。
- 肘を後ろ側に上げて、掌底がバーを押す感じにする。腕は窮屈なので自然とバーを掌底で押す方向に力がかかり、バーは背中に押し付けられて安定するようになる。肘を下げて(前腕を鉛直にして)、腕でバーベルの重量を支えようとするのは駄目。
- バーをラックから上げる。バーの位置は足の真上、足の中心部に重心を感じること。背中と胴体はタイトなまま。視線は1-1.5メートル先の地面を見る。
- しゃがみこんで、下半身の各筋肉の伸張反射(たしか原文にそう書いてあるのですが正しくは弾性エネルギー)を使いながら立ち上がる。しゃがんでから立ち上がるまでは、息を吸い込み、喉を閉めて空気を逃さないようにし、体幹の筋肉を締めて、胴体をしっかり固定する。下半身で発生させた力を、胴体を固体化することで、上半身に乗せたバーベルに効率よく伝える。
- 視線は常に1-1.5メートル先の地面を見つづける。首を仰け反らせて視線を上にしないように。首が危険だし股関節伸展の力が使いにくい。
- ボトムに近づくにつれてハムストリングスにテンションがかかって下背部が引っ張られ丸まりそうになるが、脊柱起立筋をしっかり収縮させることでこれを防ぐ。
- 常に足の中央にバーベルの重さを感じながら、しゃがんで立ち上がるを繰り返す。バーベルは垂直に上下する。
★その他
- ベルトを着用することで腹筋をより強く収縮させ、腹圧を高めることができる。体幹の筋肉の発達を妨げたりはしないので、必要だと感じたら積極的に着用しよう。
参考: Starting Strength Basic Barbel Training 3rd Edition / Mark Rippetoe
(本の説明では図と写真が多く入っていてわかりやすいです。他にはデッドリフトとプレスとベンチプレスとパワークリーンの解説があります。)
参考動画:
【肉体】正しいスクワット講座【改造】
http://www.youtube.com/watch?v=uCD4sb1kpJw
ここで解説するスクワットは、ロウバー(low bar)パラレルスクワット。膝をあまり前に出さず、股関節伸展を主動力とするスクワット。
★基本的な考え方
- 重心の位置が足の中心の真上にくるようにする。バーベルを担いだ人間の重心位置は、身体とバーベルから合成される。バーベルが重くなると重心はバーベルの位置に近づき、足の中心のほぼ真上にバーベルが来るようになる。以下の記述では簡便のため、バーベル位置=重心位置とする。
- バーベルは常に足の真上に来るので、バーベルを担ぐ位置が、背中の角度および股関節・膝関節の角度を決める。バーベルを担ぐ位置が高くなれば(ハイバースクワット)、背中の角度は垂直に近くなる。
- パラレルスクワットは、膝頭より股関節が下になるまでしゃがみ込む。大腿部の下側が水平になるだけでは、しゃがみ込みが足りない。
- スクワットの各フォームによる膝関節への負担の違いは、大腿部前面(四頭筋)のテンションと大腿部後面(ハムストリングス)のテンションの釣り合いの問題が大きい。パラレルスクワットはボトムに近づくにつれハムストリングスにかかるテンションが強くなることで、四頭筋のテンションと釣り合いが取れ膝関節への負担が軽くなる。ハーフスクワットやクオータースクワットだとボトムでの切り返しの時にハムストリングスにあまりテンションがかかっておらず、扱える重量が増えることも相まって膝関節の負担が大きくなる。
★まずはバーを担がずにフォーム確認
- 目安としては踵の位置が肩幅と同じくらいになるように立ち、身体を前後に通る中心線からそれぞれ30度くらいつま先を外側に開く。
- 股関節が膝頭より下にくるようにしゃがむ。体格にもよるが、だいたい膝はつま先より少し前に出るくらいの位置。
- 両手の平を合わせて、肘を膝の内側に当てて肘を外側に突き出し、膝を外側に押し出す。こうするとつま先の向きと膝の向きが揃う。
- 深くしゃがむのが難しい場合、その多くは膝が十分に外側に出ておらず、股関節が屈曲するにつれて骨盤の下側と大腿部がぶつかり、それ以上しゃがむのを邪魔するからである。ハムストリングスの柔軟性に問題があるケースは少ない。立ち幅と脚の開く角度を調整して、自分が深くしゃがめるポジションを決める。
- 背中は丸めず反らしすぎずフラットに。ボトムポジションでの地面に対する背中の角度は45度くらい。胸を張り、目線は1-1.5メートルくらい先の地面を見る。首の位置は顎にテニスボールを挟むくらいになる(実際に挟んでみるのも良い)
- 立ち上がる時は、尻を上に上げていく感じにする。そうすると各関節と筋肉が自然に連動して立ち上がれる。足をふんばろうとか膝を伸ばそうとか、一部分にフォーカスすると連動が上手くいかない可能性がある。誰か他の人に尾てい骨のあたりを手で押さえてもらいながら立ち上がると意識しやすい。
★バーを担ぐ
- 肩甲骨を寄せて背中をタイトにする。
- バーを乗せる位置は、肩甲骨の上端部より少し下の位置。後部三角筋の上、僧帽筋の下、ちょうどここに窪みができてバーが安定しやすいはず。
- 握り方はサムレスで、バーの上に手をかぶせるようにする。バーの重量は背中で受け止める。
- 肘を後ろ側に上げて、掌底がバーを押す感じにする。腕は窮屈なので自然とバーを掌底で押す方向に力がかかり、バーは背中に押し付けられて安定するようになる。肘を下げて(前腕を鉛直にして)、腕でバーベルの重量を支えようとするのは駄目。
- バーをラックから上げる。バーの位置は足の真上、足の中心部に重心を感じること。背中と胴体はタイトなまま。視線は1-1.5メートル先の地面を見る。
- しゃがみこんで、下半身の各筋肉の伸張反射(たしか原文にそう書いてあるのですが正しくは弾性エネルギー)を使いながら立ち上がる。しゃがんでから立ち上がるまでは、息を吸い込み、喉を閉めて空気を逃さないようにし、体幹の筋肉を締めて、胴体をしっかり固定する。下半身で発生させた力を、胴体を固体化することで、上半身に乗せたバーベルに効率よく伝える。
- 視線は常に1-1.5メートル先の地面を見つづける。首を仰け反らせて視線を上にしないように。首が危険だし股関節伸展の力が使いにくい。
- ボトムに近づくにつれてハムストリングスにテンションがかかって下背部が引っ張られ丸まりそうになるが、脊柱起立筋をしっかり収縮させることでこれを防ぐ。
- 常に足の中央にバーベルの重さを感じながら、しゃがんで立ち上がるを繰り返す。バーベルは垂直に上下する。
★その他
- ベルトを着用することで腹筋をより強く収縮させ、腹圧を高めることができる。体幹の筋肉の発達を妨げたりはしないので、必要だと感じたら積極的に着用しよう。
参考: Starting Strength Basic Barbel Training 3rd Edition / Mark Rippetoe
(本の説明では図と写真が多く入っていてわかりやすいです。他にはデッドリフトとプレスとベンチプレスとパワークリーンの解説があります。)
参考動画:
【肉体】正しいスクワット講座【改造】
http://www.youtube.com/watch?v=uCD4sb1kpJw
3/17/2014
HST(筋肥大に特化したトレーニング)について
HST(Hypertrophy-Specific Training)とは筋肥大を効率的に行うためのトレーニング方法である。筋肥大だけでなくストレングスも得られるが、筋肥大を主目的としている。
★HSTの対象者
- トレーニング中級者以上。
- 増量したい人。維持や減量する人には向いていない。
★HSTの基本原則
1. メカニカルな負荷
筋肉にメカニカルな負荷を与える。(補足を書くと、筋肥大への刺激はメカニカルな負荷とメタボリックな負荷に大別できると言われている。前者は強いテンションを与える、後者は短インターバルや多セットで疲労を与える)
2. 高い頻度で筋肉に刺激を与える。
効率的に筋合成が起きるのはトレーニング後1-2日間程度。細かく分割して各部位週に1回トレーニングだと筋肥大ペースが遅くなる。
3. 漸進的負荷
筋肉は負荷に対して適応していき、刺激になかなか反応しなくなる。
4. 戦略的な機能低下(Strategic Deconditioning)
筋肉は負荷の絶対値だけではなく、負荷の変化にも敏感。負荷の絶対値の上限はいずれ到達する。9-14日間の完全休養を入れることで、筋肉を一旦だらけさせ刺激に反応しやすくする。
★HSTのメソッド
- 高レップ期間を入れることで関節周りを強化(乳酸や血行で靭帯が強化される)
- コンパウンド種目を推奨。
- 2週間を1ブロックとし、各ブロックごとにレップ数を変えていく。最初の2週間は高レップ低負荷→次の2週間は中レップ中負荷→その次の2週間は低レップ高負荷といった感じ。簡便化のためにブロック化している。重量を徐々に増やしていくことが目的なので、自分でアレンジしても良い。
- 一回のトレーニングでの各種目のセット数は1-2セット。中枢神経系の疲労を抑え、回復に時間がかからないようにし、頻度の高いトレーニングを行えるようにする。基本は全身トレーニングを一日置きに週三回なので、一週間あたりのトータルセット数は分割トレーニング方法と同じくらいになる。
- 低レップのブロックでは、セット数を少し増やしても良い。自分の体力や回復力を勘案して調整する。
- スタンダードなレップ数設定は、1ブロック目は15レップ、2ブロック目は10レップ、3ブロック目は5レップ。
- 4ブロック目は、5レップを6回全部最大重量でトレーニングか、ネガティブトレーニングか、ドロップセット。
- 15レップ、10レップ、5レップの最大重量を事前に測定しておく。
- 各ブロック6回のトレーニング日がある。最初は軽い重量(レップ数は一定)で、徐々に重量を上げていき、6回目のトレーニング日でそのレップ数での最大重量にする。最大重量が50-100kgくらいなら、一回あたり2.5-5.0kg増やしていく。毎回5-20%くらい増やしていく感じ。
- 十分にウォームアップすること。怪我のリスクがある時はトレーニングしない。遅発性筋肉痛の時はトレーニングして良い。
- 4ブロック目まで終わったら1サイクル終了。Strategic Deconditioningとして9-14日間の完全休養を入れる。2サイクル目からは、怪我のリスクを感じなければ15レップのブロックはスキップして良い。
★HSTのトレーニングプログラムの例
★HSTにたいする個人的な印象
- トレーニング後に筋合成・分解の続く時間やメタボリックな負荷の筋肥大への効果を考えると、説得力ある理論だと思う。試してみたい。
- 一日に全身やるのはキツイので二分割でやりたい・・・。
- 肩や腕やカーフは5レップだと怪我が怖いので、レップ数多めにしたい。
・提唱者のサイト
http://hypertrophyspecific.com/hst_index.html
・簡単な解説
http://www.bodybuilding.com/fun/paul4.htm
・体験者の報告
http://tnation.t-nation.com/free_online_forum/sports_body_training_performance_bodybuilding/hst_training_dead
★HSTの対象者
- トレーニング中級者以上。
- 増量したい人。維持や減量する人には向いていない。
★HSTの基本原則
1. メカニカルな負荷
筋肉にメカニカルな負荷を与える。(補足を書くと、筋肥大への刺激はメカニカルな負荷とメタボリックな負荷に大別できると言われている。前者は強いテンションを与える、後者は短インターバルや多セットで疲労を与える)
2. 高い頻度で筋肉に刺激を与える。
効率的に筋合成が起きるのはトレーニング後1-2日間程度。細かく分割して各部位週に1回トレーニングだと筋肥大ペースが遅くなる。
3. 漸進的負荷
筋肉は負荷に対して適応していき、刺激になかなか反応しなくなる。
4. 戦略的な機能低下(Strategic Deconditioning)
筋肉は負荷の絶対値だけではなく、負荷の変化にも敏感。負荷の絶対値の上限はいずれ到達する。9-14日間の完全休養を入れることで、筋肉を一旦だらけさせ刺激に反応しやすくする。
★HSTのメソッド
- 高レップ期間を入れることで関節周りを強化(乳酸や血行で靭帯が強化される)
- コンパウンド種目を推奨。
- 2週間を1ブロックとし、各ブロックごとにレップ数を変えていく。最初の2週間は高レップ低負荷→次の2週間は中レップ中負荷→その次の2週間は低レップ高負荷といった感じ。簡便化のためにブロック化している。重量を徐々に増やしていくことが目的なので、自分でアレンジしても良い。
- 一回のトレーニングでの各種目のセット数は1-2セット。中枢神経系の疲労を抑え、回復に時間がかからないようにし、頻度の高いトレーニングを行えるようにする。基本は全身トレーニングを一日置きに週三回なので、一週間あたりのトータルセット数は分割トレーニング方法と同じくらいになる。
- 低レップのブロックでは、セット数を少し増やしても良い。自分の体力や回復力を勘案して調整する。
- スタンダードなレップ数設定は、1ブロック目は15レップ、2ブロック目は10レップ、3ブロック目は5レップ。
- 4ブロック目は、5レップを6回全部最大重量でトレーニングか、ネガティブトレーニングか、ドロップセット。
- 15レップ、10レップ、5レップの最大重量を事前に測定しておく。
- 各ブロック6回のトレーニング日がある。最初は軽い重量(レップ数は一定)で、徐々に重量を上げていき、6回目のトレーニング日でそのレップ数での最大重量にする。最大重量が50-100kgくらいなら、一回あたり2.5-5.0kg増やしていく。毎回5-20%くらい増やしていく感じ。
- 十分にウォームアップすること。怪我のリスクがある時はトレーニングしない。遅発性筋肉痛の時はトレーニングして良い。
- 4ブロック目まで終わったら1サイクル終了。Strategic Deconditioningとして9-14日間の完全休養を入れる。2サイクル目からは、怪我のリスクを感じなければ15レップのブロックはスキップして良い。
★HSTのトレーニングプログラムの例
★HSTにたいする個人的な印象
- トレーニング後に筋合成・分解の続く時間やメタボリックな負荷の筋肥大への効果を考えると、説得力ある理論だと思う。試してみたい。
- 一日に全身やるのはキツイので二分割でやりたい・・・。
- 肩や腕やカーフは5レップだと怪我が怖いので、レップ数多めにしたい。
・提唱者のサイト
http://hypertrophyspecific.com/hst_index.html
・簡単な解説
http://www.bodybuilding.com/fun/paul4.htm
・体験者の報告
http://tnation.t-nation.com/free_online_forum/sports_body_training_performance_bodybuilding/hst_training_dead
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