胸椎の姿勢矯正と可動域の確保の話。
★胸椎とは
胸椎は背骨の胸のあたり。下の背骨の画像の青い部分。
胸椎はニュートラル姿勢でもやや曲がっているが、過度に曲がっていたり(猫背)、可動域に問題があると、生活に支障がでる。ウェイトトレーニングの観点からは、ショルダープレスなどの肩のトレーニングが良いフォームで行えず、怪我をしやすくなる。BIG3も良いフォームで行えない。
座っている時間が長い生活をしていると猫背になりやすい。歳をとるほど悪い姿勢による歪みが蓄積されていき、また老化により自然に可動域が狭くなる。
★胸椎の役割
・胸椎の機能的役割は以下の三つ
- 肋骨の接合点
- 肩甲骨の接合点
- 可動性(曲がる・捻る)
・肋骨は肋間筋で相互接続されている。また斜角筋、横隔膜、腹直筋など呼吸に関係する筋肉の影響を受ける。
・呼吸は上半身の運動機能において重要な役割を果たす。
- 肋間筋が縮こまっていて横隔膜が圧迫されていると、背中が丸まって伸ばせなくなる。肩の動きや首の姿勢に問題も出る。
- 肋間筋が縮こまったままだと呼吸において役割を果たせなくなり、横隔膜のみで呼吸を行うようになる。この状態だと呼吸で腹部のみが動く。
- 深く息を吸って吐く際には、機能が正常なら肋骨の上部と下部、腹部が大きく膨らんでもとに戻る。
- 胸椎が伸ばせないと、肩甲骨の動きが制限され、肩の働きに問題がでる。
- 座っている時間が長いと、胸椎が過度に曲がった状態で固定され、また呼吸も正常に行えなくなる。
- 胸椎の可動性が足りないと、背中の曲げ伸ばしが他の部分、例えば腰椎で行われる
★可動性チェック
・胸椎の横方向の曲がり
背骨の一箇所が曲がるのではなくて全体的に均等に曲がるのが良い。年齢にもよるが左右とも45度くらい曲がるのが目安。
動画:Lateral flexion spinal assessment
・胸椎の捻り
動画:3-point T-spine rotations
・胸椎の伸展
動画:T-spine extension
・肩甲骨の可動性
腕を真っすぐ伸ばして行う。上腕二頭筋が耳をこするのをイメージ。
動画:Supine Shoulder Flexion
。胸椎の伸展と捻り
動画:1-arm Overhead squat
これらの動作は矯正エクササイズとしても有効。
★矯正エクササイズ
・呼吸
- 背筋を伸ばして座って最大限に息を吸い込む。
- ゴムチューブを胸に巻いてチューブが伸びるように息を吸い込む。
動画:Banded Breathing
- 腕を頭の上にあげる時に息を大きく吸い込む。
動画:Supine Shoulder Flexion
- 胸椎の伸展と捻り。ランジの姿勢で腕を上げる 動画
動画:Box lunge & rotate
・胸椎の伸展と首の位置の矯正
動画:Sun Dogs
動画:Cable Face Pulls
・捻りの可動性確保
胸椎の捻りはウェイトトレーニング種目ではほとんど使わないけど、スポーツや日常動作(歩行や腕を前に伸ばして物を取る動きなど)ではとても重要。以下の捻りエクササイズでは、腰椎や肩関節を捻るのではなくて、胸椎を捻ることを意識する。
動画:bent over rotations
動画:Side Lying Extension Rotation
・肩後部の強化
水平方向のプル動作。留意点は、
- 胸を前に押しだすイメージで行うと胸椎が伸展されやすく、上背部の筋肉も動員しやすい。
- 顎を引く
動画:chin tuck hanging rows
・色々角度での肩後部の安定性。ベンチにうつ伏せに寝てダンベルを使うのも良いと思う。
動画:Cable wide arm altered Pollof Press
参考サイト:
All Things Thoracic Spine Part 1: Functional Anatomy
http://deansomerset.com/all-things-thoracic-spine-part-1-functional-anatomy/
All Things Thoracic Spine Part Two: Assessments and Figuring it All Out
http://deansomerset.com/all-things-thoracic-spine-part-two-assessments-and-figuring-it-all-out/
All Things Thoracic Spine Part 3: Corrective Strategies
http://deansomerset.com/all-things-thoracic-spine-part-3-corrective-strategies/
0 件のコメント:
コメントを投稿