1/29/2021

怪我をしにくいロウ・プルのやり方


怪我をしにくいロウ・プルのやり方を書いていきます。ここでのやり方は、身体機能の維持・向上や、低い怪我リスクを目的としたトレーニング方法です。特定の筋肉を筋肥大させることを最優先する場合は、YouTubeで再生数の多い動画を参考にすると良いかと思います。

ロウとプルの基本をシンプルに書くと、

・背骨ニュートラルを維持

・胸郭を歪ませない

・上腕骨と肩甲骨を連動させて同じ方向に動かす

ロウ・プルに限らないのですが、コンパウンド種目では動かす骨と動かさない骨を把握し、「動かす骨は身体にとって自然な軌道を通す、動かさない骨は動かさない」というのを意識すると良いと思います。どこの筋肉に効かせるかというやり方は、身体機能の維持・向上や低い怪我リスクを目的とする場合はあまり向いていません。

順に説明していきます。

1/23/2021

タンパク質摂取量と除脂肪体重の増加の関係(2020年のメタ解析)

タンパク質の摂取量と除脂肪体重の増加の関係を調べた最新のメタ解析(1)が出てきたので紹介します。

この手の研究だと2018年のメタ解析(2)が有名で、その解析ではタンパク質の摂取量が1.6g/体重kg/dayで除脂肪体重の増加が頭打ちになるという結果になっていました。下のグラフは、(2)の研究のものです。


今回のメタ解析だと、「1.3g/kg/dayを超えると除脂肪体重の増加が緩慢にはなるが頭打ちにはならず、タンパク質摂取量を増やすほど除脂肪体重が増えやすくなる関係が続く」という解析結果になっています。

2018年の研究はレジスタンストレーニング有りのみの研究が対象で、解析対象の研究数は49です。今回の研究はレジスタンス有り無しの両方を集めていて、全部で105、レジスタンストレーニング有りの研究は53です。


1/16/2021

2020年時点の筋トレサプリメント評価(シトルリンリンゴ酸、硝酸塩、ホスファチジン酸、BCAA、HMB、ベタイン)

ストレングス向上や筋肥大に効果があるとして売られている新しめのサプリメントについて、効果の程を調べた研究をまとめた2020年の論文(1)を見つけたので、この論文をもとに各サプリメントの評価を書いていきます。

今回取り上げるサプリメントは、シトルリンリンゴ酸、硝酸塩、ホスファチジン酸、BCAA、HMB、ベタインです。


1/06/2021

筋トレでの腹圧の高め方・体幹の固め方

腹圧は腹腔内圧のことで、胴体の横隔膜より下にある内臓などが詰まってる部分(腹腔)の圧力です。正確には、骨盤内部の部分は骨盤腔になりますが、腹腔と骨盤腔の間に仕切りがあるわけではないので、腹腔と骨盤腔をまとめて大きな水風船みたいなものだと考えるとわかりやすいです。下図のピンク色の部分がそれにあたります。
筋トレではよく、腹圧を高めることで体幹を固め、腰の怪我を防ぐと言われますが、これはどういうことなのか説明していきます。


12/26/2020

マグネシウムと運動パフォーマンス

マグネシウムはエネルギー代謝、神経伝達、筋肉の収縮・弛緩、タンパク質合成など身体の様々なメカニズムに関わる重要な物質です。摂取量が不足すると、血圧上昇、耐糖能低下などの症状が出る可能性があります。欠乏すると様々な身体機能が損なわれます。

マグネシウムはエネルギー代謝や筋肉の収縮・弛緩やタンパク質合成に関わるため、マグネシウム摂取による運動パフォーマンスへの効果を調べた研究がいくつかあります。今回の記事では、マグネシウムが運動パフォーマンスを向上させる効果があるのかを見ていきます。


12/19/2020

怪我をしにくいベンチプレスのやり方

怪我をしにくいベンチプレスのやり方について、いくつかポイントを書いていきます。 

 

1. 肩甲骨の位置

肩甲骨は可動範囲の下限まで下げます。それから、下げた状態をキープしながら寄せます。肩甲骨の下げ(下制)と寄せ(内転)だったら、下げを優先したほうが良いです。下制が緩むと肩の怪我をしやすくなります。

肩甲骨を最も寄せられるのは、肩甲骨を少し上に上げた位置ですが、その位置で寄せると脇が開いて肩を怪我しやすくなると思います。まず下げてから、できる範囲で寄せるイメージで肩甲骨を動かすと良いでしょう。


12/12/2020

リフィードでの筋グリコーゲン回復に適した炭水化物

減量時に摂取する炭水化物について、体感ベースで「玄米や蕎麦だと筋グリコーゲンがあまり回復している感じがしない」という話を聞くので調べてみました。(この話は以前から気になっていたのですが検索しても研究が見つからなくて、最近たまたま見つけたのでまとめます)

12/05/2020

肩周りのウォームアップ

トレーニングの前にやっておくと肩周りの動きがよくなるウォームアップを紹介します。肩周りのストレッチをやってから、これらのウォームアップをすると効果的です。またこれらのエクササイズを普段からやっておくと肩周りの細かい筋肉が鍛えられ、肩の健康を保ちやすくなります。

関連記事:肩周りのストレッチ(タオル使用)

肩周りのウォームアップに共通する注意点は、軽い負荷でおこなうことです。負荷が強いと三角筋などの大きい筋肉が優先的に使われて、ローテーターカフや前鋸筋など肩周りを安定させる細かい筋肉に刺激が入りにくくなります。

肩周りのウォームアップでは細かい筋肉に刺激を入れて、上腕骨、肩甲骨、胸椎、肋骨が連動してスムーズに動くようにします。

11/28/2020

運動後の食欲

激しい運動の後は食欲が低下しやすいです。どのような運動だと食欲が低下しやすいのか、運動とその後の食欲の関係にはどのようなメカニズムがあるのか調べてみました。


食欲の低下しやすい運動方法

筋トレも有酸素運動も、激しくおこなうほど運動後に食欲が低下しやすいです。

有酸素運動だとHIITが最も食欲が低下しやすく、次に一定ペースの高強度有酸素運動、その次に一定ペースの中強度の有酸素運動の順です。(1)

筋トレだと、上半身だけのトレーニングよりも全身のトレーニングのほうが食欲が低下しやすいです(2)。また、高重量のトレーニングよりも、中重量でインターバルが短めのトレーニングのほうが食欲が低下しやすいです。(3)の研究では、90%1RM・各セット限界まで・インターバル180秒のグループよりも、70%1RM・各セット限界まで・インターバル90秒のグループのほうが運動後の食欲が抑制されました。 

 

11/24/2020

肩周りのストレッチ(タオル使用)

肩の健康を保つためのストレッチのやり方を解説したいと思います。 

肩周りのストレッチのポイントは、

1. 肩関節の可動域の限界を攻めない

肩関節(肩甲上腕関節)はボール・ソケット型の関節で、上腕骨の骨頭(ボール)と肩甲骨の関節窩(ソケット)から構成されます。ボールとソケットと言ってもソケットにボールがすっぽりとはまっているわけではなく、実際の骨の形はゴルフボールとティーに近いです。骨の噛み合わせ自体には安定性はなく、靭帯や関節包や筋肉などの柔らかい組織で安定させています。肩関節のストレッチでグイグイと力強く動かし、可動域の限界まで攻めると、肩関節の安定性が低下して怪我をしやすくなります。肩関節については可動性よりも安定性を重視し、肩甲骨や胸椎や肋骨を動かすことを意識しながら肩周りのストレッチをおこなったほうが良いです。