9/29/2023

USAPLのレベルが高い(パワーリフティング)

USAPLは、アメリカのパワーリフティング団体で、ドラッグテスト有りの団体です。2021年まではIPFの傘下に入っていたのですが、ドラッグテストを巡るゴタゴタで、2021年にIPFから脱退しました。

この間行われた、USAPLのアメリカ全国大会で、いくつかの階級でノーギア・ドラッグテスト有りの歴代最高記録が更新されたので紹介します。なぜこんな記事を書くのかというと、すごい記録が出ていて面白いのと、現在のトップ選手のフォームを見ることが出来て興味深いからです。


結果は、このページから取得しています。
https://www.usapowerlifting.com/live/


9/20/2023

Bスタンス・スクワット/デッドリフト

スクワット、デッドリフトの補助種目として優秀なBスタンス・スクワット/デッドリフトのやり方を紹介します。

Bスタンス・スクワット/デッドリフトは、脚を前後に少しずらして、前側の脚に負荷をかけてトレーニングする片脚種目です。バランスに気を使う必要がなく、バーベルスクワット・デッドリフトに非常に近い動きで片脚のトレーニングを行える優秀な種目です。


9/08/2023

フリーウェイトとマシンのトレーニング効果の比較研究

フリーウェイトとマシンのトレーニング効果の比較について、メタアナリシスと、新しい研究が出てきたので紹介します。

トレーニングにフリーウェイトとマシンをどのように取り入れるかは、実践面では体幹の疲労のマネジメントといった問題も出てきますが、研究では扱いません。研究で扱う、筋力(1RM、nRM、アイソメトリックの最大筋力)、筋肥大、スポーツパフォーマンス(ジャンプ力)への効果を見ていきます。


長いので結論を先に書きますと、

・全体的に見れば、フリーウェイトでトレーニングすればフリーウェイトの1RMが向上しやすく、マシンでトレーニングすればマシンの1RMが向上しやすいです。特異性の原理に従っています。

・動作がフリーウェイトに近いマシントレーニングは、フリーウェイトの1RM向上効果がフリーウェイトでトレーニングした場合と遜色ないです。具体的には、スミスマシンスクワットやハックスクワットは、バーベルスクワットの1RM向上効果がスクワットでトレーニングした場合と同じくらいです。

・アイソメトリックの筋力向上効果は、フリーウェイトもマシンも同等です。

・筋肥大効果は、フリーウェイトもマシンも同等です。

・ジャンプ力向上効果は、全体的に見ればフリーウェイトのほうが高いですが、スミスマシンスクワットやハックスクワットは、ジャンプ力向上効果がフリーウェイトと同じくらいです。


8/24/2023

トレーニングしてから食事と食事してからトレーニングの研究(トレ前の絶食時間が長い場合)

Timing of Resistance Training During Ramadan Fasting and Its Effects on Muscle Strength and Hypertrophy
https://www.researchgate.net/publication/370091244_Timing_of_Resistance_Training_During_Ramadan_Fasting_and_Its_Effects_on_Muscle_Strength_and_Hypertrophy

ラマダン中のイスラム教徒を対象とした研究です。ラマダン中は、日没から日の出までの間だけ飲食可能です。日中は飲食不可で、水すら飲めません。

この研究では、夕方にトレーニングをしてから食事をするのと、日没後に食事をしてからトレーニングをするのとでは、どちらが効果が高いかを調べています。


8/07/2023

デロードの研究が出ました

たぶんデロードの研究は初めてです。途中で3週間休止してトレーニング再開するという研究はあったのですがデロードというよりもリトレーニングの研究です。1週間のデロード期間の研究は世界初だと思います。ただ、一般的に行われるデロードと違って、完全にトレーニングを休んでいます。


(1)Gaining more from doing less? The effects of a one-week deload period during supervised resistance training on muscular adaptations
https://sportrxiv.org/index.php/server/preprint/view/302/604

<被験者>
トレーニング歴有りの若い男女。男性率7割強。平均体重78kgでスミスマシンスクワットの1RM平均が100kg付近なので高いレベルのトレーニーというわけではなさそう。


<トレーニング内容>
トレーニングメニューは両グループで同じ。いずれの種目も2分インターバルで8-12RMを5セット実施(全セット限界まで) 

上半身 週2回
・ショルダープレス
・ラットプルダウン
・チェストプレス
・バイセップスカール
・トライセプスプッシュダウン

下半身 週2回
・スミスマシンスクワット 
・レッグエクステンション
・膝を伸ばしたカーフレイズ
・膝を曲げたカーフレイズ

通常トレーニンググループは、9週間ずっと同じメニューでトレーニング

デロードグループは、4週間トレーニング+1週間完全オフ+4週間トレーニング


<結果>
筋肥大は両グループで差は無し。

筋力については通常グループのほうがやや有利。

ジャンプ力は両グループで差は無し。


<その他>
ディスカッション欄に書かれていることが興味深いです。

・デロード後は、リフレッシュ感よりもむしろ怠さを訴える被験者がいた。

・4週目から9週目にかけて、通常グループは筋肉痛が減って、デロードグループは筋肉痛が増えた

・4週目から9週目にかけて、デロードグループはモチベーションが低下して、通常グループはモチベーションは変わらず。


他には、ファンディング欄にRenaissance Periodizationの名前があります。日本でも人気の高いMike Israetel​のチームですね。よく見たらMike Israetel​は研究者欄にも名前がありました。他に有名な人だと、Brad J. Schoenfeldも関わっています。

7/21/2023

スモウデッドリフトの向き・不向き

前回の記事からの続きです。

関連記事:IPF世界大会でのスモウ・コンベンショナルの割合

デッドリフトで何を鍛えたいか?という視点ではなく、「その人にとってコンベンショナルとスモウのどちらが重量が挙がるか?」の視点で、スモウデッドリフトの向き・不向きを考察していきます。


スモウデッドリフトの向き・不向きを決める要素はいくつか考えられ、ファクトの要素と仮説の要素があります。

ファクトの要素は、

<身長>

身長が高いほど、スモウデッドリフトには不向きになります。身長に関わらずバーの高さは一定なので、身長が高いほど深くしゃがむ必要が出てきて、スモウデッドリフトのメリットが消えていきます。


<横幅>

規格外に巨大な骨格を持ち、横幅が非常に広い場合は、腕の外側に脚を持ってくるスモウの姿勢を取るのが困難になります。


仮説の要素は、

<股関節のスモウ適性>

スモウデッドリフトは、股関節を外旋・外転させた状態で力を入れる必要があります。股関節の形には個人差があり、股関節の形がスモウデッドリフトに適していない場合は、スモウデッドリフトの体勢で力を入れにくかったり、怪我をしやすかったりします。


それぞれ詳しく見ていきます。

7/13/2023

IPF世界大会でのスモウ・コンベンショナルの割合

どのような人がスモウデッドリフトに向いているのかを調べるために、2023年IPFワールドクラシックオープン・パワーリフティング選手権の映像をもとにデッドリフトスタンスの割合を調査しました。


各階級のAグループ(だいたい8人)のみのデータを取りました。Bグループだと競技歴1年の選手もいたりするので、長年の試行錯誤の末に自分にとって最適なスタンスになっていると思われるAグループの選手のみを対象としました。

それでは早速見ていきましょう。

男子は120kg級と120kg超級ではコンベンショナルが圧倒的に多く、それ以外の階級ではスモウが多いです。



女子は、軽量級ではスモウが圧倒的に多いです。中量級では半々に近くて、重量級になってくるとコンベンショナルのほうが多くなります。



7/09/2023

エクスプロージョンのホエイ3kgが5999円(プライムデー)

Amazonプライム会員限定ですが、かなり安くなっています。

https://www.amazon.co.jp/%E3%82%A8%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3-%E3%83%9B%E3%82%A8%E3%82%A4%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%86%E3%82%A4%E3%83%B3-%E3%83%95%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%84%E7%B3%BB%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA-%E3%81%82%E3%81%A3%E3%81%95%E3%82%8A%E5%91%B3-%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%99%E3%83%AA%E3%83%BC/dp/B01MY65DYF/ref=sr_1_5?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=QKK4ACACHGZA&keywords=%E3%82%A8%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3+%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%99%E3%83%AA%E3%83%BC&qid=1688872965&sprefix=%E3%82%A8%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3+%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%99%E3%83%AA%E3%83%BC%2Caps%2C186&sr=8-5


個人の感想のレビューをしますと、

・チーズケーキ味やチョコ味などのスイーツ系
味付けの再現性が高くて面白い。この前チーズケーキ味を飲んだけど、ちゃんとチーズケーキの味だった。こってりと甘いものが多いので、暑い時期や運動直後は飲みにくいかも。

・ブルーベリーやブラッドオレンジなどのフルーツ系
酸味があり、さっぱりしていて飲みやすいものが多い。


6/30/2023

追い込み度の違いによる筋力向上と筋肥大効果への影響(2023年版)

以前調べたときは、限界までやっても、その少し前で止めても、ボリュームを揃えれば筋力向上と筋肥大の効果は同じくらい、という結果でした。

新しい研究が増えてきて、それを分析したメタアナリシスも出てきたので、内容をアップデートしていきます。

大まかな結論を先に書くと、

・筋力向上については追い込むメリットはあまり無さそう。

・筋肥大については、追い込んだほうが効果が高そう。


筋力向上については、「トレーニングの強度(%1RM)が重要で、追い込むメリットはあまり無さそう」で、これまでと同じ認識です。

筋肥大については、「ボリュームを揃えれば限界までやってもあまり変わりないだろう」から、「限界までやったほうが効果が高くなりそう」という認識にシフトしました。

ただ、筋肥大のためには追い込めば追い込むほど良いかというと、現実の運用では疲労コストや怪我リスク、精神的な辛さによるトレーニングの継続性といった問題があるので、ケースバイケースになります。これについては後ほど、細かく条件分けして書いていきます。


6/16/2023

週150分以上の筋トレで死亡リスクが高まるという研究


週に2時間半以上の筋トレは危険?
https://www.yomiuri.co.jp/column/naruhodo/20220617-OYT8T50014/

(1)Muscle-strengthening activities are associated with lower risk and mortality in major non-communicable diseases: a systematic review and meta-analysis of cohort studies
https://bjsm.bmj.com/content/56/13/755

このメタアナリシス研究では、週の筋トレ時間が30-60分程度だと、何もしないのと比較して死亡リスクや疾患リスクが下がるけど、筋トレ時間が週150分を超えるくらいから、何もしないよりも死亡リスクが高くなるという結果になっています。(グラフは横軸が週の筋トレ時間、縦軸が筋トレ時間ゼロに対しての相対リスク)




これを最初に見た感想は、「え?たった週150分の筋トレでアウトなの? ある程度まじめにトレーニングすると余裕で超えてしまう」でした。


しかし、よく考えてみると、全く何も運動しないのに比べて、50分×3日の筋トレのほうが健康に害があるとは、直感的に信じにくい。トップビルダーみたいに歯を食いしばりながら2時間×週6日とかなら健康に悪くても仕方がないかなと思いますが、週150分程度の筋トレなら感覚的には健康に良さそうに思えます。そもそも筋トレといっても、HIITやタバタプロトコル、自重、バーベル、ダンベル、マシントレーニングなど様々ですし、普通のジムに通う多くの人はそれほど激しい筋トレはしていません。

このメタアナリシスだけでは、年齢や筋トレ以外の運動など他の条件がまったく不明なので、解析対象になっている研究を個別に見ていくことにしました。

長くなるので結論を先に書きますと、

・週150分以上の筋トレで死亡リスクが上がるのは、おそらく高齢者が長時間の有酸素運動と合わせて行った場合。トータルの運動量が多さが要因と考えられる。

・若い人や中年の人は、筋トレ時間は気にしなくていい(常識の範囲内で)。

・一部のデータは、喫煙者が高ボリュームの運動をすると死亡リスクが高まることを示している。