8/04/2014

挙上重量によるデッドリフトのフォームの違い


デッドリフトのフォームは、挙上するバーベルの重さによって変わってくると思われる。私はパワーリフティングなどをやってるわけではなく、それほど自信はないのだけど、考えたことを書いてみたい。

まず初めに、スクワットやデッドリフトの効率的な動作は以下の基本要件に従う。

・重心(身体の重心とバーベルの重心の合成)は常に足の真上
・無駄なモーメントアームを無くす
・バーベルは最短距離を動く(つまり直線)

無駄なモーメントアームを無くすというのは、例えばデッドリフトだと、バーが身体から離れると、それだけ関節(股関節)から挙上対象部分(上半身+バーベル)の重心への水平距離(モーメントアーム)が長くなり、関節により大きなトルクがかかるようになるので、バーを身体に沿わせてモーメントアームを短くしましょうという話。


★バーベルが軽い時のフォーム
例えばバーのみを持つ場合。図の赤い印が身体の重心で、緑の印が身体+バーベルの重心。バランスを崩さないためには、身体+バーベルの重心は常に足の真上にある必要がある。基本要件を満たすフォームは以下のようになる。
- 肩はバーよりも前側に出る。
- 広背筋を使って腕を胴体に引きつけ、バーを身体に沿わせながら挙上する。力を入れないと、振り子の動作で腕が前側に垂れる。
- 身体の重心は足の真上を動く。



★とても重たいバーベルを挙上する場合(失敗例)
バーベルが軽い時のように身体の重心が真上に動くように立ち上がると、振り子の力に耐えられずに前に倒れこんでしまう。



★とても重たいバーベルを挙上するフォーム
とても重たいバーベルを挙上するには、身体の重心を足の位置よりも後ろ側にし、腕が鉛直に近くなるようにする。バーベルが十分に重ければ、身体+バーベルの重心はバーベルに近くなるので、バーベルが足の真上を移動する限り、身体の重心が後ろ側にあってもバランスを崩さない。


実例を動画で見てみる。




★以前書いた記事の補足
バーベルが軽いと、身体+バーベルの重心が身体の重心に近くなるので、身体を後ろ側に傾けながら挙上するとバランスを崩す。以前書いた記事(デッドリフトの基本ポイント)でのデッドリフトの説明は、軽いバーベルを挙上する時のフォーム。元ネタのMark Rippetoeの本は、女性含めての初心者向けのものなので。

同一人物の、軽い重量と重い重量のフォームの違いを見てみる。序盤の軽い重量でのフォームはMark Rippetoeの本での説明通り。終盤の重い重量でのフォームは身体の重心が後ろ側になっている。



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