4/24/2020

調べ物をしたいときの話

自分で色々と調べていく時のやりかたなどを書いてみたいと思います。

★方法論的なもの
リソースを有効に使える戦略をまず考える。

明確にしたいのは、以下の2点。

・自分の使える時間
多くの人にとってはあくまで趣味なので使える時間はそれほど多くはない。どのくらいの時間を使えるか。筋トレをする人はトレーニングにも時間を使う必要がある。

・自分の情報処理能力
英文をどんどん読んで必要な情報を取り出して整理していく必要がある。

使える時間が少なく、処理能力が追いつかない場合は、自分で論文を読んでいこうと思っても中途半端にしか調べられず、成果があまり得られない。アウトソースはどうしても必要なので、専門家を上手く使うことが重要。

どこまで自分で論文を探して読むか、どこまで専門家を頼るか、それを考えていく。

ある程度は自分で調べたいと思う人は、最初は大変だけど、時間が有る時に論文を読んでいって、情報処理能力を高める必要がある。また専門家を使う場合も、専門家が紹介している論文の内容に疑問に感じたことがあったら、自分で元の論文を読んで判断する必要があるので、ある程度は論文を読めるようにしておくと便利だと思う。

手前味噌ですが以下の記事を参考に。

自分で論文を読んでいく場合は、

参考記事:エビデンスの考え方

専門家を使う場合は、

参考記事:信頼できる専門家の見分け方

これを書いたときは新型コロナに熱中してたので例えが偏ってますが・・・


★サイト紹介
◇ストレングストレーニングや筋肥大
Greg Nuckolsのサイト。

stronger by science
https://www.strongerbyscience.com/

色々な人が記事を書いている。Greg Nuckolsは世界トップクラスのパワーリフターで、現在は研究者の道を歩んでいる。文章読む感じ、頭も相当良い。

Gregが仲間とやっている有料サイトもあって、毎月最新論文を10個くらい紹介して、内容を噛み砕いて説明、それに対する所感を書いている。内容に価格が見合うと人は登録してみては。

Monthly Applications in Strength Sport (MASS)
https://www.strongerbyscience.com/mass/

私はこの有料サイトのスタート時に現在より安い価格で永久会員登録して毎月楽しく読んでるので、十分に元は取れてると思ってるけど、今の価格で年間契約や永久会員登録するとなるとちょっと考える。


◇栄養や筋肥大
Lyle Mcdonaldのサイト。

https://bodyrecomposition.com/

サイトの記事も書籍も参考になる。すごく細かく書いている記事が多いので、自分にとってそこまで必要か取捨選択しながら読む必要がある。例えばボディビルダーが高みを目指すためのマニアックな記事は、趣味でトレーニングする人にはあまり参考にならない。それと性格が攻撃的になりやすいのと、メンタルが不安定なときがあるのでその辺を差し引いて読むと良いかも(相手を攻撃する場合、過剰に否定的になっていると感じるときがある)。


◇サプリメント
サプリメントについて調べたい場合は、

examine.com
https://examine.com/


◇論文探し
定番のPubMed

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/

知りたい分野のなるべく新しいメタ解析やシステマティックレビューをまず見つけるのが良いと思う。だいたいIntroductionにその分野の概要が書いてあるので、それを読んで全体像を把握しつつ、自分が何を知っていて、何を知らないか、これからどこを調べていけば良いのか考えていく。

4/22/2020

血中ビタミンDレベルと新型コロナの重症化リスクの研究

Vitamin D supplementation could possibly improve clinical outcomes of patients infected with Coronavirus-2019 (Covid-2019)
https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=3571484

血中ビタミンDレベルと新型コロナの重症化リスクに逆相関が見られるとする論文が出ている。病院の新型コロナ患者のデータを集めて分析したところ、ビタミンDレベルが低いと重症化リスクが上がり、ビタミンDレベルが高いと重症化リスクが下がるという綺麗な結果が出ている。


ビタミンDレベルと新型コロナの重症化リスクに因果関係があるのかを直接調べるには他のデザインの研究が望まれるのだけど、因果関係であるためには、とりあえず以下のような可能性を否定する必要がある。

1) 新型コロナ発症で体内のビタミンDレベルが低下する可能性
発症してからビタミンDレベルが低下し、測定時点ではその数字が出てきた可能性。発症前のビタミンDレベルはわからない。


2) 交絡因子の存在
例えば、

ビタミンDレベルが高齢になると低下する。(リンク先はイタリアのデータ)

・新型コロナは高齢になると重症化・死亡しやすい。

このような場合、単に年齢が要因でビタミンDレベルと重症化リスクの逆相関が出ている可能性がある。

他にも要介護で寝たきりの人は、日光に当たる機会が少なくビタミンDレベルが低いだろうし、それと同時に身体全体が弱っているだろうから、重症化しやすいと考えられる。身体がどれだけ元気かが屋外の活動量に関係し、それがビタミンDレベルに表れている可能性がある。

年齢や生活環境を揃えた場合のリスク比較を出してほしいけど、この研究ではコンフィデンシャル的な問題でビタミンDレベルと症状の重さ以外のデータは得られていないみたいなので今回は難しそう。


★所感
これは完全に個人の勘ですが、感触としてはビタミンDレベルが新型コロナの重症化リスクにある程度は影響しそうな感じがする。この研究者はフィリピンの人なのだけど、フィリピンのデータを見てみたら、平均でビタミンDレベルは30ng/mlを超えていて、高齢世代のほうがビタミンDレベルが高い。患者のデータは南アジアの国(複数形)の病院から集めたと書かれているのでフィリピンのデータがそのまま当てはまらないと思うけど、東南アジアや南アジアは若い世代の美白意識が強いので、若い世代よりも高齢者のほうがビタミンDレベルが低くなる傾向はないかもしれない。

新型コロナ発症後にビタミンDレベルが低下する可能性については、膜型人工肺(ECMO:extracorporeal membrane oxygenation)でビタミンDレベルが下がるという記述をみつけたので、症状Criticalではその影響が出るケースがあるかもしれない。他にもビタミンDレベルが下がるケースがいつかあるのだけど、いずれも1,2週間でビタミンDレベルが急激に下がるのはICUレベルの重篤な場合で、OrdinaryやSevereでも症状の重さに沿ってビタミンDレベルが下がっている説明にはならないと思う。


★今後望まれる研究
普段からビタミンDレベルを計測しているなるべく均質な集団での発症リスク、重症化リスクが出せるなら、ビタミンDレベルと新型コロナリスクの関係がかなりクリアになりそう。年齢だけじゃなく人種や所得や生活環境や宗教なども影響するだろうから集団は均質にしたい。ビタミンDを投与するグループとプラシーボを投与するグループで大規模なRCTをやってみて欲しいけど・・・倫理的な面から難しいかな。

関連記事:
新型コロナウィルスとビタミンD

新型コロナウィルスとビタミンD(詳細)

4/19/2020

信頼できる専門家の見分け方

私は特に秀でた分野は無くて広く浅くタイプなのですが、不案内な分野で信頼できる専門家を見分ける能力には自信があって、この機会に今までなんとなくやってたことを言語化してみたいと思います。


★詭弁
詭弁を完全にゼロにするのは結構難しいと思うけど、詭弁を多用する専門家は信頼できない。詭弁を避けるには、論理的思考能力と誠実さが求められる。

参考サイト:詭弁(ウィキペディア)


★Pros and cons
主張の肯定的な見方、否定的な見方、長所、短所を提示したうえで、なぜその主張を自分が選んだのか明確にしているか。こういうスタンスだと信頼性が高い。ただ、これを逆手に取って、形としては肯定・否定両方の見方を紹介しているように見えて、自分と違う意見にはストローマン(詭弁)を使うなどのやり方もあるので注意が必要。


★イデオロギーの影響
分野によってはイデオロギーによって、好まれる主張がはっきり分かれることがある。

イデオロギーは政治の色分けだと、一般的な言い方をすれば保守とリベラル。クラシカルリベラルとかはとりあえずおいておく(私はハイエク信者のクラシカルリベラルです)。

政治や経済以外でもイデオロギーが影響することがあるので、その分野ではイデオロギーによりどういう見方がされやすいのか、その主張をしている人はどちら寄りの人なのかを考慮すると良い。例えば環境問題は、保守とリベラルで好む主張がはっきり分かれる。今の新型コロナ問題も、保守は経済優先、リベラルは人命優先で分かれている。

生まれつきの性格の影響が大きくて、どういう性格の人がどちら寄りになるのか知っておくと、他の分野でのイデオロギーの影響を考慮しやすい。

保守だと、権威、秩序、伝統といったものを重んじる。
リベラルだと、公平、自由、開放性といったものを重んじる。

イデオロギーは純粋に理性や論理だけで形作られるものではなくて、生まれつきの性格の影響が大きい。だからイデオロギーが関わる問題では、人は感情的に反応するし、自分の性格と感情にフィットした主張を選ぶ。数学や物理の問題についての議論で普通は感情的にならない。論調が感情的になっている場合、それはその人のイデオロギーに引っかかっているからで、論理的な思考になっていない可能性がある。

欧米のメディアはかなりイデオロギーの影響が強いので、イデオロギーに沿った主張ばかりを載せる。メディアがどちらの色か把握しておくと良い。

自然科学の学者だとリベラルが多い。


★自分の知らないことを考慮しない。
自分の知っている範囲の事柄のみから主張を組み立てる専門家は信頼できない。一人の人間が知ることのできる範囲は非常に狭い。知能が高い人は論理的に組み立てるのが上手なんだけど、自信過剰で自分が十分に物事を知っていると思い込んでいるため、足りない材料から論理を組み立てて、見当違いな間違いをする。パーツの足りないプラモデルを強引に組み立てるようなもの。メディアに出たがりの医者の健康情報などにそのようなケースが多い(耳目を集めるようなことを言わないとメディアに出られないのだろうけど)。


★cherry picking
エビデンスから仮説を組み立てるのではなく、自分の主張にフィットするエビデンスだけを都合よく持ち出す。こういう専門家は信頼できない。


★black or white
黒か白か、善か悪かの二択で、わかりやすい答えを提示する専門家は信頼できない。世の中そんなにわかりやすかったら議論なんて起きていない。


★部分最適と全体最適
部分最適が全体最適になるわけではない。例えば、身体の特定の健康指標を最適にする方法が、身体全体の健康状態を最適にするとは限らない。


★「○○の真実」
「○○の真実」と軽々しく断言する専門家は信頼できない。「○○という神話(○○をdisる場合)」も同系統。


★自分の理論が絶対に正しいと信じている
理論通り行かなかった場合は、現実が悪いのであって、理論は間違っていないと考える。理論通りいかなかった場合のプランBを考えていない。結果として理論通りにはならなかったけど、もしこれをやっていなければ、もっと酷いことになっていたので、この理論を目指した政策は正しかったと言い訳する。こういう専門家は信頼できない。

一時期声が大きかったリフレ派がこれ。どう見ても理論が破綻してたけど、政府と世論のウケが良かったので、黒田東彦と岩田規久男を日銀トップに据えて審議委員も賛成派に入れ替えていって金融政策を好き放題やらせてみたけどあの体たらく。結果を出せず時間を浪費しただけでなく、膨張したバランスシートという負の遺産も残していった(どう後始末をつけるんだろう?)。インフレ目標達成できなかったら辞職すると豪語していた岩田規久男は結局辞職しなかった。

最近では厚生労働省クラスター対策班の西浦博・北海道大教授に同じ匂いを感じる。接触8割減を繰り返し唱えているけど、日本の現行法と普通の人の行動パターンを考慮すると実現不可能でしょう。どんな理論でも、実現できなければ意味がない。本気で8割減を達成したいのなら、法改正でもして都市部に自衛隊を派遣し、外出を厳格に制限するのが良いだろう。空論を掲げることで、結果として自粛過激派の先鋭化と国民の分断を招いている。そして本当に対処しないといけない問題から目を逸らさせ、時間を浪費させている(この点もリフレ派と似ている)。

それに緊急事態宣言解除後のことを考えているのだろうか。自分の言うとおりにすれば一ヶ月でコロナ封じ込めが成功して、その後は外からウイルスが入ってきて感染再拡大するようなこともなく、コロナ問題は終わるはずだと考えているのだろうか。8割減が達成出来ず、感染状況が落ち着かなかった場合はどうするのか。うまくいくかどうかに関わらずいずれは緊急事態宣言を解除すると思うけど、その後に感染が再拡大した場合はどうするのだろうか。いずれのケースもかなり確率が高いと思うが、その場合にどう対応するのか明確にしたほうが良い。脅すような数字を出すより、可能性ごとにプランを提示した方がずっと良いだろう。(自分の言う通りにしなければ恐ろしいことが起きるぞと脅すようなことを言うのも信頼できない専門家の特徴)

ちなみに今は封じ込め成功と言われている国も、何年間も国境封鎖を続けてウイルスの侵入を防げるのかわからないし、その政策にコストがどれくらいかかるかわからない。効果の高いワクチンや治療薬が普及するか、地球上から新型コロナウイルスが消えるまで、封じ込め成功の評価はできない。最悪なのはワクチンや治療薬の開発が難航している間に人口の多い主要国が集団免疫を獲得して、それらの国にとって新型コロナが脅威ではなくなり、ワクチンや治療薬の開発コストに対するリターンが見合わなくなって開発が中止されること。


★デメリットやコストについて何も言わない
この人を支持する人も多いだろうけど、例として山中教授を出します。山中教授はワクチンや治療薬という願望にすがった提言をしている。数ヶ月から1年でワクチンや治療薬が普及するのは、奇跡が起こらない限り無理だろう。例えば、ゾルフーザは臨床試験開始から販売まで3年くらいかかっている。(参考:新型コロナ 急がれる医薬品開発-抗ウイルス薬やワクチンが、なかなかできないのはなぜ?) 最近のインタビューでは集団免疫を言い出していて、封じ込めに拘泥していない点は評価できるが、それでも緊急事態宣言の状態をずっと続けることが必要だと言っている。

緊急事態宣言の状態を1年続けるとどれだけ経済的コストがかかるのか。民間の予想だと国内4-6月期GDPが前期比年率1-2割減といったところ。一ヶ月の緊急事態宣言でこの落ち込みようなので、緊急事態宣言を1年間続けたらGDPが3-5割減くらいになるのでは。緊急事態宣言の間、事業者と国民に適切な保障をと言ってるけど、単純計算でも1億人に10万円支給をしたら10兆円、世論を見ると一ヶ月の緊急事態宣言で最低でもこれくらい出すことが望まれているので、緊急事態宣言を続けたら毎月10万円で、年間120兆円。経済学を知らなくても、これは持続不可能だとわかる。そして子供はずっと学校にいけないままなのだろうか。未来の日本を担う子供の教育が捨て置かれる。長期戦を覚悟と言うなら、持続可能なやり方にしないといけない。

どのみち集団免疫に至るなら、なるべく早く集団免疫に到達したほうが経済的な損失は小さくなる。どのくらいのペースで感染が広がっていけば医療のキャパシティを超えずに済むのか、どの程度の経済活動なら持続可能なのかを議論し始めないといけない。緊急事態宣言の状態を続けてなるべく感染を抑えていくと、経済損失が際限なく膨らんでいく。経済水準が落ち込めば、医療だけでなく治安や教育などあらゆるものの水準が落ち込む。端的に言うと貧しい国になる。

薄々気付いている人も多いだろうことは、
「これだけ感染力の強いウイルスが蔓延した現状では新型コロナ封じ込めは無理」
「ワクチンや治療薬は出来るかわからず出来たとしても普及するまで何年間もかかりそう」

目を背けたくなる現実は、
「経済活動の停止や手厚い補償を続けるのは経済的にも財政的にも人々のメンタル的にも無理」
「封じ込めようとしても感染再拡大が起こるなら集団免疫を目指すのが最もマシなやりかた」
「集団免疫に至る過程では、ある程度の人が死ぬ」
「集団免疫を目指すならなるべく医療崩壊しない範囲で速やかに感染を拡大させていく必要がある」
「酷な言い方をすれば、程よいペースで死者と重症者が出続ける必要がある」

この選択にはこういうメリットとデメリットがありますと、トレードオフがあることを明確にする。それが誠意ある人の態度だ。山中教授は叩かれるのが嫌なのか、それともトレードオフを理解出来ないほど頭が鈍いのか知らないけど、綺麗事しか言っていない。

集団免疫戦略を取っているスウェーデンでは、4/15時点の担当疫学者の話だと、感染ペースがプラトーに達しつつつあり、スウェーデン内での一部地域では集団免疫の状態に非常に近づきつつあると信じている、とのこと。

50人以上の集まりなど禁止事項はあって、社会的距離や家にいることが推奨されているが、スウェーデンの街の様子はかなり自由な様子。国民の自主性を尊重、持続可能性を重視しているとのこと。一方、ロックダウンに踏み切った欧米各国は経済的コストの膨大さと市民のメンタル面で、ロックダウン継続は無理な雰囲気になってきている。

スウェーデンの社会実験がどういう結果になるのかわからないけど、非常に貴重な実験をやってくれているので他国は大いに参考になる。数ヶ月以内に結果が出るでのはないか。スウェーデンの感染状況が落ち着いてきたら、他の国でも集団免疫までにどれくらい死亡するかの見当がつくと思う。このサイトで状況が日々更新されている。人口1000万人で、現時点で約1500人死亡。

スウェーデンは今は異端扱いされて批判されているけど、個人的には来月くらいから評価が逆転しだすと思っている。欧米の多くの国は、ロックダウンを続ける経済的コストに耐えきれず、見切り発車で経済活動を再開し、結果としての集団免疫の道を選ばざるを得ないだろう。

酷い話だけど、医療のキャパシティを超えないような感染ペースだと集団免疫まで何年間もかかるようなら、ある程度の医療崩壊を許容しつつ終息までの時間を短くしたほうがトータルのコストは低くなるだろう。未曾有の危機、長期に渡って経済にダメージと言う割に、株価が堅調に戻りつつあるのは、経済崩壊と医療崩壊だったら、医療崩壊を選ぶだろうと株式市場は見透かしているのかもしれない。経済が崩壊したら医療も崩壊するけど、医療が崩壊しても経済は崩壊しない。

日本は欧米の追従でしょうね。政府や専門家やマスコミは新型コロナを中世のペストみたいに扱って恐怖を煽っていたから、いまさら経済活動を見切り発車で再開するのも世論の反発が強いと思うけど・・・。どう世論を納得させるかは政治家の力量。せめて若い世代はリスクは低いとデータをもとに伝えていれば、若い世代は仕事に戻ろう、高齢者を社会から隔離、という政策を取りつつ経済活動再開に向けて動き出せるものを。若い世代も重症化、死亡例と繰り返し煽っていたから。

再陽性が出ている問題については、それが再感染なのか体内でのウイルスの再活性化なのか現時点でははっきりしていない。仮に再感染だとして、皆がまったく免疫獲得できず100%再感染するのなら集団免疫戦略は使えないことになる。もし集団免疫が獲得できないなら中途半端に対策してももぐらたたきになるだけなので、各国同時に警察・軍隊を動員しての厳格な封じ込め策を取るか、もしくは死にやすい風邪として完全に放置するかになる。大部分が免疫獲得できて再感染するのがレアケースなら集団免疫戦略は問題なく使える。今後の展開を見てみないとなんともいえない。

4/10/2020

新型コロナウィルスとビタミンD(詳細)

前回の記事の続き

前回記事:新型コロナウィルスとビタミンD

★体内のビタミンDレベルを保つには
・日光(紫外線)に当たる
太陽高度の高い時が良い。具体的には、低緯度地域、夏、昼間は太陽高度が高い。成人白人が全身を夏の日光に15-30分当てて10000IUくらい出来る。

・ビタミンDを多く含む食品を食べる
鮭、脂質の多い魚、卵の黄身など。ただ普通の食事で多くのビタミンDを摂取するのは難しい。

・サプリメント
屋外での活動が減少している現代においては、サプリメントで補うのが良いだろう。

専門家によれば、適切なビタミンDレベルを保つには日光も食品もサプリメントも全部必要とのこと。


★ビタミンDの種類
D2とD3があるのだけど、ビタミンD3で良いだろう。


★注意点
体内のビタミンDレベルが低下している場合は、望ましい水準に戻すことで免疫機能の回復や病気予防や骨を強くしたりや筋力を上げたりといった効果があると考えられるのだけど、ビタミンDレベルが低下していた場合に落ち込む分を取り戻すと思われるので、過剰摂取しても効果がブーストされるわけではない。


★上気道感染症やインフルエンザへの効果
ビタミンD摂取が上気道感染症やインフルエンザの予防にも効果がありそうなので、新型コロナウイルスの対策にもなるかもしれない。もちろんビタミンD摂取によりコロナウィルスへの感染リスクが下がるというエビデンスは現時点では存在しないが、ビタミンDサプリメントの摂取コストと、アップサイドリスク・ダウンサイドリスクを考えると割の良い賭けなので、自分だったら毎日5000IUビタミンDを摂取する選択肢を選ぶ。読解力のない人に絡まれるのも面倒なので繰り返すけど、私はビタミンD摂取が新型コロナウィルスの予防になると言っているわけではない。最悪死ぬことを考えると、ビタミンD摂取はやってみる価値はあると言っている(イタリアアメリカの死者の平均年齢が80歳くらいなので若い人が死ぬリスクは著しく低いと思うが)。またビタミンD不足は様々な健康リスクに関わると考えられているので、サプリメント摂取でビタミンDレベルを望ましい水準に保つのを避ける理由も無い。

ビタミンD摂取が気道感染症を予防するかを調べたメタ解析(1)を見ると、血清ビタミンD濃度が25nmol/L(10ng/ml)以下の場合にビタミンDを摂取すると気道感染症の強い予防効果があるが、それ以上だと有意差がでない。ビタミンDの摂取の仕方は、毎日もしくは毎週摂取したほうが効果が出る。1ヶ月に一回10万IUといった服用の仕方は効果が低そう。摂取量が少ないRCTも含んだ上で、25nmol/L(10ng/ml)以下の場合のビタミンD摂取で気道感染症の強い予防効果が出ているので、40ng/ml程度まで上げられる量を摂取すればより高い効果が期待できると思う。このメタ解析だと、高カルシウム血症と腎結石リスクは、プラシーボ群とビタミンD摂取群で変わらず。

メタ解析の元になっているRCTはデザインがいまいちなものが多い。ビタミンD摂取が効果を発揮するのは、初期状態がビタミンD不足だったときに、体内のビタミンDレベルを上げ免疫の働きを正常に戻すことにより病気のリスクを低減させると考えられるので、被験者の初期状態を低いレベルに揃えて、十分な量のビタミンDを投与する。血清ビタミンDレベルが適切な水準に上昇するのに数ヶ月かかるので、実験期間は長めに取る、というデザインにしないとRCTでは効果が示されにくいだろう。

良いデザインのRCT例(2)。被験者が抗体欠乏の患者と気道感染症になりやすい患者で、特に疾患の無い人と反応が変わるかもしれないけど。ビタミンDを毎日4000IU摂取。期間は1年。血清ビタミンD濃度は初期20ng/ml付近から3ヶ月で40ng/ml超えに上昇。ビタミンD摂取群は上気道感染症のリスクが下がり、抗生物質の摂取が減った。この研究と同じようなデザインで繰り返しRCTをやってみれば、ビタミンD欠乏の人がビタミンDを摂取することで上気道感染症やインフルエンザのリスクを下げるかどうかがはっきりする。

上気道感染症の罹患リスクと、血清ビタミンD濃度に逆相関が見られるとする観察研究(3)。ビタミンDレベルが低いと、上気道感染症の罹患リスクが上がる。30ng/ml以上の場合に比べたオッズ比が、10ng/ml以下で1.36、10-30ng/mlで1.24。

1000IU/日のビタミンD摂取で上気道感染症、風邪、インフルエンザ様症状の発症リスクに影響は認められなかったという結果のRCT(4)。人数が多くて期間も長いのは良いけど、スタート時点での血清ビタミンD濃度が約25ng/mLでそれほど低くはなく、摂取後も32ng/mLでそれほど上昇しているわけではなく、ビタミンDがそれほど低くない人が少量のビタミンDを摂取しても上気道感染症などのリスクは下がらなそうだということは言える。

この研究は血清ビタミンD濃度の四分位ごとの罹患リスクを出していて、血清ビタミンD濃度が高いほど、上気道感染症、風邪、インフルエンザ様症状の罹患リスクが下がり、病気の日数が短い傾向があることが示されている。特に重い症状での日数が大幅に短くなっている。四分位の区切りは、25th, 50th, and 75th percentiles (21.75, 28.42, 35.4 ng/mL)なので、これを見ると20ng/mL以下は感染症に対する免疫機能がかなり低下してそう、35ng/mL以上にするとちゃんと働いていそうって感じがする。


あとプロバイオティクスの摂取で喉や鼻の粘膜を強化するのも、新型コロナウィルス対策として意味があるかもしれない。価格が安くてダウンサイドリスクはほぼ無いのだから、ダメ元でやってみる価値はあると思う。

関連記事:プロバイオティクスのスポーツへの利用


★ビタミンDと肺炎
ビタミンD欠乏と市中肺炎の関係についてのメタ解析(5)。ビタミンDレベルの低さと、市中肺炎のリスクが相関している。血清ビタミンD濃度20 ng/mL以下で、オッズ比1.64。一般の肺炎は多くが細菌性で、新型コロナのウィルス性肺炎とは反応が異なるかもしれないけど参考まで。


★ビタミンD欠乏の割合
季節や屋外活動の多さなどで変わる。いくつか研究を見ていく。ビタミンD欠乏の閾値はいくつか定義があるけど、よく使われる20ng/ml以下の割合を見ていく。

・日本人のオフィスワーカー(6)。20 ng/ml以下は7月が9.3%、11月が46.7%。

・妊娠中の日本の女性(7)。平均すると20ng/mL以下は73.2%。季節ごとに見ると20ng/mL以下は4月が89.8%、10月は47.8%。日光が弱まり外出が減る冬の間にビタミンDレベルが低下していると思われる。

・2004年頃のアメリカのデータ(8)。20ng/ml以下が36%。ビタミンDレベルは、白人>ヒスパニック>黒人になっている。黒人は平均が20ng/ml以下で、深刻な欠乏である10ng/mlの割合がかなり高い(Table2)。狩猟採集生活をしていた頃に住んでいた地域の日照レベルに身体がアジャストしていて、それよりも日光が弱い地域に住むとビタミンDレベルが低くなるのだと思う。当然、屋外での活動時間が短くなればそれだけビタミンDレベルが下がる。日本に住む人だと、インドや東南アジアや南米やアフリカなど日差しが強い地域の出身で肌の色が濃い人は普通に生活しているとビタミンD欠乏リスクがかなり高くなると考えられる。

スウェーデンやイギリスやアメリカでは、肌の色の濃い移民が新型コロナウィルスの死亡者に占める割合が高いという報告が出ている。生活環境や衛生状態や医療へのアクセス度合いも影響しているのだろうけど、ビタミンDレベルの低さも影響しているのかもしれない。


★ビタミンD摂取の副作用
ビタミンDの摂取で、高カルシウム血症、高カルシウム尿、腎結石になるリスクが上がるかもしれない(研究によって結果がばらついている)。

通常レベル(1日10000IU以下)のビタミンDを摂取して高カルシウム血症などになるかは、おそらく反応に個人差がある。ビタミンDに過剰反応する遺伝子変異や、結核などの病気の人がビタミンD摂取に過剰反応して高カルシウム血症になりやすいと考えられている。メタ解析(9)では、800IU以下の小容量でもそれ以上の量でも高カルシウム血症のリスクは同程度上がるという結果が出ていて、過剰反応する体質の人がリスク比を引き上げている感じがする。


★摂取量目安
日光にあまり当たらない生活の人は1日あたり5000IU程度の摂取を推奨。血清ビタミンD濃度を測定できるなら、ビタミンDレベルが望ましい水準になったら1日あたり1000-2000IUに減らして維持していっても良い。週に一回より頻度が高ければ良さそうなので、1日5000IUペースで摂取したいなら、2日に一回10000IUといった摂取の仕方でも問題ないだろう。

買うのはアメリカの大手メーカーのサプリメントが安くて良いと思う。国内メーカーのものは価格が高い。海外サプリメントは質が悪いものもあるので、よくわからないメーカーのあまりに安いものは買わない方が良いと思う。

私はアマゾンで買えるこれを摂取しています。

ビタミンD摂取による高カルシウム血症のリスクが指摘されているので、一般的なカルシウムサプリメント(炭酸カルシウムやクエン酸カルシウム)との併用は止めたほうが良いだろう。そもそも一般的なカルシウムサプリメントは摂取しないほうが良いと思う。

関連記事:健康な骨と心臓血管のための食生活ガイドライン


★ビタミンD摂取量の上限
一般にはどのくらいの量でビタミンD過剰摂取の症状が出るのか。ケーススタディを集めた研究(10)を見てみると、成人だと一ヶ月60万IU(1日20000IU)を超えるペースで数ヶ月間以上摂取しつづけるするのは過剰摂取のリスクが高そう。過剰摂取の症状は、吐き気、嘔吐、脱水、腹部などの痛み、倦怠感、食欲不振など。これらの症状が出たら即座に服用はやめる。


★所感
おそらく新型コロナウィルスは人口の大部分が感染するまで止まらない。都市封鎖といった強硬措置で一時的に封じ込めたように見えたとしても、緩めたらまた感染が広がりだす。SARSやMERSとは感染力が違うので封じ込めは出来ないだろう。新型インフルエンザのパンデミックに近い。

既存のインフルエンザが新型コロナウィルスに比べてそれほど脅威ではないのは、過去に新型としてパンデミックが起こり、多くの人がある程度の免疫を持つようになったから。その過程では、多くの命が失われた。個人として出来ることは、遅かれ早かれ感染すると考えて、出来るだけ体調を整えてウィルスを迎え討つことだと思う。(外出自粛で日光に当たる機会が減り、運動不足になると、よりウィルスに対して身体が脆弱になるだろう)

経済に人命は替えられないという論拠で、経済的コストを無視して強硬な抑え込み策をやるべきだという主張があるけど、不況になると自殺者が増える。目の前の新型コロナ死者を一人でも減らそうと頑張ると、結果として多くの命が失われる可能性がある。

トータルの犠牲を小さくする方法はおそらく、経済活動をある程度維持しつつ医療崩壊を起こさないペースでのコントロールされたパンデミックを目指し集団免疫を獲得すること。スウェーデンがそれを目指している。スウェーデンは高い医療レベル、低い人口密度、他の欧米諸国に比べると低い肥満率、低い大気汚染レベル、あとこれははっきりとはしない説だけど、BCG接種国なのとビタミンDレベルの強化策で国民のビタミンDレベルが低くないこと。恵まれた条件が揃っているのでチャレンジ出来るのだと思う(もちろん為政者と国民が合理的に考え決断できるのが前提だが)。イギリスやアメリカやイタリアは都市封鎖せざるを得ない状況にあっという間に追い込まれた。

理想論を言えば、経済活動を維持したまま、重症化リスクの高い人達(主に高齢者)を社会から隔離、それ以外の重症化リスクの低い人たちは医療崩壊しないペースでなるべく早く集団免疫の獲得を目指すのが経済的被害も人的被害も最小になると思う。免疫を持つ人が増えるとウィルスは移る先が見つからなくなってその集団では感染が終息していく。その後重症化リスクの高い人たちを社会に合流させる。再び外からウィルスが入ってきても免疫を持っている大勢の人がバリアになって、リスクの高い人たちまでウィルスが辿り着きにくくなる。(このウィルスの感染力の強さと無症状や軽症の感染者の多さを見ると、すでにかなりの人が感染して免疫獲得済みな感じもする)

感染ゼロを目指して強硬に抑え込もうとする政策の問題点は、強烈な景気の落ち込みとそれに伴う自殺者の急増、そして集団免疫が出来ない限り、解除後にまた外からウィルスが入ってきて感染拡大が再開し、リスクの高い人たちもウィルスに晒されやすくなること。免疫が出来ない種類のウィルスだったらどうするのかという反論があるけど、それは都市封鎖しても同じことが言える。すでに世界各地にウィルスは広まっているので、世界中の人が同時に一ヶ月くらい刑務所の独房みたいなところで完全隔離でもしない限り、このウィルスは再び入ってくるだろう。

日本がどこを目指した戦略を取っているのかわからないけど、トレードオフを受け入れた上で、政策を実行して欲しいものです。現状では、パニックになった世論に流され、コストと被害を無駄に膨らませる政策をやっているとしか思えない。

参考記事:新型コロナ対策でいま求められる「戦略」と「戦術」

参考記事:感染症の基本法則とパラドックス



<参考文献>
(1)Vitamin D supplementation to prevent acute respiratory tract infections: systematic review and meta-analysis of individual participant data.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28202713

(2)Vitamin D3 supplementation in patients with frequent respiratory tract infections: a randomised and double-blind intervention study
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3533016/

(3)Association between serum 25-hydroxyvitamin D level and upper respiratory tract infection in the Third National Health and Nutrition Examination Survey.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19237723/

(4)Vitamin D3 Supplementation and Upper Respiratory Tract Infections in a Randomized, Controlled Trial
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3805175/

(5)The association between vitamin D deficiency and community-acquired pneumonia
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6756683/

(6)Serum 25-Hydroxyvitamin D Concentrations and Season-Specific Correlates in Japanese Adults
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3899433/

(7)High frequency of vitamin D deficiency in current pregnant Japanese women associated with UV avoidance and hypo-vitamin D diet
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0213264

(8)Demographic Differences and Trends of Vitamin D Insufficiency in the US Population, 1988–2004
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3447083/

(9)Vitamin D-Mediated Hypercalcemia: Mechanisms, Diagnosis, and Treatment
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5045493/

(10)Development of Vitamin D Toxicity from Overcorrection of Vitamin D Deficiency: A Review of Case Reports
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6115827/

4/07/2020

新型コロナウィルスとビタミンD

緊急度が高いので先に結論を書いておきます。私がそう考えるに至った背景については数日中に別の記事に詳しく書いていきたいと思います。

新型コロナウィルス対策としてビタミンDの摂取が有効かもしれないので、毎日5000IUのビタミンD摂取を推奨。屋外での活動が少なく、ビタミンD欠乏になっていそうな人は、最初の数週間は毎日10000IU摂取し、その後毎日5000IU摂取を推奨。(摂取量は成人の目安)

ロジックを簡単に書くと、体内のビタミンDレベルが低い人は、上気道感染症やインフルエンザへの罹患リスクと重症化リスクが上がると考えられ、ビタミンD摂取によりビタミンDレベルを望ましいレベルまで引き上げ免疫機能を正常化することで、これらの罹患リスクと重症化リスクを下げることが期待される。これは新型コロナウィルスにも同じことが言える可能性があり、北半球の4月は体内のビタミンDレベルが下がりやすく、また外出自粛要請により日光に当たる機会が減り、ビタミンDレベルが低下している人が多くいると思われるので、ビタミンDを摂取するのが良いと考えました。血清ビタミンD濃度を測定できるのなら、測定結果を元にビタミンDレベルが低い人のみビタミンDを摂取するのがベストですが、検査には費用と手間と時間がかかるし、医療リソースを使うかもしれないので、とりあえず摂取するのが良いという判断です。

こういった注意が出ているのは把握しています。

「新型コロナウイルスにビタミンDが効く」等の情報に注意 (200226)

ビタミンDサプリメントの価格の安さ、及び摂取によるダウンサイドリスクとアップサイドリスクを考慮すると、ビタミンD摂取は割の良い賭けだと思うので、摂取したほうが良いと判断しました。もちろん、ビタミンDを摂取すると新型コロナウィルスへの罹患リスクが下がるとか、重症化しにくくなるといったエビデンスは現時点ではありません。

稀に遺伝子変異(CYP24A1 Mutation)によりビタミンDへの感受性が高い人がいます。通常は問題ない量のビタミンD摂取で高カルシウム血症の症状(吐き気、嘔吐、脱水症状、腹部などの痛み、倦怠感、食欲不振など)が出た場合は、服用を止めて病院に行ってください。ビタミンDサプリメントの摂取だけでなく、高カルシウム食や紫外線への曝露を避けたりと、生活の仕方から変えないといけないようです。もちろん既に医師からビタミンDの摂取を禁じられている人は摂取しないこと。


<参考文献>
 Evidence That Vitamin D Supplementation Could Reduce Risk of Influenza and COVID-19 Infections and Deaths
https://www.preprints.org/manuscript/202003.0235/v2
メカニズム的には新型コロナウイルスの感染リスクを低減し得るという論文。PDFのボタンを押すと全文読めます。ここでの推奨摂取量は、最初の数週間は1日10000IUで急速にビタミンDレベルを上げ、その後1日5000IU摂取。25(OH)Dレベルを測定できるなら、これを40–60 ng/mlにしたい。マグネシウムの摂取も推奨。

GLOBAL EPIDEMIC OF CORONAVIRUS—COVID-19: WHAT CAN WE DO TO MINIMIZE RISKS
https://storage.googleapis.com/journal-uploads/ejbps/article_issue/volume_7_march_issue_3/1584436192.pdf
学術誌の記事で高用量のビタミンD摂取が提案されています。この記事ではビタミンDに加えて亜鉛、セレン、抗酸化物質の摂取を推奨。最初に20万~30万IUをまとめて摂取、一週間後に同じ量。この量だと遺伝子変異が無い人も過剰摂取の症状が出るかもしれないけど、体内のビタミンDレベルを急速に上げたい場合は選択肢になる。

Optimisation of Vitamin D Status for Enhanced Immuno-protection Against Covid-19
https://www.bmj.com/content/368/bmj.m810/rapid-responses
左下の下矢印クリックで全文読めます。

Preventing a covid-19 pandemic
https://www.bmj.com/content/368/bmj.m810/rapid-responses
ここのresponsesでビタミンDの摂取についていくつかコメントが付いています。