ラベル 成長ホルモン の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 成長ホルモン の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

3/09/2014

成長ホルモンと筋肥大

成長ホルモンはアナボリックホルモンではありません・・・という記事。

コンパウンド種目を30-60秒程度の短いインターバルで行うと、3分や5分といった長いインターバルでトレーニングを行った場合に比べて各種ホルモンレベルが大きく上昇するのは事実であるが、成長ホルモンもテストステロンもIGF-1も、トレーニングで一時的に血中レベルが上昇する程度では、長期的な筋肥大には影響はないだろう。また、スクワットをすれば成長ホルモンが分泌されて腕の筋肉の肥大にも有効である、というトレーニング理論も誤り。記事では色々と研究を引用していて、リファレンスも付いているので、興味のある人は調べてみてください。

記事の補足としては、筋肥大と体組成に関する測定精度の問題があって、数週間のトレーニングでは測定出来るほどの差がでない場合も考えられる。3-5レップといったトレーニング方法ではないので、1RMの伸びに差が出ていれば実際には筋肥大に差が出ていると思う。筋肥大や体組成の測定値に差が出ている研究と出ていない研究があるが、1RMに関しては長いインターバルの方が伸びている傾向がある。短インターバルと長インターバルでは、セット数が同じなら長インターバルの方が重い重量と多いレップ数を扱えてトレーニングボリュームが大きくなるので、高い効果が出ていると思われる。

従って、ホルモン分泌を気にして短いインターバルで2セット目以降のトレーニングボリューム(重量とレップ数)を犠牲にするなら、インターバルをしっかり取って強度の高いトレーニングを行った方が良い。もちろん短いインターバルでもセット数を増やすなどしてトレーニングボリュームを確保できれば、高いトレーニング効果が望める。短いインターバルのメリットは、トレーニング密度を高めてトレーニングにかかる時間を短縮できることである。(個人的には、腕や肩の軽い重量の単関節種目は短めのインターバル、コンパウンド種目は2-3分くらいのインターバルでやっています)

各ホルモンの外部からの投与については、成長ホルモンは投与しても筋肥大に影響無し。テストステロンの投与は、筋肥大に如実な影響がある。ただ成長ホルモンも、テストステロンやアナボリックステロイドと合わせて投与すると筋肥大効果を高めることがドラッグユーザーの間では知られている。

それと記事ではコルチゾールの影響には言及されていないが、コンパウンド種目ではテストステロンレベルと同様にコルチゾールレベルも一時的に上昇すると書かれてる。よくトレーニング時間が75分くらいを越えるとコルチゾールが出てカタボリック云々と言われるが、一時的なホルモンレベルの上昇は気にしなくて良いのではと思う。コルチゾールレベルが問題になるのは、強いストレスや極度の減量や睡眠不足による恒常的な上昇だろう。


追記:後からふと思ったけど、限界の二歩手前くらいのトレーニング内容にしてインターバルに関わらず同じトレーニングボリュームを行えるようにした場合、60秒インターバルと3分インターバルの比較をするとどうなるのだろうか。短いインターバルによるメタボリックなストレスに効果があるのかはっきりと切り分けできる。

→これやってる研究を見つけた。2015年の研究。1分vs4分で、1分の方が効果大。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25294666

まあキャパシティの上限の強度でトレーニングするなら、十分に回復するインターバルを取ってトレーニングをした方が効果的なので、 本文の結論は変わらない。


参考:Boosting Growth Hormone with Diet & Training: Fact or Fiction? Part 1
http://anthonycolpo.com/boosting-growth-hormone-with-diet-training-fact-or-fiction/

関連: 筋合成・分解へのインスリンの役割