1/27/2022

BIG3を軸としたトレーニングプログラムの考え方1回目:3つのモデル

スクワット、ベンチプレス、デッドリフトといったバーベル種目を軸としたトレーニングプログラムについて何回かに分けて書いていきます。想定ターゲットは、初心者~中級者くらいで、特に素質に恵まれているわけではない普通の人です。

トレーニングプログラムとトレーニングメニューの違いについては、私のイメージだと

トレーニングプログラム:何らかの目標に向かって、強度(%RM)、セット数、レップ数、追い込み度などのトレーニング変数を調整していくもの。

トレーニングメニュー:トレーニング種目の組み合わせ。

なのですが、プログラムを組むのにもメニューを組むのにも、相互の影響を考慮しないといけないので、プログラムとメニューの境界を明確にするのは難しいと思います。とりあえずこの記事では、上記の定義のイメージで、プログラムとメニューという単語を使っていきたいと思います。

1/18/2022

スクワットのしゃがみの練習方法

自重スクワットやゴブレットスクワットだとスムーズにしゃがめるけど、バーベルを肩に担いでバックスクワットをすると、スムーズにしゃがめなかったり、バットウィンクが起きやすかったりする場合の練習方法です。

普段から身体を動かしていて、股関節のモビリティが十分な人向けの内容なので、股関節のモビリティが足りなくてしゃがむのが苦手な場合は、関連記事を参考にしてください。

関連記事:股関節のストレッチ・ウォームアップ

練習は大きく分けて2つあって、体幹を固める練習、しゃがみの練習です。


1/12/2022

スクワットのバーの担ぎ方再考

私は、ロウバースクワットは肩甲骨を強く寄せて、背中をガチガチに固めて担ぐものだと思っていて、以前は自分でもそうやっていました。下の画像が実例で、Mark Rippetoe のスターティングストレングスに書かれているようなやり方です。ただこのやり方は肩周りが窮屈で肘や肩に負担がかかる感じがするので、ここ数年はずっとハイバーでスクワットしています。


動画:筋トレ:スターティングストレングス・プログラムによるローバースクワット
https://www.youtube.com/watch?v=4nXeRHYVHGo


ハイバーに変えてから、姿勢のことなど色々と学んでいって、上のようなロウバーのフォームで肩甲骨を強く寄せて胸椎を伸展しながらスクワットすることは機能的な身体動作なのだろうか? と疑問が燻ってしました。ハイバーだと肩甲骨を強く寄せる必要はないですし、胸椎を伸展する必要もないです。ゴブレットスクワットや、セーフティスクワットバーでのスクワットでも同様です。

最近、ロウバーの担ぎ方を調べ直して、ロウバースクワットのパワーリフターでも肩甲骨を強く寄せず、胸椎も伸展しないフォームの人がいるのがわかって、ロウバーもハイバーと同じ姿勢でやっていいとスッキリしたので、今回の記事を書くことにしました。体幹、姿勢、身体機能の基本モデルが、ハイバーでもロウバーでも共通で使えるのがスッキリポイントです。


1/07/2022

スクワットやデッドリフトでの視線について

スクワットやデッドリフトの時に見る方向(視線)は、体幹の姿勢を崩さなければやりやすい方向でOKです。一般的には水平くらいか、やや斜め下が多いと思います。あまり首を反らして上を見ると、体幹の姿勢が崩れやすいですし、首に負担がかかりやすくなるので、極端に反らすのはやめたほうがいいかなと思います。視線を斜め下にすると重心が前に移動して前のめりになりやすい場合は、首を少しだけ反らしたり、目だけ上に動かすと良いと思います(上目遣い)。

首は体幹の背骨部分(胸椎と腰椎)ほどシビアなコントロールは要求されないので、ニュートラルを中心にある程度は動かしても大丈夫でしょう。デッドリフトだとかなり目線を上にする人もいます(逆に視線をかなり下にする人もいます)。


本題は、どこを見るかではなく、どうやって見るかです。ジムではパワーラックの前に鏡が置いていることが多いと思いますが、スクワットやデッドリフトの際に、鏡越しに自分の身体の一点やフォームを凝視したりせず、ぼーっと前を見て動作をすると、意識が身体の内部に向かい、身体をどう動かしているかを感じやすくなり、フォームやバランスが安定します。

パワーリフターの動画を見ると、遠い目をしながらスクワットやデッドリフトをしていますが、あんな感じの目です。

動画:Russel Orhii - 1st Place 841kg *WR Total* - 83kg Class 2021 IPF World Open Classic
https://www.youtube.com/watch?v=Kf03kexddpw


動画:John Haack 5 Weeks Out from Hybrid Showdown Meet
https://www.youtube.com/watch?v=AvpexkeFlnY


視覚情報に頼りがちな人は、目を瞑ってゆっくりと自重スクワットやゴブレットスクワットをしてみると、身体の内部の感覚を使いやすくなります。

ベンチプレスについては、視線は真上か、そこからやや足元寄りくらいが基本ですが、これもバーを凝視せず、天井をぼーっと見ると良いでしょう。


1/05/2022

「科学的に正しい◯◯」に対するモヤモヤ

筋トレ界隈で見かけることがある、「科学的に正しい」「科学的に証明された」「科学的根拠に基づく」といった記事や動画について思うことをいくつか。

「科学的に正しい◯◯」といった記事や動画は、論文をいくつか引っ張ってきて、それをそのまま実践に適用しているパターンが多いです。


論文を読む能力の不足や、個人差の考慮の不足など気になる点はいくつかありますが、内容自体は大雑把なガイドラインとして使うにはおそらく問題ないものが多いと思います(最高、最強、最効率とか言い出すと怪しくなってきますが)。私が引っかかるのは、「科学的」という言葉の使い方です。エビデンスを人体の取扱説明書みたいに考えて、実験結果をそのまま実践に適用しようとするやり方は、科学的ではないなと。

ついでに書くと、「解剖学」をそのまま筋トレの実践に適用しているケースも、「決め付き過ぎでは?」「他の部位との連動や全体の動きが見えていないのでは?」と感じることが多いです。これも自分の中で解剖学を使ってモデルを作って、全体像を組み上げた上で、それぞれのケースに適用していったほうがいいと思います。