4/07/2020

新型コロナウィルスとビタミンD

緊急度が高いので先に結論を書いておきます。私がそう考えるに至った背景については数日中に別の記事に詳しく書いていきたいと思います。

新型コロナウィルス対策としてビタミンDの摂取が有効かもしれないので、毎日5000IUのビタミンD摂取を推奨。屋外での活動が少なく、ビタミンD欠乏になっていそうな人は、最初の数週間は毎日10000IU摂取し、その後毎日5000IU摂取を推奨。(摂取量は成人の目安)

ロジックを簡単に書くと、体内のビタミンDレベルが低い人は、上気道感染症やインフルエンザへの罹患リスクと重症化リスクが上がると考えられ、ビタミンD摂取によりビタミンDレベルを望ましいレベルまで引き上げ免疫機能を正常化することで、これらの罹患リスクと重症化リスクを下げることが期待される。これは新型コロナウィルスにも同じことが言える可能性があり、北半球の4月は体内のビタミンDレベルが下がりやすく、また外出自粛要請により日光に当たる機会が減り、ビタミンDレベルが低下している人が多くいると思われるので、ビタミンDを摂取するのが良いと考えました。血清ビタミンD濃度を測定できるのなら、測定結果を元にビタミンDレベルが低い人のみビタミンDを摂取するのがベストですが、検査には費用と手間と時間がかかるし、医療リソースを使うかもしれないので、とりあえず摂取するのが良いという判断です。

こういった注意が出ているのは把握しています。

「新型コロナウイルスにビタミンDが効く」等の情報に注意 (200226)

ビタミンDサプリメントの価格の安さ、及び摂取によるダウンサイドリスクとアップサイドリスクを考慮すると、ビタミンD摂取は割の良い賭けだと思うので、摂取したほうが良いと判断しました。もちろん、ビタミンDを摂取すると新型コロナウィルスへの罹患リスクが下がるとか、重症化しにくくなるといったエビデンスは現時点ではありません。

稀に遺伝子変異(CYP24A1 Mutation)によりビタミンDへの感受性が高い人がいます。通常は問題ない量のビタミンD摂取で高カルシウム血症の症状(吐き気、嘔吐、脱水症状、腹部などの痛み、倦怠感、食欲不振など)が出た場合は、服用を止めて病院に行ってください。ビタミンDサプリメントの摂取だけでなく、高カルシウム食や紫外線への曝露を避けたりと、生活の仕方から変えないといけないようです。もちろん既に医師からビタミンDの摂取を禁じられている人は摂取しないこと。


<参考文献>
 Evidence That Vitamin D Supplementation Could Reduce Risk of Influenza and COVID-19 Infections and Deaths
https://www.preprints.org/manuscript/202003.0235/v2
メカニズム的には新型コロナウイルスの感染リスクを低減し得るという論文。PDFのボタンを押すと全文読めます。ここでの推奨摂取量は、最初の数週間は1日10000IUで急速にビタミンDレベルを上げ、その後1日5000IU摂取。25(OH)Dレベルを測定できるなら、これを40–60 ng/mlにしたい。マグネシウムの摂取も推奨。

GLOBAL EPIDEMIC OF CORONAVIRUS—COVID-19: WHAT CAN WE DO TO MINIMIZE RISKS
https://storage.googleapis.com/journal-uploads/ejbps/article_issue/volume_7_march_issue_3/1584436192.pdf
学術誌の記事で高用量のビタミンD摂取が提案されています。この記事ではビタミンDに加えて亜鉛、セレン、抗酸化物質の摂取を推奨。最初に20万~30万IUをまとめて摂取、一週間後に同じ量。この量だと遺伝子変異が無い人も過剰摂取の症状が出るかもしれないけど、体内のビタミンDレベルを急速に上げたい場合は選択肢になる。

Optimisation of Vitamin D Status for Enhanced Immuno-protection Against Covid-19
https://www.bmj.com/content/368/bmj.m810/rapid-responses
左下の下矢印クリックで全文読めます。

Preventing a covid-19 pandemic
https://www.bmj.com/content/368/bmj.m810/rapid-responses
ここのresponsesでビタミンDの摂取についていくつかコメントが付いています。

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