サイキングアップとは、試合など最大限の力を発揮したい場面で、意識的に精神的興奮や緊張を高め、パフォーマンス向上を目指す技法のことです。
今回は、サイキングアップの有無によるデッドリフトの挙上速度変化を調べた研究を見ていきます。
(1)The Effects of Psyching-Up on Deadlift Performance in Competitive Strongmen, Strongwomen, and Powerlifters
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41628393/
被験者:ストロングマン・ウーマンとパワーリフティングの男女選手200名
デッドリフト1RMは、平均で男性が体重の2.6倍、女性が体重の1.8倍。
被験者それぞれが2通りの方法で90%1RMの重量でデッドリフトを1レップ行う。
・各自が1RMチャレンジの時に使っているサイキングアップ方法で90%1RMを挙上(サイキングアップ)
・ジムバッグを持ち上げるときと同じ心持ちで90%1RMを挙上(コントロール)
この2つのコンディション間で挙上速度を比較する。
また、被験者が選択したサイキングアップ方法と、被験者の気質の関連も調べている。
サイキングアップ方法は、「覚醒レベルの向上」と「覚醒レベルの低減」の2つに大別している。それぞれの具体的な手法は、
覚醒レベルの向上
・自己卑下:怒りを引き起こすために自分を侮辱する。
・ネガティブな感情・イメージ・行い:苦痛や怒りにより覚醒レベルを高める。
・刺激:音楽を聴く、カフェインを摂取する、アンモニアを嗅ぐ。
・身体的・精神的刺激:歩き回る、飛び跳ねる、速く呼吸する。
・攻撃的な行動:攻撃性を露わにする。
覚醒レベルの低減
・試技前のルーティーン:決まったルーティーンを毎回行う。
・ポジティブな考え・感情・イメージ・行い:自己の肯定、自信。
・目標の達成をイメージ:目標に集中、過去の成功を思い出す。