8/30/2015

ダイエット方法の評価軸

1. 継続性
ダイエットで最も重要なことは、消費カロリーが摂取カロリーを上回る状態を続けることである。不足した分のカロリーが、主に体脂肪と骨格筋を分解・燃焼することで賄われ、体重が減っていく。

特定の栄養素を食事から抜く、特定の食品群のみ食べるといったダイエットはカロリー収支をマイナスにしやすく、実行もしやすいので継続性に優れている。ただ、効率性や健康面で問題があるケースもあるし、特定の栄養素を抜いたから痩せるという間違った因果関係で理解すると、いずれは訪れる停滞期で行き詰まる。個人的には、ゆるくやるならこれらのダイエット方法は有用だと思うけど、イモ類や果物の摂取も禁止する厳格な糖質制限や原理主義的なマクロビオティックやパレオダイエットなどは、特定の疾患を持つ人以外が行うのは病的だと思う。下手すると摂食障害にもなるのであまり良い印象を持っていない。食事のおおまかな方針としては役に立つ方法も多いが、そうすると結局は、「加工度・精製度の低い食品(ホールフード)を中心にバランス良く食べ、カロリーオーバーしない食生活が健康によい」というごく当たり前の食事方針に収束する。

空腹感の抑制についての研究は、個人差と主観が入ってくるため興味が持てずあまり読んだことはないけど、一般的にはタンパク質の摂取量を増やすと空腹感が抑えられやすい傾向があるようだ。個人的には、カゼインを含むものを食べる、低カロリーで旨味成分のあるものを食べるといった方法が空腹感を抑えるのに効果を感じている。カゼインは卵やチーズ、脂質をカットしたい場合はカッテージチーズやカゼインプロテインパウダー(ミセラーカゼインがお薦め)。旨味成分のある食品は出汁の効いたスープや、パルミジャーノ等の熟成チーズを少量。


2. 効率性
そのダイエット方法が依拠する理論は生理学的に正しいのか、無駄な努力をせず効率的に結果を出せるか。例えば、糖質制限&ハードな筋トレで短期間で結果を出すことを謳うパーソナルトレーニング系のやり方は、グリコーゲン不足で無駄に苦しく筋肉も維持しにくいので、あまり効率的とは言えない。トレーニング歴のない体脂肪率の高い人なら筋肉減少は起こりにくく、ろくに食べずにハードなトレーニングを行えばカロリー収支のマイナスが大きくなるので体重は短期間で減るとは思うけど、その間はかなり辛いだろうし長期的な体重コントロールの方法を身につけるのも難しいだろう。そしてパワー系アスリートにこんなやり方をさせるのはマズイ(よく春先になるとプロ野球選手がこういった方法でダイエットしたというニュースが出てくる)。


3. 健康面
サラダのみ食べていてもジャンクフードのみ食べていても、カロリー収支がマイナスなら体重は減っていく。でもこういったダイエット方法は健康には良くないだろう。

健康によいダイエット方法の基本は以下の通り。
タンパク質の摂取量を増やし、炭水化物と脂質の摂取をほどほどにする。
・加工度・精製度の低い食品を中心に、多品目をバランス良く食べる。
・ジャンクフードやお菓子やアルコールはほどほどに。カロリーコントロール出来るなら何を食べても良いが、これらの食品は微量栄養素が乏しいので食事の大半を占めるような食べ方はNG。大雑把な目安としては、摂取カロリーの1~2割まではこれらの食品を食べても問題ないと思う(私はお菓子もビールも好きです)。
・たいていのものは適度に食べれば問題は無く、食べ過ぎれば当然身体には毒となる。All or Nothing で考えない方が良い。
・筋肉量の維持のためにウェイトトレーニングを行う。健康面への効用もある(詳細は失念)。
・標準以上の体脂肪率の人にとっては有酸素運動は消費カロリーを増やす効果のみで優先的に体脂肪を減らす効果は無いが、ウェイトトレーニングとは異なる健康面への効用(たしか循環器系への効用)があるので、疲れを溜めない程度にやると良い。

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