12/31/2019

アシンメトリー

★アシンメトリー
アシンメトリーは左右の非対称のこと。日常動作やウェイトトレーニングでは以下のような症状が出る。

・立った時に重心が片側にいきやすい。
・直立時に骨盤や肩の傾きがある。
・歩く時にどちらかの脚が接地している時はスムーズに動き、反対側の脚が接地している
時はぎこちない動きになる。
・上半身を捻りながら腕を前に伸ばすと、片方の腕は伸ばしやすくて、もう片方の腕は伸ばしにくい。
・スクワットとデッドリフトで重たい重量を持ち上げようとすると、重心が片足に乗って、お尻が横に移動する。重心が乗らない側の脚は、膝がグラグラする。
・スクワットで深くしゃがもうとすると、片側の股関節が先にひっかかり尻が横に動く。

PRI関連を少し調べてみて、アシンメトリー修正として自分の身体に適用してみたら、すごくフィットしたので紹介します。ちなみにセミナーとか受けてないので浅いところしか知らないです。

「PRIのような姿勢矯正やリハビリ系のテクニックって、歩くのも大変になってきた高齢者に使うものでしょ? ハードな筋トレをしている若い自分には関係ないよ」と思う人は、以下の動画をどうぞ。ストレングストレーニングガチ勢がPRIのテクニックを使って、スクワットの際の尻の横移動(Hip shift)を修正しようとしています。

動画:Fixing Hip Shift in the Squat-JTSstrength.com
https://www.youtube.com/watch?v=LnFyYuY2Sro

PRIの理論だと、肝臓など一つしか無い臓器の配置や横隔膜の左右の強さの違い、左右の横隔膜の背骨への付着点の違いなどで、多くの人の身体はアシンメトリー、特にLeft AIC/Right BCパターンと呼ばれる右足重心の姿勢になっている。実際にこのパターンが多いのかは知らないけど、私の身体の状況はこれとはほぼ左右逆で左足重心になっているので、利き腕、利き足(と軸足)、スポーツ歴の影響も大きいのではないかと個人的には思っている。

他のアラインメント異常の問題と同じように、アシンメトリーのアラインメントでの動作を、「日常動作の軽い負荷で何十年と続ける」もしくは「重たいバーベルやダンベルを使って強い負荷で短期間(数ヶ月~数年)続ける」と、アシンメトリーの程度にもよるけど、身体に痛みや痺れなど不具合が出てくる可能性が高くなる。

別に完璧なシンメトリーを目指す必要な無く、日常生活だったらアシンメトリーの動作でも死ぬまである程度元気に動き続ければいいし、アスリートだったら現役の間、最高のパフォーマンスを続けられれば良い。

ただ問題が出ないように、なるべくアシンメトリーを修正すると、怪我を防ぎやすいし、パフォーマンス向上も望めるかもしれないので、なにか問題を感じている場合は試してみるのも良いと思います。私はウェイトトレーニングしかやらないので、アシンメトリーであることのメリットは無く、性格が神経質なので自分の身体はなるべくシンメトリーを目指そうと思うのですが、野球の投手なんかだとある程度のアシンメトリーが最高のパフォーマンスに必要みたいなこともあるようなので、アシンメトリーをどう扱うかは競技次第ですね。

アシンメトリーの形と原因は千差万別なので、今回のやり方ですべてが解決するわけではないけど、これで解決する人も一定割合はいると思われるので、なにか問題を感じている人は試してみると良いと思います。


★アセスメント
信頼できる専門家に診てもらうのがベストだと思うけど、ここでは自分で診断できるやり方を書いてみたい。

Left AIC/Right BCパターンの人はリラックスした場合にダビデ像のような姿勢になりやすい。ちなみにアート用語でこういうアシンメトリーの人物像を contrapposto と言って、人体の自然な姿勢が表現されている。


実際の人間の写真だとこうなる。

Left AIC/Right BCパターンの特徴を見ていくと、
正面から見た場合
- 右足重心
- 左肩に比べて右肩が下がる
- 骨盤の左側が右側に比べて下がる。
- 右側の肋骨と骨盤を近づける筋肉が固くて縮んでいる(腹斜筋や腰方形筋)
- 背骨が右側に曲がる
- 右脚の内転筋が強くて固い
- 左脚の内転筋が弱くて緩い
- 右足の外転筋が弱い。
- 右側骨盤が後傾
- 左側骨盤が前傾


上から見た場合
- 骨盤が右側に回旋(骨盤の左側が前に出る)
- 胸椎のねじれにより左肩が後ろになり、右肩が前側になる。
- 左足が前に出て、つま先が外に開く。

リラックスして立っている時に、右足に重心がきてダビデ像のようなポーズになると楽な人は、Left AIC/Right BCパターンの疑いがある。あと椅子に座って脚を組むと左脚が上に来るのが楽で、床に座って立て膝をすると左脚を立てるのが楽になる。

Left AIC/Right BCパターンだと、スクワットやデッドリフトをした時に もっとも力を入れやすいスタンスが下の図のようになると思う。上が両足のつま先を外側に開くことを優先した場合。下が骨盤が正面を向くことを優先した場合。右側の内転筋と股関節伸展筋が強いので、右側に重心移動してそこをフルに使おうとする。スクワットとデッドリフトで高重量になってくると、尻が右側に移動しやすい。


私みたいにLeft AIC/Right BCパターンと左右逆の人はこうなる。

スクワットの際の尻の横移動の研究だと、股関節周りの筋肉やアラインメントの状態が、左右の方向を考えなければLeft AIC/Right BCパターンと同じような感じになっているので、PRIのアプローチで尻移動が直るケースも結構あるのではと思う。

Presence of a Lateral Hip Shift During Squatting is Associated with Altered Mobility and Neuromuscular Control
https://uncexss.wordpress.com/2015/09/21/presence-of-a-lateral-hip-shift-during-squatting-is-associated-with-altered-mobility-and-neuromuscular-control/
オーバーヘッドスクワットで尻の横移動が起きる人の身体動作を、真っ直ぐ尻を下ろせる人と比較したところ、尻が寄って重心が乗る側の脚では、大腿骨がより内旋、あまり外転せず、足首はあまり曲がらず。重心側の足首があまり曲がっていないのは足首の可動域の問題ではないと思う。重心が乗る側の脚は骨盤後傾気味で股関節がスムーズに深く曲がるので尻を下ろす際に足首をあまり曲げる必要が無い。重心が乗らない側の脚は骨盤前傾気味で、骨の噛み合わせの問題で股関節が深く曲がらなくなっている。この実験のスクワットは写真を見ると、つま先を揃えたナロースタンスなので、股関節の骨がぶつかった後は膝と足首をさらに曲げることで尻の深さを出していると思われる。重心が乗らない側の股関節が深く曲がらないからといって、ここのストレッチをしても効果がない。むしろ重心が乗らない側の股関節の内転筋やハムストリングスは弱っていて伸びているので、これらの筋肉のストレッチはしないほうがよい。重心が乗らず深くしゃがめない側の骨盤の前傾を直す必要がある。


この画像の例だとLeft AIC/Right BCとは逆に左側に重心と尻が寄っている。両足のつま先の開き具合は、Left AIC/Right BCパターンと左右逆の人のつま先と同じで、右足つま先がより外側に開いている。重心側の大腿骨は、上の研究と同じように内旋している。足首の曲がりの違いが研究と違うけど、おそらく重心が乗らない側の股関節の骨のぶつかりを、よりワイドスタンスにすることで解決しようとしている。



★関節の分解
全部の関節がLeft AIC/Right BCパターンに沿ったアラインメント異常を見せるわけではないので、三箇所に分解して考えていく。

(a) 骨盤と股関節

(b) 背骨の横方向の曲がり

(c) 背骨の捻じれ

こうすると、個別ケースに沿って矯正エクササイズを左右逆に適用したりできる。例えば私の場合は、骨盤と股関節、背骨の横方向の曲がりはLeft AIC/Right BCパターンと左右逆になっていて、左側重心で背骨が左側に曲がっているのだけど、背骨の捻じれは左肩が後ろになっていてLeft AIC/Right BCパターンと同じ。なので骨盤と股関節、背骨の横方向の曲がりについては、Left AIC/Right BC用のエクササイズを左右逆にして行い、背骨の捻じれについてはLeft AIC/Right BC用のエクササイズをそのまま行っている。



★アシンメトリー矯正エクササイズ
床に寝たり四つん這いになって行うエクササイズに共通する呼吸方法は、鼻から息を吸って、口から息を深く吐き出す。3-4秒かけて吸い込んで、5-8秒かけて吐き出して、吐ききった状態で2-3秒止める。これを1セット4-5回繰り返す。吸う息の量は適当で良いが、背骨の曲がりと捻じれの矯正エクササイズでは限界近くまで吸い込んだほうが肋骨が広がって良いと思う。以下の関連記事も読んでおくと理解が深まると思う。

関連記事:背中のストレッチ

関連記事:体幹トレーニング

アラインメントがLeft AIC/Right BCと左右逆の人は、エクササイズを左右逆にやる。そうしないと、もともと固く縮こまっている側をさらに固く縮こまらせるので悪化する。専門家の診断を受けず自己判断でやる場合、スクワットやデッドリフトで重心と尻が右側に移動しやすい人は、以下のLeft AIC/Right BC矯正エクササイズと同じやり方でやってみると良いと思う。重心と尻が左側に移動しやすい人は、左右逆にする。やってみて調子が良かったら続ける。コンディションが悪化したら中止する。


(a) 骨盤と股関節
Left AIC/Right BCだと骨盤が右回旋し、骨盤の左側が前に出る。骨盤の左側は前傾、骨盤の右側は後傾。右股関節は内転筋と股関節伸展筋が強く短縮し、右脚大腿骨は内転・内旋。外転の筋肉(殿筋外側)は弱い。左股関節は内転筋やハムストリングスが弱く、左脚大腿骨は外転。

端的に言うと、歩行サイクルにおいて、右脚接地で右脚に重心が乗っていて左脚を前方に振り出すフェーズでのアラインメントと筋肉の緊張のまま固まっている。この状態で固まっているので、歩行の際は左脚接地で右脚を前方に振り出すフェーズがぎこちなくなる。

骨盤左側が前傾しているので、深くしゃがもうとすると左側股関節の骨がぶつかってしゃがめなくなる。右は後傾しているのでしゃがみやすい。この左右の可動域の差により、深くしゃがもうとすると尻が右側に移動しやすい。それと右脚内転筋と股関節伸展筋(ハムストリングスや殿筋)が強いので、特に高重量になってくると右股関節で荷重を受けようとして、尻が右に移動しやすい。

骨盤と股関節のアラインメントを直すには、
1. 固まってる骨盤と股関節をほぐし動かす。骨盤周りはかなり固いので、自由度の高い動作で直そうとすると、他の関節での帳尻合わせ(代償)が起きやすい。まずは背中と足の裏を固定して自由度を下げたエクササイズを行い、骨盤を動かせるようにしていく。
2. 重心が乗らず弱っている方の内転筋とハムストリングスに力を入れる。重心側の外転筋を強化。
3.  骨盤が動くようになったら、片脚に負荷をかけたスクワットやデッドリフトに近いエクササイズを行い、弱っている部分を実践的な動作で鍛える。
4. 普通の両足でのスクワットやデッドリフトの動作をやり、左右対称の動きが出来るよう練習する。

骨盤と股関節周りのエクササイズに共通するやり方は、重心がかかりやすい側の骨盤を前にグイッと出す。その反対側の内転筋、ハムストリングス、殿筋に力を入れる。Left AIC/Right BCなら右側の骨盤を前に出して、左側の内転筋、ハムストリングス、殿筋に力を入れる。息を吐ききる場合は、左側の脇腹と肋骨を特に意識して締め、内腹斜筋中心に収縮させる。

動画:Postural Restoration 90/90 With Hip Shift
https://www.youtube.com/watch?v=3x2uhhcu-LA&feature=emb_title
腰椎をフラットにし背中を床にべったりつけて、左足の裏を壁につけて、右脚を上に(右膝を上に押し上げるイメージで骨盤を左旋回する)。左足の踵を特に意識し、壁につけたまま下に押す感じで力を入れる。すると左のハムストリングスと殿筋が収縮する。膝の間に5-10cm程度のボールを挟むとと内転筋にも力が入るので良い。フォームローラーを挟んでも良いと思う。この状態で鼻から息を吸って、口から息を限界まで吐く。
動画:Adductor Pullback
https://www.youtube.com/watch?v=Rz91r8EbrPk&feature=emb_title
 重心が乗りやすい側を下にして横たわる。Left AIC/Right BCなら右側が下。膝と股関節を90度にし腰を丸める。膝の間に厚手のタオルを挟むとやりやすい。両足の裏を壁につけたまま、鼻から息を吸いながら、上の脚を骨盤を回して後ろに引く。上の脚を後ろに引いた状態で、息を吐きながら上の脚の膝をタオルに力いっぱい押し付ける(下の脚は力を入れない)。上の脚の内股の筋肉が強く収縮する。息を限界まで吐ききると、左の肋骨が締り左脇腹も強く収縮する。その状態で息を2-3秒止める。再び息を吸いながら、さらに上の脚を後ろに引き、また同じように息を限界まで吐きながら上の脚で強くタオルを挟む。呼吸4-5回で1セット。

重心が乗る側の内転筋やハムストリングスが固く縮こまっているので、適当にストレッチしておく。


動画:EricCressey.com: Left-Stance Toe Touch (with Toe Lift and Med Ball)
https://www.youtube.com/watch?v=GonP-y46dwk&feature=emb_title
重心が乗りにくい側の脚を後ろに引いて、股に適当なものを挟んで、後ろに引いた脚の踵に重心をかけてRDLの動きをする。重心が乗らない側の骨盤前傾を直したいので、ハムストリングをストレッチするのではなくて、股関節の関節包の後ろ側をストレッチする。腰を丸め気味にするとやりやすい。左殿筋の上端のちょっと上あたりが伸びると効いている。


内転筋と外転筋を鍛えるエクササイズ
段差で片足を一段上に乗せて、足の裏を床につけたまま上の段の足に重心移動しながらRDLの動き。股が足の真上にくるくらいまで動く。肩とヘソが正面を向くよう注意しながら行う。段差が高いとやりにくいので、低めの段差が良いと思う。ゴブレットスクワットの要領でダンベルを持つと負荷を上げられる。弱っている外転筋(left AICなら右側)を鍛えるのには、横に寝て膝を開くエクササイズもあるのだけど、個人的には横に寝て膝開くエクササイズはやりにくくて、この段差を使ったエクササイズのほうが効いている感がある。

動画:Left AF IR Split Stance KB Deadlift
https://www.youtube.com/watch?v=cS1U9AaFHrM
 重心が乗らない側の脚(Left AIC/Right BCだったら左脚)を後ろに引いて、同側の腕にダンベルなどを持ってRDL。後ろ側の足に重心をのせ、踵と母指球にしっかり荷重を感じながら足底のアーチを作り、内転筋、殿筋に負荷をかけ、ダンベルを持ってる側の体幹(腹斜筋や広背筋)を締めて行う。デッドリフトの前にやっておくと重心が乗らない側の脚に力が入るようになって、左右のぐらつきを抑えやすい。

動画:EricCressey.com: Bowler Squats
https://www.youtube.com/watch?v=X5xW-eVRg6c
 脚は内転筋や殿筋に力が入るように、上半身は捻りが行えるように。左右両方向やったほうがよい。Left AIC/Right BCだと右脚で片足立ちの時は踏ん張りやすいけど上半身が捻りにくく、左脚で片足立ちの時は踏ん張りにくいけど上半身は捻りやすいと思う。


(b) 背骨の横方向の曲がり
Left AIC/Right BCだと背骨が右側に曲がっている。左側内腹斜筋が弱い、左股関節屈筋(腸腰筋など)が強い。

背骨を逆方向に曲げて、息を吸い込む際は普段短縮している側(エクササイズ時は伸びている側)の肺と肋骨(横と前)を大きく膨らまし、息を吐き出す際は普段伸びている側(エクササイズ時は縮んでいる側)の脇腹の筋肉が収縮するようにする。

Left AIC/Right BCなら背骨を左側に曲げて、息を吸い込みながら右側の肋骨の横と前を膨らませて、息を吐きながら左側の脇腹を締める。


(c) 背骨の捻じれ
Left AIC/Right BCだと左側背部の筋肉が固く縮こまっている。ねじれを直した状態で短縮している背部に息を吸い込み、左側背部を膨らませる。

この動画を見ると 、肋骨がどうなっているのかイメージが掴みやすい。赤丸で囲んだ部分を、胸椎を曲げながら肺を膨らませることで内側から広げる。ちなみに胸郭が歪んでいると、肩甲骨も正常に動かなくなるので、肩関節の動きにも支障がでる。
動画:Why the 90-90 With Hip Shift Also Needs Hands and Knees Breathing
https://www.youtube.com/watch?time_continue=142&v=2vxVYYg8XgA&feature=emb_title
 


動画:All Fours Left ZOA Exercise
https://www.youtube.com/watch?v=Bx2Imj_nTn0&feature=emb_title
 左膝の下に厚手のタオルを置くと骨盤のアラインメントも調整できる。関連記事の背中のストレッチのエクササイズと同じように背中を丸めて、背骨を左に曲げて、息を吸い込んで左背部(左肩甲骨の下辺り)を大きく膨らませる。背骨の横方向の曲がりの矯正エクササイズで膨らませる肋骨とは逆側の背部を膨らませる。

12/24/2019

背中のストレッチ

ベンチプレス、デッドリフト、バックスクワット、プルやロウ。コンパウンド種目中心に本格的なウェイトトレーニングを行うと、背中が過度に反った(伸展)状態になりやすく、背中を反らせる筋肉が緊張しやすい。また肩甲骨を寄せて(内転)下げる(下制)状態になりやすい。骨盤が前傾し、腰が反り、肋骨が開きっぱなしになりやすい。




従って、背中を丸めて、肩甲骨を開いて、骨盤を後傾させて、肋骨を締めるエクササイズを行い、動作のバランスを取るとコンディションを整えやすい。

以下のストレッチをやると背中の緊張が取れ、肩甲骨の動きがスムーズになるので、熱心にウェイトトレーニングをやる人は試してみると良いと思う。ウォームアップの段階で行いアラインメント調整すると良いが、BIG3のセット間インターバルや、トレーニング後にもやると背中がリラックス出来て気持ちがいいのでおすすめです。

動画:Lift Moore Monday: All Fours Belly Lift
https://www.youtube.com/watch?v=LgpOlZpVFcQ

1. 口から息をゆっくり限界まで吐き出す。同時に背中を丸めながら、骨盤を後傾させる。恥骨と肋骨を近づけるイメージで行う。殿筋に力を入れる。息を吐ききった後はそのまま2,3秒息を止める。腕は肘を伸ばし床を押しながら(特に親指と人差し指で押す)、手で床を掴む感じをキープする。顎は引く。
2. その姿勢を維持したまま、鼻から息を吸い込む。上背部を膨らませるイメージで行う。
3. 次の吐き出すフェーズでさらに背中を丸めていく。息を吐き出すたびに少しずつ背中が丸まるよう頑張る。
4. 呼吸4,5回で1セット。これを2,3セット行う。


このエクササイズは上手くやると効果が絶大。
・背中の反りを直し、脊柱起立筋群の緊張を緩和する。
・肩甲骨が内転・下制で張り付いているのをスムーズに動かせるようにする。
・横隔膜をしっかり使って肋骨を膨らませて深く呼吸できるようにする。
・肋骨を締め強い体幹を作れるようにする。

熱心にウェイトトレーニングする人がなりやすい症状をオフセットするのに、一つだけエクササイズをするとしたらこれがベストだと思う。


他にも背中を丸めて腕を伸ばすエクササイズがあるので興味がある方は以下のサイトをどうぞ。NFLドラフト候補生のトレーニングを指導している人の記事で、ベンチプレスやデッドリフトやプルやロウを行うアスリートの身体コンディションを保つにはどうすれば良いのかという内容です。

Why You Must Reach
https://dsstrength.com/why-you-must-reach/


関連記事:プッシュとプルのバランス