6/26/2021

肩周りの安定性強化のための腕立て伏せ

肩甲骨のコントロール能力と、肩関節を安定させる細かい筋肉の強化に効果的な腕立て伏せのやり方を解説していきます。腕立て伏せで肩周りの安定性を強化しておくと、ベンチプレスで肩を痛めにくくなると思います。

このあと肩周り(肩甲帯)のトレーニングをテーマに記事を書くつもりで、その中のエクササイズの一つとして腕立て伏せを出そうと思っています。腕立て伏せは難しい種目で、技術的に細かい解説が必要なため別記事として書くことにしました。



6/19/2021

足裏と足首の強化(スクワットやデッドリフトでの安定した踏み込み)

足裏・足首は身体と地面の接点なので、スクワットやデッドリフトの時に安定していることが重要です。また何かスポーツをやる場合も、足裏・足首のスタビリティ(安定性)はとても大事です。

足裏・足首の安定性を強化することで、パフォーマンスがどれだけ向上するかは、現在のコンディションと、どのような運動をするかによります。現時点で足裏・足首のアラインメントが悪かったり安定性が低くて、ランニングやサッカーなど足裏・足首に強い負荷がかかるスポーツをするなら、足裏・足首を鍛えることでパフォーマンス向上やケガ防止などが見込めます。この場合は、足裏・足首を強化することを強く勧めます。

足を使う運動はスクワットやデッドリフトくらいしかやらないなら、ウェイトリフティングシューズなどサポート力の強い靴を履いたり、アーチサポートのインソールを使ったりすれば、足裏・足首のコンディションが良くなくても、問題が出ないことも多いです。その場合は、足裏・足首を鍛えてもスクワットやデッドリフトの1RMが向上したりはしないでしょう。

足裏・足首のアラインメント異常や安定性の低さは、膝や股関節や腰などに悪影響を及ぼすことがあるので、鍛えておくと怪我を防ぎやすいです。またスクワットの際に膝が内側に入ったり、足首のモビリティが問題になる場合、足裏・足首のコンディション不良が原因のこともあるので、今回の記事のエクササイズをすることで改善される場合もあります。ただ、直接的にパフォーマンス向上をもたらすようなものではないので、地味なトレーニング箇所です。

正常な身体機能の維持や健康面では、足裏・足首は絶対に鍛えたほうが良いです。現代人の足は靴で過保護にされ、窮屈なポジションに押し込められているので、望ましい足裏・足首のコンディションの人は少ないです。


6/12/2021

スクワットとデッドリフトのバーの軌道と足裏の重心

スクワットの深さの記事を書いていて気付いたバーの軌道と足裏の重心について書いていきます。

スターティングストレングスの影響なのか、スクワットとデッドリフトでは、重心は常に足の真ん中(ミッドフット)、バーの軌道はミッドフットライン上を垂直(鉛直)に上下すると解説しているところが多いです。バーや重心の位置を不必要にグラグラと動かさないためにそういった意識を持つことは必要だとは思いますが、実際にはバーの軌道は常に垂直ではないですし、足裏の重心も常にミッドフットではないです。そして垂直軌道とミッドフット重心を厳格に守ろうとすると、フォームが破綻します。


「身体の質量があるため、バックスクワットでバーベルが軽いとバーの軌道は垂直にならない」

これは気づいている人もいて、私も認識していました。


「スクワットで尻を後ろに出す時と、ある程度の重さ以上のコンベンショナルデッドリフトでは、足裏の重心はミッドフットから踵寄りに数cm移動している」

これは新たに認識しました。自分で試した感じでもそうなっていますし、バーの軌道分析でもそうなっていることが示唆されます。

はじめに明確にしておくと、踵寄りに重心が移動するといっても、踵の骨までは移動しません。足裏の三点荷重を維持できる範囲で移動します。つま先が浮くくらいまで踵に重心を移動するのは、スクワットでもデッドリフトでも望ましくないフォームです。

ミッドフット:足の真ん中。アーチの高い部分。三点荷重になる(下の絵)。

踵寄り重心:ミッドフットから数cmほど踵寄りの位置。脛の骨の前端の真下あたりから、くるぶりの下あたり。バーベルの重さの影響や、身体の使い方の個人差がありそうで、おそらく点ではなくてレンジ。前側(母指球・小趾球)の踏み圧は弱まるが、つま先は浮かず足裏の三点荷重は維持可能。

踵重心:踵の骨に重心を乗せる。つま先が浮き、三点荷重が維持できない。この重心でスクワットやデッドリフトをやるのは望ましくない。


6/05/2021

スターティングストレングスの正しさの範囲

Mark Rippetoe のスターティングストレングス(=パワーリフティング基準でのBIG3)について、色々と書いていきます。否定的なことも書きますが、パワーリフティング基準でのBIG3を「ルールのある遊び」として楽しむことを否定するわけではありません。そこは個人の価値観です。

私がモヤモヤするのは、「パワーリフティング基準でのBIG3は安全で効果的。正しいフォームでやれば怪我リスクの低いトレーニング方法だ」といった主張に対してです。YouTubeにたくさんある「正しい〇〇のやり方」といった動画にも、モヤモヤしたものを感じます。それは誰にとって正しいのか?と。(「宇宙一正しいスクワット」という動画は勢い良すぎてクスッとしました)

昔の私のような準備の出来ていない初心者がバーベルトレーニングで怪我をしたり、経験の浅いトレーナーがスターティングストレングスに傾倒して正しさの範囲を意識せずにクライアントに適用したり・・・そういったことを少しでも減らしたいです。そこら辺をつっついていく記事です。

バーベルトレーニングは筋肉量やストレングスの向上にとても効果的だ、という点には強く同意します。BIG3を否定したいわけではなく、多くの人が安全に効果的にトレーニングできるよう問題点を洗い出して改善していきませんか、という問題提起がしたいです。