10/05/2016

懸垂のやり過ぎによる怪我リスク(肘と肩)

ネタ元
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Strength Training Programs: Are Pull-ups THAT Essential?
http://ericcressey.com/strength-training-programs-pull-ups-essential

懸垂をやり過ぎることによる怪我のリスクについて。主に二つあり、まずは肘に高負荷がかかること、それと広背筋が他の筋肉に比べてアンバランスに強くなることによる身体の歪みと肩の怪我リスク。


★怪我リスク
1. 肘への負荷
腕が引っ張られるので、関節では骨同士が離れる方向に力が働く。骨が離れて腕がちぎれないようにしているのは腱や靭帯。高負荷の懸垂ではこれらの軟組織に強いストレスがかかり、トレーニングを続けると肘を痛めるリスクがある。

どれくらいの重量の懸垂を高負荷と呼ぶかは関節の強度との相対的なもので、その人の関節周りの強さにもよるし、体重にもよる。力士などは自重懸垂でも肘に相当な負荷がかかるだろう。

※体感では、逆手懸垂が最も肘を痛めやすい。というか私は痛めたことがある。逆手のプル動作は引く時に肘に捻じれが発生して怪我リスクが上がると思う。逆手のベントロー(ドリアンロー)も気をつけたほうが良いと思う。プル動作は多分パラレル(ニュートラル)グリップが最も肘を傷めにくい。


2. 広背筋が他の筋肉に比べて強すぎると起こる問題
広背筋は背骨の強力な伸筋である。広背筋が他の筋肉に比べてアンバランスに強く縮こまっていると、腰部の反りが強くなる。

広背筋は上腕骨にくっつく途中で、胸部の後ろ側と肩甲骨にもくっついている。このため広背筋に引っ張られて、前から見ると胸が開いた状態になる。また広背筋が僧帽筋下部を圧倒するため、肩甲骨は広背筋に引っ張られて下の方に押し付けられ、肋骨に張り付いたままになり、僧帽筋下部が肩甲骨を寄せたり下げたりする働きをしなくなる。ちなみにBIG3でも肩甲骨が下に押し付けられることが多いので、ウェイトトレーニングを熱心にやる人ほど肩甲骨が下に押し付けられてしまう。


頭と背骨だけ描くとこんな感じ。

肩の後ろ側は広背筋の腱や、大円筋や小円筋や三頭筋の長頭や三角筋後部が集中している。肩甲骨が動かないと、広背筋だけで肩の伸展(上腕を後ろに動かす動作)を行い、他の筋肉は衰える。

ローイング動作で広背筋のみ使うと、肩甲骨は胸部とくっついて前傾し、上腕骨は肩との接合部で前に飛び出る形になり、肩の前部がゴリゴリ圧迫され痛めやすい。



上腕骨に連動して肩甲骨が内側に動くと、上腕骨をしっかり後ろに引ける。


広背筋が強すぎて縮んでいるとると肩峰下のスペースが減り肩を痛めやすい。

腕を上に上げる動きではローテーターカフと僧帽筋下部の働きが重要。広背筋が強すぎるとこれらの筋肉は弱っている。

膝を曲げて仰向けに寝て、背中は床にべったりつける(アーチは作らない)。この姿勢で腕を頭の上に伸ばす(肩の伸展)。肩が不健康になっていると、腕が床までいかなかったり痛みがあったりする。

無理に腕を頭の上まで上げようとすると、腰を反らせて胸部を肩ごと後ろに倒して首を前に突き出す動きになる。この動きで肩の動かなさをカバーしている人は要注意。

※私はこうなってしまう。ショルダープレスをやると肩が痛い。矯正しないと。


★姿勢矯正

身体のアンバランスの直し方の基本は、
- 縮んだ側の筋肉をストレッチ
- 伸びた側の筋肉を強化

背骨についていえば、広背筋が強すぎるケースでは
- 腰椎が過度に伸展し、
- それを補ってバランスを取るために胸椎は過度に屈曲し、首が前に突き出て頚椎が過度に伸展。

この悪い姿勢を直すには、
- 腰椎の伸筋(広背筋)をストレッチし、腰椎の屈筋(腹筋)を強化。
- 首の後ろ側をストレッチし、首を曲げる筋肉を強化。
- 肩甲骨が広背筋の縮こまりから解放され、僧帽筋やローテーターカフでコントロールできるようにする。

★エクササイズ例

・既に広背筋が強い場合、懸垂をやる際は加重を増やすのではなくて、レップ数とセット数を増やす。

・自分の身体の状態をよく確認し、懸垂が痛みをもたらすようなら控える。

・肩の前部や肘が痛い場合は、マッサージやフォームローラーなどの治療を行うこと。

・腕を上げてのシュラッグで、張り付いた肩甲骨を動かし、僧帽筋上部を鍛えて広背筋の引っ張りに対抗する。


・首の後ろ側を伸ばし、首を曲げる筋肉を鍛える。


・腹筋を鍛える。

・肩甲骨を動かし僧帽筋下部を鍛える。いずれのエクササイズも臀筋に力を入れ、コアを安定させ、腕を上げる時に腰が反って頭が前に出ないように気をつける。


・広背筋のストレッチをする。


・水平方向のプル(ローイング動作)のトレーニングも行う。上腕と肩甲骨を同時に動かす正しいフォームで行うこと。

・下の動画のように、背中をべったり壁にくっつけて、腰を反らさず首を前に突き出さず、腕を上に上げて手が壁に付くかテストする。姿勢の歪みが激しい場合は、懸垂はしばらくは控えて、上のようなエクササイズを行い、まずは姿勢矯正した方が良さそう。



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