過去のパワーリフティングのケガ率の研究で、パワーリフティングのケガ率は低いというものがあります。同じようにウェイトリフティング(五輪の重量挙げ)のケガ率が低いという研究もあり、マッチョ寄りのフィットネス業界ではそれらの研究をもとに「バーベルを使ったウェイトトレーニングは、正しく行えばケガ率が低く安全である」と言われることが多いです。
しかし、それらの研究での怪我は、トレーニングや試合出場を中断せざるを得ないレベルの怪我のことでした。今回紹介する研究では、怪我を「痛みと、トレーニングに影響を与える機能障害」と定義し、記録上位25%のエリートレベルを除くパワーリフターにアンケートを送って、現在の怪我、過去12ヶ月の怪我について回答を集めています。調査はスウェーデンで行われました。
Prevalence and Consequences of Injuries in Powerlifting: A Cross-sectional Study
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5954586/
バーベルを使って趣味でBIG3をする場合、パワーリフティング系、特にRippetoeのスターティング・ストレングスのやり方をする人も多いと思います。このブログの過去記事にもスターティング・ストレングスのやり方は紹介していますし、自分もそのやり方をやっていました。
ただ、趣味でBIG3をやるなら、パワーリフティング系のやり方から何箇所か調整したほうが、怪我リスクを下げられます。
今回のパワーリフティングの怪我リスクの研究をもとに、BIG3で怪我をしやすい部位、原因、趣味でやる場合の調整方法などを考察していきます。
(今回はパワーリフティングについての研究なのでパワーリフティングのみ取り上げていますが、ウェイトリフティングのケガ率も似たようなものだと思います。トレーニングや試合出場を中断せざるを得ないレベルの怪我は少ないが、痛みを抱えるケースは多いでしょう)