10/09/2021

加齢による総消費カロリーと基礎代謝量の変化

加齢による総消費カロリーと基礎代謝量の変化を調べた研究です。

Daily Energy Expenditure Through The Human Life Course
https://www.science.org/doi/abs/10.1126/science.abe5017

サイエンス誌の論文なのですが、下のリンクから読めます(合法なのか不明)。

https://www.scribd.com/document/520549780/Daily-Energy-Expenditure-Through-the-Human-Life-Course



消費カロリーは体重、特に除脂肪体重の影響が大きくて、除脂肪体重が多いほど消費カロリーも多くなります。この研究では、体格の違いの影響を無くすため、除脂肪体重と体脂肪量の違いを考慮に入れて分析しています。

その結果わかったことは、

・男性と女性で総消費カロリーと基礎代謝量に差がない。妊娠中(母体+胎児)であっても差がない。

・胎児と新生児は代謝量が特に多いわけではない。生まれてからしばらくすると代謝量が上昇していく。

・総消費カロリーと基礎代謝量は赤ちゃんのときがピークで、20歳くらいまで徐々に低下していく。

・20歳から60歳くらいまでは、総消費カロリーと基礎代謝量はほぼ変わらない。基礎代謝量については、データをもとにした計算では45歳からわずかに低下しはじめるが、低下の仕方はかなり緩やか。

・60歳くらいから総消費カロリーが低下していく。





コメント

加齢で細胞の働きが低下するなどして代謝が低下する、といった現象は中年になっても見られないようです。中年になって太るのは、運動不足や除脂肪体重の減少の影響が大きいと考えられます。

ただ、カロリー収支面では加齢の悪影響がなくても、加齢によるホルモンレベルの変化などにより、体型に変化が出やすくなるかもしれません。たとえば、男性は加齢によりテストステロンレベルが徐々に低下していきますが、この影響で筋肉が減りやすく体脂肪が増えやすくなる可能性があります。女性は閉経によってホルモンバランスが急激に変化し、内臓脂肪が増えやすくなって、ウェストが太くなりやすいです。

私達が取れる手段としては、なにか運動をして消費カロリーを増やしたり、筋トレをして除脂肪体重を増やしたり、こまめに身体を動かして座りっぱなしの悪影響を打ち消したりすることです。そうすることで、若い時と同じ体型を維持しやすくなるでしょう。

摂取カロリーの面でも、適度な運動は食欲を適切に保ち、食べ過ぎを防ぐ効果があるので、運動はしたほうが良いですね。



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