10/23/2021

前腕の回内・回外の可動性はけっこう大事

前腕をスムーズに捻れる(回内・回外できる)ことは、筋トレでけっこう大事です。ベンチプレスはストレートバーに合わせて握る必要があるので、前腕が十分に回内できないと手首や肩に捻れストレスがかかり、痛めやすくなります。

特にナローで握ってお腹側にバーを下ろす場合は、要求される回内角度が大きくなります。ベンチプレスは上腕を外旋させる必要があり、さらにバーを握るときに親指が邪魔になるので(サムアラウンドの場合)、回内角度が大きくなります。ナローグリップのボトムでの脇角度を45°とすると、リラックスした状態で脇角度45℃くらいで手の甲を真上に向けるには回内角度45°でOKですが、ベンチプレスの身体の使い方だと70-80°くらい回内角度が必要です。

ワイドグリップだとスムーズに下ろせるけど、ナローグリップだと手首・肘・肩が詰まる感じがしてスムーズに下ろせない、といった場合は回内の可動性に問題があるかもしれません。

他に前腕の捻りが要求される種目には、ストレートバーでのアームカールや逆手懸垂があります。これらの種目では、前腕を十分に回外する必要があります。

今回の記事では、前腕の回内・回外がスムーズに出来ない場合のケア方法について書いていきます。


回内・回外の説明

前腕を外側に捻るのが回外、内側に捻るのが回内です。正常な可動域は、回内と回外それぞれ90°くらいです。脇を閉じて肘を直角に曲げた姿勢で、回外した時は手のひらが上を向く、回内した時は手の甲が上を向く(下の写真の状態)なら十分な可動域があります。


動画:その腕ちゃんと回せてる?「回内・回外」編 ~家族でできるROM(関節可動域)検査/練習~ 医療学生も必見!
https://www.youtube.com/watch?v=x4mSfCXRuUs




回内筋と回外筋

回内と回外の動作にはいくつかの筋肉が関わりますが、回内では円回内筋がメインで使われるのが望ましく、回外では回外筋がメインで使われるのが望ましいです。他の筋肉が頑張りすぎると、関節や筋肉の痛みやこわばり、手と前腕のぎこちない動きといった問題が起きやすくなります。



回内・回外の練習

前腕屈筋群と伸筋群を反対側の手で押さえて、円回内筋と回外筋以外の筋肉に力が入らないようにし、回内・回外の動きを繰り返します。肘をテーブルなどについてリラックスしながら行うとやりやすいです。

手首付近を回すのではなく、前腕付け根の肘付近から回すのが望ましい動きです。可動域の限界を目指すと変なところに力が入るので、可動域の8割位を目安に楽に動かせる範囲で大きく動かします。

手や前腕の筋肉がガチガチに張っていないなら、これで前腕の動きがスムーズになると思います。




手と前腕をほぐす

手や前腕の筋肉が固く張っている場合は、マッサージやストレッチをしてほぐす必要があります。

手のほぐし方については、関連記事を参考にしてください。

関連記事:手と指のケア(ベンチプレスの手首痛対策)

前腕の筋肉は細かい筋肉に分かれていて、どこが張るかは個人差が大きいので、固いところ、押すと痛いところを自分で触って確かめてやると良いと思います。肘の骨付近のコリコリしたところは腱なので、ここをグリグリやると余計痛くなります。骨から少し離れた筋肉部分をマッサージしていきます。

マッサージのやり方その1は、筋肉の膨らみを指で押します。紙粘土が凹むくらいのわりと強めの押し圧でやります。マッサージのやり方その2は、筋肉と筋肉の間に指を押し入れて、筋肉を左右に動かしてほぐします。筋肉同士の張り付きを剥がしていくイメージです。

回内がスムーズに出来ない場合は、前腕伸筋群をほぐします。回外がスムーズに出来ない場合は、前腕屈筋群をほぐします。



前腕のストレッチのやり方は、前腕屈筋群(回内側の筋肉)は、「回外&背屈のポジション」にして伸ばします。ストレッチは強くやりすぎると手首が痛くなるので注意しましょう。


動画:手首・肘の屈曲・回内動作スナップ力アップストレッチ
https://www.youtube.com/watch?v=8s5BPfd2QtM&list=TLGGNGcByfq6vgcxNTEwMjAyMQ



前腕伸筋群(回外側の筋肉)は、「回内&掌屈」のポジションにして伸ばします。


動画:親指の付け根、動きを良くするストレッチ
https://www.youtube.com/watch?v=xR_StQf94Do&list=TLGGGhll7yaf1dAxNTEwMjAyMQ



予防

前腕がスムーズに動けるコンディションを保つには、手や前腕の筋肉を酷使しないように気をつけることが重要です。筋トレでは、バーを握るときに強く握り込まないようにします(特に親指と人差し指)。

日常生活では、スマホやキーボードの操作など同じ動きを繰り返すのに気をつけたいです。同じ動きを続ける時は、こまめにマッサージやストレッチをしたり、他の動きをするなどして筋肉が凝り固まらないように注意していくと良いでしょう。


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