6/15/2016

スクワットとデッドリフトは腹筋種目なのか

Why Squats and Deadlifts Are Bad Abs Exercises
http://www.progressivefitness.net/blog/why-squats-and-deadlifts-arent-good-abs-exercises

ボディビルなど見た目を競う競技での腹筋の鍛え方議論。スクワットやデッドリフトをやり込めば十分に腹筋は鍛えられるという主張に対して異を唱えている。

ここでの腹筋は、腹直筋と外腹斜筋。見せる用に重要だから。


★背骨にかかるモーメント
脊柱起立筋は、背骨の伸展方向のモーメントを発生させる。これによりバーベル荷重によって発生する曲げモーメントに抵抗して背骨の姿勢をニュートラルに保つことができる。



腹筋は、背骨の屈曲方向のモーメントを発生させる。クランチで腹筋を収縮させれば背中が丸まる。デッドリフトやスクワットの際に腹筋を強く収縮させると、バーベル荷重による背骨の屈曲方向のモーメントに、腹筋によるモーメントが加わる。従って背骨の姿勢をニュートラルに保つために必要な脊柱起立筋の力は大きくなり、脊柱起立筋は疲れやすくなってしまう。それに加えて背骨の圧縮方向の力が強くなるので、背骨への負荷が増し怪我のリスクが高まる。


★筋電計での腹筋の活動計測
・スクワット
- 腹直筋の活動は最大出力の約10%かそれ以下、外腹斜筋は約20%かそれ以下。
・デッドリフト
- 腹直筋と外腹斜筋は最大出力の60%弱という研究があるが、最大出力の基準の取り方が良くない。
- 他の研究では75%1RMで外腹斜筋が最大出力の15%、腹直筋が最大出力の4-5%。

筋電計による研究では、スクワットとデッドリフトで腹筋が強く収縮しているというエビデンスは無い。


★腹圧
- 背骨の伸展方向のモーメントを作り、脊柱起立筋を補助する。(下の方にコメントを書いたがこれは多分間違い)
- 腹直筋や外腹斜筋を強く収縮させなくても腹圧は高まる。
- この筆者の推測だと、横隔膜が収縮しそれにより腹横筋が引っ張られることによって、腹圧が作られる。


★腹筋のトレーニング
- 腹筋を発達させるには腹筋にフォーカスしたトレーニングを行う。
- 推奨例としてRKCプランクが挙げられている。



☆コメント
デッドリフトもスクワットも体幹の使い方を身につける上では非常に良いエクササイズだと思う。だが、この筆者の言うように、デッドリフトやスクワットだけだと腹筋には強い負荷がかからないだろう。デッドリフトとスクワットをやったあとに腹筋マシンでどれくらいこなせるか試してみたけど、10RMの重さが8レップになる程度だった。

腹筋の鍛え方の基本は、なるべく背骨をニュートラルの姿勢に保ち、外部からの力による伸展モーメントに対抗する形で腹筋を強く収縮させること。背骨をグネグネ曲げたり捻ったりしながら腹筋を収縮させると背骨を痛めやすい。背骨が最も負荷に耐えられるのはニュートラルの姿勢。プランクも良いし、以下の記事に紹介したカールアップも良い。

関連記事:腰痛について4~推奨エクササイズ~(Low Back Disorders)

腹圧が背骨の伸展方向のモーメントを作り、脊柱起立筋を補助するという点については間違いだと思う。私の考える腹圧の役割は、腹圧を高めることで体内に未開封のペットボトルのように固い土台を作り出し、せん断力による背骨(主に腰椎)のズレを防ぐこと。背骨への脊柱起立筋の付き方からするとせん断力の反力になる方向の力は弱いので、腹圧で土台を作って腰椎のズレを防ぐ仕組みだと思う。背骨を片持ち梁と考えるとわかりやすい。片持ち梁の下に固い土台を置いてやれば、梁がせん断されることはなくなる



デッドリフトやスクワットとは逆に、立った状態で何かを押す、例えばエンストした車を押すようなケースを考えてみる。このケースでは、腹筋を収縮させ屈曲方向のモーメントを発生させることで、足腰を踏ん張り前へ押す力から発生する伸展モーメントと均衡をとり、背骨の姿勢を保つ。この場合でも腹圧は高まり背骨がズレないようにしている。もし腹圧が伸展方向のモーメントを発生させることで背骨を安定させるのなら、押す場合に腹圧を高めるのは余計な動作になるので、腹圧は高まらないはずである。

2 件のコメント:

  1. いわゆるアブローラーを使用したエクササイズも腹筋に適したトレーニングと考えていいのでしょうか。

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  2. 腹筋を鍛えるのには効果的だと思いますが、腰への負担が大きいので、腰痛に気をつけた方が良いですね。

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