6/06/2016

カーフが発達しにくい理由とトレーニング方法

Training the Calves
http://www.bodyrecomposition.com/muscle-gain/training-the-calves.html/


なぜカーフは発達しにくいのか。その理由について、生まれつきの問題とトレーニング方法の問題が書かれている。その後で推奨トレーニング方法も。


★生まれつきの問題
◇カーフを構成する主な筋肉
- 腓腹筋: 速筋の割合が高め。二関節筋で膝を曲げる動作にも寄与する。
- ヒラメ筋: 遅筋主体。

◇筋肉の長さ
黒人スプリンターのようにアキレス腱が長く筋肉が短い場合、カーフはデカくなる余地があまり無い。

◇アンドロゲンレセプターの分布
- アンドロゲンレセプターはテストステロン等が結合し、その効果の一つはタンパク質の合成を促すこと。一般的に男性は上半身ではアンドロゲンレセプターの分布密度が高く、下半身では低い。特に僧帽筋と肩まわりの密度が高いので、ステロイドユーザーはその部分が顕著に発達する。
- カーフは下半身のさらに下の方になるので、生まれつきアンドロゲンレセプターの密度が低い傾向がある。そのためトレーニングを行ってもなかなか発達しない。
- 現代のボディビルダーが昔のボディビルダーよりも脚部が発達しているのは、大量の薬物投与によりアンドロゲンレセプターが下半身で増えて脚部が発達しやすくなっている・・・という話もある。
- あくまで経験ベースであるが、下半身のアンドロゲンレセプターの密度が高くて、上半身の密度が低いように見える男性もいる。そのような人は下半身は発達しやすいが、上半身が発達しにくい。


★トレーニング方法の問題
カーフレイズを早いテンポでビヨンビヨンやると、アキレス腱に弾性エネルギーが蓄えられ、踵を上げる力のかなりの部分にその弾性エネルギーを使う。こうすると筋肉があまり力を発揮せずカーフに刺激が入らない。ゴムを引っ張って戻すのと同じ。腱は疲れないので、ビヨンビヨンとカーフレイズをやると筋肉が疲れるまでかなりの回数をやることになる。


★推奨トレーニング方法
以下のメニューを週に2回~5日に1回。他の筋肉と同じように漸進的過負荷で行う。慣れていないと筋肉痛がひどくなるかもしれないので最初の数週間は追い込まない方が良い。

1) 膝を伸ばした状態で行う
- 腓腹筋とヒラメ筋の両方が使われる。腓腹筋を主にターゲット。
- 5レップ×5セット
- 高重量
- ボトムで2秒静止→一気に上げる→トップで1秒カーフの筋肉を絞り上げる→3秒かけて下ろす
- セット間休憩3分
- 下ろすときはカーフをストレッチしすぎないように注意

2) 膝を曲げた状態で行う
- 膝を曲げると腓腹筋が関与しにくくなる。遅筋主体のヒラメ筋をターゲット。
- 8-10レップ×3-4セット
- ボトムで2秒静止→2秒かけて上げる→トップで少しの間静止→2秒かけて下ろす
- セット間休憩60-90秒



☆感想
腓腹筋はそれほど速筋優位なわけではないからレップレンジは10RM前後でも良いと思う。あと最近の研究30%1RMで遅筋が優先的に肥大したというのがあるので、ヒラメ筋のレップレンジももっと高めで良いかもしれない。
アフリカ系のように暑い地域の人は放熱に有利なように膝下が細くて、北ヨーロッパ系のように寒い地域の人は熱を蓄えやすいように膝下が太いという話を読んだことがある(ベルクマンの法則と同じ)。個人的には黒人スプリンターのカーフがかっこいい。機能美を感じる。
競技のためのトレーニングという観点では、ボディビル以外ではカーフを上記の方法で鍛えない方が良いと思う。大部分のスポーツは弾性エネルギーを活用して効率的な動作を行ったが良いし、末端部を重くすると余計なモーメントが増えて素早い動作や持久力に悪影響が出る。

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