2/05/2017

デッドリフトのやり方

ネタ元
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How to Deadlift: The Definitive Guide
http://www.strongerbyscience.com/how-to-deadlift/

Deconstructing the Deadlift
https://www.t-nation.com/training/deconstructing-the-deadlift

当記事でのデッドリフトは、コンベンショナルデッドリフトのこと。スモウについては、こちらの記事が参考になります。

スモウデッドリフト入門|高重量を挙げるためのフォームとコツ

 


★股関節の使い方の学習とデッドリフト実施までのステップ
動かすのは股関節。腰椎は動かさない。身体動作の訓練をしていない人は、床から物を持ち上げようとすると、膝関節と腰椎と腕を使って持ち上げるケースが多い。これをやると腰を痛めやすい。


・股関節の使い方の学習
1) 壁を背にして10cm程度離れて立つ。足幅は腰幅から肩幅くらい。背中を伸ばしたまま、膝をわずかに曲げ、尻を後ろに出す。臀筋に負荷を感じながら行う。重心は踵寄りの方がやりやすい。壁にタッチしたら元の直立姿勢に戻る。数cm前方に移動してまた尻を後ろに出して壁タッチ。また数センチ前に移動して・・・これを距離の問題でできなくなるまで繰り返す。



2) 慣れたら軽いダンベルなどを持って同じ尻壁タッチを繰り返す。

3) ダンベルを床に縦に置いて、両手でダンベルの片側を持ち股関節を使ってダンベルを床から持ち上げる。

4) ダンベルに慣れたら、バーベルでルーマニアンデッドリフト(RDL)を行う。

動画:RDL

5) RDLで60kgを10レップ程度行うのが余裕になって、股関節の可動域も十分なら、20kgプレートをバーにつけて床からデッドリフトを行う。


★背中の姿勢の作り方
・肩甲骨の位置
肩甲骨は下げて(下制)、前傾させない。内転外転については、特に内側に寄せたりはせずニュートラルな位置。肩を上げ下げして肩甲骨が下にカポッとはまる位置を確認する。胸を上げると、肩甲骨は自然に下制され、前傾しなくなる。胸を張るのではなくて、胸を上げる。

・背中の固め方
- 肩甲骨をカポッとはめてその位置をキープ。背骨はニュートラルのS字をキープ。
- 広背筋に力を入れて、腕を胴体にひきつける(肩を伸展する)。臀筋にも力をいれる。広背筋と臀筋に力を入れるのはとても重要。
- 脊柱起立筋群は負荷がかかれば受動的に力がはいるので特に意識しなくて良い。意識して収縮させると腰が反りすぎる恐れがある。





- 広背筋に力を入れる感覚は、腕を伸ばしてのプルダウン、もしくは軽いダンベルを持って、バタフライで腕を水面から抜く時みたいな動きをする。

動画:Elastic lat set deadlift pattern



★メカニクス
デッドリフトを行うのに必要な4箇所の力

・バーを握る力

・背中の姿勢を維持する力

・股関節を伸展する力

・膝関節を伸展する力


股関節の伸展については、

股関節の伸展に必要なトルク=「バーベルと上半身の体重の合成重心と股関節との水平距離」×「バーベルと上半身の重量の合計」

合成重心はだいたい足の真上。バーベルが重くなるにつれて、バーベルの重心≒合成重心に近づいていく。尻を必要以上に後ろに引くか、バーベルを前に出すかすると、合成重心と股関節との水平距離が増して、股関節の伸展に必要なトルクが増える。バーベルと股関節をなるべく近づけると、股関節の筋肉が発揮する力が同じでも、より重い重量を持ち上げることができる。従って、挙上の際にはバーを脛と腿に沿って持ち上げつつ、股関節をバーベルに近づけていく。


膝関節の伸展については、

膝関節の伸展に必要なトルク=「バーベルと膝から上の体重の合成重心と膝関節との水平距離」×「バーベルと膝から上の重量の合計」

合成重心はだいたい足の真上なので、脛が地面に対して垂直に近い場合、水平距離はゼロに近くなり、膝関節の伸展に必要なトルクはとても小さくなる。大腿四頭筋は主に、股関節の伸展に伴うハムストリングス(二関節筋)の収縮による膝関節の屈曲を相殺するために力を発揮する。膝関節を伸展する力が弱くてバーベルが持ち上がらないケースは稀で、スクワットやレッグプレスなどを行っていれば、デッドリフトに必要な膝関節の伸展力は備わっている。

従ってデッドリフトでバーベルが持ち上がらない時にボトルネックになる部分は、一般的には背中の姿勢を維持する強さと股関節を伸展する強さ。競技として行うのでなければ、バーが把持できなければストラップかパワーグリップをつけて握れば良い。


★アプローチ(バーベルの前に立ちバーを握る)
・足幅
目安になるのは、垂直跳びをしてみて、もっともジャンプしやすい足幅。普通は腰幅と同じくらい。そこから少し開いたり閉じたりして、しっくりくる足幅を見つける

・つま先の角度
やりやすい角度で行う。経験則では、つま先が開き気味だと挙上開始時に力が入りやすいようだ。つま先が平行だとロックアウトの時に力が入りやすいようだ。

・直立時のバーと脛の距離
2,3センチ程度。

・バーを握る手幅
手幅は、脚の動きを邪魔しない程度に狭く握る。狭すぎると、脚と腕がぶつかってしまう。逆に広く握ると肩とバーまでの距離が小さくなる(実質的に腕が短くなる)ので、背中の傾きが増し、背中の姿勢キープに必要な力が大きくなる。また、股関節の伸筋がよりストレッチされた状態になり力を発揮しにくくなる。

・バーの握り方
両手とも順手握りは、把持力がボトルネックになる場合はストラップを着用。ストラップを使わない場合はオルタネイト(ミックス)グリップ。発達の左右差が気になる場合は、セットごとに順手逆手を交代して行う。個人的にはオルタネイトグリップは胸椎の捻じれが起こる気がするので、交互に持ち替えてやった方が良いと思う。ウェイトルームでは大した影響はなくても、日常生活やスポーツで悪影響が出るかもしれない。あと逆手側の腕の上腕二頭筋が断裂するケースが稀にあるので、高重量を腕で引かないよう注意する。

・腹圧
下半身が生み出した力は、胴体を固くしないと上半身に伝わらない。腹圧を高くすると胴体が固くなる。一般的にはバーベルを握ってから息を吸い込んで腹圧を高めるが、バーを握ってからだと深く息を吸いこみにくい人は、立っている時に吸いこんでからバーを握る。腹圧と体幹については以下の記事を参考に。

関連記事:筋トレでの腹圧の高め方・体幹の固め方

関連記事:デッドリフト 腹圧のかけかた 体幹の固め方


・息継ぎ
息継ぎは、床にバーベルを置いている時か直立している時に行う。上体が傾いて背骨にせん断力がかかっている時に息継ぎをすると危険。


★セットアップ
いくつかやり方がある。自分がしっくりくるやり方をするのが良い。以下はポピュラーな順。

1) バーの前に立つ。ハムストリングスにテンションを感じながら尻を後ろに押し出し、膝をあまり曲げず背中を曲げてバーを握る。息を深く吸い込み腹圧をかける。ハムストリングスのテンションを維持しながら、尻を後方と下方向に動かし背中を伸ばす。引き絞った弓の弦のようにハムストリングスにテンションをかけるイメージで行う(挙上開始で力を解き放つ)。胸を上げ、視線を固定する。このセットアップ方法は、腕と脚が長く腰高フォームで股関節メインでデッドリフトを行う人に向いている。

動画:Tight Hamstrings, Pull Yourself Down to Bar

2) バーの前に立つ。まず背中を伸ばし胸を上げる。股関節を曲げ、バーを掴めるまで膝を曲げていく。息を深く吸い込み腹圧を高める。背中を伸ばしたまま、尻を下ろしていく。バネを縮めるように脚に力を溜めるイメージで行う(挙上開始で力を解き放つ)。視線を固定する。このセットアップ方法は、腕と脚が短くて、大腿四頭筋の関与が大きめの人に向いている。

動画:Tight back, then pull hips down

3) バーの前に立つ。背中を伸ばし胸を上げ、股関節を曲げ、肩をバーよりも大きく前に出してつま先の方に重心を乗せながら、バーを掴めるまで膝を曲げていく。息を深く吸い込み腹圧をかける。身体を揺らして尻を後ろに動かし、重心が足の中心にくるようにする。視線を固定する。

動画:Set up over the bar, rock hips into position

4) バーを握り背中を伸ばしたまま体重を後ろにかけてスクワットのようにしゃがむ。息を深く吸い込み腹圧をかける。脚で床を押して挙上開始。ウェイトリフティングの経験がある人向け。

動画:Clean pull style

5) おもむろにバーに向かって歩いていき、深く息を吸い込み、バーにむかってかがみ、握ってすぐ挙げる。フォームが完璧に身についている人向け。

動画:John Haack: 629x2x2 Deadlift at 187lbs bodyweight

6) バーよりもかなり後ろに立ち、バーを握り、息を深く吸い込み、バーベルを自分の脛に向けて転がしながら背中を伸ばして尻を下げ、ポジションまで来たらすぐ挙げる。

動画:Rolling the bar


★セットアップ時の脛の角度
垂直かやや膝を前に出して角度をつけるか。バーベルが床から離れれば、どのみち脛はほぼ垂直になるので、好みでどちらにしても良い。一般的には、股関節メインの人は脛が垂直に近い方がやりやすい。腕と脚が短くて膝関節の関与が大きい人は膝をやや前に出した方がやりやすいようだ。


★バランス
挙上中は前後のバランスが崩れないように注意する。足裏の重心位置は、バーベルが軽いうちは足の真ん中のミッドフットがやりやすくて、バーベルが自分の体重より重たくなるくらいからは、踵寄り重心(下の画像)がやりやすいと思います。重心とバーの軌道については、関連記事に詳しく書いてあります。

関連記事:スクワットとデッドリフトのバーの軌道と足裏重心



・うまくバランスが取れない場合のドリル
数cmだけバーベルを持ち上げて、その状態で止めて、バランスを確認する。これで上手くいくようなら、デッドリフトのトレーニングの前にこのドリルを行い、バランスを確認してからデッドリフトのトレーニングを行う。

動画:One inch pull to find balance

・上手くいかない場合のさらなる対策
1. 1.25gプレートの上に立ってデッドリフトを行う。重心がずれると足の裏の圧力変化ですぐにわかる。

2. 床から数センチ挙げたところで一旦止めてバランスを確認、次に膝下まで挙げたところでまた止めてバランスを確認。

動画:Double-paused deadlift

この途中で止めてバランスを確認するデッドリフトは、ウォームアップとして数レップ数セット行うのも良い。慣れたらゆっくりと上げ下げしながらバランスを確認する。慣れるに従い、バランスを維持しながら挙上スピードを上げていく。


★挙上動作
バーベルを床から持ち上げる前に、全力で身体を固める。バーを強く握り、広背筋と臀筋に力を入れ、腹圧を高めて、脚に力をこめる。緩みがあるとバーベルの重さで崩れる。

腕は下にブランと垂らすのではなくて、広背筋を使って胴体に引きつける。個人的にはショベルカーのイメージ 背中・腕・手を一体化させて、バーを広背筋でガシッと掴む。


セットアップが完了していざ挙上となったら、バーを腕力で持ち上げてやろうと考えないこと。腕で持ち上げようとするとフォームが崩れてしまう。

デッドリフトの挙上は、簡単に言えば、背中の姿勢を保ったまま、膝関節と股関節を伸ばして直立姿勢になること。

1) 挙上開始は、腹圧をこめて脚で床を思いっきり押し下げ、同時に胸を上げるイメージ。胸が上がらないと、尻だけ上がってしまう。尻だけ上がるのは失敗。


2) バーがだいたい膝の高さまで上がったら、肩を後ろに、尻を前に。広背筋は収縮したままバーと股関節を近づけていく。

もしくは腕・胴体・大腿で囲まれた三角形を潰すイメージ。


または胴体の中央を軸に回転するイメージ。実際は股関節を軸に胴体が回転しているけど、おそらくそのイメージで行うと上半身が後ろに残って股関節をロックアウトしにくくなると思う。

肩を後ろにする感覚がよくわからない場合は、グッドモーニングを行う。

動画:How To Perform Good Mornings - Exercise Tutorial

尻を前に出す感覚を掴むのには、ヒップスラストが良い。

参考記事:ヒップスラストのやり方


★ロックアウト
臀筋をしっかり使って股関節をロックアウトする。臀筋が使えてないと、代わりに腰とハムストリングスに過度の負担がかかり、怪我をしやすくなる。

(良い例) 臀筋を使って股関節をロックアウト。


(悪い例1) 重心が前に行き過ぎ、ハムストリングスと腰で持ち上げていて、臀筋が使えていない。

(悪い例2) 大腿四頭筋と腰で持ち上げて、臀筋が使えていない。


★挙上速度
フォームを身につけるまではゆっくりと。良いフォームが身について重量を伸ばすフェーズになったら、毎レップなるべく速く挙上するのを意識する。そうした方が重量が伸びやすい。


★バーを下ろす
背中の姿勢を保ったまま、バーをコントロールしながら下ろす。エキセントリック動作をしっかりやると筋肥大効果が高まるし、ドシンと下ろして周囲に迷惑をかけることもない。普通は3秒くらいかけて下ろす。10秒とかだと長すぎて、トータルのトレーニングボリュームが低下して筋肥大面ではマイナスかもしれない。


★ウィークポイント
通常は、股関節の伸展が弱いか、背中の姿勢保持が弱いか。

弱点が股関節なのか背中なのか判別するには、

1) 膝下までバーが上がってそこでギブアップ
両方とも弱い。股関節も背中も鍛える。

2) バーが床からほとんど動かない
自分が扱える重量よりも遥かに大きな重量だったら、動かないのは当たり前。扱える重量よりも少し重いだけなのに全く動かなくなる場合は、以下の要領で切り分け。

パワーラックなどを使って高重量のエキセントリックのみやってみる。1RMの100%超えの重量を背中の姿勢を維持したままエキセントリックで下ろせるなら、股関節の伸展が弱い。通常はエキセントリックの方がコンセントリックよりも高重量を扱える。1RMの100%未満の重量で下ろせなくなるなら背中が弱い。

股関節が弱いならRDLやリバースハイパーやヒップスラストで股関節の伸展の筋肉を鍛える。背中は広背筋や脊柱起立筋群や肩甲骨の制御を行う筋肉を鍛える。ローイングやスターナム懸垂やラックプルやバックエクステンション系など。

3) ロックアウト
股関節は伸びてるけど猫背気味で背中が伸びない→高い位置からのラックプルなどで脊柱起立筋群の上の方(胸椎伸ばすあたり)を鍛える
背中は伸びてるけど股関節が伸びない→ヒップスラストなどで股関節の伸展を鍛える


★デッドリフトのトレーニングプログラム
デッドリフトの向上に効果的なトレーニングプログラムは、スクワットやベンチプレスに比べて個人差がかなり大きい。
大まかな傾向としては、
1. スクワットのトレーニングボリュームの1/2-2/3程度のボリュームでまずは始めてみるのが良い。
2. 股関節の伸展のトレーニングは高い頻度で行い、実際にデッドリフトを行う頻度は低めにすると向上しやすい。 Greg Nuckolsの経験によると、デッドリフトの実施頻度は、50%の人が週に一回、25%の人が週に二回、15%の人が週に一回以下(例えば3週間に二回など)、10%の人が週に三回以上のペースで行い、それに加えて股関節の伸展のトレーニング(RDLなど)を少なくとも週に三回行うと、速く向上しやすい。デッドリフトによる全身疲労の蓄積に妨げられず、動作に必要な筋肉を鍛えられるため。
3. 腕が長くてデッドリフト向きの体型の人やスモウデッドリフトを行う人は、デッドリフトをより高頻度・高ボリュームでトレーニングできる。
4. 背中が弱くて姿勢の維持がボトルネックになる人は、高ボリュームや高強度のデッドリフトのトレーニングを行うとぐったりと疲れやすい。 バックエクステンションやローイングなどで背中を鍛えると、デッドリフトのトレーニングボリュームを増やすことができる。
5. 挙上テクニックが洗練されるにつれ、より多くのトレーニングボリュームを扱えるようになる。
6. スクワットでは尻や脚が多少疲れていても、充実したトレーニングを実施することができるが、デッドリフトでは尻や背中が疲れている場合はその日はパスし、1日か2日先延ばしにしてトレーニングを行った方が良い。


★フォームの個人差
胴体、腕、脛、大腿の長さによって、適切な背中の傾きや尻の高さは異なってくる。それぞれの骨格に合った効率的で安全なフォームで行うのが重要。



★背骨の曲がり
トップクラスのリフターのデッドリフトだと背骨(主に胸椎)が曲がっていることがある。これは股関節をバーに近づけることでより重い重量を挙げられるようにするテクニック。趣味でトレーニングを行う人は真似しない方が良い。趣味のトレーニングなら背骨は常にニュートラルの姿勢を保つこと。


★股関節の可動域、背骨の姿勢
股関節の可動域が足りないと、バーを床に下ろす時、また床のバーを掴む時に、背中を丸めてバーに手を届かそうとする。股関節の可動域はストレッチやウォームアップで確保する必要がある。

関連記事:股関節のストレッチ・ウォームアップ

股関節を深く曲げようとすると背中のニュートラルポジションが保ちにくい場合はラックやブロックなどを使い、床よりも高い位置にバーベルを置いてデッドリフトを行う。背中の姿勢を保ったまま股関節を動かせる範囲で動作を行う。股関節のストレッチなどを続けつつ、慣れてきたら徐々にバーベルの位置を下げていく。

動画:Block pull

股関節の可動域を広げても、股関節の骨の噛み合わせの問題で可動域が床からのデッドリフトに足りない人もいる。骨の問題は生まれつきなのでどうしようもない。その場合はラックプルやRDLを行って鍛えるのが良い。バーの高さは単にプレートの半径で決まってるだけで、特に意味がある数値になっているわけではない。

また猫背で胸椎が過度に屈曲しているケースもある。フォームローラーなどで姿勢を矯正して、良い背中の姿勢を作れるようにする。

姿勢の矯正について詳しくは以下を参考に。




★TIPS
・レップ間の仕切りの有無
2レップ目以降は、床にバーベルを置いて一旦仕切り直すべきか、床にバーベルがタッチしたらすぐに次のレップにいくべきか。

高重量の1レップ目のフォームが安定しない人は、レップごとに仕切り直してバーベルが止まった状態から良いフォームで引けるように練習する。1レップ目も2レップ目も良いフォームで引ける人は、好みでタッチアンドゴー。

レップごとに仕切り直すと疲れが溜まるにつれて体幹が緩んでしまう人は、仕切り直さずタッチアンドゴーにした方が姿勢を維持できて良いかもしれない。

いずれにせよ、良いフォームで質の高いトレーニングを行える方法を選ぶのが良いだろう。

・視線の向き
頭を上げて前を見るか、下を見るか。首を反らしすぎるとわずかだが怪我のリスクが上がるかもしれない。安全に動く範囲で好みの方法で。

・ベルト
ベルトを着用した方がしっくりして力が入るならベルトを着用。ベルト無しの方がやりやすいならベルトなし。好きなほうで。

・脛の保護
脛にバーが当たって痛い場合は、デッドリフト用の脛当てを使うのがベスト。米Amazonで「shin guards deadlift」で検索して、日本に発送可能なリーズナブルな価格の商品を買うのがおすすめです(Ships to Japan と書かれているのが日本に発送可能なもの。送料は10ドルくらい)。

関連記事:デッドリフト時の脛の保護(脛当て)

・ストラップ・パワーグリップ
筋トレ目的なら積極的に使おう。手のひらの保護になるし、把持力がトレーニングの制約にならない。

4 件のコメント:

  1. いつも疑問なのですが、ウエイトリフターの行うデッドリフトは胸椎が自然の範囲を超えて反っているように見えるのですが、なにか理由があるのでしょうか。
    あと、デッドリフトで腰椎を痛めるのは分かるのですが、胸椎を痛めることもあるのですか?

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  2. ウェイトリフティングはクリーンもスナッチも、しゃがんだ状態(お尻が後ろにある状態)でバーベルをキャッチするのですが、その際になるべく胴体の上半分を垂直に近づけるのが力学的に有利だと思われます(そもそも上体が前に傾いているとバーベルが前方に転がっていきそうですし)。そのため胸椎を反っているのでしょう。

    ウェイトリフターとパワーリフターの怪我についての論文を見ると、ウェイトリフターは胸椎の怪我もそれなりに多そうです。パワーリフターは腰椎の怪我が多くて、胸椎の怪我は少ないですが、エリートクラスになると胸椎の怪我も増えてくる感じです。パワーリフティングのデッドリフトで競技パフォーマンスを追求すると、胸椎を少し丸めて股関節とバーベルの距離を縮めるテクニックが使われることがあるので、おそらくそれで胸椎も怪我しやすくなると考えられます。背骨ニュートラルでデッドリフトをする限り、胸椎を痛めることはあまりないと思います。

    Injuries among weightlifters and powerlifters:a systematic review
    https://bjsm.bmj.com/content/bjsports/51/4/211.full.pdf


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  3. 解答ありがとうございます。
    ウェイトリフターに胸椎の怪我が多いのは、そういった姿勢でバーベルを持ち上げていることが関係しているのでしょうか。
    それと、胸椎の柔軟性がないとあのような姿勢は難しいですよね。

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  4. >そういった姿勢でバーベルを持ち上げていることが関係しているのでしょうか。

    おそらくそうだと思います。ニュートラルのレンジを外れたポジションで強い負荷をかけているので。

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