https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33651737/
235人の競技ボディビルダーにアンケート調査し、そのデータをまとめた研究です。
アンケート回答期間は、2018年4月~2020年2月。
アンケート回答者のデータ
性別:全員男性
平均年齢:26歳
平均身長:177cm
平均体重:88kg
回答者235名中、165名がナチュラルの大会に参加。
大部分の回答者がアマチュア競技者。13名がプロの競技者(うち2名がナチュラル大会の競技者)
<週のトレーニング回数>
回答者の47.2%が4-5回、48.5%が6-7回。
<分割>
回答者の85.5%が分割法でトレーニング
<頻度>
・胸、上背部、下背部、大腿部、ハムストリングス、臀筋群は、回答者の60%以上が週2回トレーニング。回答者の10-20%が週に1回か3回トレーニング。
・肩、腕、カーフは、回答者の50%以上が週2回トレーニング。約20%の回答者が週3回トレーニング。
・腹筋は、回答者の31.1%が週1回、回答者の34.5%が週2回トレーニング、回答者の16.6%が週3回トレーニング。
<トレーニング時間>
回答者の55.7%が一回のトレーニング時間は60-90分。23.8%が90分以上。
<オフシーズンのトレーニング>
・回答者の56%が、一回のトレーニングで2-3部位をトレーニング。回答者の約20%が一回のトレーニングで4-5部位、もしくは6部位以上をトレーニング。
・回答者の60.4%が部位あたり2-3種目を実施。
・回答者の73.2%が1種目あたり3-4セットを実施。
・回答者の40%が7-9RMのセットを実施。31.3%が10-12RMのセットを実施。
・回答者の49.4%がセット間インターバルが61-120秒。31.1%が121-180秒。
・回答者の60%がオフシーズン中に重量を上げてレップ数を下げるトレーニング内容の変更を実施。
下は、一回のトレーニングセッションで、どのようなトレーニングをしているかの分布グラフです。
<有酸素運動>
・回答者の58.3%が有酸素運動を実施。そのうち43.8%が週に3-4回、43.8%が週に1-2回。
・回答者の78.1%が有酸素運動の実施時間は10-30分。
・回答者の91.2%が有酸素運動の強度は低中強度。54.7%が中高強度。
・回答者の75.2%が有酸素運動でウォーキングを実施。31.4%がサイクリング、23.4%がジョギング/ランニング、14.6%がエリプティカルトレーナー、8.0%がローイング、5.1%がスイミング。
<人気種目>
部位ごとに実施割合70%超えの種目をリストアップし、割合が高い順に並べてみると。
肩:ダンベルラテラルレイズ、ダンベルプレス
背中:ラットプルダウン(ワイドグリップ)、バーベルロウ、ケーブルロウ、デッドリフト
胸:バーベルフラットベンチプレス、ダンベルインクラインベンチプレス、ケーブルクロスオーバー
腹筋:70%超え種目無し。最も割合が高いのがレッグレイズ(60%台)
腕;ダンベルカール、トライセプスプッシュダウン、トライセプスエクステンション、ケーブルカール、バーベルカール
脚:レッグカール、レッグエクステンション、バーベルバックスクワット、レッグプレス、スタンディングカーフレイズ、ス
ティフレッグデッドリフト
<上級テクニック使用割合>
・スーパーセット(違う種目をレスト無しで組み合わせて実施する) 85.2%
・ネガティブ(補助でコンセントリック→エキセントリック効かせる) 48.3%
・ピラミッドセット(セットごとに低強度高レップから高強度低レップに変化させる) 47.8%
・パーシャル(部分的な動作レンジでレップを反復する) 37.3%
・フォースドレップ(自力でレップが続けられなくなったら補助付きで限界まで追い込む) 34.0%
<ピリオダイゼーション>
・回答者の66%が、オフシーズンにピリオダイズされたトレーニングを実施。
・ピリオダイゼーションの内容を記述した回答者のうち69.0%がブロックピリオダイゼーションを実施(例えば、筋力期と筋肥大期を分ける)。19.8%がDUP、WUP形のトレーニングを実施(例えば、日ごと、もしくは週ごとに、筋力トレーニング、筋肥大トレーニングを実施する)。19.8%がトレーニングサイクルが進むにつれてボリュームを増やしていくと回答。19.8%がデロード週を入れていると回答。
<コンテスト準備期間>
オフシーズンに比べると、
・一回のトレーニングで鍛える部位の数がやや少なくなる。
・セットあたりのレップ数がやや多くなる。
・有酸素運動の頻度と、一回あたりの時間が長くなる。
(筋トレ内容は大幅には変わらない。有酸素運動の頻度と時間は結構変わる)
<PEDs>
・非ナチュラルの大会で競技を行っている回答者の53.6%(69名中37名)がPEDsを使用していると回答。
・ナチュラルの大会で競技を行っている回答者の2.4%(165名中4名)がPEDsを使用していると回答。
・使用割合の高いPEDsは、testosterone (85.4%),drostanolone propinate (56.1%), stanozolol (46.3%),trenbolone
acetate (46.3%), boldenone undecylenate (41.5%), oxandrolone(36.6%), clenbuterol (36.6%),nandrolone decanoate (31.7%)。
・59%の回答者が、コンテスト準備期間では使用するPEDsを変更すると回答。コンテスト準備期間に導入される割合の高いPEDsは、drostanolone propinate(66.7%), stanozolol (50.0%), clenbuterol (41.7%), trenbolone ace-tate (38.5%), oxandrolone (33.3%)。
<サプリメント>
・回答者の95.7%がサプリメントを使用。
・使用割合の高いサプリメントは、クレアチン(80.4%)、ホエイプロテイン(65.8%)、マルチビタミン(31.6%)、カゼインプロテイン(26.2%)、フィッシュオイル(26.2%)、プレワークアウトサプリメント(24.9%)、カフェイン(20.0%)。
・コンテスト準備期間に導入される割合の高いサプリメントは、ファットバーナー(27.6%)、カフェイン(24.1%)、ヨヒンビン(20.7%)、プレワークアウトサプリメント(17.2%)。
コメント
回答者のボリュームゾーンはレップレンジが7-12RMで、一般的な筋肥大トレーニングの重量とレップ数でトレーニングする人が大半です。また、多くの回答者が部位あたり2-3種目、種目あたり3-4セット、部位あたり頻度週2回で、単純計算すると部位あたりの週間ボリュームは12-24セットになります。全般的に見て、現代の科学界で推奨される筋肥大トレーニング方法に沿ってトレーニングする人が多数派となっています。
多くの回答者が、オフシーズンにピリオダイゼーションを導入しているのは意外でした。筋肉への刺激の種類(メカニカルテンションや代謝ストレス)を変えたり、疲労管理をするためにやってるのでしょうか。
国内のトップボディビルダーだと、メニューはブロスプリットでピリオダイゼーションはしない、というイメージがあるので(間違っていたらすみません)、海外と国内ではボディビルのトレーニング文化が異なる印象です。
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