5/15/2016

食事回数と血糖レベル


食事回数が血糖レベルに及ぼす影響について。健康リスクについての話。

Effect of meal frequency on glucose and insulin excursions over the course of a day
http://www.clinicalnutritionespen.com/article/S1751-4991%2810%2900054-5/fulltext


★被験者
18-35歳/男女各4名/健康かつ肥満ではない/週に4回程度の軽い~中程度の運動


★食事
1日トータル1500kcalで各食事に均等に振り分け。炭水化物は主にスクロースとコーンシロップ、タンパク質はソイとホエイ。以下の3パターンの食事方法での血糖レベルとインスリンレベルを測定。(P=タンパク質、C=炭水化物、F=脂質)
- 3CHO:高炭水化物1日3食 P15% C65% F20%
- 6CHO:高炭水化物1日6食 P15% C65% F20%
- 6PRO:高タンパク1日6食 P45% C35% F20%


★結果
高炭水化物1日6食の方が高炭水化物1日3食よりも、血糖の曝露量(AUC)は30%程度高くなった(Fig.2上図)。小分けにして食べるほうが、身体はより多くのグルコースに晒されるということになる。血糖の曝露量は糖質の摂取量が同じならどう食べても同じだろうと思っていたので、この結果は意外だった。



★所感
この研究の結果から考えると、2型糖尿病リスクや糖化を気にする場合は、食事回数は少ないほうが良さそう。ただ健康へのネガティブな影響は、トータルの曝露量が問題なのか、ある閾値を超えた部分が問題になるのかよくわからない。後者が問題になる場合でも、今回の研究のデータだと血糖レベルのピーク値は高炭水化物同士だと3食が6食よりもわずかに高い程度なので(Fig.1上図)、いずれにしろ高炭水化物食なら1日3食の方が健康に良さそうということになる。そして高炭水化物食に比べると、高タンパク質食の方が血糖の曝露量とピーク値は低い。

ちなみに高脂質食も2型糖尿病のリスクファクターになるので注意。糖質をカットすればいくら食べても大丈夫ということにはならないだろう。
http://www.riken.jp/pr/press/2011/20110815/
http://www.igaku.co.jp/pdf/1309_tonyobyo-3.pdf

野菜や肉や魚を炭水化物より先に食べると、消化吸収が遅くなるのとインクレチンの分泌により血糖レベルの上昇がゆるやかになる。ただ野菜やタンパク質源を先に食べると、2型糖尿病患者では血糖レベルの低下が遅くなっている。AUCは野菜やタンパク質源を先に食べたほうがやや小さくなっているが、血糖レベルの上昇が長時間続くのはデメリットがあるような気が・・・。健康な被験者は血糖レベルのピーク値のみが低下しているので、デメリットはなさそう。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3882489/
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4742500/

個人的には自分の遺伝的な2型糖尿病リスクは高くなさそうだし、食べ過ぎず運動を続けていれば別に大丈夫だろうと思ってそれほど気にしていないです。優先順位は、「低い体脂肪率・カロリー収支・運動習慣>>食事回数・マクロ栄養素の振り分け・食べる順番」でしょう。

ボディメイクでは増量期にカロリー収支がプラスになり健康にネガティブな影響が出る可能性があるので、その際は食事回数を多くせず、野菜や肉や魚を炭水化物より先に食べた方が健康に良いと思う。(もちろんトータルの摂取量が同じなら食事回数や食べる順番は体重の増減には影響しない


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