8/05/2016

増量に必要なカロリー

増量に必要なカロリーの参考として、レジスタンストレーニングとカロリー超過を組み合わせた研究を見てみる。研究の数が少なく、とりあえずこれしか見つからない。

研究の限界としては、トレーニング期間が2,3ヶ月で、この期間での除脂肪体重の増加量が誤差の大きい体組成測定でまともに検出できるのだろうかという点。除脂肪体重と体脂肪の変化が有意差があるかどうかだけではなく、傾向としてはどうなのかを見ていく。

またいずれの研究も通常食のマクロ栄養素と摂取カロリーの算出は、自己申告の食事内容を元にしている。食べ物の量り方を指導はしているが、研究者側が管理しているわけではないので摂取カロリーは正確ではない。追加のカロリーとして与えられている分は管理されているので正確。


★初心者
Effects of high-calorie supplements on body composition and muscular strength following resistance training
https://www.researchgate.net/publication/11281926_Effects_of_high-calorie_supplements_on_body_composition_and_muscular_strength_following_resistance_training

被験者:トレーニング歴の無い人。全員が若い男性。
平均は身長170cm台、体重70kg後半

トレーニングは週に4回。1回あたり60-90分。コンパウンド主体で全身を二分割法でトレーニングする本格的な内容。
トレーニング期間は8週間

通常食の摂取カロリーは2200-2500kcalくらい。これに2000kcalを加える。
グループ1:通常食+2000kcal(タンパク質+炭水化物)
グループ2:通常食+2000kcal(炭水化物のみ)
グループ3:通常食

炭水化物のみ加えたグループ2もタンパク質を計1.7g/kg/day程度摂取しているのでタンパク質は十分な摂取量。

身体組成変化


カロリー超過グループは両方とも除脂肪体重が3kg前後増えて、体脂肪量はほぼ変わらずという結果になっている。ただ体組成測定の方法は水中体重測定法なので誤差が結構ありそう。ウェストが1cm前後増えているので実際には体脂肪がそれなりに増えていると思われる。

体重3kg増やしてウェスト+1cmなら良いペースだと思う。スタートラインの体脂肪率が低くて(15%以下)、体格が良い若い男性が本格的なトレーニングを始めるなら、このくらいのカロリー超過でも良いかもしれない。プラス2000kcalだと体脂肪もそれなりに増えそうなので、普段の食事にプラス1500kcalでも良いかも。

かなり大雑把な数字だけど、消費カロリーが新たに始めたトレーニングで500kcal増え、オーバーカロリーによるNEATなどの無駄消費で500kcal増え、筋肉の修復や増加で500kcal増えるとすると、合わせて1500kcalは消費カロリーが増えてもおかしくない。ただこの研究のトレーニング内容はトレーニング歴が無い人にはハードな内容だと思うので、そんなにトレーニングしない人はもっと摂取カロリーを減らした方が良い。

カロリーを足してないグループは除脂肪体重+1.4gで体脂肪-0.8kg、ウェストが-0.2cm。筋肉をなるべく増やすという点ではカロリー超過グループに劣るけど、筋肉が増えて体脂肪が減ってるっぽいので、体組成の組み換えはうまくいっている。


★中級者
この論文は書いていることが色々と変なんだけど、データだけ参考にさせてもらう。

Daily Overfeeding from Protein and/or Carbohydrate Supplementation for Eight Weeks in Conjunction with Resistance Training Does not Improve Body Composition and Muscle Strength or Increase Markers Indicative of Muscle Protein Synthesis and Myogenesis in Resistance-Trained Males
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4763837/

被験者:少なくとも1年はトレーニング歴のある若い男性
平均は身長約180cm、体重80kg台

トレーニングは週に4回
トレーニング期間は8週間

通常食のカロリーは2500kcal前後。これに1248kcalを加える。
グループHPC(11人):通常食+1248kcal(タンパク質+炭水化物+少量の脂質)
グループHC(10人):通常食+1248kcal(炭水化物のみ) 

身体組成変化

体重
グループHPC:+3.83kg
グループHC:+1.42kg

体脂肪量
グループHPC:+1.36kg
グループHC:+1.51kg

除脂肪体重
グループHPC:+2.28kg
グループHC:+0.25kg

被験者数が少ないせいか、両グループともに除脂肪体重の増加は有意差無しだけど、HPCグループは除脂肪体重が増加傾向。しかし体脂肪も結構な増加。カロリー超過はもっと少なくて良いと思う。HCグループはタンパク質摂取量が1g/kg/day程度になっていてこれではタンパク質が足りない。このためか除脂肪体重もほぼ増えない傾向となっている。


★上級者
Effect of nutritional intervention on body composition and performance in elite athletes
http://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/17461391.2011.643923

対象
ノルウェーのエリートアスリート。男性9割。3分の2がアイスホッケー選手。
平均は身長約180cm、体重70kg台。

週に体重が0.7%増えることを目標とした。栄養指導グループ(NCG)と自己管理グループ(ALG)に分け、栄養指導グループは専門家の指導を受け、自己管理グループは各自自由に食べた。

レジスタンストレーニングは週に4回(それ以外に各々の競技のトレーニングを行っている)
トレーニング期間は平均9.9週間

結果として栄養指導グループは通常食(約3000kcal)に約500kcalのカロリーが加わる形になった、自己管理グループはカロリーは変わらず。

身体組成変化

体重
栄養指導グループ+2.7kg
自己管理グループ+1.2kg

除脂肪体重
栄養指導グループ+1.7kg
自己管理グループ+1.2kg

除脂肪体重脚
栄養指導グループ+0.5kg
自己管理グループ+0.0kg

除脂肪体重上半身
栄養指導グループ+1.1kg
自己管理グループ+1.1kg

体脂肪
栄養指導グループ+1.1kg
自己管理グループ+0.2kg

1RMの伸びは両グループで有意差無し

全身の除脂肪体重と体脂肪の変動を見ると、栄養指導グループの方が体重と体脂肪量が増えた。除脂肪体重は有意差無しだが、栄養指導グループの方が増える傾向があった。自己管理グループはほぼ除脂肪体重だけ増えているので、効率が良いと言える。ただ自己管理グループは脚の除脂肪体重が増えていない。アスリートなので脚は鍛え込まれていて、体脂肪増加覚悟のカロリー超過にしないと増量が難しいのかもしれない。
論文の結論は、アスリートでは500kcalの超過だと体脂肪が増えやすいみたいだから、200-300kcalの超過が良いかもとのこと。


★続き
一般化したガイドラインを次回に書く予定。

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