8/24/2023

トレーニングしてから食事と食事してからトレーニングの研究(トレ前の絶食時間が長い場合)

Timing of Resistance Training During Ramadan Fasting and Its Effects on Muscle Strength and Hypertrophy
https://www.researchgate.net/publication/370091244_Timing_of_Resistance_Training_During_Ramadan_Fasting_and_Its_Effects_on_Muscle_Strength_and_Hypertrophy

ラマダン中のイスラム教徒を対象とした研究です。ラマダン中は、日没から日の出までの間だけ飲食可能です。日中は飲食不可で、水すら飲めません。

この研究では、夕方にトレーニングをしてから食事をするのと、日没後に食事をしてからトレーニングをするのとでは、どちらが効果が高いかを調べています。



研究内容

<被験者>

トレーニング歴有りの若い男性



<グループ分け>

絶食グループ:夕方にトレーニング。タイミングは日没後の食事の一時間前(16-18時の間にトレーニング)

食後グループ:日没後の食事の後にトレーニング(20-22時の間にトレーニング)


<時期・地域>

3月~4月にチュニジアで実施した。絶食時間の平均は14時間。



<トレーニング内容>

ラマダン前1週間+ラマダン4週間+ラマダン後3週間の合計8週間

週4回トレーニング。上半身2回、下半身2回。

月曜と木曜:インクラインレッグプレス パラレルスクワット デッドリフト カーフレイズ、ケーブルクランチ
火曜と金曜:ベンチプレス ショルダープレス ラテラルプルダウン バーベルカール オブリークスレイズ 

強度は75-85%1RMで3-4セット。


<測定項目>

・体組成

・筋力:パラレルスクワット、ベンチプレス、デッドリフトの1RM

・筋肥大:上腕二頭筋と大腿四頭筋の断面積

・トレーニングの主観的きつさ(RPE):限界まで◯レップ残しのRPEではなくて、トレーニングセッションがどれくらいきつかったかを10段階で評価。10が一番きつい。

・睡眠:食後にトレーニングすると夜遅くにトレーニングをすることになるので、睡眠に悪影響が出るかどうかを調べている。測定方法はアンケート方式のPSQI(ピッツバーグ睡眠質問票)で、スコアが低いほど良い睡眠がとれていることを示す。


<測定タイミング>

T0:ラマダン1週間前

T1:ラマダン15日目(ラマダン中間地点)

T2:ラマダン29日目(ラマダン終了間際)

T3:ラマダン終了21日後



結果

<体組成>

両グループとも、体重と体脂肪率はラマダン中に減った(食事量が減ることと、日中に水も飲めないので水分量が減る)。除脂肪体重は変化なし。グループ間で差無し。


<筋力>

スクワットとデッドリフトの1RMの伸びは、食後にトレーニングしたグループが優位だった。ベンチプレス1RMはグループ間で差無し。





<筋肥大>

上腕二頭筋と大腿四頭筋の断面積変化はグループ間で差無し。両グループともラマダン終了間際の時点(T2)では筋肥大なし。ラマダン終了21日後の時点(T3)では筋肥大あり。



<主観的きつさ>

食後グループは、ラマダン前もラマダン中も主観的きつさは変わらず。絶食グループは、ラマダン中のトレーニングのきつさが高くなった



<睡眠>

ラマダン中は両グループともPSQIのスコアが悪化した。グループ間で差は無し。




コメント

イスラム教徒の人は、ラマダン中は食事をしてからトレーニングをしたほうが良さそうです。

イスラム教徒以外の人にとって利用できそうな情報は、

・絶食時のトレーニングは主観的に辛い。

・腹ペコでトレーニングをすると、スクワットやデッドリフトの1RMが伸びにくい。これらの種目は扱う重量と体幹への負荷が大きいので、腹ペコだと力が入らないからかもしれない。スクワットとデッドリフトのトレーニングは、ある程度お腹を満たしてからやったほうが良さそうです。

・体組成や筋肥大面では差が出なかった。栄養供給してから筋トレしたほうが良さそうな感じはするが、トレーニング後にすぐ食事をしているので問題なかったのかもしれない。絶食中の昼12時にトレーニングをして夜7時に食事といったやり方だと差が出るかもしれない。


日中忙しくて昼食を食べられず、夕食前にスクワットやデッドリフトのトレーニングするといった場合は、軽く何か食べてからトレーニングするのが良いでしょう。夕食をしっかり食べてからでもトレーニングをハードに出来る人なら、それでもいいと思います。個人的には食事をしてすぐ激しいトレーニングをすると胃の内容物が逆流してしまうので、トレーニング前はマルトデキストリンなどでカーボ補給し、トレーニング後に食事をするのがいいですね。

関連記事:食後や筋トレ時の胸焼け


他には、夕方から夜にまとめて食べる形のインターミッテント・ファスティング(IF)は、睡眠に悪影響が出やすいようです。PSQIの個別の項目を見ると、睡眠時間が短くなっているのがPSQIのスコア悪化に大きく影響しているようです(日の出前に朝食を取る必要があるので早起きする)。ただ、睡眠の質や睡眠効率などの項目も悪化しているので、寝る前に大量に食べることが睡眠に悪影響を与えたと考えられます。
 
この研究では自己申告の食事内容で一日あたり3400kcal食べているので、日没後の食事でかなりの量を食べていると思われます。若いうちは多少睡眠不足でも何とかなりますが、中年以降は睡眠の質が低下すると翌日が辛いです。IFをやるなら、日中に食べたほうが良いでしょう。例えば7時~15時や、10時~18時の間だけ食べるといったやり方です。

2 件のコメント:

  1. いつも拝読してます。
    私は早朝にトレーニングしてます。起きて1時間後にやるので食事はしません。
    早朝にやる理由は単純で人がいないからです。
    マシンやフリーウエイトが使えないだけで物凄いストレスなので必然的に早朝になりました。

    ボディビル競技はやってませんがガチトレーニーです。

    以前は夕方からやってた時は1〜2時間前にバナナや豆大福等を入れてトレーニングしてたので、やはりエネルギー補給は大事だと改めて感じます。

    これからも頑張ってください。

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    1. コメントありがとうございます。

      早朝トレすごいですね。私は休みの日に頑張って朝やろうとしても、10時スタートとかが限度です・・・。

      今後もよろしくお願いしますm(_ _)m

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