Boostcampアプリに登録されている、バーベルトレーニングが軸のトレーニングプログラムをレビューしていきます。アプリでカテゴリの設定をpowerlifting、powerbuildingにして、出てくるプログラムをレビューしています。
Boostcampについては以下の記事を参考にしてください。
関連記事:トレーニングプログラムのアプリの紹介(boostcamp)
アプリに登録されているプログラムのレビューは、以下の記事にまとめてあります。
関連記事:トレーニングプログラムのレビューまとめ
アプリでプログラムがきちんと動くのかは試していないです。○レップできたら重量アップなどのオートレギュレーション系は、実装が難しそうな感じがしますが・・・
初心者、初級者の用語の使い分けは、始めたてが初心者、少しトレーニングに慣れてきたら初級者と考えています。アプリでは、beginnerとnoviceがあるので、beginnerを初心者、noviceを初級者にしています。
今回レビューするプログラムは、TSA Beginner Approach / 9 Week Intermediate Approachです。
TSA Beginner Approach
アプリの記述がわかりにくかったので、こちらのサイトのスプレッドシートを参照しました。
TSA 9 Week Beginner Powerlifting Program
https://liftvault.com/programs/powerlifting/tsa-general-beginner-powerlifting-program/
13週間版もあり、こちらは9週間版に4週間のピーキングプログラムを足したものです。
男性版と女性版があるのですが、ざっと見た感じではアプリの記述に違いがないです(たぶんアプリの記述が間違い)。
本家のサイトで確認すると、女性版はわずかに強度設定が高いようです。Beginner 9 and 13 week training cycleというプログラムがこのプログラムです。
メインリフトを筋肥大、筋力、ポーズド(スキル練習)の日に分けていて、それぞれの日で徐々に強度を上げていきます。DUP×リニアピリオダイゼーションといった形のプログラムになっています。
スクワットは、筋肥大、筋力の週2回。
ベンチプレスは、筋力、筋肥大、ポーズドの週3回。
デッドリフトは、筋力、ポーズドの週2回。
具体的なメニュー構成は、
DAY1:スクワット(筋肥大)、ベンチプレス(筋力)、ダンベルベンチプレス、ダンベルロウ、デクライン加重腹筋
DAY2:ポーズドデッドリフト、ベンチプレス(筋肥大)、ヒップスラスト、プッシュダウン、ダンベルカール
DAY3:スクワット(筋力)、ラットプルダウン、片手ショルダープレス(ダンベル)、片手オーバーヘッド・トライセップスエクステンション(ダンベル)、EZバーカール
DAY4:デッドリフト(筋力)、ポーズドベンチプレス、レッグプレス、レッグエクステンション
メインリフトは一回のトレーニングで3-7セットくらいです。強度とレップ数の設定を見た感じでは、大部分がRPE6-8で行うセットになっていると思います。
補助種目は10-15レップを2-3セット。
週の種目・部位当たりボリュームを計算してみます。週によって少し変動しますが4週目のメニューから。
スクワット:スクワット10セット(1レップ2セット+8セット)、レッグプレス3セット、レッグエクステンション3セット
ベンチプレス:ベンチプレス14セット(1レップ2セット+12セット)、ダンベルベンチプレス3セット、上腕三頭筋6セット、
デッドリフト:デッドリフト9セット、ヒップスラスト3セット
メインリフトは1回3-7セットくらいですが、1レップのトップシングルセットを含めてのセットで、セット全体の追い込み度が高くないので、見た目ほど負担は大きくないと思います。セット数が多いので、フォームを向上させやすいです。そのぶんトレーニング時間が長くなりやすいです。
ベンチプレスとデッドリフトでポーズドを取り入れています。ポーズド種目は、フォーム安定のために効果的です。スクワットでポーズドが無いのは、筋肥大で1回、筋力で1回トレーニングするので、これにポーズドの日を足すとスクワットが週3回になって回復面がきつくなると判断して、入れてないのでしょう。デッドリフトは、筋力1回、ポーズド1回で、筋肥大の日はないです。高レップのデッドリフトは体幹が緩んで腰を痛めやすいですし、体力・回復面でスクワットと競合するため入れなかったと思われます。
ヒップスラストがあるのがいいですね。トレーニングに慣れないうちは、尻の筋肉を使う感覚が掴みにくいです。尻を使えないと、スクワットとデッドリフトを、脚と背中で挙げるフォームになりがちです。アイソレートで尻のトレーニングをすると、尻筋肉を意識しやすくなります。
ハムストリングスも慣れないと力が入れにくいので、余裕があるならレッグカールも足したいです。
肩種目は週1回、片手ショルダープレスを3セットのみなので、見た目のために肩を鍛えたい場合は、肩種目を足したほうが良いでしょう。
全体的によく出来ていると思うのですが、このプログラムの改善点を挙げるとすれば、伸びの速い初級者だと、9週間の間に1RMが結構伸びてしまい後半の重量設定が物足りなくなりそうなことです。○レップできたら想定1RMをアップさせるオートレギュレーション要素を入れるか、5週目のデロード週でRPE9まで実施するセットを行い1RMを算出し直すかすると、より成長速度に合致したプログラムに出来ると思います。
一応、メインリフトは強度に加えてRPEも併記されていて、強度と重量が合わない場合はRPEでオートレギュレーションするみたいなのですが、1レップのセットで「85%もしくはRPE6」「88%もしくはRPE7」といった表記です。1レップでREP6や7は、体感で判断するのはかなり難しいです。
以下のサイトのv2.0と同じです。
TSA 9 Week Intermediate Powerlifting Program (v1.0 + v2.0)
https://liftvault.com/programs/powerlifting/tsa-9-week-intermediate-program/
メインリフトを筋肥大、筋力、パワー、ポーズド(スキル練習/筋肥大)の日に分けていて、それぞれの日で徐々に強度を上げていきます。DUP×リニアピリオダイゼーションといった形のプログラムになっています。
(細かい点について。初心者向けの記述だとポーズドがスキル練習、この中級者向けだとポーズドがスキル練習/筋肥大になっているのは、TSAの公式スプレッドシートにそう書かれているため)
スクワットは、筋肥大、筋力の週2回。
ベンチプレスは、筋肥大、パワー、筋力の週3回。
デッドリフトは、筋力、ポーズドの週2回。
具体的なメニュー構成は、
DAY1:スクワット(筋肥大)、ベンチプレス(筋肥大)、クロースグリップベンチプレス、チェストサポートロウ(ダンベル)、バンドプルアパート
DAY2:デッドリフト(筋力)、ベンチプレス(パワー)、ペンドレイロウ、加重バックエクステンション、懸垂
DAY3:スクワット(筋力)、インクラインベンチプレス(ダンベル)、レッグプレス、チェストサポートロウ(ダンベル)
DAY4:ベンチプレス(筋力)、足上げベンチプレス、ポーズドデッドリフト、バーベルロウ、ラットプルダウン(ニュートラルor逆手グリップ)
週の種目・部位当たりボリュームを計算してみます。週によって少し変動しますが4週目のメニューから。
スクワット:スクワット10セット、レッグプレス3セット
ベンチプレス:ベンチプレス13セット(1レップ1セット+12セット)、クロースグリップ3セット、足上げ3セット、インクライン3セット(ダンベル)、
デッドリフト:デッドリフト10セット、加重バックエクステンション3セット
プル・ロウ合計16セット+懸垂35レップ
プル・ロウ種目は、毎回のトレーニングで何かしらの種目を実施します。プル・ロウは慣れると回復が早いですし、背中の強さはデッドリフトを伸ばすのに必要なので、効果的な方法だと思います。
もし体力と時間に余裕があって種目を足すなら、脚のアイソレート(レッグエクステンション、レッグカール)、腕のアイソレート(カール、エクステンション)、それと肩のプレス種目でしょうか。
バーベルの使用時間が長いので、時間制限がある環境の場合は、BIG3の筋力種目だけバーベルにして、あとはスミスマシン、ダンベル、マシンなどでボリュームを積んで主働筋の筋肥大を狙うと良いと思います。
https://liftvault.com/programs/powerlifting/tsa-general-beginner-powerlifting-program/
<対象>
初心者、初級者
<プログラムタイプ>
DUP×リニアピリオダイゼーション
<特徴>
初心者、初級者を対象とした9週間のパワーリフティング向けプログラムです。
1週目が慣らし、5週目がデロード。メインリフトは最初は65%1RM付近の強度で、そこから徐々に強度を上げていき、最後の方は90%1RM付近の強度になります。9週目に3RM測定。13週間版もあり、こちらは9週間版に4週間のピーキングプログラムを足したものです。
男性版と女性版があるのですが、ざっと見た感じではアプリの記述に違いがないです(たぶんアプリの記述が間違い)。
本家のサイトで確認すると、女性版はわずかに強度設定が高いようです。Beginner 9 and 13 week training cycleというプログラムがこのプログラムです。
メインリフトを筋肥大、筋力、ポーズド(スキル練習)の日に分けていて、それぞれの日で徐々に強度を上げていきます。DUP×リニアピリオダイゼーションといった形のプログラムになっています。
スクワットは、筋肥大、筋力の週2回。
ベンチプレスは、筋力、筋肥大、ポーズドの週3回。
デッドリフトは、筋力、ポーズドの週2回。
具体的なメニュー構成は、
DAY1:スクワット(筋肥大)、ベンチプレス(筋力)、ダンベルベンチプレス、ダンベルロウ、デクライン加重腹筋
DAY2:ポーズドデッドリフト、ベンチプレス(筋肥大)、ヒップスラスト、プッシュダウン、ダンベルカール
DAY3:スクワット(筋力)、ラットプルダウン、片手ショルダープレス(ダンベル)、片手オーバーヘッド・トライセップスエクステンション(ダンベル)、EZバーカール
DAY4:デッドリフト(筋力)、ポーズドベンチプレス、レッグプレス、レッグエクステンション
メインリフトは一回のトレーニングで3-7セットくらいです。強度とレップ数の設定を見た感じでは、大部分がRPE6-8で行うセットになっていると思います。
補助種目は10-15レップを2-3セット。
週の種目・部位当たりボリュームを計算してみます。週によって少し変動しますが4週目のメニューから。
スクワット:スクワット10セット(1レップ2セット+8セット)、レッグプレス3セット、レッグエクステンション3セット
ベンチプレス:ベンチプレス14セット(1レップ2セット+12セット)、ダンベルベンチプレス3セット、上腕三頭筋6セット、
デッドリフト:デッドリフト9セット、ヒップスラスト3セット
<コメント>
パワーリフティング向けのプログラムですが、それほど競技に特化していないので趣味でBIG3をする人にも向いています。ボリュームは多めなので、普段運動をしないまったくの初心者が実施するには、体力面で厳しいでしょう。トレーニングに慣れてきた初級者から中級者手前くらいの人に、ちょうどよいプログラムだと思います。もしくは普段からスポーツを行っていて体力があって、本格的にバーベルトレーニングを始める場合ですね。
補助種目はマシン・アイソレートにしてあって、初心者のワークキャパシティを考慮しています。メインリフトは1回3-7セットくらいですが、1レップのトップシングルセットを含めてのセットで、セット全体の追い込み度が高くないので、見た目ほど負担は大きくないと思います。セット数が多いので、フォームを向上させやすいです。そのぶんトレーニング時間が長くなりやすいです。
ベンチプレスとデッドリフトでポーズドを取り入れています。ポーズド種目は、フォーム安定のために効果的です。スクワットでポーズドが無いのは、筋肥大で1回、筋力で1回トレーニングするので、これにポーズドの日を足すとスクワットが週3回になって回復面がきつくなると判断して、入れてないのでしょう。デッドリフトは、筋力1回、ポーズド1回で、筋肥大の日はないです。高レップのデッドリフトは体幹が緩んで腰を痛めやすいですし、体力・回復面でスクワットと競合するため入れなかったと思われます。
ヒップスラストがあるのがいいですね。トレーニングに慣れないうちは、尻の筋肉を使う感覚が掴みにくいです。尻を使えないと、スクワットとデッドリフトを、脚と背中で挙げるフォームになりがちです。アイソレートで尻のトレーニングをすると、尻筋肉を意識しやすくなります。
ハムストリングスも慣れないと力が入れにくいので、余裕があるならレッグカールも足したいです。
肩種目は週1回、片手ショルダープレスを3セットのみなので、見た目のために肩を鍛えたい場合は、肩種目を足したほうが良いでしょう。
全体的によく出来ていると思うのですが、このプログラムの改善点を挙げるとすれば、伸びの速い初級者だと、9週間の間に1RMが結構伸びてしまい後半の重量設定が物足りなくなりそうなことです。○レップできたら想定1RMをアップさせるオートレギュレーション要素を入れるか、5週目のデロード週でRPE9まで実施するセットを行い1RMを算出し直すかすると、より成長速度に合致したプログラムに出来ると思います。
一応、メインリフトは強度に加えてRPEも併記されていて、強度と重量が合わない場合はRPEでオートレギュレーションするみたいなのですが、1レップのセットで「85%もしくはRPE6」「88%もしくはRPE7」といった表記です。1レップでREP6や7は、体感で判断するのはかなり難しいです。
9 Week Intermediate Approach(TSA中級2.0)
以下のサイトのv2.0と同じです。
TSA 9 Week Intermediate Powerlifting Program (v1.0 + v2.0)
https://liftvault.com/programs/powerlifting/tsa-9-week-intermediate-program/
<対象>
中級者
<プログラムタイプ>
DUP×リニアピリオダイゼーション
<特徴>
中級者を対象とした9週間のパワーリフティング向けプログラムです。基本的な構成は、上のBeginner Approachと同じです。
1週目が慣らし、5週目がデロード。メインリフトは最初は70%1RM付近の強度で、そこから徐々に強度を上げていき、最後の方は90%1RM付近の強度になります。9週目に1RM測定。メインリフトを筋肥大、筋力、パワー、ポーズド(スキル練習/筋肥大)の日に分けていて、それぞれの日で徐々に強度を上げていきます。DUP×リニアピリオダイゼーションといった形のプログラムになっています。
(細かい点について。初心者向けの記述だとポーズドがスキル練習、この中級者向けだとポーズドがスキル練習/筋肥大になっているのは、TSAの公式スプレッドシートにそう書かれているため)
スクワットは、筋肥大、筋力の週2回。
ベンチプレスは、筋肥大、パワー、筋力の週3回。
デッドリフトは、筋力、ポーズドの週2回。
具体的なメニュー構成は、
DAY1:スクワット(筋肥大)、ベンチプレス(筋肥大)、クロースグリップベンチプレス、チェストサポートロウ(ダンベル)、バンドプルアパート
DAY2:デッドリフト(筋力)、ベンチプレス(パワー)、ペンドレイロウ、加重バックエクステンション、懸垂
DAY3:スクワット(筋力)、インクラインベンチプレス(ダンベル)、レッグプレス、チェストサポートロウ(ダンベル)
DAY4:ベンチプレス(筋力)、足上げベンチプレス、ポーズドデッドリフト、バーベルロウ、ラットプルダウン(ニュートラルor逆手グリップ)
週の種目・部位当たりボリュームを計算してみます。週によって少し変動しますが4週目のメニューから。
スクワット:スクワット10セット、レッグプレス3セット
ベンチプレス:ベンチプレス13セット(1レップ1セット+12セット)、クロースグリップ3セット、足上げ3セット、インクライン3セット(ダンベル)、
デッドリフト:デッドリフト10セット、加重バックエクステンション3セット
プル・ロウ合計16セット+懸垂35レップ
<コメント>
中級者向けということで、初級者向けプログラムよりもボリュームが少し増えています。また、クロースグリップベンチプレスやベントローといった、体力を消費するけどメインリフトを伸ばしやすいバーベル種目の補助種目があるのが、初心者向けとの違いです。
全体的に見て、とてもよく出来たBIG3のプログラムだと思います。ボリューム、頻度、プログレッション、追い込み度などの変数設定が中級者向けとして良くチューニングされています。プル・ロウ種目は、毎回のトレーニングで何かしらの種目を実施します。プル・ロウは慣れると回復が早いですし、背中の強さはデッドリフトを伸ばすのに必要なので、効果的な方法だと思います。
もし体力と時間に余裕があって種目を足すなら、脚のアイソレート(レッグエクステンション、レッグカール)、腕のアイソレート(カール、エクステンション)、それと肩のプレス種目でしょうか。
バーベルの使用時間が長いので、時間制限がある環境の場合は、BIG3の筋力種目だけバーベルにして、あとはスミスマシン、ダンベル、マシンなどでボリュームを積んで主働筋の筋肥大を狙うと良いと思います。
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