1/29/2023

トレーニングプログラムのレビュー:Bullmastiff


Boostcampアプリに登録されている、バーベルトレーニングが軸のトレーニングプログラムをレビューしていきます。アプリでカテゴリの設定をpowerlifting、powerbuildingにして、出てくるプログラムをレビューしています。

Boostcampについては以下の記事を参考にしてください。

関連記事:トレーニングプログラムのアプリの紹介(boostcamp)

アプリに登録されているプログラムのレビューは、以下の記事にまとめてあります。

関連記事:トレーニングプログラムのレビューまとめ

アプリでプログラムがきちんと動くのかは試していないです。○レップできたら重量アップなどのオートレギュレーション系は、実装が難しそうな感じがしますが・・・

初心者、初級者の用語の使い分けは、始めたてが初心者、少しトレーニングに慣れてきたら初級者と考えています。アプリでは、beginnerとnoviceがあるので、beginnerを初心者、noviceを初級者にしています。


今回レビューするプログラムは、Bullmastiffです。

プログラムの作成者はAlexander Bromleyで、ストロングマンの選手です。トレーニングプログラムに詳しく、YouTubeで色々と解説しています。


Bullmastiff

Bullmastiff
https://www.boostcamp.app/alex-bromley/bullmastiff



<対象>

中級者

<プログラムタイプ>

ブロックピリオダイゼーション

<特徴>

トータル19週間のプログラムで、「9週間の高ボリュームトレーニング」+「9週間のピーキング」+「1週間のデロード・1RM測定」で構成されています。メインリフトは、スクワット、ベンチプレス、デッドリフト、オーバーヘッドプレス(OHP)の4種目で、4種目を同じボリュームでトレーニングします。


プログラムの変数設定を表にしました。強度表記は%1RMです。レップ数の+表示は、最後のセットを限界まで行うという意味です。


メインリフトについてはオートレギュレーションが組み込まれていて、最終セットのプラスセットで実施できたレップ数で、次のトレーニングの重量を調整していきます。

プラスセットで、予定のレップ数をnレップ超過したら、次のトレーニングで使う重量に1RMのn%を加えます。

例を書くと、1RM100kgの設定で、1週目の「6+レップ×4セット@65%1RM」の最終セットで10レップ出来た場合は、4レップ超過です。したがって、次のトレーニングでは、1RMの4%である4kgを足します。2週目のメインリフトの強度設定は65%なので、65kg+4kgで69kgが2週目のメインリフトの重量になります。


1週目~9週目は土台作りのための高ボリュームトレーニングの期間です。3週間が1ブロックで、週ごとに準メインリフトと補助種目のボリュームを増やしていきます。次のブロックでは強度を上げて、一旦ボリュームを少なくしてから、またボリュームを増やしていきます。これを3ブロック、9週間行います。

10週目~18週目は強度を上げながらボリュームを減らしていくピーキングの期間です。これも3週間が1ブロックですが、このフェーズでは最初の週が最もボリュームが多くて、週ごとにボリュームを減らしていきます。ブロック単位でテーパリングを繰り返すイメージです。次のブロックにいくときに強度を上げます。

19週目に、デロードと1RM測定を行います。


前半9週間のメニュー構成です。高ボリュームの準メインリフトと補助種目を行い、土台を大きくする(ワークキャパシティを高め全身の筋肉量を増やしていく)ことを狙っています。

DAY1:メインリフト[スクワット]、準メインリフト[デッドリフト系]、補助種目[ロウ・プル、大腿四頭筋、ハム、腹筋]

DAY2:メインリフト[ベンチプレス]、準メインリフト[OHP系]、補助種目[上腕二頭筋、三頭筋、三角筋後部、ローテーターカフ]

DAY3:メインリフト[デッドリフト]、準メインリフト[スクワット系]、補助種目[ロウ・プル、大腿四頭筋、ハム、腹筋]

DAY4:メインリフト[OHP]、準メインリフト[ベンチプレス系]、補助種目[上腕二頭筋、三頭筋、三角筋後部、ローテーターカフ]


後半9週間のメニュー構成は、準メインリフトを2種目に増やし、補助種目を削減しています。

DAY1:メインリフト[スクワット]、準メインリフト[デッドリフト系]、準メインリフト[スクワット系]、補助種目[ロウ・プル]

DAY2:メインリフト[ベンチプレス]、準メインリフト[OHP系]、準メインリフト[ベンチプレス系]、補助種目[上腕三頭筋、三角筋後部、ローテーターカフ]

DAY3:メインリフト[デッドリフト]、準メインリフト[スクワット系]、準メインリフト[デッドリフト系]、補助種目[ロウ・プル]

DAY4:メインリフト[OHP]、準メインリフト[ベンチプレス系]、準メインリフト[OHP系]、補助種目[上腕三頭筋、三角筋後部、ローテーターカフ]


スクワットの準メインリフトの候補は、フロント、ポーズド、セーフティバー、テンポ、ピンスクワット、バンド・チェーン。

ベンチプレスの準メインリフトの候補は、Spoto Press(バーを胸につけず、胸の数cm上で止めるポーズド)、テンポ、クロースグリップ、ワイドグリップ、フロアプレス、ピンプレス、バンド・チェーン。

デッドリフトの準メインリフトの候補は、RDL、スナッチグリップ、スティッフレッグド、テンポ、ポーズド、スモウ。

OHPの準メインリフトの候補は、テンポ、ピンプレス、ポーズド、バンド・チェーン。



<コメント>

前半9週間は非常に高ボリュームのトレーニングを行います。追い込み度は高くなく、徐々にボリュームを増やして身体が慣れるようにしてありますが、相当体力と回復力がないとキツイと思います。ただ、乗り越えれば土台が大きくなり、伸びしろが増えるでしょう。こういった土台作りにフォーカスした高ボリュームのプログラムは、伸び悩んでいる中級者がステップアップするのにおすすめです(BIG3優先の人は、OHP部分を少なくする調整をしてその分ベンチプレスに集中すると良いと思います)。

デロード週を入れずに弱・中・強で構成するプログラムですが、回復が追いつかない場合は、ブロックとブロックの間に3日間くらいのデロードを入れるとスムーズにいきやすいと思います。

スクワットは、ハイバーで膝と股関節に同じくらい負荷分散するフォームが前提だと思います。ロウバーで股関節メインのフォームだと、股関節伸展のボリュームが多すぎます。

普段OHPをあまりやらない人は、OHPのボリュームが多すぎるので減らしたほうが良いと思います。


後半9週間のピーキングは、期間が少し長いかなと思います。各ブロック3週目の、メインリフト1セット・準メインリフト各2セットの低ボリュームの週はボリュームを減らし過ぎに思えます。高重量を扱う上級者だと身体のダメージ回復の期間が必要なのかもしれませんが、中級者ならもっと詰めて組んで大丈夫だと思います。1ヶ月~1ヶ月半くらいで、ピーキングしていけばいいかなと。

ピーキングの例を書くと、それぞれの強度を1週間ずつで、「80%→83%→87%→90%→75%(テーパー)」の5週間でその後に測定。ボリューム設定は最初が高ボリュームで徐々にボリューム減らしていくのが無難なやり方だと思います。

ボリュームフェーズの疲労が抜けつつ、ボリュームフェーズの適応が残っている間に、筋力の適応を高めたいです。ボリュームフェーズからあまり期間が空きすぎると、ボリュームフェーズの適応が低下していきます。

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