7/12/2024

ブリッジとベタ寝を比較した研究(ベンチプレス)

ブリッジをした場合と、ブリッジをしなかった場合のベンチプレスの1RMや挙上距離を測定した研究です。

Flat-Back vs. Arched-Back Bench Press: Examining the Different Techniques Performed by Power Athletes
https://journals.lww.com/nsca-jscr/fulltext/9900/flat_back_vs__arched_back_bench_press__examining.422.aspx


<研究内容>

被験者:15名(男性13名、女性2名) 平均年齢29歳 体重87.5kg 身長176.8cm 10名がパワーリフター 3名がウェイトリフター 2名が投擲競技の選手 ベンチプレス平均1RMはベタ寝で体重の1.38倍

フォーム:被験者がそれぞれブリッジを組んでベンチプレスをした場合(アーチ)と、ベタ寝でベンチプレスをした場合(フラットバック)の、1RM、挙上距離、挙上速度、筋電位を測定し比較する。

「アーチ」のフォームは、腰を反る、肩甲骨を寄せるくらいしか書かれてないので、たぶん各自がやりやすいやり方で実施しています。

「フラットバック」のフォームは、腰椎をニュートラルします。いわゆるベタ寝ですね。胸椎については記述がありませんが、胸椎もニュートラルだと肩が危ないのでさすがに胸は張っていると思います。

各自やりやすい手幅で行うが、アーチとフラットバックのフォームで手幅は揃える。

両フォームとも、尻はベンチにつける、かかとは床につける。



<結果>

1RMは、アーチがフラットバックを4.2Kg上回った。




%1RMが低いほど、両フォームの挙上距離は長くなる傾向だった。挙上距離はフラットバックの方が長く、両フォームの挙上距離の差は%1RMが高くなるほど小さくなった。
50%1RM 差47 mm 
70%1RM 差40 mm 
90%1RM 差28 mm



挙上速度は、%1RMが低くなるとフラットバックのほうが高い傾向だった。



筋電位は、大胸筋の活動レベルは同等だった。


上腕三頭筋はアーチのほうが活動レベルが高い傾向だった。


コメント

ブリッジを組むと、平均で1RMが4.2kg向上するという結果になりました。被験者のベタ寝1RMが121kgなので、ブリッジをすることで1RMが3.5%向上したことになります。柔軟性があって高いブリッジを組める人だともっと向上するでしょうし、ブリッジを組むのが苦手な人だとベタ寝とあまり変わらないでしょう。

挙上距離は、%1RMが低いほど両方のフォームで挙上距離が長くなって、その差も広がっています。全力で挙上するようにと指示しているので、重量が軽いほど勢いがついて肩が前に出やすく、挙上距離が長くなったと考えられます。
 
挙上速度は、フラットバックは挙上距離が長いため加速しやすく、その分速度も出やすかったと考えられます。

大胸筋の活動レベルは両フォームで同等でしたが、上腕三頭筋はアーチのほうが活動レベルが高い傾向でした。フラットバックのフォームだと、三角筋に負荷が分散しやすいのかもしれません。

2 件のコメント:

  1. いつも勉強になります。 
    関係の無い内容で恐縮ですが、BIG3を軸としたトレーニングプログラムの考え方の書籍の販売を是非お願いします。

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  2. コメントありがとうございます!

    書籍というと、紙の本ということでしょうか?
    電子書籍(KDP)から紙の本を作るのは出版コストがかかるので、販売価格はおそらく2000円を超えますが、それでもよろしければ。

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