関節の安定性のためには、
・筋肉の「伸長ポジション」で強い負荷がかかる種目
・筋肉の「短縮ポジション」で強い負荷がかかる種目
両方ともやったほうが良いと、最近考えています。
「筋肉が伸長されたポジションで強い負荷がかかる種目のほうが筋肥大効果が高い」というのが、今の科学界のトレンドですが、伸長されたポジションでのトレーニングばかりやると、関節がゆるくなりやすい感じがします。特に、ストレッチを効かせようとすると、器用な人だと意図的に関節を緩めて可動域を広げようとします。
短縮ポジションでもトレーニングすることで、関節がハマって安定しやすくなる感じがします。
具体的には、
<股関節(ハムケツ)>
・伸長ポジション:スクワット、レッグプレス、デッドリフト系の種目
・短縮ポジション:ヒップスラスト、ヒップリフト、ライイングレッグカール(ハム二関節筋)
<膝関節(大腿四頭筋)>
・伸長ポジション:スクワット、レッグプレス系の種目
・短縮ポジション:レッグエクステンション
<肘関節(上腕三頭筋)>
・伸長ポジション:フレンチプレス系の種目
・短縮ポジション:プッシュダウン系の種目
短縮ポジションで負荷をかける種目では、以下のポイントを意識するといい感じになると思います。
・トップポジションで筋肉を絞り上げるように収縮させる。
・重量は軽め、最低でも10レップはできる重量で行う。重いと、トップポジションで絞り上げられない。
・コンセントリックは最速にしない。軽めで最速だと、慣性でトップ付近での負荷が抜ける。伸長ポジションで負荷をかける種目は、コンセントリック最速を意識するとボトム付近(伸長ポジション)での負荷が上がるから良いけど、短縮ポジションで負荷をかける種目はトップ付近で負荷が抜けないようにしたい。
・関節は過伸展しないようにする。伸ばしきりから数度前で止めて絞り上げるのが良いかも。
そちらの7/13/2016の記事で、筋節の付着様式(直列or並列)に触れてましたね。
返信削除環境に合わせて筋肉の長さは調整される、と。
トレーニングも環境の内である以上、伸長ポジションでの筋肥大効果には、筋の自然長の増大が混同されていると、私は疑っています。
筋体積=筋繊維本数×筋繊維長
ならば、伸長ポジションに合わせた筋自然長の調整が終わったら、普通ポジションに対する伸長ポジショントレーニングによる筋肥大効果の上乗せは、無くなるかと。
冒頭に書くべきものを書き忘れました。
削除「関節がゆるくなりやすい感じがする」のは、筋の自然長が伸びて、関節を固定するポジションでの筋力を発揮し辛くなったからかと。
私の気づかなかった視点からのコメントありがとうございます。
削除膝の伸展動作の研究だと、可動域を広く取ったほうが外側広筋の膝寄りの部位が発達しやすくなることが報告されています。どのくらい筋肉を伸ばしてトレーニングするかによって、適応に何らかの形質的な変化の違いがあって、それが関節の安定性に影響している可能性がありますね(外側広筋だと、膝の腱付近の筋肉が特に強く伸長されて肥大しやすいとか)。
コメントありがとうございます!
返信削除伸長ポジションでのトレーニングによる筋肥大の上乗せ効果に限度があるというのは面白い視点だと思います。
筋肉の断面積や厚みの測定で、伸長ポジションでのトレーニングによる筋肥大効果の優位性が示されていることから、個人的には、伸長ポジション筋トレでの筋肥大は並列方向の一般的な筋肥大だと考えていますが、A-11さんがおっしゃるように筋繊維が長くなっている可能性もありますね。関節屈曲・筋肉伸長ポジションで筋肉が長くなってから、測定の際に関節を伸ばすことで、細長い水風船が短縮されて太くなるようにして筋肉の断面積が増加している可能性も否定できません。