9/18/2025

フィットネス競技の各部門の選手の部位別セット数を調べた研究

Quantification of weekly strength-training volume per muscle group in competitive physique athletes
https://www.frontiersin.org/journals/sports-and-active-living/articles/10.3389/fspor.2025.1536360/full#B3

フィットネス競技の各部門の選手にアンケートを取り、部位ごとのセット数をオフシーズンとコンテスト前に分けて調べています。有酸素運動についても調べていますが、あまり面白くないので割愛します(コンテスト前になると有酸素運動がやや増えるといった普通の結果)。

各部門の競技選手が、各部位に対してどのくらいのボリューム(週間セット数)をこなしているのか、水準感がわかって興味深いです。全体的な傾向として、(当然と言えば当然ですが)その部門で重視される部位のセット数が多いです。回答数が少ない部門は個人差の影響が大きく、部門全体のトレーニング傾向を反映していない可能性があります。



<調査方法>
オンラインアンケート
調査期間は2020年4月から12月


<回答のあった部門>


選手の参加している競技団体
• International Federation of Body Building and Fitness – São Paulo (IFBB SP): 1 athlete
• São Paulo Fisiculturismo e Fitness (SPFF): 19 athletes
• National Physique Committee PRO LEAGUE (NPC): 85 athletes
• International Federation of BodyBuilding and Fitness ELITE PRO (IFBB ELITE PRO): 39 athletes
• National Amateur Bodybuilders’ Association (NABBA): 1 athlete
• World Beauty Fitness & Fashion (WBFF): 2 athletes
• World Beauty Fitness & Fashion Professional (WBFF PRO): 1 athlete
• World Fitness Federation (WFF): 1 athlete
• Other affiliations: 5 athletes

PEDs使用の有無について調べてみましたが、NPCはIFBBプロの下部組織なのでPEDs前提ですかね。IFBBエリートプロは薬物禁止を掲げているけど、出場選手の仕上がりを見ると怪しい・・・という声が。


各部門の特徴と週間ボリュームのグラフ


各部門の選手画像は、以下の動画から引用しています。部門の解説文については、フィギュア以外は、論文に書かれている内容を訳しています。

動画:Choosing Your Bodybuilding Class | Men and Women
https://www.youtube.com/watch?v=DxHM-VQcow0



<Classic Physique/Bodybuilding Classic>


クラシックフィジークおよびボディビルディングクラシックは、1970~80年代のボディビルディングスタイルを再現することが目的で、がっしりした筋肉量、シンメトリーのライン、そして「X」型の美しさ、つまり細いウエスト、広い肩幅、よく発達した脚を見せつつ、プロポーションとデフィニションを維持する必要がある。ただし、身長に比例した体重制限が設けられている。筋肉の密度、セパレーション、そして極限のコンディショニングが強く重視される。マスターやシニアなどの年齢別カテゴリーでは、基準は主要部門と類似しているが、引き締まったウエストラインへの要求は低く、年齢に伴うコンディショニング水準の期待値に応じて調整が加えられる。







<Master/Senior>
論文中にマスターとシニアの定義が見つけられなかったが、クラシックフィジークおよびボディビルディングクラシックの段落で言及されているので、これらの競技の年齢別カテゴリー(中年、高年)だと思われる。






<Men's Physique>


メンズ・フィジークでは、「V」型の見た目を特徴とする、胸・背中・腹部の発達を重視したアスリート的で美しさに優れた肉体を実現することが目標となる。選手はボードショーツを着用するため脚部の評価は厳しくない。ただ、ふくらはぎが同点決着の判断基準となる場合がある。




<Bikini>


ビキニフィットネスは筋肉量の要求が最も低いカテゴリーであり、自然な曲線美、ほのかな筋肉の輪郭、細いウエスト、引き締まった臀部を重視し、顕著な筋肉のセパレーションは求められない。






<Figure>


フィギュアは、ボリュームのある筋肉と低い体脂肪率が求められる。フィギュアの選手は、広背筋から生まれる美しい逆三角形のラインと、よく発達した肩の筋肉を持っている必要がある。




<Wellness> 


ウェルネスでは、下半身の発達に明確な焦点が当てられる。くっきりとした臀筋、大腿四頭筋、ハムストリングスを特徴とし、下半身に対して上半身の筋肉量は控えめになる。筋肉のデフィニションはビキニ部門よりも顕著だが、極端な血管の浮きや筋肉の硬さはない。




<Women's Physique>


ウィメンズ・フィジークでは、筋肉の基準がより高くなる。目標は、顕著な除脂肪量、鋭いデフィニション、シンメトリー、そして身体のコントロールを備えた肉体となる。







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