筋トレで筋肥大とストレングス向上を目指す場合に、レップ速度・挙上テンポをどのくらいにすれば良いのか、研究をもとに書いていきます。
先に簡単な結論を書くと、
・コンセントリック局面は、なるべく速く挙げたほうが筋肥大でもストレングスでも効果的。
・エキセントリック局面は、筋肥大目的の場合は2-4秒程度。挙上距離が短い場合や、ストレングス目的の場合は1-2秒でもOK。
・フリーウェイトやマシンを利用できて、関節に不安のない健康な人にとっては、スロトレは特にメリットがなく、普通の筋トレをやったほうが良い。
・TUT(筋肉にテンションがかかっている合計時間)よりも、トレーニングボリューム(筋肉が伸長と短縮を繰り返した数)を優先したほうが良い。
メタアナリシスとレビュー論文
レップ速度・挙上テンポが筋肥大とストレングスに与える影響を調べた研究についてのメタアナリシスとレビュー論文は4つあります。(1)(2)(3)(4)
結果のばらつきもあるのですが、内容をざっくりまとめると、・1レップ10秒以上といった遅すぎるテンポでのトレーニングは筋肥大効果が低下しやすい。極端に遅くしなければ、筋肥大にはそこまで大きな差はない。
・1レップ2-5秒程度の普通の筋トレで行われるレップ速度の範囲だと、筋肥大の研究結果にばらつきがある(速いほうが良かったり遅いほうが良かったり)。
・コンセントリックは速いほうがいい。筋肥大でもストレングスでも。
これらのメタアナリシスやレビュー研究で取り上げられている個別の研究を見ていくと、負荷が50%1RMだったり80%1RMだったり、追い込み度が限界までだったりRPE5程度の軽いものだったり、コンセントリックとエキセントリックの両方のレップ速度を変えてグループ間で比較していたり、エキセントリックのみ変えて比較していたり、コンセントリックのみ変えて比較していたり、種目も上半身や下半身やマシンやフリーウェイトだったり、筋肥大の測定方法も超音波で筋肉の厚み測定だったりDEXAやBOD podで体組成を測定だったりと研究デザインがバラバラです。(筋トレ関係のメタアナリシスやシステマティックレビューは、研究デザインがバラバラで合わせて10個にも満たない数の研究を強引にまとめて分析しているものが多いです。質の高い個別研究を探すのには便利なのですが・・・)
これらのメタアナリシスとレビュー論文ではわからない部分、抜け落ちている部分があるので、個別研究のトレーニング方法を、いくつかのカテゴリに分けて見ていきます。(個別研究は一番下の参考文献に載せています。各研究の概略も書いています)
<スーパースロトレ>
あまり重くない重量(50%1RM程度)で、1レップ10秒以上かかるようなトレーニング。限界レップまでおこなう。数十年前からあるやり方みたいです。慣性の影響をできるだけ減らして筋肉に負荷をかけたり、筋肉に負荷がかかる時間(TUT:Time Under Tension)を長くしたりするのが狙い。
<スロトレ>
あまり重くない重量(50%1RM程度)で片道3-4秒程度(1レップ6-8秒程度)、負荷を抜かずに行う。スクワットや腕立て伏せだったらトップポジションで関節を伸ばしきらず筋肉のテンションを維持したまま次のレップに入る。限界レップまでおこなう。代謝ストレス狙い。石井直方教授の系譜ですかね。
<普通の筋トレ>
70-85%1RM程度の負荷で、1レップ2-5秒程度。追い込みは高く、限界レップまで行う研究が多い。
<パワートレーニング>
40-70%1RM程度の負荷で、挙上を爆発的に行う。追い込み度は低く、限界レップ数の半分程度にすることが多い。
<疲れない筋トレ(重量が重くなく、追い込み度が低い)>
パワートレーニングやスロトレと同等の負荷・レップ数で、普通の筋トレと同じくらいのレップ速度で行う筋トレ。実践で行われることはあまり無い。他のトレーニング方法との比較のために研究では行われているが、筋肉があまり疲れないので効果も低い。
スーパースロトレの研究
筋肥大については、体組成変化を調べた研究が多いですが(5)(6)(7)(8)、測定精度の問題もあって結果が一貫していません(下の関連記事参考)。筋肉を直接調べたものでは、筋繊維の断面積を調べた研究が1つあり、その研究(7)では普通の筋トレがスーパースロトレよりも筋肥大している傾向でした。ストレングスについては、複数の研究で普通の筋トレが良い結果です。
関連記事:体脂肪率の測定関連記事:筋肥大研究の見方
スロトレの研究
2つの研究(9)(10)があり、普通の筋トレとスロトレとで筋肉の断面積や厚みを調べた筋肥大測定で同等という結果になっています。ストレングスについては、普通の筋トレのほうが伸びやすいという結果です。
留意点は、2つの研究とも全種目マシントレーニングなこと。体幹に負荷がかかるバックスクワットなどのフリーウェイト種目でスロトレだと、体幹や心肺が主働筋よりも先にギブアップして、マシンほど効果が出ないと思います。
それと比較対象の普通の筋トレのエキセントリックが1秒で、短すぎる可能性もあります。移動距離の長い種目で1秒下ろしだと、エキセントリック局面であまり負荷が乗らず筋肥大しにくいと思われます。
あとは・・・研究は2つともスロトレで商売をしている人たちによるものです。
コンセントリック速度を変化させて比較(エキセントリック速度は同じ)
コンセントリック速度を変化させて、筋肥大やストレングスへの効果を調べた研究の多くは、パワートレーニングと、疲れない筋トレの比較になっています(11)(12)(13)。パワートレーニングのように50%1RM程度の重くない重量でトレーニングするなら、なるべく速く挙上したほうが良いでしょう。速い、正確には加速度が大きいということは、筋肉の発揮する力が大きい(F=ma)ということなので、筋肉により強い刺激がはいります。
ただ、パワートレーニングは趣味の筋トレではあまり行われませんし、パワートレーニングと普通の筋トレだったら、普通の筋トレのほうが筋肥大効果は高いと思います。
遅いグループも速いグループも比較的重たい重量で限界まで(8-12RM)おこなった研究(14)では、筋肥大にもストレングスにも差が出ていません(筋肥大は傾向としては速いグループがやや有利かなといった程度)。
実践面では、最速意識でフォームがおかしくなって怪我をしては逆効果なので、フォームが乱れたり、バランスを崩したりしない範囲で行うと良いと思います。
あと、85%1RM以上といった重量になってくると、挙上スピードをコントロールしている余裕はなくなってきて、全力で挙げるしかなくなってきます。
エキセントリック速度を変化させて比較(コンセントリック同じ)
マシンや単関節種目だと、エキセントリック2-4秒の範囲なら、筋肥大効果はほぼ変わらないと考えられます(17)。エキセントリック1秒だと、挙上距離が短い種目以外では自由落下に近くなって筋肉に負荷が乗りにくく、筋肥大効果が低下しやすいです。プリーチャーカールの研究では、エキセントリック1秒グループは4秒グループに比べて筋肥大もストレングスも効果が低くなっています(15)。また、下ろすのが速すぎると関節への負担も大きくなりやすいです。
筋トレに慣れていない人の場合、レッグエクステンションやレッグプレスで、筋肉を固くし関節をつっぱらせて、腱の弾性エネルギーを使って、速い動きでやっているケースがあります。初心者の人は、エキセントリック3-5秒、ボトムで2-3秒静止すると、筋肉を使う感覚を得やすいと思います(ボトムはレッグプレスだったら膝が曲がった状態、ロウ・プルだったら引ききった状態)。慣れている人も、ウォームアップセットでエキセントリックを遅くし、ボトムで静止するセット(エキセントリックゆっくり目からのポーズドスクワットやポーズドベンチプレス)を組み込んでおくとフォームが安定しやすいと思います。
コンパウンド種目はスクワットの研究(16)が1つあって、エキセントリック2秒と4秒で筋肥大に差が無いという結果になっています。ストレングスについてはエキセントリック2秒のほうが伸びました。トータルのレップ数はエキセントリック2秒のほうが35%多かったので、長期的には筋肥大でも差がつくかもしれません。
研究では有意差なしとなりましたが、フリーウェイトのコンパウンド種目は、レップ速度があまりに遅いとスタビライザーの細かい筋肉が疲れたり、心肺が先にきつくなったりして、トレーニングボリュームが低下しやすく、主動筋の筋肥大につながりにくいと思います。
エキセントリックゆっくり目は関節に優しいというメリットがあるので、関節に不安がある場合は、エキセントリック速度を2-4秒の範囲で何パターンか試してみて、関節に負担がかかりにくくて、トレーニングボリュームが低下しにくい速度を探っていくと良いと思います。
ストレングスについては、腱と筋肉の弾性エネルギーをうまく利用する技術も必要なので、ある程度速く下ろしたほうが良いと思います。蓄えた弾性エネルギーは、時間経過とともに失われていきます。ただ、1秒以内という速すぎるエキセントリック、例えばプライオメトリクスの速度でエキセントリックを下ろしていくと、バーベルを乗せた状態では負荷が強すぎて関節を壊すでしょうから、それはやらないほうがいいと思います。
筋肉の負荷を抜かない範囲でスッと下ろして、一気に挙げるのがストレングス面では効果的です。パワーリフターやベンチプレッサーの下ろし速度が、おそらくストレングス面では最適化されているので、パワーリフターやベンチプレッサーの動画を見て、下ろし速度のイメージを掴んでおくと良いかと思います。エキセントリックにかかる時間は、おおよそベンチプレスが1.0-1.5秒程度、スクワットが1.5-2.0秒程度だと思います。
関連記事:伸長短縮サイクルの話
まとめ
コンセントリック局面では、余裕のある重量ならなるべく速く挙げたほうが筋肥大でもストレングスでも効果的です。ただ、爆発的挙上の優位性を示す研究の多くは、50%1RM程度の軽い重量で限界レップ数の半分程度の追い込み度です。おそらくは、70%1RM以上の重量、追い込み度は限界まで3レップ以内、といった普通の筋トレなら、2-3秒かけて「よいしょっ」と挙げても、爆発的挙上の意識で「ふんはっ!」と挙げても、あまり差はつかないと思います。最速意識でフォームがおかしくなって怪我をしては逆効果なので、フォームが乱れたり、バランスを崩したりしない範囲で行うと良いと思います。
エキセントリック局面は、筋肥大目的の場合は基本は2-4秒程度が良いでしょう。マシントレーニングや単関節種目だと遅め(4秒付近)でもトレーニングボリュームが低下しにくいと思います。遅めのエキセントリックは、筋肉に負荷を感じやすかったり、関節の負担を軽くしたりといったメリットがあるので、マシントレーニングや単関節種目ではエキセントリック遅めも良い選択肢だと思います。
フリーウェイトのコンパウンド種目は、エキセントリック遅め(4秒付近)だとトレーニングボリュームが低下しやすいので、関節に不安が無いなら速め(2秒付近)が良いと思います。挙上距離が短い場合や、ストレングス目的の場合は1-2秒でもOKです。
スロトレ(とスーパースロトレ)については、フリーウェイトやマシンを利用できて、健康な人にとっては、特にメリットがなく、普通の筋トレをやったほうが良いです。1セットの時間が短い普通の筋トレのほうがメンタル面で楽ですし、ストレングスも普通の筋トレのほうが伸びやすいです。筋肥大は、3ヶ月といった実験期間ではスロトレと普通の筋トレで同等という結果ですが、普通の筋トレのエキセントリックが1秒で短すぎた可能性があります。
それと現実の筋トレ状況を見てみると、ボディビルでもパワーリフティングでも、トップレベルの選手は重たいウェイトを使った普通の筋トレを続けることで、遺伝的限界近くまで筋肥大しています。おそらく、スロトレのみを年単位で続けてムッキムキになった人はいないと思います。
フリーウェイトやマシンへのアクセスが難しくて漸進的過負荷が行いにくかったり、関節の状態があまり良くなかったり、血圧を上げたくなかったりする場合は、スロトレは良い選択肢だと思います。
TUT(筋肉にテンションがかかっている合計時間)については、トレーニングボリューム(筋肉が伸長と短縮を繰り返した数)を、TUTよりも優先したほうが良いと思います。アイソメトリックトレーニングでも筋肥大はするので、TUTのトレーニング効果はゼロではないと思いますが、同じ疲労コストを払うなら、トレーニングボリュームを優先したほうが筋肥大効果は高いと思います。
<参考文献>
(1)Effect of Repetition Duration During Resistance Training on Muscle Hypertrophy: A Systematic Review and Meta-Analysis
https://www.researchgate.net/publication/271533635_Effect_of_Repetition_Duration_During_Resistance_Training_on_Muscle_Hypertrophy_A_Systematic_Review_and_Meta-Analysis
(2)Effect of movement velocity during resistance training on muscle-specific hypertrophy: A systematic review
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29431597/
(3)Effect of Movement Velocity During Resistance Training on Dynamic Muscular Strength: A Systematic Review and Meta-Analysis
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28105573/
(4)The Influence of Movement Tempo During Resistance Training on Muscular Strength and Hypertrophy Responses: A Review
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8310485/
(5)Early-Phase Adaptations of Traditional-Speed vs. Superslow Resistance Training on Strength and Aerobic Capacity in Sedentary Individuals
https://paulogentil.com/pdf/Early-Phase%20Adaptations%20of%20Traditional-Speed%20vs.%20Superslow.pdf
被験者 19-45歳の女性 トレーニング経験なし
種目:レッグプレス レッグカール レッグエクステンション Torso Arm(ラットプルダウンに近い動き) ベンチプレス シーテッドロー バイセップスカール トライセップスエクステンション
期間:10週間
重量・レップ数:8-12RM
グループ分け:
スーパースロトレ:コンセントリック10秒エキセントリック5秒 50%1RM
普通の筋トレ:コンセントリック2秒エキセントリック4秒 80%1RM
結果:BOD Podで体組成を測定。グループ間で変化に有意差なし(BOD Podは測定精度が低い)
ストレングスは普通の筋トレのほうが伸びた
(6)INFLUENCE OF CONTRACTION VELOCITY IN UNTRAINED INDIVIDUALS OVER THE INITIAL EARLY PHASE OF RESISTANCE TRAINING
https://paulogentil.com/pdf/Influence%20of%20Contraction%20Velocity%20in%20Untrained%20Individuals%20Over%20the%20Initial%20Early%20Phase%20of%20Resistance%20Training%20%28super-slow%29.pdf
被験者:若い男女
種目 ベンチプレス、バイセップスカール、トライセップスエクステンション、レッグエクステンション、レッグカール、スクワット、アップライトロー
期間:8週間
レップ数:6-8レップ
グループ分け:
スーパースロトレ:コンセントリック10秒エキセントリック5秒 50%1RM
普通の筋トレ:コンセントリック2秒エキセントリック4秒 80%1RM
結果:DEXAで体組成を測定。除脂肪体重変化に差なし(両グループとも実験前後変化で有意差でなかった)。ストレングス(スクワット1RM)は普通の筋トレのほうが伸びた。
(7)Early-phase muscular adaptations in response to slow-speed versus traditional resistance-training regimens
https://www.researchgate.net/publication/221826352_Early-phase_muscular_adaptations_in_response_to_slow-speed_versus_traditional_resistance-training_regimens
被験者:トレーニング歴なし 若い女性
種目:レッグプレス、スクワット、レッグエクステンション
期間:6週間
グループ分け:
スーパースロトレ:コンセントリック10秒エキセントリック4秒 40-60%1RM 6-10RM
普通の筋トレ:コンセントリック1-2秒エキセントリック1-2秒 80%1RM 6-10RM
高レップトレ:コンセントリック1-2秒エキセントリック1-2秒 40-60%1RM 20-30RM
結果:外側広筋の筋肉組織を採取して筋繊維の断面積を測定。普通の筋トレ+38.8% スーパースロトレ+10.6%(グループ間で有意差なし)。高レップトレは数値は増えているが実験前後で有意差なし。
(8)Comparison of early phase adaptations for traditional strength and endurance, and low velocity resistance training programs in college-aged women.
https://journals.lww.com/nsca-jscr/Fulltext/2008/01000/Comparison_of_Early_Phase_Adaptations_for.18.aspx
被験者:トレーニング歴なし 若い女性
種目:レッグプレス、スクワット、レッグエクステンション
期間:6週間
グループ分け:
スーパースロトレ:コンセントリック10秒エキセントリック4秒 40-60%1RM 6-10RM
普通の筋トレ:コンセントリック1-2秒エキセントリック1-2秒 80%1RM 6-10RM
高レップトレ:コンセントリック1-2秒エキセントリック1-2秒 40-60%1RM 20-30RM
結果:BOD PODで体組成を測定。普通トレとスロトレで同じくらいで、高レップトレが除脂肪量増加・体脂肪量減少の面でもっとも良かった。(7)研究と同じ実験だと思われる。(7)の研究では体組成は皮脂厚測定で出していて、普通トレが最も良い変化だった。
ストレングスは普通トレがもっとも伸びた。
(9)Effects of low-intensity resistance exercise with slow movement and tonic force generation on muscular function in young men
https://journals.physiology.org/doi/full/10.1152/japplphysiol.00741.2005?rfr_dat=cr_pub++0pubmed&url_ver=Z39.88-2003&rfr_id=ori%3Arid%3Acrossref.org
被験者:若い男性 トレーニング歴なし
種目:ニーエクステンション
期間:12週間
グループ分け:
スロトレ:約50%1RM 8RM エキセントリック3秒 コンセントリック3秒 レップ間1秒停止
普通の筋トレ:約80%1RM 8RM エキセントリック1秒 コンセントリック1秒 レップ間1秒リラックス
疲れない筋トレ:約50%1RM 8レップ エキセントリック1秒 コンセントリック1秒 レップ間1秒リラックス
結果:筋肥大は、膝伸展筋の断面積を測定。スロトレが+5.4% 普通トレが+4.3%(グループ間で有意差なし) 疲れない筋トレは実験前後で有意差なし
ストレングスは、普通トレ>スロトレ>疲れない筋トレ
(10)Effects of Whole-Body Low-Intensity Resistance Training With Slow Movement and Tonic Force Generation on Muscular Size and Strength in Young Men
https://www.researchgate.net/publication/23446054_Effects_of_Whole-Body_Low-Intensity_Resistance_Training_With_Slow_Movement_and_Tonic_Force_Generation_on_Muscular_Size_and_Strength_in_Young_Men
被験者:若い男性 トレーニング歴なし
種目:(全てマシン使用)バーティカルスクワット、チェストプレス、アブドミナルベンド、バックエクステンション、ラットプルダウン
期間:13週間
重量・レップ数:8RM
スロトレ:約55-60%1RM エキセントリック3秒 コンセントリック3秒 レップ間でテンション抜かない
普通の筋トレ:約80-90%1RM エキセントリック1秒 コンセントリック1秒 レップ間1秒リラックス
結果:筋肥大は筋肉の厚みと除脂肪体重(DEXA)を測定し、グループ間で有意差なし。傾向としては普通トレのほうが良い。筋肉の厚み+9.1%と+6.8%、除脂肪量+1.8kgと+1.4kg。
ストレングスは、普通トレが+41.2% スロトレが+33.0%(5種目合計)
(11)レジスタンストレーニングにおける高速度運動が筋横断面積および運動速度 に及ぼす影響
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm1949/45/2/45_2_345/_pdf/-char/ja
被験者:トレーニング歴なし 男女
種目:プリーチャーカール 肘屈曲角度140°-90°(フルレンジではない)
重量・レップ数:50%1RM 10レップ(両グループ共通)
コンセントリック速い:エキセントリック2秒 コンセントリック最速
コンセントリック遅い:エキセントリック2秒 コンセントリック2秒
結果:上腕屈筋群の断面積で筋肥大を測定。コンセントリック最速グループのほうが筋肥大した(最速+14.2%、遅い+11.2%)
(12)Effects of power training on muscle thickness of older men
https://www.researchgate.net/publication/23986697_Effects_of_Power_Training_on_Muscle_Thickness_of_Older_Men
被験者:非活動的な高齢者
種目:レッグプレス、レッグエクステンション、レッグカール、チェストプレス、シーテッドロー、トライセプスエクステンション、アームカール(全てマシン使用)
重量・レップ数:40-60%1RM 8-10レップ(両グループ共通)
コンセントリック速い:エキセントリック2-3秒 コンセントリック最速(およそ1秒)
コンセントリック遅い:エキセントリック2-3秒 コンセントリック2-3秒
結果:大腿直筋と上腕二頭筋の厚み(超音波)で筋肥大を測定。両方ともコンセントリック最速のほうが良かった
大腿直筋は、コンセントリック最速+11.3%(実験前後で有意差あり)、コンセントリック2-3秒+5.5%(実験前後で有意差なし)
上腕二頭筋は、コンセントリック最速+14.3%、コンセントリック2-3秒+6.7%(実験前後で両方とも有意差あり、グループ間で有意差あり)
(13)Maximal intended velocity training induces greater gains in bench press performance than deliberately slower half-velocity training
https://www.researchgate.net/publication/261739488_Maximal_intended_velocity_training_induces_greater_gains_in_bench_press_performance_than_deliberately_slower_half-velocity_training
被験者:トレーニング歴ありの若い男性
種目:ベンチプレス(スミスマシン)
重量・レップ数:60%1RM-80%1RM(60%1RMのときは6-8レップ、70%のときは5-6レップ、80%1RMのときは2-3レップと追い込み度は低い)
コンセントリック最速:エキセントリックはコントロールしながら下ろす(0.3-0.5m/s) コンセントリック最速
コンセントリック遅い:エキセントリックはコントロールしながら下ろす(0.3-0.5m/s) コンセントリック最大速度の半分の速度
結果:筋肥大は測定していない。ストレングスはコンセントリック最速のほうが伸びた(最速+18.2、遅い+9.7%)
(14)The effect of voluntary effort to influence speed of contraction on strength, muscular power, and hypertro-
phy development
https://www.academia.edu/31311901/The_Effect_of_Voluntary_Effort_to_Influence_Speed_of_Contraction_on_Strength_Muscular_Power_and_Hypertrophy_Development
被験者:若い男性 トレーニング歴なし
種目:ハーフスクワット
重量・レップ数:8-12RM
コンセントリック速い:エキセントリックゆっくり コンセントリック速く(主観)
コンセントリック遅い:エキセントリックゆっくり コンセントリックゆっくり(主観)
結果:周径と超音波での厚みで筋肥大を測定。両グループ間で有意差なし(上げ速くのほうが若干良い傾向)。ストレングス(ハーフスクワット1RM)差なし。
(15)Resistance training with slow speed of movement is better for hypertrophy and muscle strength gains than fast speed of movement.
https://www.researchgate.net/publication/305676699_Resistance_training_with_slow_speed_of_movement_is_better_for_hypertrophy_and_muscle_strength_gains_than_fast_speed_of_movement
被験者:トレーニング経験あり
種目:プリーチャーカール
期間:12週間
重量・レップ数:8RM
グループ分け:
エキセントリック速い:エキセントリック1秒 コンセントリック1秒
エキセントリック遅い:エキセントリック4秒 コンセントリック1秒
結果:上腕二頭筋断面積で筋肥大を測定。エキセントリック4秒のほうが良かった(4秒+16.6%、1秒+6.3%)
ストレングスもエキセントリック4秒のほうが上(4秒+33.4%、1秒+19.0%)
1秒で上げ下ろしすると、下ろしが自由落下に近くなってエキセントリックで筋肉にテンションがかかりにくい、腱に弾性エネルギー溜めて反動で上げる形になりやすい。それと肘痛めそう・・・
(16)Effects of Prolonging Eccentric Phase Duration in Parallel Back-Squat Training to Momentary Failure on Muscle Cross-Sectional Area, Squat One Repetition Maximum, and Performance Tests in University Soccer Players.
https://www.semanticscholar.org/paper/Effects-of-Prolonging-Eccentric-Phase-Duration-in-Shibata-Takizawa/6de9ba35055690499650cd4aaba82a7215619fde
被験者:サッカー選手
種目:バックスクワット
期間:6週間(短いので筋肥大に差がでにくい)
重量・レップ数:75%1RM 限界まで
グループ分け:
エキセントリック速い:エキセントリック2秒 コンセントリック2秒
エキセントリック遅い:エキセントリック4秒 コンセントリック2秒
結果:筋肥大(太腿断面積)は差なし。スクワット1RMはエキセントリック2秒のほうが伸びた(2秒+18.5%、4秒+10.5%)
トータルのレップ数はエキセントリック2秒のほうが35%多かった。
トータルのTUTは、エキセントリック4秒のほうが13%多かった。
(17)Effect of different eccentric tempos on hypertrophy and strength of the lower limbs
https://www.termedia.pl/Effect-of-different-eccentric-tempos-on-hypertrophy-and-strength-of-the-lower-limbs,78,43851,0,1.html
被験者:トレーニング歴なし 若い男女 被験者内の右脚・左脚でグループ分け
種目:レッグエクステンション
期間:8週間
重量:70%1RM 限界まで
グループ分け:
エキセントリック速い:エキセントリック2秒 コンセントリック1秒
エキセントリック遅い:エキセントリック4秒 コンセントリック1秒
結果:大腿四頭筋の厚みで筋肥大を測定。大腿四頭筋全体の厚みはグループ間で有意差なし(2秒+17.0% 4秒+20.7%)
エキセントリック4秒は内側広筋の筋肥大が2秒より良かった。
ストレングスはグループ間で有意差なし。
トータルのレップ数は2秒のほうが2.6%多かった
トータルのTUTは4秒のほうが95%多かった
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