12/16/2022

レジスタンストレーニングの頻度による筋力への影響を調べた研究

メタアナリシスで、頻度を上げると筋力も伸びやすくなるかを調べています。分析対象の研究の数は22で、そのうちトレーニング歴ありの被験者を対象とした研究は3つです。

Effect of Resistance Training Frequency on Gains in Muscular Strength: A Systematic Review and Meta-Analysis
https://www.researchgate.net/publication/323348254_Effect_of_Resistance_Training_Frequency_on_Gains_in_Muscular_Strength_A_Systematic_Review_and_Meta-Analysis

 

レジスタンストレーニングによる筋力向上の要素には大きく以下の3つがあって、

<筋肥大>
筋肉が太くなった。

<神経系の適応>
神経-筋肉が強い力を出すのが上手くなった。

<スキル向上>
フォームが良くなった。複数の筋肉を協調させて強い力を発揮するのが上手くなった。


アームカールやレッグエクステンションといった単関節種目だと、スキル向上の影響は小さくて、筋肥大と神経系の適応がメインになります。

スクワットやベンチプレスといった複合関節種目だと、スキル向上の影響が大きくなってきます。

12/08/2022

X-PLOSIONのホエイ年末セール(1kgあたり税込2167円)

安いです。

【年内限定特別セット】【2kg ミルクチョコ・抹茶・フルーツオレの3点セット】100%ナチュラルホエイプロテイン【2kg】

https://store.x-plosion.jp/shopdetail/000000000430/


ホエイ価格(ドル建て)の推移を見ると、足元ではピーク時よりも4割以上安くなっていて、2021年より安い水準ですが、ドル円が上がっているので、恒常的な値下げはなかなか難しそうです。


Dry Whey, US

https://www.clal.it/en/index.php?section=dry_whey



12/02/2022

ジョン・ハークはG.O.A.T.か?


G.O.A.T.は Greatest of All Time の略で、史上最も偉大な選手という意味です。ジョン・ハークは最も偉大なのパワーリフターなのか? 今回の記事ではそれを考察していきます。

パワーリフティング界でG.O.A.T.としてまず名前を挙げられるのが、エド・コーンです。

エド・コーンは、1980年代半ばから1990年代後半にかけて100kg級や110kg級でパワーリフティング界のトップとして君臨し続け、71回も世界記録を更新しました。

ジョン・ハークは2016年にIPF(国際パワーリフティング連盟)で83kg級でトップになったあとIPFを去り、薬物黙認の大会に出るようになりました。現在は90kg級と100kg級の世界記録保持者です。

パワーリフティングもボディビルと同様に、薬物検査有りで薬物禁止の団体と、薬物検査無しで薬物黙認の団体があります。IPFは薬物禁止です。

ジョン・ハークのIPF離脱の経緯についてはこちらの記事にくわしく書いてあります。お金の面もあるでしょうけど、自分がどこまでいけるか試してみたいといった内容を語っている動画を見たことがあるので、そういった気持もあったのでしょう。

【IPFを去った二人の若きチャンピオンとパワーリフティングの未来について】
http://mbcpower.web.fc2.com/17.09.11.html

11/11/2022

ベンチプレスのレップ数が増える呼吸法

一言で言うと、ハイパーベンチレーションを使います。ハイパーベンチレーションは、速いペースで深く息を吸って吐くのを繰り返す呼吸法で、素潜りの時間を伸ばすのに使われます。

素潜りでは、ハイパーベンチレーションを行うことで血液中の二酸化炭素濃度を低下させ、これにより脳が息苦しいと感じるタイミングを後ろにずらし、長く潜っていられるようになります。取り込む酸素の量が増えて長く潜れるようになるのではなくて、息苦しさを感じにくくなることで長く潜れるようになります(やりすぎると水中で酸素不足になって意識消失して死亡するケースもあります)。

筋トレでハイパーベンチレーションを使う場合の想定効果は、血液中の二酸化炭素濃度を低下させることで血液と筋肉をアルカリ性に傾け、無酸素解糖系で発生する水素イオンによる酸性化を緩衝することで疲労を遅らせ、中・高レップのセットの最大レップ数を増やします。水素イオンによる酸性化の緩衝作用の点では、ベータアラニンや重曹や水素水と同じです。

疲労について詳しく知りたい方は、関連記事を参考に。

関連記事:疲労のメカニズム

関連記事:水素水の運動パフォーマンスへの効果


10/22/2022

PEDs問題

アナボリックステロイドなどのPEDsについての話です。


PEDsは、Performanc Enhancing Drugsの略で、運動パフォーマンス向上効果のある薬物のことです。具体的には、アナボリックステロイド、IGF1、成長ホルモン、インスリン、EPOなど、いわゆるドーピングに使われる薬物です。

筋トレ業界だと、アナボリックステロイドが代表的な薬物ですが、ステロイド以外にも多くの薬物が使用されるので、PEDsという言葉を使っていきます。


10/14/2022

ベンチプレスの握りが簡単に決まる小技


まず初めに、感情線のあたりに指先を押し付けながら、中指、薬指、小指を握ります。



小指側がやや下がるように握ります。


9/22/2022

電子書籍「BIG3を軸としたトレーニングプログラムの考え方」リリース!


スクワット、ベンチプレス、デッドリフトを中心としたトレーニングプログラムの組み方について書きました。BIG3のプログラムを説明したものだと、世界最高の出来栄えと言って良いでしょう(自画自賛)。


BIG3を軸としたトレーニングプログラムの考え方
https://www.amazon.co.jp/dp/B0BG1VQ2SF

 

トレーニングプログラム関連の解説だと、推しの自作プログラムや販売プログラムを持つ人が書いていることが多いので、そのプログラム中心の考えになりがちなのですが、私は特に推しプログラムはないので、フラットな視点で書いています。


本書ではプログラムの考え方を中心に書いているのですが、中級者向けのオーソドックスな4種類のプログラム

・ブロック・ピリオダイゼーション
・リニア・ピリオダイゼーション
・レイヤー型プログラム
・DUP型プログラム

については、具体的なメニュー構成と変数設定を含んだサンプルプログラムを載せているので、そのまま使うことも出来ます。

元のブログ記事の時点でかなり練って書いたので、わりとそのまま使っているところも多いです。内容を修正したところもあります。全体のうち、8割がブログ記事がベースで、2割が加筆といった感じです。なのでまあ、ブログ記事を読めばある程度は事足ります・・・。

関連記事:BIG3を軸としたトレーニングプログラムの考え方1回目:3つのモデル

関連記事:BIG3を軸としたトレーニングプログラムの考え方2回目:実際のトレーニングプログラム

関連記事:BIG3を軸としたトレーニングプログラムの考え方3回目:トレーニング変数の調整

関連記事:BIG3を軸としたトレーニングプログラムの考え方4回目:PDCA



想定ターゲットは、初心者~中級者くらいの人で、BIG3を中心にトレーニングをしている人です。

スマホのKindleアプリで読みやすいように調整しているので、パソコンやタブレットで読むと図表がやや大きいかもしれません。


なにか質問があればコメント欄にお願いします!


参考までに目次を。

8/05/2022

ホエイプロテインの値上がり


 

普段、エクスプロージョンのホエイプロテイン(WPC)を購入しているのですが、本日大幅に値上がりしました。

フレーバ有りで、3kgが6477円→8748円です。
 

他のメーカーのプロテイン価格を見ても、ホエイは1kgあたり3000円の時代になっています。ちょっと前は、1kgあたり2000円くらいで買えたのに・・・。


それで、まだ安いプロテインが無いかな~と探してみたところ、Amazonで売っているボディウィングのホエイプロテインが、3kgで6690円と安かったです。おそらくこれも在庫が無くなれば大幅値上げになりそうな感じがするので、ホエイプロテインの消費量が多い人は買いだめしておくと良いかもしれません(買い占め転売はしないでくださいね)。フレーバー無しだと、同じくボディウィングのグラスフェッドホエイ800g×3が4990円(2.08円/g)で安いです。

ちなみにボディウィングのフレーバー有りホエイは薄味で、個人的にはエクスプロージョンのほうが美味しいです。

他に安いプロテインを売っているところがあれば教えてください!


4/14/2022

BIG3を軸としたトレーニングプログラムの考え方4回目:PDCA

関連記事:BIG3を軸としたトレーニングプログラムの考え方1回目:3つのモデル

関連記事:BIG3を軸としたトレーニングプログラムの考え方2回目:実際のトレーニングプログラム

関連記事:BIG3を軸としたトレーニングプログラムの考え方3回目:トレーニング変数の調整

初心者のプログラムは、1回目の記事に書いたように、リニアプログレッション(緩やかなリニアプログレッション含む)でシンプルにやっていくのが良いと思います。

ここでは中級者向けのプログラムをどう作り、実行していくかを書いていきます。


望ましいトレーニングプログラム

望ましいトレーニングプログラムがどのような要素を含むか。

・重量とボリュームの漸進的過負荷 
筋肥大と筋力アップを続けようとするなら、長期的(数ヶ月~数年単位)に見て重量とボリュームを少しずつ増やしていくのが必須になります。

既存のプログラムは3,4週間といった短期でも、リニア型やウェーブ型で重量やボリュームをアップさせていくものが多いです。短期で重量やボリュームを増やしていくことが、筋肥大と筋力アップにどこまで効果があるのかわからないですが、実際にプログラムを実施することを考えると、単純に右肩上がりで強弱をつけるとプログラムがシンプルになりますし、疲労管理もやりやすくなります。


・回復
回復を入れないと適応が起こらないので、プログラムに回復を組み込むのは必須です。


・目的とする適応の種類の明確化
漫然とトレーニングを行うのではなく、どの適応(筋力、筋肥大、ワークキャパシティ)を目的としてトレーニングを行うのか明確にしたほうが効果が出やすくなります。


・新たな刺激を与え続ける
重量、ボリューム、レップレンジ、種目のバリエーションなど、同じトレーニングを続けていると同じところに留まり続けます。


・高強度×高ボリュームはNG
85%1RM以上といった高強度の重量で、高ボリュームのトレーニングを行うと、多くの人は回復が追いつかなくなります。また関節への負担も大きく、怪我をしやすいです。高強度なら低ボリュームにしたほうが良いですし、高ボリュームなら低強度にしたほうが良いです。


・キツイ週をずっと続けない
高強度の週をずっと続けない、高ボリュームの週をずっと続けない。回復のキャパシティを超えやすくなったり、同じことを続けることで停滞しやすくなります。



3/04/2022

BIG3を軸としたトレーニングプログラムの考え方3回目:トレーニング変数の調整

関連記事:BIG3を軸としたトレーニングプログラムの考え方1回目:3つのモデル

関連記事:BIG3を軸としたトレーニングプログラムの考え方2回目:実際のトレーニングプログラム



初心者・中級者の定義

初心者と中級者で変数調整の目安が変わってくるので、初心者と中級者の定義を書いておきます。

初心者は、リニアプログレッション(緩やかなリニアプログレッションを含む)で伸びる人。

中級者は、リニアプログレッションでは伸びなくなった人。

体重比の挙上重量で、初心者、中級者を分けるやり方もありますが、筋力の個人差は非常に大きいです。

筋力が弱い体質で、挙上重量が中級者レベルに達してなくてもリニアプログレッションで伸びなくなったら、中級者向けのプログラムに切り替えたほうが良いです。そうしないといつまでも停滞したままです。

逆に、筋力が強い体質で、中級者レベルの挙上重量になっても低ボリュームのリニアプログレッションで伸び続けるなら、リニアプログレッションをやり続けたほうがいいです。

例えばこの記事で、Greg Nuckolsが自分の経験について書いているのですが、本格的にバーベルトレーニングを開始した時点で、ベンチプレス125kg、デッドリフト192.5kgでした。体重は77kgより少し下くらい。年齢は14歳か15歳だと思います。体重比の挙上重量だと上級者レベルですが、経験値や伸びしろは初心者です。

 

2/09/2022

BIG3を軸としたトレーニングプログラムの考え方2回目:実際のトレーニングプログラム

前回の記事:BIG3を軸としたトレーニングプログラムの考え方1回目:3つのモデル 


実際のトレーニングプログラムを例に挙げながら、シンプルなプログラムから複雑なプログラムへの移行を説明します。


リニア・プログレッション

初心者向けのプログラムで、トレーニングセッションごとに重量を少しずつ増やし、直線的に負荷を上げていくトレーニングプログラムです。直線的に(リニア)、進歩(プログレッション)していくという意味です。リニア・ピリオダイゼーションと混同しやすいので注意です。ピリオダイゼーションは、期分けという意味です。

トレーニング初心者は小さい刺激で大きな反応を得られるため、毎回のように重量を増やしていくことが可能です。

実際のトレーニングプログラムを見ていきます。

◆The Starting Strength Novice Program◆
週3回トレーニングで、トレーニング間隔を最低1日は空けます(例えば月水金)。毎回スクワットとベンチプレス(もしくはOHP:オーバーヘッドプレス)を5レップ×3セット実施。デッドリフトは5レップ×1セットで、最初は毎回ですが、回復を確保するため途中から頻度を下げていきます。重量は毎回増やします。


The Starting Strength Program
https://startingstrength.com/get-started/programs



◆StrongLifts 5×5◆
週3回トレーニングで、トレーニング間隔を最低1日は空けます(例えば月水金)。ワークアウトAとBを交互に実施。重量は毎回増やします。


StrongLifts 5×5: Get Stronger Lifting Weights 3×/Week
https://stronglifts.com/5x5/



◆GreySkull LP◆
上の2つのプログラムと同様に5レップのセットが基本ですが、限界まで行うセットが含まれているのと、重量の伸びが止まったら重量を下げて再スタートするのが特徴です。


GreySkull LP Isn’t Good, It’s Great
https://www.powerliftingtowin.com/greyskull-lp/


ここからが長いです。

   ↓

1/27/2022

BIG3を軸としたトレーニングプログラムの考え方1回目:3つのモデル

スクワット、ベンチプレス、デッドリフトといったバーベル種目を軸としたトレーニングプログラムについて何回かに分けて書いていきます。想定ターゲットは、初心者~中級者くらいで、特に素質に恵まれているわけではない普通の人です。

トレーニングプログラムとトレーニングメニューの違いについては、私のイメージだと

トレーニングプログラム:何らかの目標に向かって、強度(%RM)、セット数、レップ数、追い込み度などのトレーニング変数を調整していくもの。

トレーニングメニュー:トレーニング種目の組み合わせ。

なのですが、プログラムを組むのにもメニューを組むのにも、相互の影響を考慮しないといけないので、プログラムとメニューの境界を明確にするのは難しいと思います。とりあえずこの記事では、上記の定義のイメージで、プログラムとメニューという単語を使っていきたいと思います。

1/18/2022

スクワットのしゃがみの練習方法

自重スクワットやゴブレットスクワットだとスムーズにしゃがめるけど、バーベルを肩に担いでバックスクワットをすると、スムーズにしゃがめなかったり、バットウィンクが起きやすかったりする場合の練習方法です。

普段から身体を動かしていて、股関節のモビリティが十分な人向けの内容なので、股関節のモビリティが足りなくてしゃがむのが苦手な場合は、関連記事を参考にしてください。

関連記事:股関節のストレッチ・ウォームアップ

練習は大きく分けて2つあって、体幹を固める練習、しゃがみの練習です。


1/12/2022

スクワットのバーの担ぎ方再考

私は、ロウバースクワットは肩甲骨を強く寄せて、背中をガチガチに固めて担ぐものだと思っていて、以前は自分でもそうやっていました。下の画像が実例で、Mark Rippetoe のスターティングストレングスに書かれているようなやり方です。ただこのやり方は肩周りが窮屈で肘や肩に負担がかかる感じがするので、ここ数年はずっとハイバーでスクワットしています。


動画:筋トレ:スターティングストレングス・プログラムによるローバースクワット
https://www.youtube.com/watch?v=4nXeRHYVHGo


ハイバーに変えてから、姿勢のことなど色々と学んでいって、上のようなロウバーのフォームで肩甲骨を強く寄せて胸椎を伸展しながらスクワットすることは機能的な身体動作なのだろうか? と疑問が燻ってしました。ハイバーだと肩甲骨を強く寄せる必要はないですし、胸椎を伸展する必要もないです。ゴブレットスクワットや、セーフティスクワットバーでのスクワットでも同様です。

最近、ロウバーの担ぎ方を調べ直して、ロウバースクワットのパワーリフターでも肩甲骨を強く寄せず、胸椎も伸展しないフォームの人がいるのがわかって、ロウバーもハイバーと同じ姿勢でやっていいとスッキリしたので、今回の記事を書くことにしました。体幹、姿勢、身体機能の基本モデルが、ハイバーでもロウバーでも共通で使えるのがスッキリポイントです。


1/07/2022

スクワットやデッドリフトでの視線について

スクワットやデッドリフトの時に見る方向(視線)は、体幹の姿勢を崩さなければやりやすい方向でOKです。一般的には水平くらいか、やや斜め下が多いと思います。あまり首を反らして上を見ると、体幹の姿勢が崩れやすいですし、首に負担がかかりやすくなるので、極端に反らすのはやめたほうがいいかなと思います。視線を斜め下にすると重心が前に移動して前のめりになりやすい場合は、首を少しだけ反らしたり、目だけ上に動かすと良いと思います(上目遣い)。

首は体幹の背骨部分(胸椎と腰椎)ほどシビアなコントロールは要求されないので、ニュートラルを中心にある程度は動かしても大丈夫でしょう。デッドリフトだとかなり目線を上にする人もいます(逆に視線をかなり下にする人もいます)。


本題は、どこを見るかではなく、どうやって見るかです。ジムではパワーラックの前に鏡が置いていることが多いと思いますが、スクワットやデッドリフトの際に、鏡越しに自分の身体の一点やフォームを凝視したりせず、ぼーっと前を見て動作をすると、意識が身体の内部に向かい、身体をどう動かしているかを感じやすくなり、フォームやバランスが安定します。

パワーリフターの動画を見ると、遠い目をしながらスクワットやデッドリフトをしていますが、あんな感じの目です。

動画:Russel Orhii - 1st Place 841kg *WR Total* - 83kg Class 2021 IPF World Open Classic
https://www.youtube.com/watch?v=Kf03kexddpw


動画:John Haack 5 Weeks Out from Hybrid Showdown Meet
https://www.youtube.com/watch?v=AvpexkeFlnY


視覚情報に頼りがちな人は、目を瞑ってゆっくりと自重スクワットやゴブレットスクワットをしてみると、身体の内部の感覚を使いやすくなります。

ベンチプレスについては、視線は真上か、そこからやや足元寄りくらいが基本ですが、これもバーを凝視せず、天井をぼーっと見ると良いでしょう。


1/05/2022

「科学的に正しい◯◯」に対するモヤモヤ

筋トレ界隈で見かけることがある、「科学的に正しい」「科学的に証明された」「科学的根拠に基づく」といった記事や動画について思うことをいくつか。

「科学的に正しい◯◯」といった記事や動画は、論文をいくつか引っ張ってきて、それをそのまま実践に適用しているパターンが多いです。


論文を読む能力の不足や、個人差の考慮の不足など気になる点はいくつかありますが、内容自体は大雑把なガイドラインとして使うにはおそらく問題ないものが多いと思います(最高、最強、最効率とか言い出すと怪しくなってきますが)。私が引っかかるのは、「科学的」という言葉の使い方です。エビデンスを人体の取扱説明書みたいに考えて、実験結果をそのまま実践に適用しようとするやり方は、科学的ではないなと。

ついでに書くと、「解剖学」をそのまま筋トレの実践に適用しているケースも、「決め付き過ぎでは?」「他の部位との連動や全体の動きが見えていないのでは?」と感じることが多いです。これも自分の中で解剖学を使ってモデルを作って、全体像を組み上げた上で、それぞれのケースに適用していったほうがいいと思います。