11/28/2015

食事回数と量の配分


身体のメカニズムを理解し、フレキシブルに食事を組み立てられるようになると、ストレスを軽減できて良いです。


★食事頻度
1日1食や1日20食といった極端なことをやらない限りは、体組成への影響に違いはない。従って、その人の生活スタイルや一日の総摂取量に合わせて、食事頻度と一回あたりの食事量を決めると良い。

小柄な女性など身体の小さい人の場合、一日の総カロリーが少ないため、食事回数を増やすと一回あたりの食事量が極端に少なくなる。一回あたりがあまりに少ないと食事構成を考えるのも大変だし、食事による満足感を得にくくなる。食事回数は1日3回程度が良いだろう。お腹が空いて気分が不安定になる場合は軽食を入れると良い。




運動量の多いアスリートの場合、食事回数が少ないと一回の食事量が多すぎて食べるのが困難になり、トレーニングにも支障が出る。例えば1日5000~10000kcalを3食だと1食あたりの食事量が膨大になる。従って軽食を交えつつ量を確保できるようにする。




★各食事のカロリー配分

[維持カロリー]
摂取カロリー=消費カロリーの場合。

・各食事が等しいカロリー
一般的な生活スタイルだとこんな感じだろう。図中の赤がタンパク質、黄色が脂質、灰色が炭水化物。肝グリコーゲン残量と血中アミノ酸濃度のイメージ図も付記してある。後述するが、ダイエットの際になるべく筋肉を残し体脂肪を減らすには、肝グリコーゲン残量と血中アミノ酸濃度を意識することが重要になる。




[アンダーカロリー]
維持カロリーから20%程度カロリーカットしてダイエットする場合。

・夕食を少なくするパターン
「寝る前に食べると太る」という迷信から、このやり方をやってる人も多いと思う。この食事パターンだと、食事間隔の空く夕食から朝食の間に肝グリコーゲン残量が尽き、アミノ酸供給も途絶える。そうすると筋分解で得たアミノ酸をグルコースに転換する活動が活発になり、これにより筋肉の分解が合成を上回りやすくなり、筋肉の量が減っていく。




・夕食を多くするパターン
図では夕食を少なくするパターンよりもタンパク質摂取量を多くしてあるのであんまりフェアな比較ではないんだけど、夕食にタンパク質と炭水化物をしっかり摂取することで、筋分解を抑制することが出来る。



・夕食を多くすることの長所
- ダイエット中でもお腹が満たされた状態で眠りにつける。空腹だと寝にくいし、睡眠不足になるとコルチゾールレベルが上がり、ダイエットにも健康にも良くない。
- ダイエット中でも家族や友人と同じ食事を食べることが出来、社会性の維持が可能。
- 高齢者の場合、骨格筋がアナボリック抵抗性を持つようになるので、各食事均等に食べるよりも一食にタンパク質摂取を集中させたほうが筋肉の維持につながる。



[ウェイトトレーニングをする場合]

トレーニングの前後にしっかり栄養が供給されるようにするのが基本。夜にトレーニングする場合は、夕食を多く食べる。



リーンゲインズのようなIntermittent Fastingは、夜にトレーニングをする生活スタイルと相性が良い。私はやったことないけど朝か昼にトレーニングをやって夜にFastingの時間がくると辛いと思う。



ダイエット+ウェイトトレーニングの場合は、全体的にタンパク質摂取量を増やして、炭水化物と脂質を減らす。ウェイトトレーニング後は筋グリコーゲンが回復しやすいのでこのタイミングで多めに食べると良い。筋グリコーゲンは激しい運動をしなければ数日はもつので、シビアに減量する場合は、ウェイトトレーニング後に炭水化物摂取で筋グリコーゲン回復させて、他の食事では炭水化物と脂質をカットし、次のウェイトトレーニングで前回補充した筋グリコーゲンを使ってトレーニングする。



★留意点
摂食障害の経歴がある人は、食事量を変動させるのは避けたほうが良い。各食事が等しいカロリーにするのが無難。


参考サイト:
Meal Frequency and Meal Patterning Part 1 – Book Excerpt