12/24/2016

セット間インターバルの決め方

筋肥大を目的としたウェイトトレーニングにおいてはセットの間にどれくらい休むと良いか。

以前の研究で、8-12レップのトレーニングでは休憩時間が長い方が2セット目以降に十分に回復できるのでトータルのトレーニングボリュームが多くなって、筋肥大効果が高いという結果が出た。最新の研究では、軽い重量(40%1RM)・高レップのいわゆるパンプトレーニングでも、短い休憩時間(30秒)よりも長い休憩時間(2分半)の方がトレーニングボリュームが多くなって筋肥大効果が高い傾向があったという結果が出ている。

セット間休憩を短くすることでアナボリックホルモンがドバドバでて筋肥大に効果的というホルモン仮説は、現在では否定されつつある。

筋肥大に重要なのは、トータルのトレーニングボリューム。セット間のインターバルは、トータルのトレーニングボリュームを稼げるかどうかという観点から決めるのが良い。

参考記事:筋肥大トレの推奨ボリューム

一般的にトレーニングボリュームは、重量×セット数×レップ数で表される。

ボリュームの話も細かく考えると複雑で、限界近くまでやるのと限界にほど遠いところ(例えば10RMの重量で5レップとか)で止めるのとでは、トータルボリュームを同じにしても前者の方が筋肥大効果は大きいだろう。また例えば80%1RMの重量と40%1RMの重量で同じセット数を限界レップまでやった場合は、40%1RMの方がボリュームは稼げるだろうけど、現状のエビデンスからは筋肥大効果は同程度だと思われる。フルレンジとパーシャルだとパーシャルの方がボリュームは増やせるだろうけど、筋肥大効果が高くなるかというとそうではないだろう。とまあ細かいことを考えだしたらきりがないのだけど、大雑把なボリュームの指標としては、重量×セット数×レップ数で良いと思う。軽い重量でレップ数が多い場合は、セット数で管理すると良いと思う。


セット間インターバルに話を戻すと、休憩時間が短すぎると次のセット開始時にあまり回復しておらず、レップ数もしくは重量がガクンと落ちる。つまりトレーニングボリュームが低下する。

どうやってインターバルを決めればよいかというと、次のセット以降にボリュームが大幅に低下しない程度に回復できるだけ休む。2セット目以降にレップ数もしくは重量が少しずつ落ちていくのは仕方がないが、例えば12RMくらいの重量で10レップ前後を3セットやるつもりが、2セット目が6レップとかになるのは落ちすぎだろう。

どの程度休めば回復するかは種目によって違うし、個人の回復力、扱う重量、フォーム、各セットの追い込み度合いによっても異なるだろう。

一般的には、デッドリフトやスクワットなど全身に強い負荷がかかるフリーウェイトのコンパウンド種目は長めのインターバル(3分~5分程度)を取る。重量が増えるほど回復にも時間がかかるだろう。

フォームによっても必要な回復時間は異なるかもしれない。デッドリフトで腰の位置が高いフォームだと体幹に強い負荷がかかるので、そうではないフォームよりも回復に時間がかかるかもしれない。私はこのフォームだけど、デッドリフトでは脚と尻の筋肉と心肺が先に回復して、体幹の回復に時間がかかる。

単関節種目は短めのインターバル(1分~2分程度)で良いだろう。スーパーセット法(拮抗筋同士を交互にトレーニングする)で行うと時間短縮できる。

インターバルを短くすると代謝ストレスが上がりそれだけ筋肥大効果が高くなることが期待されるので、トレーニングのボリュームを減らさない範囲で、なるべく休憩時間を短くするのを目指すのも良いだろう。時間節約にもなる。

12/10/2016

ボディメイクガイド

トレーニングと栄養の項目については、大幅に加筆修正して書籍にまとめました。

電子書籍「ボディメイクガイド」リリース!

身体の使い方については、以下の記事にまとめました。

身体の使い方ガイド



★はじめに
1. 目標設定
時間・労力と成果の曲線を考える。他の多くの分野と同じように、ボディメイクにおいても収穫逓減の法則が働く。高いレベルを目指すほど、多大な時間・労力が必要になる。メディアなどでムキムキボディを披露している人は、もともと遺伝子に恵まれている上に莫大な時間と労力をつぎこんでいる。100%の成果を目指すのはそれで飯を食っている人、もしくは時間と体力に余裕がある人に限られる。自分がどれだけの時間と労力を使い、何%程度の成果を目指すのかを決める。

 2. 優先順位と重み付け
土台となる基本的な事柄を優先的してボディメイクを行うのが効率的。100点満点のテストで80点を取るには、マニアックな事柄を覚えるよりも基本的な事柄を覚えたほうが効率が良いのと同じ。ダイエットや筋トレに関してメディアではマニアックな事柄がフォーカスされることが多いけど、もっと基本的な事柄を意識した方が楽に大きなリターンを得られる。

3. ボディメイクプログラムの調整
優先順位と重み付けを意識してトレーニングと栄養管理を行っていく。ボディメイクプログラムは、その時点の自分に合ったものになるよう調整していく。アスリートやボディビルダーの真似をしても空回りするだけ。


★トレーニングと栄養の要素
本記事では、トレーニングと栄養の各要素を、重要度順にAランク、Bランク、Cランクに分ける。
トレーニング日が週に2回で、成果60%を目指す場合はAランクをしっかりやる。
トレーニング日が週に3,4回で、成果80%を目指す場合はAとBランクをしっかりやる。
トレーニング日が週に5,6回で、成果100%を目指す場合はAからCランクまで全部きっちりやる。
(ただし上半身のみ、下半身のみといった感じで鍛える部位を限定するなら、もっと少ないトレーニング頻度で100%を目指せる。)

わかりやすさのためにトレーニング回数と%の数字とランク分けは個人的な感覚で書いています。わかりやすさのためには犠牲にしないといけないものもある。

****************トレーニング****************




★★★トレーニングAランク★★★
◆筋肉への適切な負荷、良いフォーム
筋肉の発達には、まず筋肉に適切な負荷をかける必要がある。例えばレッグプレスマシンで膝をつっぱらせてガチャコンガチャコンやってる人をよく見るけど、そうやっても関節を痛めつけるだけだろう。筋肉の腹(筋肉の中央付近の膨らんでいるあたり)に負荷をかけるイメージで行うと良い。関節をつっぱったり、ダンベルを振り回したりしない。

フリーウェイトのコンパウンドは良いフォームでやればだいたい効くと思う。BIG3のやり方は一応以前に書いたけど、詳しくはstrengtheoryの記事を見るのが良いと思う。

BIG3に共通することだが、脚で生み出した力を上半身に乗っかっているバーベルに伝えるのに重要なのは、腹圧を高めて体幹を安定させることと、臀筋と広背筋に力を入れること。

参考記事:筋トレでの腹圧の高め方・体幹の固め方

参考記事:スクワットの基本ポイント

参考記事:butt winkの話

参考記事:スクワットの深さ

参考記事:怪我をしにくいベンチプレスのやり方

参考記事:ベンチプレスの基本ポイント

参考記事:ベンチプレスのバーの軌道

参考記事:ベンチプレスの肘の位置

参考記事:ベンチプレスの背中のアーチ

参考記事:デッドリフトのやり方

参考記事:デッドリフトにおける広背筋の重要性

参考記事: ロウ・プルのやり方

以下はstrengtheoryの記事へのリンク

How to Squat: The Definitive Guide

How to Bench: The Definitive Guide

How to Deadlift: The Definitive Guide

参考記事:ショルダープレス
 
最初から良いフォームで出来る可能性は低いので、慣れるまでは以下に気をつける。徐々に理想のフォームに近づけていけば良い。
- 関節や筋肉に痛みや違和感を感じたらすぐに止める。
- 5レップ以下しかできない重量では行わない。高重量はフォームが悪いと怪我のリスクが高くなる。男性はすぐに高重量でトレーニングしたがるけど、怪我をしたらトレーニングが出来なくなるばかりでなく日常生活にも支障が出る。
- ベンチプレスやスクワットなどフリーウェイトのコンパウンド種目は、フォームが崩れる限界まではやらない。限界までやらなくても十分な刺激が入るし、筋肉を追い込みたかったらマシンやアイソレートで追い込めば良い。そもそもコンパウンド種目で主に働く筋肉全てが同時に限界を迎えることはなく、通常はボトルネックになる筋肉が限界を迎えて、他の筋肉には余力がある状態で動作を続けられなくなる。だからフリーウェイトで限界までやったとしても、ボトルネック以外の筋肉は限界まで使われていない。


◆継続してトレーニングを行うこと
効果が表れるまでは継続してトレーニングを行う必要がある。

参考記事:ボディメイクの継続


◆漸進的過負荷
長期的には重量もトレーニングボリュームも増やしていく。身体は適応すべき刺激に対して適応する。身体が慣れたら、さらなる適応のためには刺激のレベルを上げる必要がある。じきに重量とボリュームを同時に上げられなくなるので、そうしたらピリオダイゼーションを考える。

参考記事:筋肥大トレの推奨ボリューム

参考記事:筋肥大トレの推奨ボリューム2

参考記事:効果が頭打ちになるトレーニングボリュームの研究


☆★★トレーニングBランク★★☆

◆疲労の管理
漸進的過負荷を続けていると、さらなる向上に必要な重量とボリュームが増えてくる。トレーニングをこなし回復するためのワークキャパシティも増加するが、じきに追いつかなくなる。疲労が蓄積すると、さらなる向上をもたらすだけのトレーニングが行えなくなる。疲労の管理が必要。

フリーウェイトのコンパウンドでは、動作を分割して全身疲労がたまらないようにする。デッドリフトやスクワットはそれだけで必要なボリュームをこなそうとすると全身疲労がきつくなる。動作を股関節の伸展、膝関節の伸展、背中の姿勢の維持に分解し、それらの動作を補助種目として行うことで、全身疲労を抑えながら筋肉に必要なボリュームを与えることが出来る。

トレーニング部位を分割する、トレーニングを軽くする期間を入れる、といったピリオダイゼーションを使うのも効果的。

参考記事:プラトー打破とピリオダイゼーション


◆追い込み度合い
フリーウェイトのコンパウンド種目は、限界まであと1レップ~3レップできる程度で止めるのが良い。全部セット限界までやろうとすると、2セット目以降のボリュームが落ちてトータルのボリュームを確保しにくく、また全身疲労が溜まりやすい、フォームが崩れて怪我しやすい、といったデメリットがある。ただ、たまには1RM、または3レップや5レップをどの重量まで出来るかといった測定を行うのもモチベーションの維持につながって良い。

参考記事:各セット限界まで追い込むべきか
 

◆ストレス
仕事が忙しくて睡眠不足、私生活に問題が起こって精神的なストレスがきついといった状況では身体がトレーニングのストレスに耐えられる許容量が低下する。このような状況で無理にハードトレーニングを行うと、苦しいだけで良い結果が出せなくなる。現状維持に必要な労力は、向上に必要な労力に比べて大幅に少なく済むので、ストレスがきつい時期は現状維持を目指すのが良い選択だろう。
減量時もトレーニングに対する許容量が低下するので、トレーニングボリュームを減らすのが良い。 重量はなるべく落とさない方が良いだろう。

参考記事:筋力と筋量の維持に必要なトレーニング量


◆エクササイズ種目の選択
初心者は種目を絞ってフォームを覚えるのを優先する。本格派を目指して段階的に種目を追加していくとしたら、
1) BIG3
2) 1)+ショルダープレス、ラットプルダウン、ローイング、腹筋群
3) 2)+BIG3の補助種目
4) 3)+腕と脚のカール/エクステンション

BIG3の補助種目は、インクラインベンチプレス、レッグプレス、ルーマニアンデッドリフトなど。大筋群を多角的に補完的に鍛える種目。コンパウンド種目では骨格やその人の筋力バランスによって負荷がかかりやすい筋肉とかかりにくい筋肉があるので、補助種目はそれを補完できるものを選択すると良い。

参考記事:骨格によるフォームの違い

見た目の面では以上のような感じで全身の大きな筋肉を鍛えられると思う。ただ、個人的には、身体のバランスを取って怪我を予防し、良い姿勢になるための補助エクササイズも行うのが良いと思う。

参考記事:バランスの取れたトレーニング種目の選択-メカニズム編-

参考記事:バランスの取れたトレーニング種目の選択-エクササイズ編-

参考記事:プッシュとプルのバランス

ヒップスラストを組み込むのも推奨。臀筋は下半身と上半身をつなぐ要の働きをする。
参考記事:ヒップスラストのやり方


☆☆★トレーニングCランク★☆☆
◆レップレンジ
ボディメイク目的の場合は、1セット6-12レップ程度で行うのが良い。どのレップ数でも限界近くまで行えば筋肥大は起こるが、疲労や怪我リスクを抑えつつトータルのボリュームを稼ぎやすいのは6-12レップ。一般的には、コンパウンドは6-8レップ程度がやりやすく、アイソレートは8-12レップ程度がやりやすいと思う。高みを目指すには、低レップも高レップも行うのが良いだろう。

参考記事:筋肥大トレのピリオダイゼーション


◆種目の実施順序
そのトレーニングセッションの最初の方にやる部位が効果が高い傾向がある。フレッシュな状態で取り組める。特に鍛えたい部位がある場合は、その種目を最初に行う。バランスを重視するなら、例えば上半身の日に胸側からやったら次回は背中側から、下半身の日に腿の前側からやったら次回は腿の後ろ側や尻から、といった感じで行うとバランスがとれる。ジムが混んでるなどの制約がある場合も工夫をすることで効果的なトレーニングを行うことが出来る。

参考記事:フレキシブルなトレーニングプログラムの組み立て方


◆頻度
回復ペースにもよるが一般的には各筋肉部位あたり週に2回が良いだろう。
- トレーニング日が週2回なら、各日とも全身をトレーニング。
- トレーニング日が週4回なら、上半身を2回、下半身を2回に分割。

参考記事:部位あたり週に何回トレーニングすべきか


◆セット間インターバル
参考記事:セット間インターバルの決め方


◆挙上テンポ、動作範囲(フルレンジかパーシャルか)
参考記事:筋肥大トレの変数調整

参考記事:レップ速度・挙上テンポが筋肥大とストレングスに与える影響

参考記事: パーシャルとフルレンジの筋肥大効果の比較

 

****************栄養****************




★★★栄養Aランク★★★
◆カロリー収支
体重の増減は基本的にはカロリー収支で決まる。
消費カロリー>摂取カロリーなら、マイナス分のカロリーが体脂肪がそれ以外の身体組織の燃焼により賄われ体重が減る。
消費カロリー<摂取カロリーなら、プラス分のカロリーが体脂肪かそれ以外の身体組織として蓄積され体重が増える。
ただ、運動をしたほうが食欲をコントロールしやすいと考えられるので、運動を積極的に行うのが良い。

参考記事:ダイエットの原則

参考記事:ダイエット方法の評価軸

参考記事:栄養素の貯蔵と引き出し

参考記事:夜食べると太るのか

参考記事:運動と食欲
 

◆マクロ栄養素
ボディメイクではタンパク質の摂取量を最も気にする必要がある。炭水化物と脂質は、どちらもほどほどに摂取するのが無難な選択。摂取するタンパク質と炭水化物と脂質(とアルコール)の量から、トータルの摂取カロリーが決まる。

一般的には、まずタンパク質の摂取量を決め、脂質が総カロリーの2,3割程度、残りのカロリーを炭水化物で摂取する。

参考記事:タンパク質摂取量の目安

参考記事:タンパク質摂取量と除脂肪体重の増加の関係(2020年のメタ解析)

参考記事:プロテインパウダーの選択


☆★★栄養Bランク★★☆
◆減量・増量
筋肉量を増やしたいときは、カロリー超過にするのが良い。体脂肪も同時に増えるが、筋肉量も速く増える。筋肉量も体脂肪も増えたら、今度はカロリー不足にして減量を行う。減量では、筋肉量を維持しつつ、体脂肪を優先的に減らすことを目指す。これを繰り返すことで、筋肉量が多く体脂肪率が低い身体を作ることが出来る。維持カロリーでも筋肉量は増えるけど、増加ペースは遅くなる。

減量も増量も、余地が大きいほどペースを速くしても良い。余地が小さくなったらペースを落とす。減量における余地とは、どれだけ体脂肪が残っているか。体脂肪率が高ければ、減量ペースを速くしても筋肉は減りにくい。増量における余地とは、どれだけ筋肉を増やす余地があるか。現時点であまり筋肉が付いていない身体なら、筋肉が増えるペースが速いので増量ペースも速くして良い。

体脂肪率10-20%の男性が減量をする場合、週あたり体重を0.5-1.0%減らしていくペースがおすすめ。体重70kgの人だったら、一週間で350-700gずつ体重を減らしていく。このペースだと筋肉量を維持しつつ、無理なく体脂肪率を減らせると思われる。一日500kcal程度のカロリー赤字にすると、一週間でだいたい500g体重が減る。

初心者で筋肉量が少なく体脂肪量が多い場合、また過去にトレーニングをしていて筋肉量が多かったことがあり現在は筋肉量が少なくなっている場合は、筋肉量を増やしつつ同時に体脂肪を減らすことが出来る。

参考記事:増量の考え方

参考記事:減量ペースの違いによる体組成変化と運動パフォーマンス変化

参考記事:増量時の栄養調整

参考記事:体重減少への代謝適応

参考記事:減量時の食事調整例

参考記事:減量時に助かるアイテム(※個人の感想です)

参考記事:増量と減量の移行期

参考記事:除脂肪量の増加と体脂肪量の減少を同時におこなうことは可能なのか?


◆ミクロ栄養素
なるべくサプリメントからではなく加工度の低い食品からミクロ栄養素を摂取しようと心がけるのが良いだろう。人体に必要なミクロ栄養素の全ては、現時点では解明されていない。またサプリメントと食品中のミクロ栄養素では、利用効率などが異なるケースがある。


◆タンパク質の質
動物性タンパクを十分に摂取する。肉、魚、乳製品をバランス良く食べる。

参考記事:タンパク質の種類と筋肥大
 
参考記事:低炭水化物食とタンパク質源の健康への影響


◆炭水化物の質
穀物やイモ類を中心にする。果糖(甘いものには大抵含まれている)は摂りすぎない方が良い。ほどほどに食べるぶんには問題ないだろう。繊維質は積極的に摂取する。

参考記事:果物の食べ方


◆脂質の質
- オメガ3脂肪酸を積極的に摂取する。青魚に多く含まれている。
- 飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸はどちらもほどほどに摂取する。



☆☆★栄養Cランク★☆☆
◆栄養摂取タイミングと頻度
維持・増量時は1日1食といった極端なことをしない限りは、食事のタイミングと1日の回数はあまり気にしなくて良い。筋肉量を維持しながら低い体脂肪率を目指す場合は、ある程度は気にした方が良い。

参考記事:ゴールデンタイムはあるのか?

参考記事:ナチュラルボディビルダーがコンテストに向けて減量する時の推奨方法

参考記事:食事回数と量の配分

参考記事:炭水化物の摂取をサイクルさせるダイエット

参考記事:リフィード(もしくはチートデイ)の効率的なやりかた

参考記事:リフィードでの筋グリコーゲン回復に適した炭水化物

参考記事:リフィードの研究

参考記事:シクリカル・ケトジェニックダイエットの最新研究

参考記事:TRF(Time-Restricted Feeding)の研究


◆サプリメント
減量や筋肥大に効果のあるサプリメントはいくつかある。効果があるといっても、わずかな上積み効果なので、優先順位は低い。

参考記事:ダイエットに効果のあるサプリメント

参考記事:サプリメントの効果を調べるサイト

参考記事:クレアチンについて

参考記事:2020年時点の筋トレサプリメント評価(シトルリンリンゴ酸、硝酸塩、ホスファチジン酸、BCAA、HMB、ベタイン)

参考記事:マグネシウムと運動パフォーマンス

参考記事:ビタミンD摂取がストレングスと体組成変化に効果があったとする研究

参考記事:ビタミンDと運動パフォーマンス

参考記事:プロバイオティクスのスポーツへの利用


◇◆◇◆◇◆実践編◇◆◇◆◇◆
◆進捗管理
- 体重の増減の把握。水分、グリコーゲンの変化と、体脂肪の変化の峻別。
- ウェストサイズでの体脂肪の増減の把握


◆疲労管理
参考記事:疲労のメカニズム

参考記事:筋トレの疲労と回復方法

参考記事:運動からの疲労回復方法(2018年版)

参考記事:限界まで追い込んだ場合と追い込まなかった場合の回復の違い

参考記事:フレキシブルなトレーニングプログラムの組み立て方

参考記事:主働筋-拮抗筋のペアードセット

参考記事:連日トレーニング

参考記事: 歳を取ると筋トレからの疲労回復が遅くなるのか?


◆ストレッチとウォームアップ
参考記事:ストレッチとウォームアップ

参考記事:肩周りのストレッチ

参考記事:運動後のクールダウンの効果

◆メンタルトレーニング
参考記事:ストレングストレーニングにメンタルトレーニングを加えると効果アップ

参考記事:筋肉への意識と筋肥大の関係


◆反応の個人差
- 筋肉の成長速度や筋肉量の限界の個人差
- トレーニング内容への反応の個人差

参考記事:遺伝的な要因による筋トレ効果の違い 

参考記事:なかなか筋肥大しない場合

参考記事:トレーニングボリュームを被験者ごとに調整した研究


◆怪我対策
- 良いフォームでトレーニングを行う。
- 全身の筋肉のバランスを意識して筋肉の強化とストレッチを行う。特に肩と股関節は気をつけた方が良い。

参考記事:バランスの取れたトレーニング種目の選択-メカニズム編-

参考記事:バランスの取れたトレーニング種目の選択-エクササイズ編-

参考記事:プッシュとプルのバランス

参考記事:股関節の前側(腿の前側の付け根)の痛み

参考記事:胸椎の姿勢矯正

参考記事:骨盤の前傾の矯正

参考記事:膝の健康のために

参考記事:肩関節の基礎知識

参考記事:ローテーターカフの強化

参考記事:前鋸筋の動員

参考記事:肩の健康のために

参考記事:プレス動作のステップアップ

参考記事:懸垂のやり過ぎによる怪我リスク(肘と肩)

参考記事:[書籍] 姿勢の教科書

参考記事:肘の痛み

参考記事:腰痛について1~基礎知識~(Low Back Disorders)

参考記事:腰痛について2~予防~(Low Back Disorders)

参考記事:腰痛について3~リハビリとトレーニング~(Low Back Disorders)

参考記事:腰痛について4~推奨エクササイズ~(Low Back Disorders)

参考記事:腰痛の予防


◆ストレス管理

参考記事:ストレスについて-身体反応と管理方法-

◆女性のトレーニングと栄養
参考記事:女性の月経周期と合わせたトレーニングと栄養

ボディメイクの継続

筋肉の増加も体脂肪の減少も効果がはっきりと表れるまでに時間がかかる。一方で、トレーニングの実施や食事内容の管理といった労力はその場で必要になる。一般的に人間が好むのは、便益はすぐ手にして、費用は後払い(例えば家や車をローンで買う)。ボディメイクはその逆で、便益を手に入れるのには時間がかかり、費用はすぐ払わないといけない。従って、続けることが難しい。

どうすれば続けられるようになるか。これが簡単に出来れば巷にダイエット本が溢れ続けることはないわけで・・・。あまり詳しくないけど、どこかで見たような攻略法を書くと、

・コストのコントロール
ここでのコストは時間や労力など含めてのコスト。トレーニングを行うコストはなるべく下げる。例えば通うのに時間がかかるジムだと、だんだん億劫になってくる。遠くのゴールドジムより近くのフィットネスクラブ。ダイエットでは、食べるコストをなるべく上げる。すぐ食べられる高カロリーの食べ物は手の届く範囲に置かない。何か食べたかったら自炊するか外に出て買ってくるかしないといけなくする。

・苦しみを喜びに変換。
筋肉が悲鳴を上げればマッチョへの階段をまた一つ上がる! 空腹は体脂肪が減っている証! とその瞬間の苦しみを長期的な喜びにリンクさせる。

・小さな目標を設定
段階的に小さな目標を設定し、それをクリアする喜びを味わうことでモチベーションを維持する。目標達成という内部からの報酬を自分にこまめに与える。挙上重量だったり、体重だったり。ただし、無理に挙上重量を上げたり、水抜きなどで体重を落としたりしても意味がない。

・周囲に宣言
あらかじめ周囲に「○○やるぞ」と宣言する。諦めると自分の評判が下がるので、それを避けようと頑張る。レピュテーションリスクを利用するのだ。見栄を張りたい相手に宣言するのがいいと思う。

・大事なものを賭ける
目標を達成できなかったら、それを没収して良いという条件で、信頼できる人に自分の大事なものを預ける。失ったら困る金額のお金を預けるのも良い。

・仲間と励まし合う
目標や意欲のレベルが同じくらいじゃないとなかなか難しいけど、よい仲間と励ましあえればとても良いと思う。

・ゲーミフィケーション
最近はジムに通うとポイントが溜まったりするアプリがある。外部からの報酬を自分にこまめに与える。ゲーセンのパンチングマシーンでパンチ力の結果でアニメーションが変化するのと同じ感じで、トレーニングの重量やボリュームをアプリに入力するとアニメーションが表示されたり、ゲーム内のキャラが強くなったりするアプリがあると面白いと思う。

11/27/2016

[書籍] 姿勢の教科書

姿勢の教科書
竹井仁 著

最近、姿勢矯正に興味があるので読んでみた。姿勢に関わる骨格と筋肉のメカニズムを基本から学べる。また、よくあるアンバランスのケースが解説され、修正のためのエクササイズ例も載っている。

この本で扱われているアンバランスの主な例は、
- 腰椎の反り、フラット化
- 胸椎の過度な後彎(猫背)
- 脊柱側弯症
- 骨盤の前傾・後傾
- 骨盤の高さの左右差
- 寛骨の前傾・後傾(骨盤の捻じれ)
- 肩甲骨のアラインメント異常(いかり肩、なで肩、翼状肩甲)
- 膝関節の内反・外反
- 扁平足
- ストレートネック

施術者が読むことを想定しているのか、用語が専門的でとっつきにくいけど、図も豊富なので理解はしやすいと思う。姿勢の矯正、バランスの取れた身体に興味のある人にはとてもお薦めの本。

筋力のアンバランスやアラインメントのズレがあると、運動により怪我をしたり関節の痛みなどが出やすくなる。ウェイトトレーニングだと肩や腰や股関節や膝を痛めることが多い。ランニングだと膝が多いかな。

筋力のアンバランスがあると記録も伸びにくいし、姿勢が悪化して見た目も悪くなる。怪我をしやすくなるのでトレーニングが継続的に行えなくなって、身体面でもメンタル面でも停滞してしまう。

アンバランスがあるままトレーニングを続けると、強い筋肉ばかりつかって弱い筋肉は放置されるので、アンバランスがさらに拡大していく。自分の身体のバランスに何か問題があると思った場合は、早めに修正した方が良いと思う。


関連記事:
バランスの取れたトレーニング種目の選択-メカニズム編-

バランスの取れたトレーニング種目の選択-エクササイズ編-

骨盤の前傾の矯正

膝の健康のために

肩の健康のために

懸垂のやり過ぎによる怪我リスク(肘と肩)

11/20/2016

ヒップスラストのやり方



★ヒップスラストとスクワット・デッドリフトの比較
- ヒップスラストは股関節が伸びた時(直立した時の姿勢)に強い負荷がかかる。
- スクワット・デッドリフトは股関節が曲がった時(しゃがんだ時の姿勢)に強い負荷がかかる。

(人間が地面に立っている状態を想定して)
- ヒップスラストは水平方向の動きを鍛える(スプリントの動き)
- スクワット・デッドリフトは垂直方向の動きを鍛える(真上にジャンプする動き)

- ヒップスラストでは主に臀筋の上の方が肥大する。
- スクワット・デッドリフトでは主に臀筋の下の方が肥大する。

このようにヒップスラストは、スクワット・デッドリフトを補完するエクササイズになる。

その他のメリットとしては、
- デッドリフトやスクワットで、臀筋を使って正しくロックアウトできるようになる。
- 骨盤の前傾の矯正にも良い。
- 他のバーベル種目と同様に漸進的過負荷が容易に行える。
- 正しいフォームで行えば腰と膝への負担がとても軽い。
- フォームを覚えるのが簡単。
- 臀筋群が発達する。

などなどメリットが多数。プリプリしたいい尻を作りたかったら是非取り入れたい種目。

負荷の上げ方は、両脚自重→片脚自重→両脚荷重の順で行うのが手軽だろう。自重で床に寝て行うタイプはグルートブリッジ、ヒップリフトなどとも呼ばれる。

無理に負荷を上げても、腰を反らせて背中の力を使ったりして臀筋群がちゃんと鍛えられないので、最初は軽めの負荷で臀筋群をしっかり収縮させることを意識する。


★自重で床に寝て行うやり方
- 床に仰向けに寝る。股関節は135度くらい、膝は90度くらい。足幅は肩幅くらい。つま先は前向き、もしくはわずかに開く。
- かかとで踏ん張り、臀筋群を使って尻を持ち上げる。腰を反らせたり、つま先加重で大腿四頭筋に力をいれたりしないこと。
- 大腿と胴体が直線になったら臀筋群を強く収縮させ、あとちょっとだけ押し上げる。股関節は180度を越える伸展になり、骨盤はわずかに後傾する。


★ベンチに背中を乗せてバーベルを使ってのヒップスラストのやり方
- 肩甲骨の下端あたりがベンチに接する。もしくはもうちょっと背中の下の方が接しても良い。
- ベンチと接した点は動作中はずらさず回転の中心にする。
- 適度に腕を曲げてバーが腿と胴体の境目からずれないようにする。肩をすくめないように。
- トップポジションで脛が垂直になるようにする。
- つま先は前向き、もしくはわずかに開く
- 色々試して自分が臀筋群に最も力を入れやすいやりかたを見つけると良い。
- 一気に持ち上げない。体幹を固め、臀筋群でバーベルを上げることを意識する。
- 大腿と胴体が直線になったら、臀筋群を強く収縮させさらに少し押し上げる。腰を反らせないこと。
- トップポジションでしっかり押し込めない場合は、重量が重すぎるか、股関節の屈筋(大腿直筋や腸腰筋)が固いか。前者の場合は重量を落とす。後者の場合は股関節の屈筋のストレッチを行う。
- ネガティブ動作では、臀筋群に荷重を感じながらバーベルをコントロールしつつ下ろす。
- レップの継ぎ目に床に尻をつけるか、それとも空中で反転させ次のレップに入るかは、自分がやりやすい方で良い。


★その他
- 首をそらして仰け反ると背中が過度に伸展して、背中の力で持ち上げることになる。高重量でこれをやると腰を痛めるリスクがある。デッドリフトのロックアウトと同じで、仰け反らずに臀筋群の力でロックアウトするのが良い。顎を引き、視線を真上ではなくて前の方に向けると、仰け反りを抑制しやすい。
Proper Hip Thrust Form


- バーベルにはスクワット用のパッドなどを巻いたほうが良い。

- 20kgプレートを使うと重すぎる場合は、デッドリフトで持ち上げてベンチに腰掛けて、床にずり落ちればOK。
How to get under the bar: Glute Bridge


※追記
★背中の固め方とベンチに接する部分の負荷分散

 背中と一緒に上腕の肘に近い部分もベンチの縁に乗せると、背中への負荷が分散される。



参考サイト:
How to Hip Thrust
https://bretcontreras.com/how-to-hip-thrust/

11/13/2016

バランスの取れたトレーニング種目の選択-エクササイズ編-

前回の記事(バランスの取れたトレーニング種目の選択-メカニズム編-)の続き

★一般的なトレーニングプログラムに付け加えるべきエクササイズ
スクワット(レッグプレス)、デッドリフト、ベンチプレス、懸垂(ラットプルダウン)、ローイング、ショルダープレス、腕と脚のカールやエクステンションなどのアイソレート種目、といった一般的なトレーニングプログラムで生じる筋力のアンバランスと姿勢の悪化を防ぐために、付け加えた方が良いエクササイズを紹介していく。


個々人の骨格、筋力バランス、それまでのトレーニング歴などによって理想的なトレーニングプログラムは異なってくるけど、大雑把にバランスを取るにはどのようなエクササイズを行えば良いか見る。以下に紹介するエクササイズを参考にして、自分が効かせやすいエクササイズを選び、バランスの取れたトレーニングプログラムを組むのが良いだろう。左右差がある場合もあるので、その場合はアンバランスが大きい側を重点的に行う。

アンバランスのなおしかたの基本は、

- 強くて縮んでいる筋肉を緩めて伸ばす
- 弱くて伸びている筋肉を鍛える


一般的なトレーニングプログラムを行う場合、この図の赤い部分の筋肉を緩めて伸ばし、青い部分の筋肉をしっかり鍛えることを意識する。

緩めて伸ばすのは、他人の手を借りず自分でやる場合は、フォームローラーと静的ストレッチが手軽で良い。フォームローラーのやり方は、ターゲットの部位に体重をかけながら、ゆっくりコロコロと動かし心地よい痛みを味合う。

弱くて伸びている筋肉を鍛えるときは、軽めの重量でターゲットの筋肉をしっかり収縮させることを意識する。特に肩周りでは細かい筋肉を鍛えるので、無理に重い重量を扱おうとすると力を入れやすい大きな筋肉が使われてしまって、細かい筋肉が働かずバランスがさらに悪くなってしまう。


★肩周り
・緩めて伸ばす部位:
大胸筋、三角筋前部、広背筋、肩甲骨まわり、胸椎

◇フォームローラー例

[大胸筋、三角筋前部]


[広背筋、大円筋]

Lat & Thoracic Cage Mobility On Foam Roller 広背筋にはこれも良い


[胸椎](肩甲骨のやや下から肩甲骨の真ん中あたりまでを行う)

◇ストレッチ例
[大胸筋]



[広背筋]




[僧帽筋上部]

[肩甲骨周り]
- 肩甲骨があまり動かない場合は、よくある肩甲骨剥がしのエクササイズなどをやると良い。肩甲骨の可動域を確保するのは怪我の予防に非常に重要。
- 肩甲骨の前傾は胸椎の過度の屈曲の矯正や小胸筋のストレッチ

[首]
- 首の後ろを伸ばして屈曲を鍛える




・主に鍛える動作:
上腕の外旋、水平方向の外転、肩甲骨の上方回旋、肩甲骨の外転、細かい筋肉による肩甲骨の下制

[上腕の外旋]
Cable External Rotation 可愛い。脇を締め胴体は捻らず上腕の外旋だけで行う。それと三角筋後部で引っ張らないように注意する。三角筋後部を使うと上腕骨頭が前方に動いて肩の前側がゴリゴリ当たる。


Cuban Press


The Face Pull


[水平方向の外転と肩甲骨の内転]
Seated Cable Rows 肩甲骨から動かし始めて腕は後からついてくる意識で。広背筋で重い重量を引かないように。

Seated Bent Over Rear Delt Raise 僧帽筋上部で引っ張り上げないように。シュラッグではないので。

[肩甲骨の上方回旋と挙上]
- 普通のシュラッグではなく腕を挙げてのシュラッグが良い。

EricCressey.com: Wall Slides with Overhead Shrug

Scaption with a shrug

[肩甲骨の外転]
- フルレンジでのプッシュアップや、肩甲骨プッシュアップ。前鋸筋を鍛える。

The Perfect Push Up - Do it right! ボトムでは肩甲骨を寄せ、トップでは肘を伸ばし肩甲骨を突き出す。

Scapula Pushup 肩甲骨のみ動かしてのプッシュアップ

1-Arm Quadruped Protraction 肩甲骨の動かし方がよくわからない場合は片腕ずつやるとわかりやすいかも。

TonyGentilcore.com Band Wall Walks このエクササイズは外旋と外転が同時に鍛えられる。バンドをはめていったん肩甲骨を寄せてから肘を前に突き出す。脇を締め肘を突き出した状態を維持するのに気をつけながら、腕をトコトコ上下に動かす。

[肩甲骨の下制]
ShoulderPerformance.com: Prone 1-arm Trap Raise 三角筋を使うのではなくて、僧帽筋下部を使う。肩甲骨を尾てい骨がある方向に引きつけて、腕はあとからついてくるイメージ。

Prone Cobra


★体幹・股関節
・緩めて伸ばす部位:
広背筋、脊柱起立筋群、ハムストリングス、股関節の屈筋、大腿四頭筋、内転筋群、腰方形筋

◇フォームローラー例

[内転筋群](個人的には仰向けの方がやりやすい)

[股関節の屈筋](男性は片脚ずつやったほうが良いかも)

[ハムストリングス]

◇ストレッチ例

[腰方形筋]

[ハムストリングス]

[股関節の屈筋]


[内転筋群]

・主に鍛える動作:
腹直筋下部、外腹斜筋、股関節の伸展、股関節の外転・外旋、

[腹直筋下部・外腹斜筋]
デッドバグ(dead bug)
腹直筋の下部と外腹斜筋を収縮し、骨盤を後傾し腰椎のアーチをフラットにする。背中全体が床にべたっと付くように。ドローインを同時に行うと骨盤を後傾しやすい。この骨盤と腰椎の姿勢をキープしたままデッドバグの動作を行う。(もちろんこの骨盤と背骨の位置でデッドリフトなどをやってはだめ)
初級編は、片脚を床すれすれに伸ばしてまた元の位置に戻す。強度を上げるには、両腕を同時に動かしたり、脚を上げたり。


プランク
関連記事:プランクのやり方

[股関節の外転・外旋]
- チューブを使うと良い。

X Band Walk

Athletic Mini Band Side Steps つま先は開き気味で、かかと側から足を運ぶようにすると良い。つま先から足を運ぶと、おそらく太ももの外側の筋肉を使ってしまう。

The Band Side Lying Clam

[股関節の伸展(臀筋群とハムストリングス)]
臀筋群はグルートブリッジ、ヒップスラスト
- かかとで踏ん張って、トップで膝が90度くらいになるように。腰椎はニュートラルのままで腰を反らせないよう注意する。トップで臀筋群を強く収縮させると良い。
- まずは両足自重。10レップくらい余裕なら片足自重。これも余裕ならバーベル使ってヒップスラスト。無理な重量でやると腰や大腿四頭筋を使おうとして臀筋群に効かないので、軽めの重量でケツを収縮させるのを意識すること。自重だとこんな感じ。この動画イイネ! 是非音声も聞いていただきたい(ヒップスラストは5:45くらいから)。



ハムストリングスは、ルーマニアンデッドリフト(RDL)など。股関節の伸展でハムストリングスに効く種目が良いだろう(レッグカールは膝関節の屈曲なのでちょっと違う)。RDLは尻を後ろに引いて大腿四頭筋を関与させないことを意識。背中はタイトなままで。



★その他
普段の生活で良い姿勢を意識する。座りっぱなしは避けて、こまめに立ち上がって伸びをしたり、うろうろしたり軽くストレッチをしたりする。トレーニングのときだけ良い姿勢になっても、一日の時間の大部分を占めるのは普段の生活なので。



参考サイト:
15 Ways to Foam Roll
https://www.t-nation.com/training/feel-better-for-10-bucks
Neanderthal No More - Part 1
https://www.t-nation.com/training/neanderthal-no-more-1
Neanderthal No More - Part 2
https://www.t-nation.com/training/neanderthal-no-more-2
Neanderthal No More - Part 3
https://www.t-nation.com/training/neanderthal-no-more-3
Neanderthal No More - Part 4
https://www.t-nation.com/workouts/neanderthal-no-more-4
Neanderthal No More - Part 5
https://www.t-nation.com/workouts/neanderthal-no-more-5


関連記事:
懸垂のやり過ぎによる怪我リスク(肘と肩)

肩の健康のために

膝の健康のために 

11/07/2016

バランスの取れたトレーニング種目の選択-メカニズム編-

本格的に全身のウェイトトレーニングを行う場合、一般的には以下のような種目を組み合わせることが多い。

スクワット(レッグプレス)、デッドリフト、ベンチプレス、懸垂(ラットプルダウン)、ローイング、ショルダープレス、あとは腕と脚のカールやエクステンションなどのアイソレート種目。

一見バランス良く全身をトレーニング出来ているように見えるが、このようなプログラムの組み方では筋肉の発達がアンバランスになり、姿勢が悪くなったり怪我をしやすくなったりする。良いフォームで行っていたとしてもそうなる。

さらに仕事や勉強で座っている時間が長い場合、下の図のように座ることで悪くなりやすい姿勢を、トレーニングによりさらに悪化させる方向に筋肉が発達してしまう。(実際に自分がそうなった。なので現在、姿勢矯正のためのトレーニングを行っている)

以下、デスクワーク+一般的なトレーニングプログラムでどう筋肉のアンバランスが起こるのか見ていく。


★動作のアンバランス 
対になる動作をそれぞれ見ていく。図で赤くなっている動作が一般的なトレーニングプログラムでは強化され、青くなっている動作が弱いまま。

・股関節
内転と外転:スクワットやスモウデッドで内転はよく鍛えられるが、外転がほぼ鍛えられない。
伸展と屈曲:座りっぱなしで屈曲の筋肉は固く縮みやすい。スクワットやデッドリフトでは臀筋群がそれほど使われず、臀筋群が弱い場合が多い。
内旋と外旋:内旋を行う筋肉が強くなりやすい。

・肩関節
水平方向の内転と外転:ベンチプレスで内転は鍛えられるが、外転が全く鍛えられない。
伸展と屈曲:懸垂で伸展が鍛えられるが、屈曲が全く鍛えられない。
内旋と外旋:大胸筋も三角筋前部も広背筋も内旋を行う。従ってベンチプレス、ショルダープレス、懸垂では内旋を行う筋肉ばかりが鍛えられる。外旋の動作が全く鍛えられない。


・肩甲骨
挙上と下制:デッドリフトや懸垂で下制はするが、広背筋が支配的になってしまって僧帽筋下部など細かい制御を行う筋肉が働いていないケースがある。
内転と外転:ベンチプレスで内転の動作(肩甲骨を寄せる)。ローイングは内転を鍛えられるが、外転は鍛えられない。一般的には内転も外転も弱く、特に外転の動作が全く無いので外転で使う筋肉が上手く働かない。
上方回旋と下方回旋:あまり動きがない。どちらかに寄って動きにくくなっているケースがある。
前傾と後傾:猫背や身体の前側に重いものを持つ(アームカールなど)ことで前傾しやすい。

肩甲骨の動きについてはこのサイトがわかりやすい。



★筋肉のアンバランス
赤い部分が強くて固く縮こまってる。
青い部分が弱くて伸びている。
ハムストリングス(紫色)は一般的には弱くて固い。

・股関節
- 内転と内旋が強いことで大腿骨が内側によれる。膝を痛めやすくなる。
- 座りっぱなしで屈曲の筋肉は固く縮みやすい。腹筋と臀筋群が弱く、脊柱起立筋群と広背筋が強いので、骨盤が前傾し、腰椎が過度に伸展する。腰椎が過度に伸展すると腰を痛めやすい。また内蔵が前に押され、下腹部がぽっこり出る。

・肩関節と肩甲骨
- 水平方向の内転と内旋が強いことで猫背や巻き肩になる。座りっぱなしでも猫背や巻き肩になりやすいので、筋トレでさらにこれが悪化する。
- 伸展と肩甲骨の前傾と猫背により、上腕骨の骨頭と肩関節のソケットの接点がずれたり、衝突無く動かすためのスペースが少なくなったりして肩を痛めやすくなる。
- 肩甲骨の外転動作が行われないので前鋸筋が働かなくなり、腕を上げたりする時の制御が不安定に。


各関節は連動するため、一箇所の関節がおかしくなると他の関節にも影響が及ぶ。例えば、腰椎が過度の伸展をする(腰が反りすぎる)と、そのままでは上体が後ろに仰け反って倒れてしまうので、胸椎を前に曲げる(胸椎を過度に屈曲する)ことで重心のバランスをとる。そして胸椎が曲がると視線が下の方に向いて前が見にくくなるので、頭を起こす(頚椎を過度に伸展させる)。

怪我の発生リスクは、関節の強度や重量やボリュームやアンバランスの度合いなど個人の状況によって異なってくるので、一般的なトレーニングプログラムを行っているからといって必ず怪我をするわけではないけど、アンバランスが大きくなるとそれだけ怪我のリスクが上がるので、怪我をなるべく避けたい場合はバランスを整えるためのエクササイズを行ったほうが良いだろう。具体的なエクササイズ例は次の記事で書く予定。

次の記事: バランスの取れたトレーニング種目の選択-エクササイズ編-


参考記事:
Neanderthal No More - Part 1
https://www.t-nation.com/training/neanderthal-no-more-1
Neanderthal No More - Part 2
https://www.t-nation.com/training/neanderthal-no-more-2
Neanderthal No More - Part 3
https://www.t-nation.com/training/neanderthal-no-more-3
Neanderthal No More - Part 4
https://www.t-nation.com/workouts/neanderthal-no-more-4
Neanderthal No More - Part 5
https://www.t-nation.com/workouts/neanderthal-no-more-5


関連記事:
懸垂のやり過ぎによる怪我リスク(肘と肩)

肩の健康のために

膝の健康のために 

10/30/2016

骨盤の前傾の矯正

★なぜ骨盤の前傾を扱うのか
トレーニングを継続的におこなっている人に骨盤の傾きの問題がある場合は、大抵は前傾している。一般的なトレーニングプログラムだと前傾を促す筋肉ばかり鍛えてしまう傾向があるし、ベンチプレスやスクワットなど動作中に骨盤の前傾を強調する姿勢になりやすい種目が多い。仮に骨盤が後傾していたら腰椎がフラットになるので、既にデッドリフトやスクワットで腰を痛めてトレーニングを続けていない可能性が高い。


★骨盤につながっていて前傾・後傾に影響を与える主な筋肉

実際の各筋肉の付着部分は筋肉によって異なるけど簡略化のために大雑把な図で



背骨の伸筋: 脊柱起立筋群、(たぶん広背筋も)

背骨の屈筋: 腹直筋、外腹斜筋

股関節の伸筋: ハムストリングス、臀筋群

股関節の屈筋: 腰筋、腸骨筋、大腿直筋、大腿筋膜張筋


★骨盤の前傾のメカニズム
- 背骨の伸筋と股関節の屈筋が固く縮こまっている
- 背骨の屈筋と股関節の伸筋が弱くて伸びている


★骨盤が前傾していると起こる問題
- 臀筋群が上手く働かず、ハムストリングスと大内転筋に過度の負荷がかかりやすくなる。特にハムストリングスはストレッチされた状態で強い負荷がかかるので怪我をしやすい。
- 腰椎が過度に伸展している。これも腰の怪我リスクを高める。
- 臀筋群が後ろから引っ張らないため、大腿骨が股関節のソケットから前の方にずれてゴリゴリして痛むことがある。前側の腿の付け根が痛くなる場合は、この問題が起きている可能性がある。


★重量と見た目の問題
- 臀筋群がしっかり働いていないので、スクワットやデッドリフトで現状の身体能力に対して重量を最大限に持ち上げられていない。
- 尻の見た目が貧弱。
- 腰椎が過度に伸展している分、内臓が前に押し出され、体脂肪率が低くても下腹部がぽっこり出る。


★骨盤前傾の矯正エクササイズ
アンバランスの矯正の基本的な考え方は、
- 固く縮こまっている筋肉をほぐして伸ばす
- 弱く伸びている筋肉を鍛える

従って骨盤の前傾では、
- 背骨の伸筋と股関節の屈筋をストレッチやフォームローラーなどでほぐして伸ばす
- 背骨の屈筋と股関節の伸筋を筋トレで鍛える

◇伸ばす
股関節の屈筋と大腿四頭筋を静的ストレッチ(大腿直筋は二関節筋)。写真の左側のポーズをやるときは、下の脚の臀筋を収縮させると、その脚の前側にある股関節の屈筋が伸びやすい。写真の右側は特に大腿直筋が伸びるポーズ。フォームローラーでコロコロするのも良い。静的ストレッチとフォームローラーは効果が異なるのでできれば両方やった方が良い。


脊柱起立筋群のストレッチは慎重に。筋トレのデッドバグで骨盤後傾させると自然に伸びるのでそれで十分かも。広背筋もストレッチしておいた方が良いと思う。

梨状筋のストレッチもやった方が良いようだ。

◇筋トレ
・背骨の屈筋の強化

腹直筋と外腹斜筋を鍛える。デッドバグなどで特に下腹部を鍛えると良い。腹直筋の上部を鍛えても骨盤にあまり影響を与えない。骨盤後傾させたプランクも良い。

デッドバグ(dead bug)
腹直筋の下部と外腹斜筋を収縮し、骨盤を後傾し腰椎のアーチをフラットにする。背中全体が床にべたっと付くように。ドローインを同時に行うと骨盤を後傾しやすい。この骨盤と腰椎の姿勢をキープしたままデッドバグの動作を行う。(もちろんこの骨盤と背骨の位置でデッドリフトなどをやってはだめ)


初級編は、片脚を床すれすれに伸ばしてまた元の位置に戻す。強度を上げるには、両腕を同時に動かしたり、脚を上げたり。

 他には片脚を上げてから下ろしたり、両足を上げてから下ろしたり。いずれも骨盤の後傾を維持するように。


・股関節の伸筋(臀筋群とハムストリングス)の強化
グルートハムレイズ、ルーマニアンデッドリフト、プルスルーヒップスラストなど。かかとで踏ん張ると臀筋群に効く。


以上のエクササイズは、骨盤が前傾していない人も筋肉のバランスを取るためにトレーニングプログラムに組み入れた方が良い。


★骨盤の後傾
運動不足の人には骨盤の後傾が見られる場合がある。骨盤の後傾の矯正の仕方は、前傾の矯正で伸ばす筋肉と鍛える筋肉を入れ替えれば良い。メカニズムを理解すれば簡単なので、具体な説明は省略。


★その他
- トレーニングをしている時間以外でも良い姿勢を維持するよう心がける。デスクワークでも座りっぱなしは避け、こまめに立ち上がって伸びをしたりウロウロしたりする。
- 腰筋が弱い場合。片脚もも上げ静止を20秒以上維持できない場合は腰筋が弱いので鍛えたほうが良い。
- トレーニングをしていると一般的に内転筋が強くなっている。スクワットでかなり負荷がかかるし、スモウデッドをやる人はさらに鍛えられている。バランスを取るため、内転筋をストレッチしつつ外転を行う筋肉も鍛えたほうが良い。股関節の外転の鍛え方は、膝の健康の記事を参考に。


参考サイト:
Hips Don't Lie
https://www.t-nation.com/training/hips-dont-lie

Core Training for Smart Folks
https://www.t-nation.com/training/core-training-for-smart-folks

Get Your Butt In Gear! 1
https://www.t-nation.com/training/get-your-butt-in-gear

Get Your Butt In Gear! 2
https://www.t-nation.com/training/get-your-butt-in-gear-2

10/23/2016

intermittent fasting(リーンゲインズ方式)の最新研究

Effects of eight weeks of time-restricted feeding (16/8) on basal metabolism, maximal strength, body composition, inflammation, and cardiovascular risk factors in resistance-trained males
http://translational-medicine.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12967-016-1044-0?__s=xd85fbqhz9qszcjaruiv


time-restricted feeding(一般的にはintermittent fasting)の効果を調べた研究。

time-restricted feeding(TRF)は、一定の時間内に1日分の食事をし、後の時間は何も食べない食事方法。この研究でのやり方はリーンゲインズとほぼ同じで、食事は24時間のうち8時間以内、後の16時間は何も食べない。細かいことを言うとリーンゲインズはトレーニング直前には食べなかったと思うので、そこが違いかな。


★被験者
- イタリアのジムでそれなりにトレーニング歴のある男性を募集。53名集まってそのうちアナボリックステロイドの使用歴がある7名が除外、12名が実験プロトコルの説明を受けて辞退。残り34名が参加。
- 平均年齢29歳
- 平均体重85kg
- 平均除脂肪体重74kg
- TRFグループ17名、通常食事グループ17名


★食事
- 被験者は一日あたりのトータルの食事量はこれまで通り食べるように指示された。栄養士の指導のもと、自己管理での維持カロリーの食事。タンパク質は1日に体重1kgあたり1.9gくらいと、十分な摂取量。
- TRFグループは、午後1時、午後4時、午後8時に食事。カロリー配分は午後1時から順に40%、25%、35%。
- 通常食グループは、午前8時、午後1時、夜8時に食事。カロリー配分は午前8時から順に25%、40%、35%。
- 両グループともこの食事に加えてトレーニングの30分後に20gのホエイプロテインを摂取。


★トレーニング
- 週に3日 分割法 各種目6-8レップ限界までを3セット。
- 実施時間帯は午後4時-6時。
- 実験以外のトレーニングは禁止。


★結果
- 除脂肪体重は、両グループとも実験前と実験後では有意差無し。
- 体脂肪量は、TRFが-16.4%で有意差有り、通常食が-2.8%で有意差無し。
- テストステロンレベルとIGF-1レベルがTRFグループで低下、通常食は有意差無し。
- 除脂肪体重、1RM、腕と脚の太さの変化はそれぞれ両グループとも有意差無し
- 血糖レベルとインスリンレベルはTRFで低下、通常食は有意差無し。
- レプチンはTRFで低下だが体脂肪量で調整すると有意差無し、通常食は有意差無し。
- アディポネクチンはTRFで増加、通常食は有意差無し。
- TRFは甲状腺ホルモンT3が減少だがTSHは変わらず、通常食は有意差無し。
- コレステロールはHDLがTRFが増加、通常食は有意差無し。LDLは両グループとも有意差無し。
- 中性脂肪はTRFが減少、通常食は有意差無し。
- 炎症関連の指標であるTNF-αとIL-1βはTRFが減少、通常食は増加傾向。
- 安静時代謝は両グループとも有意差無し。



☆コメント
期間が短いので体組成の変化が小さく、体組成測定の誤差の影響が大きいのではないかというのと、食事が自己管理なのとが欠点だが、これまでのintermittent fastingの研究に比べると、とても良い研究デザイン。特に筋肉愛好家の男性を対象としているので、ボディメイクを行う人にとって参考になる。

intermittent fastingでも除脂肪体重や1RMや腕と脚の太さは通常食と変わらず、人間の身体は柔軟に適応するんだなあと思える。○時間食べなかったらカタボリック!(強迫的トレーニー)とか、朝食を抜いたり食事間隔を空けたりすると太る!(迷信ダイエッター)とかは考えなくて良いだろう。

維持カロリーなのにTRFグループでは体脂肪量が減っていたのは、アディポネクチンの効果ではないかと論文著者は推測している。ただはっきりと理由はわからないようだ。単に摂取カロリーが少なかった可能性もある。8時間以内に一日分の維持カロリーを食べるのは結構キツイから、自然と少し減ってしまったのかもしれない。もしかしたら体重測定のタイミングが朝食時間~昼食時間の間で、TRFグループは朝食が無いぶん水分等が抜けていて体重が軽くなっていたのかもしれない(こんなマヌケなことはやらないと思うが測定時間が書いていないので)。

テストステロンレベルの低下は、摂取カロリーが(もしかしたら)少なかったからなのかもしれないし、intermittent fastingにテストステロンレベルを下げる効果があるのかもしれない。体脂肪の減少量からするとせいぜい一日100-200kcal程度のアンダーカロリーなのに、テストステロンレベルは26%低下していて、要因は摂取カロリーだけではないように思える。

現状のエビデンスだと維持カロリーもしくはマイルドなカロリーカットとウェイトトレーニングの組み合わせでは、intermittent fastingは除脂肪体重に悪影響はなさそうと言えるようだ。筋肉愛好家にも十分に利用可能な食事方法に思える。ただもっとカロリーを減らして体脂肪減少ペースを速くした場合に、除脂肪体重がどうなるのかという問題はある。

増量の場合は、intermittent fastingではテストステロンレベルとIGF-1レベルの低下が筋肥大に悪影響を与えるかもしれない。今後の研究で、この程度の低下では筋肥大に影響がない、カロリーオーバーならテストステロンレベルは通常食と同じになる、逆にintermittent fastingの方が筋肥大にも優れている、などといった結果が出るかもしれないが、現状わかってることを組み合わせて考えると、筋肉を増やすのを第一の目的とする人は、朝から晩まで分散させて食べるのが無難な選択だと思う。

健康面では通常の食事パターンよりもかなりメリットがありそうなのが良い。intermittent fastingは、健康リスクが気になる増量期にこそ行うと良いんじゃないかと個人的には思う。一日200-300kcal程度のカロリーオーバーなら、健康関連の指標については今回の結果と同じく、通常の食事パターンよりも良い結果が出るのではないかと思う。運動してるとはいえカロリーオーバーは健康には良くないので、少しでもダメージを減らせるなら良い。

筋肉が増えるのはゆっくりでもいいが、健康面を大事にしたいという人には、intermittent fastingは良い選択肢だと思う。今回測定していない健康リスク指標に悪影響が出る可能性もあるが、単に朝食を抜くだけでそんなに過激なことをやっているわけではないし、メジャーな健康リスクに関わる指標は改善しているし、IGF-1レベルの低下は発がんリスクを下げだろうし、たぶん全体的に見て健康には良いだろう。一日分に必要なマクロ栄養素とミクロ栄養素を8時間以内にちゃんと食べるように意識する。特にタンパク質とミクロ栄養素が不足しないよう注意する(高タンパクで精製度の低い食事は短い時間にたくさん食べるのが大変)。もちろん自分でやってみて体調が良くなかったら続けない方が良い。

人類の歴史を考えると朝昼晩の決まった時間に食事を出来るようになったのはごく最近で、進化上は人間の身体は不規則な食事や一時的な絶食に適応しているという話があって、これは多分そのとおりだけど、淘汰圧がかかっているのは個体の若い時の生存と生殖であって、急激に寿命が伸びた現代の中高年以降にはその淘汰圧がかかっていない。だから不規則な食事や一時的な絶食が中高年以降の人間の健康に良いとは、件のストーリーからは演繹できない。それと生物の個体の生存と生殖にはトレードオフがあるので、カロリー制限やファスティングで個体の生存確率が上がるなら、生殖能力が犠牲になっている可能性がある。今回の研究でのテストステロンレベルの低下はその表れかもしれない。

あと今回の研究は男性のみが対象。intermittent fastingの反応には性差がある。女性はfastingは14時間にすることがLeangainsでは推奨されている。

intermittent fastingの研究は健康面ではフロンティアだと思う。ボディメイクの面でフロンティアなのかは現状のエビデンスでは何とも言えない。炭水化物の摂取をサイクルさせるダイエットのカテゴリとして何かしらのメリットがあるかもしれないが、ファスティング自体がカロリーの振り分けを改善するのかは今のところ不明。

intermittent fastingのこれまでの研究について興味がある場合は、strengtheoryの記事にリンクが張られていたこの記事が非常に参考になる。

ちなみに私は増量期でも朝はプロテインパウダーとコーヒーのみにしてます。朝カーボ摂らなければintermittent fastingに近い効果が得られるだろうと考えているのと、筋肉合成の面でタンパク質摂取をある程度分散させたほうがわずかでも有利になるのではないかと思うのと、以前朝コーヒーだけを試したらうんこが出なくて困ったのと、単に朝は食欲が無いのとで、こういうスタイルにしています。ちなみに減量期も維持期も同じで朝はプロテインパウダーとコーヒー。

最後に。。一般ジムにこれだけステロイド利用者がいるってすごいなあ・・・。7名というのも自己申告だろうから実際は被験者内にもいたかもしれない。

10/20/2016

膝の健康のために

ネタ元
 ↓
18 Tips for Bulletproof Knees
https://www.t-nation.com/training/18-tips-for-bulletproof-knees


★保護
・ニースリーブを着用する
- 適当なニースリーブを買って脚のトレーニングの際に着用する

・ウォームアップをしっかり行う

・痛みのでる運動は止める
- 無理はしないこと。

・着地時の衝撃を吸収する
- ジャンプしたり走ったりするときは、関節と筋肉を使って柔らかく着地する。なるべく音を立てないように着地するのを意識。

・正しい姿勢をとる
姿勢が悪いと日常生活でもトレーニングでもダメージが蓄積していく。詳しくはNeanderthal No More シリーズを参照。


★ストレッチなど
・足首と股関節の可動域を広げる

関連記事:股関節のストレッチ・ウォームアップ


・大腿四頭筋とふくらはぎをストレッチ
- アスリートを対象としたプロスペクティブ研究で、膝蓋大腿関節の痛みが発生したアスリートは、大腿四頭筋と腓腹筋が固かった。
- 腓腹筋のストレッチは膝を伸ばした状態でやると良い。

・大腿直筋を伸ばす
- 台かテーブルに腰掛けて、片足の膝を抱えて胸に寄せてそのまま後ろに倒れ込んで背中をつける。もう片方の脚は下にだらんとし、その際に脛が地面に対して垂直なら問題なし。垂直にならず突っ張ってるなら大腿直筋が固いか短縮しているのでストレッチする(下の画像は固い例)。

大腿直筋は膝と股関節にまたがる二関節筋なので、膝と股関節を同時に伸ばしたストレッチをすると良い。伸ばしている側の脚の臀筋を同時に収縮させると、大腿直筋がよく伸びる。

・フォームローラーやマッサージ
- 大腿四頭筋と大腿直筋のあたりに(膝上から股関節まで)
- 大腿の外側。主に外側広筋と腸脛靭帯。


★筋肉を鍛える
・股関節の外転と外旋を強化する
- 膝蓋大腿関節の痛みを抱えるアスリートは、股関節の外転と外旋の強さが大幅に低下していることが報告されている。
- 外転と外旋を行うには大殿筋と中殿筋後部を使う。
- 脚のトレーニングを行う前に、大殿筋と中殿筋を刺激するするために軽いエクササイズを行う。
- もちろんこれらの筋肉を強化するためにボリュームのあるトレーニングも行う。スクワットなどをやった後に行うのが良いだろう。

エクササイズ例:
X-band walk

side steps

Side-lying Clam

- つま先は開き気味で、かかと側から足を運ぶようにすると良い。つま先から足を運ぶと、おそらく太ももの外側の筋肉を使ってしまう。

- side stepsをやったあとそのままバンドをつけて自重スクワット(もちろん膝とつま先が同じ方向を向いて)を行うと、膝を外に押し出して臀筋を締める良いフォームが意識しやすい。

- アブダクションマシンは軌道が固定されているので使わないほうが良い。取っ手のついてない1000円くらいのトレーニングチューブを買って、適当に結んで輪っかを作って使うのがおすすめ。柔らかめのを買うと肩周りのエクササイズにも使える。輪っかを二重にすれば抵抗が増えて臀筋のトレーニングに使える。

・臀筋群とハムストリングスを鍛える
- 一般的には大腿四頭筋に偏重したトレーニングを行っているので、膝と股関節の前後のバランスを取るため臀筋群とハムストリングスも鍛える必要がある。
- エクササイズ例:
グルートハムレイズ、デッドリフト、ルーマニアンデッドリフト、リバースハイパー、ヒップスラスト

・内側広筋斜頭(VMO:vastus medialis obliquus)のアイソレートは忘れる
- 外側広筋が強すぎることで膝の左右で筋力差が生じ、横に引っ張られてしまうことが膝の痛みにつながる。内側広筋斜頭を強くすれば、左右の筋肉のバランスが取れると考えられる。
- ただ内側広筋斜頭を完全にアイソレートするのは非常に困難。
- 内側広筋斜頭を無理にアイソレートしようとするのではなくて、レッグエクステンションなどで大腿四頭筋を全体的に鍛えるのが良いだろう。


★トレーニング全般
・リハビリ局面ではアイソレート種目をちゃんとやる
- ストレングスを求めるとコンパウンドをやりたくなるが、コンパウンド動作では弱ってる筋肉があると他の強い筋肉で代替しようとするので、筋肉のアンバランスがさらに拡大してしまう。まずはアイソレートで弱い筋肉を強くするのが重要。

・長期的に筋肉のバランスが取れるようなトレーニングプログラムにする
- 偏ったトレーニングプログラムを続けると筋肉のアンバランスは時間の経過とともに拡大してく
膝の前後:大腿四頭筋とハムストリングス
膝の左右:外側広筋と内側広筋斜頭

・片脚でのトレーニングも行う
- 左右の脚の筋力バランスを整えたり、膝の安定に重要な大腿四頭筋と臀筋群を鍛えたり。

・正しいフォームでトレーニングする


★食事・サプリメント
・抗炎症作用のある食生活
- 飽和脂肪酸を摂りすぎない
- オメガ3脂肪酸の摂取を増やして、オメガ6脂肪酸の摂取を減らす。

※オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の摂取比率が重要で、オメガ3脂肪酸も摂取しすぎると健康に悪いんだけど、現代の一般的な食生活ではオメガ6脂肪酸を摂りすぎる傾向があるので、オメガ3脂肪酸の摂取を増やすことを意識してオメガ6脂肪酸を減らすのが良い。

・関節の健康に良いとされるサプリメントを摂取
- グルコサミンとコンドロイチン

※Examine.comを読んだ感じでは、グルコサミンは硫酸塩(塩酸塩は効果ない)の形で摂取すれば。関節の劣化を遅らせるわずかな効果がありそう。グルコサミンを服用してさえいれば関節の健康を保てるようなものではない。費用対効果をどう考えるかの問題なので、ランニングのように膝を酷使するスポーツを行っていてお金に余裕がある人は、わずかにあるかもしれない効果のために服用するのもありだろう。(個人的には運動量を調整したり膝周りの筋肉を鍛えたりしたほうが費用対効果はずっと高いと思う)

コンドロイチンについては、効果を示す研究は実験デザインが良くないものが大半。大規模調査だと効果なしの傾向。現状ではプラシーボ効果を上回る効果があるとは言えない。


10/12/2016

肩の健康のために

 ネタ元
  ↓
Shoulder Savers - Part 1
https://www.t-nation.com/training/shoulder-savers-1

Shoulder Savers - Part 2
https://www.t-nation.com/training/shoulder-savers-2

Cracking the Rotator Cuff Conundrum
https://www.t-nation.com/training/cracking-the-rotator-cuff-conundrum

Push-Ups, Face Pulls, and Shrugs
https://www.t-nation.com/training/push-ups-face-pulls-and-shrugs

★日常生活編

・机に座りっぱなしは避ける
- こまめに立ってうろついたり伸びをしたりストレッチをしたりする。背中を丸めて前かがみになり、肩が丸まり首が突き出る姿勢は肩にも背骨にも良くない。うつむいてスマホを見続けるのも良くない。
- 背筋を伸ばした一般的に良いと言われる姿勢も、ずっとその姿勢を続けるなら身体には良くない。身体にとって良いたったひとつの姿勢というものはなくて、良い姿勢というのは、こまめに姿勢を変えて一箇所に負荷がかからないようにすること。
- 一週間に数時間のエクササイズで姿勢を矯正しようとしても、残りの大部分の時間を悪い姿勢で過ごしたらあまり意味がない。

・身体の片側ばかりを使わない
利き腕じゃないと出来ないことは仕方がないが、いつも一方の腕で頬杖をついたり、いつも片方の肩にバックパックを担いだりといったことは避ける


★トレーニングで気をつけること

・肩峰の形
肩峰の形には個人差があって、オーバーヘッドプレスやストレートバーでのベンチプレスで肩を痛めやすいタイプの人がいる。これらの種目で肩に違和感を感じたり痛くなったりする場合は、他の種目で目的の筋肉を鍛えると良い。

・前鋸筋
- 前鋸筋は、頭上で腕を動かす際に、僧帽筋とともにバランスをとりながら肩甲骨の制御を行う。上腕骨と肩甲骨が上手く連動して動くようにするには前鋸筋もしっかり働くようにしないといけない。
- 肘を伸ばしたまま肩甲骨を寄せて開くプッシュアップをすると良い。高レップが良い。キツイ場合は膝をついたりして負荷を調整する。
動画:Scap Push-Ups

・ベンチプレス
肘を開いて鎖骨に下ろすフォーム(いわゆるボディビルスタイルのベンチプレス)はやめる。あとは体幹を固めるとか、肩を突き出さないとか基本的なことに注意する。

・肩だけを鍛える日はやめる
肩だけを1時間とかやると肩関節に負荷をかけすぎてしまう。バランスを取るエクササイズをやっていれば刺激は十分。もし肩のトレーニングをやるなら、オーバーヘッドプレスとラテラルレイズを少々付け加えると良い。

・軟組織のケア
アクティブリリース、ロルフィング、グラストン、マッサージ、フォームローラーなど。(私はよくしらないです。なんかこのジャンルは胡散臭い感じのものもありますが、この記事を書いている人は信頼できると思うのでエキスパートがやれば高い効果があるのだと思います)

・シーテッドロウ
- 肩甲骨を寄せる動きを鍛えるのを意識する。
- 膝と股関節を使って引くのはよくない(デッドリフトみたいな動き)。
- 僧帽筋上部に力が入って肩が上がって、広背筋と大円筋と上腕三頭筋長頭で引くのも良くない。これをやると胸部の後彎(前かがみ)が悪化する。
- 肩甲骨まわりが固くて引ききれないのを、頭を前に突き出して肘を曲げることで誤魔化すのもよくない。
動画:Good Seated Cable Row

・ラテラルレイズ
肩甲骨と同一平面上で上腕を動かす。真横から約30度前に出して上下させると良い。腕を外旋して親指を上に向けてやるとさらに安全。

真上から見た図

動画:Scapular Plane Lateral Raises

・腹直筋
- クランチなどで腹直筋ばかりを鍛えすぎると体幹の前側(肋骨と骨盤の間)が縮まり、前かがみの姿勢になる。肩甲骨が前傾し肩が前に出て肩を痛めやすくなる。
- プランクやサイドブリッッジなど外腹斜筋も動員したコア安定のトレーニング、それと腹筋の下の方を鍛えて骨盤の前傾を矯正する(これについては今度書きます)。

・ストレートバーでのベンチプレスとバックスクワット
- ベンチプレスは腕と肩の動作域に遊びが無い→ときにはダンベルプレスで代替する、ニュートラルグリップ(手のひらが向かい合う)、動作範囲を短くする(深くまで下ろさない)といった対策で肩への負荷を減らす。
バックスクワットでの腕の姿勢(上腕が外旋・肩が外転)は、肩に負荷がかかる→腕が辛くない特殊なスクワットバーを使う、フロントスクワット、デッドリフトや片脚でのトレーニング(ランジとかスプリットスクワットとか)といった対策で肩への負荷を減らす。

・利き腕と反対側の腕
野球のピッチャーなど利き腕とそうじゃない腕の差が大きい人は、以下の対策が効果的な場合が多い。特に利き腕じゃない方の肩が痛くなるケース(私はバドミントンをやっていたのですがまさにこのケース)。
- 利き腕側は肩甲骨とローテーターカフの安定性を高めるエクササイズが効果的。
- 利き腕じゃない方の肩は可動域を広げるエクササイズ(特に大胸筋、広背筋、三角筋前部のストレッチ)と上腕の外旋動作を鍛えるエクササイズが効果的。

・肩甲下筋
- 肩甲下筋を鍛える。上腕骨頭を後ろに引くのに重要な役割。上腕骨頭を後ろに引けないと前に飛び出してゴリゴリ。
- 台の上にうつ伏せになって、上腕はサポートされた状態で、肩甲骨は下制し、上腕を内旋
- 肩甲骨の裏側の脇の横あたりに筋肉の動きを感じればOK。
動画:Prone Internal Rotations

・胸椎を伸ばす
前かがみの姿勢を矯正するためにフォームローラーで胸椎を伸ばす。ゆっくりと反りすぎないようにやる。肩甲骨のやや下から肩甲骨の真ん中あたりまでをほぐす
動画:Thoracic Extensions on the Foam Roller

・アップライトローは止める
特にストレートバーでのアップライトローで肘を高く上げると肩を痛めやすい。三角筋と僧帽筋上部を鍛えたかったら他に安全な種目はいくつもある。


★エクササイズのバランスの取り方

以下の各動作の1)と2)のエクササイズを両方ともバランス良くやる。一般的に、1)のエクササイズが足りなくて、2)のエクササイズを多くやっていることが多い。偏ると肩の怪我をしやすい。

トータルのレップ数でバランスを取るようにする。重量はそれほど気にしなくて良い。普通は肩甲骨の寄せや上腕の外旋の動作で高重量は扱えないし、怪我のリスクを考えると高重量でやらない方が良い。

動画へのリンクを張ってるのもあるけど、やり方がよくわからなかったら適当に検索してください。あまりメジャーじゃない種目は英語の方が検索ヒットするので英語のまま書いてます。

◇肩甲骨の寄せ、突き出し

1) 肩甲骨の寄せ
全てのローイング(やり方は前述のシーテッドロウを参考に)

Rear Delt Fly
あまり良い動画が見つからなかったけど、軽い重量で肩甲骨を寄せるのを意識する。

Prone Trap Raise Variations

Face Pulls

2) 肩甲骨の突き出し

腕立て伏せ

ディップス


◇肩甲骨の下げ、上げ

1) 肩甲骨の下げ
Scapular Wall Slides

Prone Trap Raise Variations

Behind-the-Neck Band Pulldowns

Prone Cobras to 10&2 (held for time)

Straight-Arm Lat Pulldowns (strict!)

2) 肩甲骨の上げ
シュラッグ

クリーン&スナッチ

Seated Dumbbell Cleans
たぶんこのやり方で良いと思う。軽い重量で高レップ。上げる時に上腕の外旋、下げるときは内旋のエキセントリック動作にせず小指側から下ろすと肩に負荷がかかりにくい。

Cuban Presses


◇上腕骨の外旋、内旋
上腕骨を外側に回転させるのが外旋、内側に回転させるのが内旋。


1) 上腕骨の外旋
Seated Dumbbell Cleans

Cuban Presses

Rear Delt Fly

Prone Trap Raise Variations

Prone Cobras to 10&2 (held for time)

その他外旋動作全て

2) 上腕骨の内旋
ベンチプレス、プッシュアップ

懸垂、ラットプルダウン

フロントレイズ

ディップス

オーバーヘッドプレス

その他内旋動作全て



関連記事:
懸垂のやり過ぎによる怪我リスク(肘と肩)

10/05/2016

懸垂のやり過ぎによる怪我リスク(肘と肩)

ネタ元
  ↓
Strength Training Programs: Are Pull-ups THAT Essential?
http://ericcressey.com/strength-training-programs-pull-ups-essential

懸垂をやり過ぎることによる怪我のリスクについて。主に二つあり、まずは肘に高負荷がかかること、それと広背筋が他の筋肉に比べてアンバランスに強くなることによる身体の歪みと肩の怪我リスク。


★怪我リスク
1. 肘への負荷
腕が引っ張られるので、関節では骨同士が離れる方向に力が働く。骨が離れて腕がちぎれないようにしているのは腱や靭帯。高負荷の懸垂ではこれらの軟組織に強いストレスがかかり、トレーニングを続けると肘を痛めるリスクがある。

どれくらいの重量の懸垂を高負荷と呼ぶかは関節の強度との相対的なもので、その人の関節周りの強さにもよるし、体重にもよる。力士などは自重懸垂でも肘に相当な負荷がかかるだろう。


※体感では、逆手懸垂が最も肘を痛めやすい。というか私は痛めたことがある。逆手のプル動作は引く時に肘に捻じれが発生して怪我リスクが上がると思う。逆手のベントロー(ドリアンロー)も気をつけたほうが良いと思う。プル動作は多分パラレル(ニュートラル)グリップが最も肘を傷めにくい。

肘の痛みについては下の記事に詳しく書きました。

関連記事:筋トレでの肘の痛み-対処方法と予防方法-

 

肩周りの細かい筋肉が弱いと肩や肘を怪我しやすくなります。その対策については以下の記事に。

関連記事:肩甲帯のトレーニング(プッシュ・プル動作に重要)


2. 広背筋が他の筋肉に比べて強すぎると起こる問題
広背筋は背骨の強力な伸筋である。広背筋が他の筋肉に比べてアンバランスに強く縮こまっていると、腰部の反りが強くなる。

広背筋は上腕骨にくっつく途中で、胸部の後ろ側と肩甲骨にもくっついている。このため広背筋に引っ張られて、前から見ると胸が開いた状態になる。また広背筋が僧帽筋下部を圧倒するため、肩甲骨は広背筋に引っ張られて下の方に押し付けられ、肋骨に張り付いたままになり、僧帽筋下部が肩甲骨を寄せたり下げたりする働きをしなくなる。ちなみにBIG3でも肩甲骨が下に押し付けられることが多いので、ウェイトトレーニングを熱心にやる人ほど肩甲骨が下に押し付けられてしまう。


頭と背骨だけ描くとこんな感じ。

肩の後ろ側は広背筋の腱や、大円筋や小円筋や三頭筋の長頭や三角筋後部が集中している。肩甲骨が動かないと、広背筋だけで肩の伸展(上腕を後ろに動かす動作)を行い、他の筋肉は衰える。

ローイング動作で広背筋のみ使うと、肩甲骨は胸部とくっついて前傾し、上腕骨は肩との接合部で前に飛び出る形になり、肩の前部がゴリゴリ圧迫され痛めやすい。



上腕骨に連動して肩甲骨が内側に動くと、上腕骨をしっかり後ろに引ける。


広背筋が強すぎて縮んでいるとると肩峰下のスペースが減り肩を痛めやすい。

腕を上に上げる動きではローテーターカフと僧帽筋下部の働きが重要。広背筋が強すぎるとこれらの筋肉は弱っている。

膝を曲げて仰向けに寝て、背中は床にべったりつける(アーチは作らない)。この姿勢で腕を頭の上に伸ばす(肩の伸展)。肩が不健康になっていると、腕が床までいかなかったり痛みがあったりする。

無理に腕を頭の上まで上げようとすると、腰を反らせて胸部を肩ごと後ろに倒して首を前に突き出す動きになる。この動きで肩の動かなさをカバーしている人は要注意。

※私はこうなってしまう。ショルダープレスをやると肩が痛い。矯正しないと。


★姿勢矯正

身体のアンバランスの直し方の基本は、
- 縮んだ側の筋肉をストレッチ
- 伸びた側の筋肉を強化

背骨についていえば、広背筋が強すぎるケースでは
- 腰椎が過度に伸展し、
- それを補ってバランスを取るために胸椎は過度に屈曲し、首が前に突き出て頚椎が過度に伸展。

この悪い姿勢を直すには、
- 腰椎の伸筋(広背筋)をストレッチし、腰椎の屈筋(腹筋)を強化。
- 首の後ろ側をストレッチし、首を曲げる筋肉を強化。
- 肩甲骨が広背筋の縮こまりから解放され、僧帽筋やローテーターカフでコントロールできるようにする。

★エクササイズ例

・既に広背筋が強い場合、懸垂をやる際は加重を増やすのではなくて、レップ数とセット数を増やす。

・自分の身体の状態をよく確認し、懸垂が痛みをもたらすようなら控える。

・肩の前部や肘が痛い場合は、マッサージやフォームローラーなどの治療を行うこと。

・腕を上げてのシュラッグで、張り付いた肩甲骨を動かし、僧帽筋上部を鍛えて広背筋の引っ張りに対抗する。


・首の後ろ側を伸ばし、首を曲げる筋肉を鍛える。


・腹筋を鍛える。

・肩甲骨を動かし僧帽筋下部を鍛える。いずれのエクササイズも臀筋に力を入れ、コアを安定させ、腕を上げる時に腰が反って頭が前に出ないように気をつける。


・広背筋のストレッチをする。


・水平方向のプル(ローイング動作)のトレーニングも行う。上腕と肩甲骨を同時に動かす正しいフォームで行うこと。

・下の動画のように、背中をべったり壁にくっつけて、腰を反らさず首を前に突き出さず、腕を上に上げて手が壁に付くかテストする。姿勢の歪みが激しい場合は、懸垂はしばらくは控えて、上のようなエクササイズを行い、まずは姿勢矯正した方が良さそう。