3/15/2024

拷問みたいなストレッチをすると普通に筋トレするのと同等の筋肥大効果が得られる

拷問みたいなハードなストレッチをすると、普通に筋トレするのと同等に筋肥大するという研究が出てきています。筋力(アイソメトリック)についても、普通の筋トレと同等の伸びになっています。実用性の面では疑問符が付きますが、学術的に興味深い内容なので取り上げます。

ストレッチによる筋肥大研究のこれまでの流れについては、こちらの論文が詳しいです。ざっと概略を書きます。

(1)Physiology of Stretch-Mediated Hypertrophy and Strength Increases: A Narrative Review
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10587333/ 

動物実験では、ストレッチによる筋肥大について明確な効果が示されています。ただし、重りで無理やり筋肉を引っ張るのを毎日24時間続けるといった、人間対象では不可能な方法です。

人間対象のストレッチ研究は、ストレッチで筋肥大が起きたり、起こらなかったりと結果がばらついています。

ストレッチをする時間の長さと、ストレッチの強度が重要なファクターになっていると考えられます。

一日数分程度の普通のストレッチだと、筋肥大はほぼ起こらないです。短時間のストレッチでも効果があったとする研究が一部ありますが、効果なしの研究のほうが多いです。

一日一時間といった長時間、または筋肉に非常に強いテンションがかかり、痛みを強く感じるストレッチだと、確実に筋肥大が起こりそうです。また、効果が示された研究では、整形外科的な器具を用いて、筋肉を強制的にストレッチ状態で固定しています。

ストレッチで筋肥大が起こるのは、筋肉への力学的な張力(メカニカルテンション)が主要な経路だろうと推測されていますが、詳しいメカニズムははっきりとはわかっていません。筋肉が引っ張られて薄くなることで虚血が起こり、酸欠による筋肥大が起こっている可能性もあるようです。
 

2/22/2024

ファットバーナーはファットをバーンするのか


ファットバーナーは体脂肪を燃やして減らすと謳うサプリメントです。ダイエット効果があるとされる物質を複数組み合わせています。


ファットバーナーの効果を調べた最新の研究を見てみます。

(1)Chronic Thermogenic Dietary Supplement Consumption: Effects on Body Composition, Anthropometrics, and Metabolism
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10674526/

1/28/2024

プロテイン100gを一度に摂取してもちゃんと筋肉に使われるという研究


(1)The anabolic response to protein ingestion during recovery from exercise has no upper limit in magnitude and duration in vivo in humans
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10772463/


プロテイン25gと100gを摂取したときの筋肉合成を調べている研究です。100gという大量のタンパク質を一度に摂取しても無駄にはならず、そのぶん多く筋肉合成されているという結果です。

「一度に大量にタンパク質を摂っても一定量以上は酸化されて無駄になるため、筋肥大を狙うには一食あたり30g程度に分散させて食べたほうが良い」という考えがありますが、それを否定する結果になっています。


1/14/2024

マッサージガンの効果を調べた研究


マッサージガンは筋トレに役立つのか、システマティックレビューを読んで考察していきます。

今回見ていくのはこちらの2023年の研究です。マッサージガンの、運動パフォーマンスと回復への効果について調べています。

(1)The Effects of Massage Guns on Performance and Recovery: A Systematic Review
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10532323/

12/29/2023

イス軸法の筋トレへの応用の可能性

動画:【イス軸法®︎】わずか5秒のクイック整体で驚愕の変化が!【体軸の神秘】
https://www.youtube.com/watch?v=6Qi_Wh2nAQM


動画:【だって怪しいんだもん】凄すぎて信じ難いのでイス軸法®︎を緊急検証!【忖度ヤラセ一切ナシ】
https://www.youtube.com/watch?v=V-X-7eL9Eqg



イス軸法とは、脱力しながら椅子から立ち上がることで、姿勢が良くなるメソッドのことです。

最近、格闘技界で流行ってるっぽいのですが、足腰と体幹が安定するので、筋トレにも使えそうです。


12/08/2023

胸郭出口症候群について

ボディビルの横川選手が胸郭出口症候群になったとのこと。

動画:○○症候群にかかってしまい身体が動かなくなってしまいました。
https://www.youtube.com/watch?v=Fr9V2Abi7Kg

コメント欄では、自分も胸郭出口症候群なったことがあるというコメントが多いです。

調べてみると、ボディビル系だけでなく、パワーリフティング系の人もなりやすいみたいですね。


11/21/2023

筋肥大反応が高い人と低い人の比較研究

(1)High Responders to Hypertrophic Strength Training Also Tend to Lose More Muscle Mass and Strength During Detraining Than Low Responders
https://journals.lww.com/nsca-jscr/fulltext/2021/06000/high_responders_to_hypertrophic_strength_training.4.aspx

(2)Effects of Acute Loading Induced Fatigability, Acute Serum Hormone Responses and Training Volume to Individual Hypertrophy and Maximal Strength during 10 Weeks of Strength Training
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10499158/

筋トレに対する筋肥大の反応が良い人と良くない人ではどのような違いがあるかを調べた研究です。両研究とも使っているデータは同じ実験のものです。10週間の筋トレでの筋肥大の結果から、高反応、中反応、低反応にグループ分けをして、それぞれのグループにどのような特徴があるのかを分析しています。(1)の研究が筋トレを停止したあとのデトレーニング効果を調べていて、(2)の研究は疲労度やホルモンレベルの反応、トレーニングボリュームの推移を調べています。

11/08/2023

デッドリフトの踏み込み技術

デッドリフトの踏み込み技術についての記事です。明確に解説している記事や動画を見たことがないので解説します。

踏み込みの瞬間の意識としては下図です。胸を上げる+尻を下に押し込む



10/18/2023

デッドリフトのバリエーション種目TIER表




納得感のあるTIER表なので紹介。この人はパワーリフターで、パワーリフティング目線(競技種目をどれだけ伸ばせるか)でランク付けしています。fxxkを連呼しているけど、論理的な解説です。

動画:Deadlift Assistance Exercise Tier List (the best deadlift exercises)
https://www.youtube.com/watch?v=DcrikVZx8Uo




10/08/2023

たくさん食べたほうが筋肥大と筋力向上のペースが速くなるのか


カロリー超過幅や体重増加ペースの違いに対するトレーニング効果を比較し、「たくさん食べたほうが筋肥大と筋力向上のペースが速くなるのか?」というテーマを調べた研究を見ていきます。