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5/24/2025

カフェインガムのスクワット・ベンチプレス1RM向上効果

最近、研究が増えてきているカフェインガムについての記事です。カフェインの運動パフォーマンス向上効果は、以前から様々な分野で確かめられています。ただ、それらの研究で用いられているのはカフェイン錠剤です。

チューイングガムの形態でカフェインを摂取すると、吸収経路が錠剤とは異なることから、カフェインの副作用を抑えられます。また、運動のタイミングに血中カフェイン濃度のピークを合わせやすいため、パワー・ストレングス系競技でパフォーマンスを上げやすくなる可能性があります。

7/21/2023

スモウデッドリフトの向き・不向き

前回の記事からの続きです。

関連記事:IPF世界大会でのスモウ・コンベンショナルの割合

デッドリフトで何を鍛えたいか?という視点ではなく、「その人にとってコンベンショナルとスモウのどちらが重量が挙がるか?」の視点で、スモウデッドリフトの向き・不向きを考察していきます。


スモウデッドリフトの向き・不向きを決める要素はいくつか考えられ、ファクトの要素と仮説の要素があります。

ファクトの要素は、

<身長>

身長が高いほど、スモウデッドリフトには不向きになります。身長に関わらずバーの高さは一定なので、身長が高いほど深くしゃがむ必要が出てきて、スモウデッドリフトのメリットが消えていきます。


<横幅>

規格外に巨大な骨格を持ち、横幅が非常に広い場合は、腕の外側に脚を持ってくるスモウの姿勢を取るのが困難になります。


仮説の要素は、

<股関節のスモウ適性>

スモウデッドリフトは、股関節を外旋・外転させた状態で力を入れる必要があります。股関節の形には個人差があり、股関節の形がスモウデッドリフトに適していない場合は、スモウデッドリフトの体勢で力を入れにくかったり、怪我をしやすかったりします。


それぞれ詳しく見ていきます。

7/13/2023

IPF世界大会でのスモウ・コンベンショナルの割合

どのような人がスモウデッドリフトに向いているのかを調べるために、2023年IPFワールドクラシックオープン・パワーリフティング選手権の映像をもとにデッドリフトスタンスの割合を調査しました。


各階級のAグループ(だいたい8人)のみのデータを取りました。Bグループだと競技歴1年の選手もいたりするので、長年の試行錯誤の末に自分にとって最適なスタンスになっていると思われるAグループの選手のみを対象としました。

それでは早速見ていきましょう。

男子は120kg級と120kg超級ではコンベンショナルが圧倒的に多く、それ以外の階級ではスモウが多いです。



女子は、軽量級ではスモウが圧倒的に多いです。中量級では半々に近くて、重量級になってくるとコンベンショナルのほうが多くなります。



12/02/2022

ジョン・ハークはG.O.A.T.か?


G.O.A.T.は Greatest of All Time の略で、史上最も偉大な選手という意味です。ジョン・ハークは最も偉大なのパワーリフターなのか? 今回の記事ではそれを考察していきます。

パワーリフティング界でG.O.A.T.としてまず名前を挙げられるのが、エド・コーンです。

エド・コーンは、1980年代半ばから1990年代後半にかけて100kg級や110kg級でパワーリフティング界のトップとして君臨し続け、71回も世界記録を更新しました。

ジョン・ハークは2016年にIPF(国際パワーリフティング連盟)で83kg級でトップになったあとIPFを去り、薬物黙認の大会に出るようになりました。現在は90kg級と100kg級の世界記録保持者です。

パワーリフティングもボディビルと同様に、薬物検査有りで薬物禁止の団体と、薬物検査無しで薬物黙認の団体があります。IPFは薬物禁止です。

ジョン・ハークのIPF離脱の経緯についてはこちらの記事にくわしく書いてあります。お金の面もあるでしょうけど、自分がどこまでいけるか試してみたいといった内容を語っている動画を見たことがあるので、そういった気持もあったのでしょう。

【IPFを去った二人の若きチャンピオンとパワーリフティングの未来について】
http://mbcpower.web.fc2.com/17.09.11.html

6/05/2021

スターティングストレングスの正しさの範囲

Mark Rippetoe のスターティングストレングス(=パワーリフティング基準でのBIG3)について、色々と書いていきます。否定的なことも書きますが、パワーリフティング基準でのBIG3を「ルールのある遊び」として楽しむことを否定するわけではありません。そこは個人の価値観です。

私がモヤモヤするのは、「パワーリフティング基準でのBIG3は安全で効果的。正しいフォームでやれば怪我リスクの低いトレーニング方法だ」といった主張に対してです。YouTubeにたくさんある「正しい〇〇のやり方」といった動画にも、モヤモヤしたものを感じます。それは誰にとって正しいのか?と。(「宇宙一正しいスクワット」という動画は勢い良すぎてクスッとしました)

昔の私のような準備の出来ていない初心者がバーベルトレーニングで怪我をしたり、経験の浅いトレーナーがスターティングストレングスに傾倒して正しさの範囲を意識せずにクライアントに適用したり・・・そういったことを少しでも減らしたいです。そこら辺をつっついていく記事です。

バーベルトレーニングは筋肉量やストレングスの向上にとても効果的だ、という点には強く同意します。BIG3を否定したいわけではなく、多くの人が安全に効果的にトレーニングできるよう問題点を洗い出して改善していきませんか、という問題提起がしたいです。

5/15/2021

パワーリフティングのケガ率/BIG3の調整

過去のパワーリフティングのケガ率の研究で、パワーリフティングのケガ率は低いというものがあります。同じようにウェイトリフティング(五輪の重量挙げ)のケガ率が低いという研究もあり、マッチョ寄りのフィットネス業界ではそれらの研究をもとに「バーベルを使ったウェイトトレーニングは、正しく行えばケガ率が低く安全である」と言われることが多いです。

しかし、それらの研究での怪我は、トレーニングや試合出場を中断せざるを得ないレベルの怪我のことでした。今回紹介する研究では、怪我を「痛みと、トレーニングに影響を与える機能障害」と定義し、記録上位25%のエリートレベルを除くパワーリフターにアンケートを送って、現在の怪我、過去12ヶ月の怪我について回答を集めています。調査はスウェーデンで行われました。

Prevalence and Consequences of Injuries in Powerlifting: A Cross-sectional Study
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5954586/

バーベルを使って趣味でBIG3をする場合、パワーリフティング系、特にRippetoeのスターティング・ストレングスのやり方をする人も多いと思います。このブログの過去記事にもスターティング・ストレングスのやり方は紹介していますし、自分もそのやり方をやっていました。

ただ、趣味でBIG3をやるなら、パワーリフティング系のやり方から何箇所か調整したほうが、怪我リスクを下げられます。

今回のパワーリフティングの怪我リスクの研究をもとに、BIG3で怪我をしやすい部位、原因、趣味でやる場合の調整方法などを考察していきます。

(今回はパワーリフティングについての研究なのでパワーリフティングのみ取り上げていますが、ウェイトリフティングのケガ率も似たようなものだと思います。トレーニングや試合出場を中断せざるを得ないレベルの怪我は少ないが、痛みを抱えるケースは多いでしょう)