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11/28/2015

食事回数と量の配分


身体のメカニズムを理解し、フレキシブルに食事を組み立てられるようになると、ストレスを軽減できて良いです。


★食事頻度
1日1食や1日20食といった極端なことをやらない限りは、体組成への影響に違いはない。従って、その人の生活スタイルや一日の総摂取量に合わせて、食事頻度と一回あたりの食事量を決めると良い。

小柄な女性など身体の小さい人の場合、一日の総カロリーが少ないため、食事回数を増やすと一回あたりの食事量が極端に少なくなる。一回あたりがあまりに少ないと食事構成を考えるのも大変だし、食事による満足感を得にくくなる。食事回数は1日3回程度が良いだろう。お腹が空いて気分が不安定になる場合は軽食を入れると良い。




運動量の多いアスリートの場合、食事回数が少ないと一回の食事量が多すぎて食べるのが困難になり、トレーニングにも支障が出る。例えば1日5000~10000kcalを3食だと1食あたりの食事量が膨大になる。従って軽食を交えつつ量を確保できるようにする。




★各食事のカロリー配分

[維持カロリー]
摂取カロリー=消費カロリーの場合。

・各食事が等しいカロリー
一般的な生活スタイルだとこんな感じだろう。図中の赤がタンパク質、黄色が脂質、灰色が炭水化物。肝グリコーゲン残量と血中アミノ酸濃度のイメージ図も付記してある。後述するが、ダイエットの際になるべく筋肉を残し体脂肪を減らすには、肝グリコーゲン残量と血中アミノ酸濃度を意識することが重要になる。




[アンダーカロリー]
維持カロリーから20%程度カロリーカットしてダイエットする場合。

・夕食を少なくするパターン
「寝る前に食べると太る」という迷信から、このやり方をやってる人も多いと思う。この食事パターンだと、食事間隔の空く夕食から朝食の間に肝グリコーゲン残量が尽き、アミノ酸供給も途絶える。そうすると筋分解で得たアミノ酸をグルコースに転換する活動が活発になり、これにより筋肉の分解が合成を上回りやすくなり、筋肉の量が減っていく。




・夕食を多くするパターン
図では夕食を少なくするパターンよりもタンパク質摂取量を多くしてあるのであんまりフェアな比較ではないんだけど、夕食にタンパク質と炭水化物をしっかり摂取することで、筋分解を抑制することが出来る。



・夕食を多くすることの長所
- ダイエット中でもお腹が満たされた状態で眠りにつける。空腹だと寝にくいし、睡眠不足になるとコルチゾールレベルが上がり、ダイエットにも健康にも良くない。
- ダイエット中でも家族や友人と同じ食事を食べることが出来、社会性の維持が可能。
- 高齢者の場合、骨格筋がアナボリック抵抗性を持つようになるので、各食事均等に食べるよりも一食にタンパク質摂取を集中させたほうが筋肉の維持につながる。



[ウェイトトレーニングをする場合]

トレーニングの前後にしっかり栄養が供給されるようにするのが基本。夜にトレーニングする場合は、夕食を多く食べる。



リーンゲインズのようなIntermittent Fastingは、夜にトレーニングをする生活スタイルと相性が良い。私はやったことないけど朝か昼にトレーニングをやって夜にFastingの時間がくると辛いと思う。



ダイエット+ウェイトトレーニングの場合は、全体的にタンパク質摂取量を増やして、炭水化物と脂質を減らす。ウェイトトレーニング後は筋グリコーゲンが回復しやすいのでこのタイミングで多めに食べると良い。筋グリコーゲンは激しい運動をしなければ数日はもつので、シビアに減量する場合は、ウェイトトレーニング後に炭水化物摂取で筋グリコーゲン回復させて、他の食事では炭水化物と脂質をカットし、次のウェイトトレーニングで前回補充した筋グリコーゲンを使ってトレーニングする。



★留意点
摂食障害の経歴がある人は、食事量を変動させるのは避けたほうが良い。各食事が等しいカロリーにするのが無難。


参考サイト:
Meal Frequency and Meal Patterning Part 1 – Book Excerpt

9/24/2014

ゴールデンタイムはあるのか?

Nutrient timing revisited: is there a post-exercise anabolic window?
http://www.jissn.com/content/10/1/5

Alan Albert Aragonの関わった論文。2013年のもの。栄養摂取に関するこれまでの研究のレビュー論文。

巷間では、ワークアウト直後の短い時間に栄養摂取をしないとウェイトトレーニングの効果が低くなると言われている。いわゆるゴールデンタイム。英語だと anabolic window と言われる。そんなに摂取タイミングにシビアになる必要があるのか?という論文内容になっています。以下、抄訳。

★グリコーゲン回復
- 筋グリコーゲンレベルが高いとアナボリックになりやすく、筋グリコーゲンレベルが低いとカタボリックになりやすい(AMPKなどが関係する)。
- 筋グリコーゲンは運動直後の炭水化物摂取で回復が速い。炭水化物摂取が遅れるとその後の数時間は筋グリコーゲン回復速度が遅くなる。
- だが一日に複数回の激しい運動をするのでない限り、次のワークアウトまでにはグリコーゲン回復時間が十分になるので、神経質にならなくても良い。

★筋分解
- 運動後の栄養摂取は、運動後のカタボリックを防ぐ効果。インスリンレベルの上昇によってカタボリックが防がれる。運動後に絶食が続くとカタボリックが優勢になり、筋肉のタンパク質のネットバランスがマイナスになる。
- インスリンの抗カタボリック効果は空腹時の3-4倍程度のインスリンレベルでプラトーに達する。実験によると、このインスリンレベルは通常の固形物の食事やホエイプロテインパウダー(45g)のみで十分に達成可能。
- そもそも通常の食事の消化吸収には時間がかかるので、運動前に十分に栄養摂取してない場合にのみ、運動直後に速やかにインスリンレベルを上げたほうがよいということになる。
- また運動後の筋合成/筋分解でネットバランスに寄与するのは筋合成の方が大きく、筋分解抑制による寄与は小さい。従って、カタボリックを防ぐために運動後に慌ててインスリンレベルをスパイクさせることにどれだけ効果があるかは疑問。

★筋合成
- 運動と血中アミノ酸濃度の上昇を組み合わせることで筋合成が大きく上昇する。炭水化物の摂取が筋合成を上昇させるかについては、効果ありという研究と無しという研究とがある。
- 摂取タイミングを数時間遅らせたケースに対しての、運動直後のアミノ酸(タンパク質)摂取の優位性は一貫して示されてはいない。ありなし両方の研究がある。ありの方も、持久運動だったり実験デザインに欠陥があったりで強固なエビデンスとは言いがたい。
- また被験者がトレーニング歴があるか初心者かによる違いもある。
- そもそもこれらのacute研究で調べられている運動後数時間の筋合成/筋分解によるネットバランス変化が、長期の筋肥大にそのままつながるかは不明である。

★長期での筋肥大
- 研究の数が少ないし、実験結果がまちまち。運動前後の栄養摂取が効果ありという研究もあれば無しという研究もある。それに加えて実験デザインにより解釈に注意が必要。
- タンパク質vsプラシーボの場合、一日トータルのタンパク質摂取量に違いがでるので、筋肥大の結果の違いが摂取タイミングによるものかトータルのタンパク質摂取量によるものかわからない。
- 運動前と運動後の両方にタンパク質摂取している研究が多く、運動後摂取による効果の切り分けができない。
- 期間が短いと測定方法の性能限界により、筋肥大に差が出ているかわからない。

★ディスカッション
- 運動直後にすぐに栄養摂取することは、長期の筋肥大を最大化するのに非常に重要であるという主張を裏付ける決定的なエビデンスは今のところ無い。
- 空腹状態で運動をした場合は、その直後に栄養摂取をすることは効果的であろう。例えば、朝起きて何も食べずにワークアウトを行った場合は、直後の栄養摂取が推奨される。
- 実際に多くの人が行うトレーニング/栄養摂取プログラムを考えると、運動の1-2時間前にしっかりした食事を摂取すれば、運動後まで消化吸収は続いているので、運動前中後に渡って身体には栄養供給が行われていることになる。また運動直前の20gのホエイプロテイン摂取でも運動後3時間まで筋合成レベルが上昇していたという研究もある。このように運動前に栄養摂取を行った場合は、運動直後に再び栄養摂取を行うのはリダンダントであろう。通常の食事間隔で次の食事を摂れば、栄養摂取は十分だろう。
- 前の食事から運動まで3-4時間以上空く場合は、運動直前か運動直後の栄養摂取が推奨されるだろう。
- これまでの研究結果からは運動直後の栄養摂取の効果については曖昧な答えしか出ないが、シビアな結果を求めるアスリートは、あるかもしれない効果に賭けて運動直後に栄養摂取するのも良いだろう。効果がなかった場合でもコストは低い。

★実践
- タイミングは運動直前直後に拘らず、運動前と後の両方に0.4-0.5g/除脂肪体重kgのタンパク質を含む食事の摂取が、シンプルでフェールセーフなガイドラインだろう。この運動前と運動後の食事の間隔は3-4時間以上空けない方がよいだろう。ただ、食事の量が多い場合は5-6時間空けるのも良い。
- 例えば、運動前食事→90分休み→運動を60分間→90分休み→運動後食事だと、食事の間隔は4時間となりガイドラインに沿ったものになる。個人の好みやライフスタイルによって食事と運動の間隔はフレキシブルに調整可能である(図1参照)。もちろん一日のトータルのタンパク質摂取量は重要である(※)。
- 炭水化物の摂取タイミングについては、はっきりとした推奨方法を示すには一貫したデータを欠いている。一日のトータルの摂取量を決めて、それを守れば、タイミングはあまり気にしなくて良いのではないだろうか。





※筋肥大を目指してウェイトトレーニングを行う人の一日のトータルのタンパク質摂取量についての私の追記コメント。専門家によって推奨している数字が違うんだけど、維持カロリー以上摂取しているなら1日トータルで2g/体重kgの摂取で十分だと思われる。これでも一般的な推奨値よりも多め。多めでも食費がかかる以外には特にデメリット無いし。基本的には、カロリー不足、運動強度が高い、初心者、といった要因があると必要なタンパク質摂取量は増える。


関連記事:
タンパク質の摂取タイミングの効果についてのメタ解析研究

5/30/2014

オーバーカロリー時のグルコース・フルクトース摂取の影響






1日の必要カロリーの25%相当のグルコースもしくはフルクトースを10週間にわたって摂取した場合の、体組成および脂質代謝異常やインスリン感受性に関する各指標への影響を調べた研究。結論を先に書いておくと、オーバーカロリーの状態でフルクトースを大量に摂取すると、腹部内臓脂肪が増加しやすく、脂質代謝異常のリスクが高まり、耐糖能が低下し、インスリン感受性が低下する。


★基礎知識
グルコース: ブドウ糖
フルクトース: 果糖
スクロース: グルコース分子1つとフルクトース分子1つが結合したもの。いわゆる普通の砂糖。

普通の食べ物で甘いものにはだいたいフルクトースが含まれている(麦芽糖や人工甘味料を除く)。


★実験条件
<被験者>
健康状況: 健康(肥満で中性脂肪などの各指標は良くはないけど現状では特に病気無し)
性別: 男性・女性
人数: 32名
年齢: 45-72歳
BMI: 25-35
運動: 被験者選びの段階で週の運動時間が3.5時間以上の人は除外。実験期間中も運動指導はなし。

<期間>
3段階の実験フェーズで構成されている。
a) 研究センター内での2週間。維持カロリーの食事。マクロ栄養素の割合は、タンパク質15%、脂質30%、炭水化物55%。炭水化物は複合炭水化物。
b) 研究センター外での8週間。自由な食事に加えて、1日の必要カロリーの25%相当のグルコースもしくはフルクトースのドリンクを摂取。糖ドリンクは3度の食事の時にそれぞれ一緒に摂取。これ以外は糖分の含まれる飲み物を飲まないよう指導。
c) 研究センター内での2週間。1日の必要カロリーの25%相当のグルコースもしくはフルクトースのドリンクを摂取しつつ、トータルで維持カロリーになるように食事管理。マクロ栄養素の割合は、タンパク質15%、脂質30%、炭水化物55%。炭水化物は複合炭水化物30%と、グルコースもしくはフルクトース25%。


★結果
- 研究センター外の8週間の体重・体脂肪量・ウェストサイズの増加は、グルコース・フルクトース群とも同じくらい。(Table 3 参照)
- フルクトース群は、腹部の体脂肪、特に内臓脂肪の増加が多かった。グルコース群は腹部内臓脂肪はほとんど増えなかった。(Figure 1 と Table 3 を参照 / SAT=皮下脂肪 VAT=内臓脂肪)
- 男性は腹部内臓脂肪の増加が女性よりも顕著だった。(Table S3 の最下段参照)
- 血中の脂質とリポタンパクの各指標は、全般的にフルクトース群の方が大幅に増加。(Table 4 参照)
- 食後のDNL(糖質→脂質)変換はフルクトース群で大幅に増加。(Table 4 参照)
- 耐糖能は、グルコース群では変わらなかったが、フルクトース群では低下。(Table 5 参照)
- インスリン感受性は、グルコース群では男性が上昇、女性は低下、フルクトース群では男女とも低下し女性の方が低下率が大きい。(Table 5 参照)


★個人的な感想
この実験とボディメイクでの意図的な増量では、運動の有無と、実験の被験者がすでにかなりの肥満であるという点が異なる。まあ増量時は甘いものを大量に食べない方が、比較的健康的に増量できるだろう。摂取する炭水化物は、米やパスタなど複合炭水化物を主体にするのが良いだろう。デザートやおやつに適度に甘いものを食べるのはさして影響ないと思う。

ちなみにこの研究で摂取したフルクトースと同レベルのフルクトースを摂取しようとしたら、成人男性(1日の必要摂取カロリー2400kcalと想定)で毎日2.5リットルのコーラを飲む必要がある。砂糖なら300グラム。ただ、フルクトースに加えてほぼ同量のグルコースも摂取することになるのでこの実験デザインと等しくはならない。


参考:
Consuming fructose-sweetened, not glucose-sweetened, beverages increases visceral adiposity and lipids and decreases insulin sensitivity in overweight/obese humans
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19381015

関連記事:
維持カロリーでの砂糖・果糖ぶどう糖液糖の摂取の影響

砂糖と糖尿病

果糖ぶどう糖液糖と肥満

5/23/2014

運動とミルクの摂取の効果


運動とミルクの摂取に関する研究はあまり多くは無いが、これまでの研究によるとミルクはレジスタンストレーニング後の筋合成にも、持久運動後の回復にも向いているドリンクだと思われる。


★低脂肪乳の成分の特徴(低脂肪乳を使った研究が多いので)
・タンパク質: カゼインとホエイで、比率は4:1~3:1。カゼインは消化吸収が遅く、長時間に渡って身体にアミノ酸を供給できる。ホエイは消化吸収が速く、BCAA含有率が約25%と高い。
・炭水化物: 乳糖。乳糖不耐症の人の摂取には向いていない。
・電解質: 豊富に含まれる。運動で失われた電解質の補給に有効。


★レジスタンストレーニング
レジスタンストレーニング後にミルクを摂取した場合の効果についての研究をいくつか。

・マクロ栄養素のバランスを等しくした無脂肪乳とソイプロテインドリンクをレジスタンストレーニング後に摂取し、その後数時間の筋合成を調べた研究では、無脂肪乳の方がより多く筋合成されたという結果に。

・期間10週間の研究。低脂肪チョコレートミルクと、市販のスポーツドリンク(カーボのみ含有)。それぞれ等カロリーをレジスタンストレーニング後に摂取。10週間後の筋力や体組成は同じくらいだった。ただ、低脂肪チョコレートミルクの方が除脂肪軟部組織(腱、靭帯、筋膜、皮膚、血管、横紋筋など)が増加した。

・期間12週間の研究。マクロ栄養素のバランスを等しくした無脂肪乳とソイプロテインドリンク。12週間後の測定では、無脂肪乳グループの方が筋量増加、脂肪減少という結果になった。脂肪減少はカルシウムの摂取が関係しているのではないかと推測される。


★持久運動
・持久運動における栄養摂取のタイミングとその目的
- 運動前: 運動に必要なエネルギーを補充する。ただし運動の邪魔にはならないように
- 運動中: エネルギーを補充し、体内のエネルギー枯渇を遅らせる。
- 運動後: 回復及び運動への身体の適応反応をサポート(ミトコンドリア増加などの持久能力の向上にも材料が必要)

・ミルクはやや腹が膨れる感覚があるが、運動能力には影響は無さそう。

・運動中に摂取したケース。運動持続が限界に達するまでの時間は、スポーツドリンク的な飲料(電解質+カーボ)、低脂肪乳、水では、この順にタイムが伸びる傾向はあったが統計的に有意な差は出なかった。

・運動後の回復は主に、グリコーゲン再合成と身体の水分回復。
- グリコーゲン再合成を直接調べた研究は無いが、激しい運動→休憩&ドリンク摂取→再び激しい運動をしてそのパフォーマンスを測定した研究では、チョコレートミルクは市販のスポーツドリンクと同程度の効果を発揮した。回復効果は高いと思われる。(この研究ではカーボドリンクの効果が劣ってたから、電解質と水分回復の影響かもしれない)
- 暑い環境で運動して脱水気味になった後に各種ドリンクを摂取した研究では、低脂肪乳の方がスポーツドリンクよりも身体の水分回復が早かった。電解質が多く含まれるのと、他のドリンクに比べて吸収が遅めなのが要因と思われる。


★結論
ミルクは運動後に飲むのに適したドリンクだと言えるだろう。ビタミンなどの微量栄養素の面ではスポーツドリンクよりも優れている。コンビニでも安く買える。カロリーが気になる場合は低脂肪乳を選択。最近ではスポーツ用と称した牛乳も売られている(明治のスポーツミルクという商品)。


ここまで書いておいてなんだけど・・・個人的にはミルクはほとんど飲まない。匂いが苦手なのと、レジスタンストレーニング後の栄養摂取目的だと量が多くてお腹がちゃぽちゃぽするので。ホエイプロテインパウダーをドロドロに溶いたものをカッテージチーズ(ほぼカゼイン)にかけたものをよく摂取する。


参考:
Milk: the new sports drink? A Review
http://www.jissn.com/content/5/1/15

関連記事: タンパク質の消化吸収速度の違いによる筋肥大への影響
http://changebodycomposition.blogspot.jp/2014/05/blog-post_15.html

1/31/2014

トレーニング前の栄養摂取


Fasted Training Boosts Muscle Growth?
http://www.leangains.com/2009/12/fasted-training-boosts-muscle-growth.html
炭水化物メインの食事を摂った場合と、絶食状態の場合で、レジスタンストレーニングをして、その後のタンパク質・炭水化物補給時における筋合成の度合いを比較した研究。 絶食時の方がアナボリックが高まった。絶食時の方がトレーニング中のカタボリックも盛んだろうから、長期的に見て筋肉が増えるのかは不明。

Pre-Workout Protein Boosts Metabolism
http://www.leangains.com/2009/12/pre-workout-protein-boosts-metabolism.html
トレーニング前のタンパク質(ホエイ)摂取と、炭水化物摂取を比較した研究。 タンパク質摂取したグループの方がEPOCが大きい。おそらく筋合成の差。

このブログの筆者(リーンゲインズの主唱者)は、「絶食+トレーニング前のアミノ酸もしくはタンパク質摂取+トレーニング後にメインの食事」でアナボリック効果を大きく出来るのではと言っている。絶食といっても、リーンゲインズでは2時間くらいまえに軽い食事を摂るプログラムもOKと言っているので、トレーニング時にインスリンの影響を排除できれば良いと考えている模様。


1/27/2014

ナッツを食べ過ぎても太らない!?

研究で、普通の食事にナッツを加えても体重があまり増えなかったり、体重が変わらなかったりした。

ナッツはマグネシウムやビタミンEやファイトケミカルなどを含み、健康に良い。しかしナッツは脂質が多くて高カロリーなので、何故食べても太らないという結果に?

1. ナッツを食べることで満腹感を得で、あとの食事の量が減った。
2. 消費カロリーの増加。タンパク質が多い(食事誘発性熱産生が高まる)、脂肪酸組成の影響、もしくはその両方。
3. 吸収されず排泄されるカロリーが増える。ナッツに含まれる繊維か他の含有物の影響。

これらの3つの要因で95%を説明する。大部分は満腹感の影響なので、もちろん食べ過ぎれば太る。

Nuts and Bodyweight – Q&A
http://www.bodyrecomposition.com/nutrition/nuts-and-bodyweight-qa.html

1/24/2014

タンパク質について

★タンパク質の消化率

動物性タンパク質は消化率が高い。植物性は低め。植物性タンパク質はアミノ酸スコアも低いので、植物性タンパク質中心に摂取する場合は多めに食べる必要。
What Are Good Sources of Protein? – Digestibility
http://www.bodyrecomposition.com/nutrition/what-are-good-sources-of-protein-digestibility.html



★タンパク質の消化速度

高齢になると、タンパク質への反応が鈍くなるので、アミノ酸濃度を急上昇させるタンパク質の方がアナボリック効果が高くなる。若いうちはあまり差がない。

一般的には、ホエイは血中アミノ酸濃度を急上昇させてアナボリック効果、カゼインはアミノ酸濃度を長時間保ち抗カタボリック効果と言われるが・・・

夜中寝てる間の絶食のあと、朝一にタンパク質を摂取した場合の身体の反応を調べた研究が多い。前回の食事が消化中の時にタンパク質を摂取したら身体はどう反応するかの研究は見当たらないので、現実の昼食や夕食で身体がどう反応しているのかはよくわからない。

今回の話は全て、トレーニング中後以外の時の話。トレーニングすると身体の反応が大きく変わってくる。

What Are Good Sources of Protein? – Speed of Digestion Part 2
http://www.bodyrecomposition.com/nutrition/what-are-good-sources-of-protein-speed-of-digestion-part-2.html
(テンダーロインのデータは、テンダーロインに似せたアミノ酸組成を静脈注射したもの)

WPHとWPIの消化速度はほとんど変わらない。

そもそも消化の速いタンパク質の方が良いのか?

通常の食事やトレーニング後は、より遅い、もしくは遅いのと速いタンパク質のミックスが良いとライルは言っている(高齢者除く)。ホエイとカゼインを含み、他の微量栄養素も含む牛乳もトレーニング後の回復に良い。

トレーニング前中は、吸収速いプロテインが良い。

ホエイは消化が速いので、アミノ酸燃焼されやすい。

What Are Good Sources of Protein? – Speed of Digestion Part 3
http://www.bodyrecomposition.com/nutrition/what-are-good-sources-of-protein-speed-of-digestion-part-3.html


★タンパク質のクオリティ

アミノ酸スコア: 実際に身体でどのように使われるのかや、消化率については何も語ってない。アミノ酸・タンパク質のリクワイアメントは年齢や運動種類によって変わる。

Biological Value(BV): 血流に入ったタンパク質がどれだけ身体に保持されるかの指標。摂取量と排泄量から算出。タンパク質摂取量やカロリー摂取量に影響される。タンパク質摂取量が多いとBV低下、カロリー摂取多いとBV上昇。現代先進国の人間やアスリートの高タンパク高カロリーの食事だとあまり参考にならない。

タンパク質のクオリティは、タンパク質とカロリーが不足している発展途上国では重要な問題で、各指標はそのためのもの。

カロリー十分で除脂肪体重1kgあたり2-3gのタンパク質を、高品質で色々な食材から摂取していれば、個々のタンパク質の差は問題にならない。

カロリー不足の状態ではタンパク質の差は重要に。乳製品のタンパク質(ホエイとカゼイン)が有利らしい(理由はここでは割愛されている)

What Are Good Sources of Protein? – Protein Quality
http://www.bodyrecomposition.com/nutrition/what-are-good-sources-of-protein-protein-quality.html


★アミノ酸組成

臓器、骨格筋、髪、肌、酵素、肝タンパク質など、それぞれ必要なアミノ酸組成は異なる。

大まかにわけて、基本的な健康と身体機能にとって必要なアミノ酸組成と、運動パフォーマンスの最適化に必要なアミノ酸組成がある。前者は普通に肉、魚、卵、乳製品、豆など高品質のタンパク質を食べてれば問題ない。

魚のタンパク質がインスリン感受性に良い影響を与えるという研究も。

What Are Good Sources of Protein? – Amino Acid Profile Part 1
http://www.bodyrecomposition.com/nutrition/what-are-good-sources-of-protein-amino-acid-profile-part-1.html

BCAA 分岐鎖アミノ酸。ロイシン、イソロイシン、バリン。筋肉の材料になり、運動のエネルギーとしても使われる。肉のタンパク質は15%がBCAA。ホエイが25%、カゼインが20%。

BCAA補給によるベネフィットを示した研究の多くは、十分なタンパク質を与えていない状況で行われていることに注意。欠乏状態と充足状態とでは栄養素の影響は異なる。

持久運動で消費されるカロリーの5-10%はアミノ酸を燃焼して賄われる。BCAAは特に使われる。持久運動の際、一時間あたり10-12gの吸収の速いタンパク質と炭水化物を摂取すると、筋肉のダメージを減らし回復を早める。ホエイ摂取お薦め。

ウェイトトレーニングではそれほどアミノ酸は消費されないだろう。

強度の高い持久運動による免疫力低下を防ぐには、十分なタンパク質摂取が必要。運動中の炭水化物摂取はさらに重要。

ウェイトトレーニングでは免疫力へのネガティブな影響はない傾向。毎日ハードなトレーニングをしない限りは。

What Are Good Sources of Protein? – Amino Acid Profile Part 2
http://www.bodyrecomposition.com/nutrition/what-are-good-sources-of-protein-amino-acid-profile-part-2.html

運動への適応。レジスタンストレーニングは筋肥大、持久運動はエネルギー生成に必要なミトコンドリアや酵素の増加。従って、それぞれの運動の適応に身体が必要とするアミノ酸は異なるだろう。

肝臓が身体に必要なアミノ酸を血流に放出する門の役割で、余分なアミノ酸は破棄されるか燃焼される。摂取したアミノ酸組成と血流に表れるアミノ酸組成はほとんど関係ない。BCAAは優先的に骨格筋に送られる。

BCAAは筋合成を促進する。具体的にはロイシンが。でもこれらの研究はタンパク質摂取が不足している状態だったり、高齢者を対象としてたりして、しっかり栄養摂取している若いトレーニーが追加でBCAAを摂取するとどうなるのかという疑問には答えていない。実際は、十分なタンパク質を摂取していれば良さそう。トレーニング時はホエイと炭水化物の摂取がお薦め。

高品質のタンパク質を様々な食材から得て、十分なカロリーを摂取していれば、特定のアミノ酸を摂取することでレジスタンストレーニングや持久運動のパフォーマンス向上がもたらされるとは考えにくい。

減量時にはタンパク質の必要摂取量が増加する。減量時は乳製品のタンパク質(wholeで)がお薦め。

魚のタンパク質(具体的には鱈)はインスリン感受性と、おそらくはレプチン感受性を改善する。タウリンの作用と思われる。

What Are Good Sources of Protein? – Amino Acid Profile Part 3
http://www.bodyrecomposition.com/nutrition/what-are-good-sources-of-protein-amino-acid-profile-part-3.html

亜鉛:免疫機構、食欲、レプチンレベル、テストステロンなどのホルモンレベルに関わる。対内に貯蔵出来ないので日々摂取する必要がある。多く含まれる食物は、牡蠣、赤身肉、レバー、蟹肉、チーズ、チキン。

鉄分:赤血球や甲状腺機能に関わる。赤身肉、レバー、内臓肉、チキン。

B12:ヴィーガンやB12の吸収に障害を持っている人以外は普通に食事していれば大丈夫。

カルシウム:骨の健康を保つ。十分に摂取すると、血圧を下げたり体脂肪を減らしたりする可能性。カルシウムは脂質の吸収や脂質の燃焼に影響を与えているかもしれない。乳製品。

What Are Good Sources of Protein? – Micronutrient Content
http://www.bodyrecomposition.com/nutrition/what-are-good-sources-of-protein-micronutrient-content.html



★脂質

脂肪酸の種類
- 飽和脂肪酸: 動物性の食品に含まれる。ある種の飽和脂肪酸はコレステロールレベルを上げるが、ほかは影響なし。
- 不飽和脂肪酸: 常温で液体。健康に対してはニュートラル。
- 多価不飽和脂肪酸: 主に植物性の食品に含まれる。オメガ3脂肪酸は魚油(EPA・DHA)と亜麻油・紫蘇油(ALA)。オメガ3脂肪酸はとても健康によい。
- トランス脂肪酸: たぶん健康にはそれほど良くない。摂取量による。タンパク質豊富な食品にはあまり含まれないので、ここではあまり触れない。
- MCT、CLA: タンパク質豊富な食品にはあまり含まれないので、ここではあまり触れない。

赤身肉:部分によって含まれる脂質の量が大きく異なる。飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸が半々くらい。わずかに多価不飽和脂肪酸も含む。

鶏肉:部分によって含まれる脂質の量が大きく異なる。皮なし胸肉はほぼ無脂質。大部分が不飽和脂肪酸で残りが飽和脂肪酸、わずかに多価不飽和脂肪酸。

豚肉:脂質が多い。テンダーロイン例外でほぼ無脂質。

卵:全卵のタンパク質のクオリティはとても高いが、白身だけだとそれほど高くない。コレステロールについては、少数のセンシティブな人以外は問題ない。脂質は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸が半々くらい、わずかに多価不飽和脂肪酸。

魚:種類によって含まれる脂質の量が大きく異なる。多価不飽和脂肪酸が多い。半分くらいは一価不飽和脂肪酸。

乳製品: 牛乳の脂質の大部分は飽和脂肪酸、少量の不飽和脂肪酸、ごくわずかの多価不飽和脂肪酸。

豆類とナッツ: 豆類は脂質が少ない。ナッツは脂質多いが、大部分が不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸。

大豆: 脂質多い。半分が多価不飽和脂肪酸、残りは飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の半々。植物性エストロゲンの問題。

What Are Good Sources of Protein? – Dietary Fat Content
http://www.bodyrecomposition.com/nutrition/what-are-good-sources-of-protein-dietary-fat-content.html





その他のチェックポイン後
・可用性
・タンパク質含有率、付随する脂質と炭水化物の量
・コスト

どのタンパク質がベストなのかはコンテキスト次第。

What Are Good Sources of Protein? – Wrapping it Up
http://www.bodyrecomposition.com/nutrition/what-are-good-sources-of-protein-wrapping-it-up.html

1/23/2014

本気で身体を作りたい人の食生活の基礎

・食事回数
- 普通の量の固形物の食事で5-6時間アナボリックの状態になる。この程度の間隔で食事すれば筋分解は心配しなくて良い。一日に4-6回の食事が目安。プロテイン粉末(ホエイ・ソイ)や少量の食事など、消化がすぐ終わるものを摂取した場合は、間隔を短くする。
- 一日の総カロリーが多い人は回数を増やして一回あたりの食事量を少なくした方が楽。
- 最近の研究だと、断続的断食や少ない食事回数の方が健康によいという結果に。

・栄養摂取タイミング
- 朝食は寝てる間のカタボリックを止めるのに大事という説と、断続的断食や実際の経験からそれには疑問符が付くという説。
- トレーニングする時は、前か途中か後(かそれら全てのタイミング)に栄養摂取した方が良い。栄養摂取は、タンパク質と炭水化物。

・寝る前、夜間の食事
- 内臓が正常に機能するには内臓の休息時間が必要という研究があるが、これは病院での研究で、アスリートに適用出来るかは不明。
- 夜中わざわざ起きだして栄養摂取するのは、回復に重要な睡眠を犠牲にするので止めたほうが良さそう。

・総カロリー
- 増量期は維持カロリーの10-20%オーバーが目安。
- オーバーカロリーでNEATが増える人は太りにくい。

・水分補給は十分にすること。一日に5回、トレーニング後に2回、クリアな尿が出ることが目安。

・タンパク質
- 推奨摂取量 1.1-1.4 g/lb (男)
- 必要摂取量以上のタンパク質を摂取しても筋肥大速度が上がるわけではない。必要摂取量を満たしたら、あとは炭水化物と脂質でカロリー調整。
- どのタンパク質が良いか。それぞれ一長一短がある(別記事にまとめる)。総摂取量とカロリーを確保すれば、あとは色々食べれば良い。

・炭水化物
- ウェイトトレーニングは筋グリコーゲンによってのみ行われる。高強度のウェイトトレーニングを行うには、一定量の炭水化物を摂取しなければならない。
- 参考としては、 ウェイトトレーニングする人なら、総カロリーの5割前後を炭水化物で摂取。2-3g/lbでも計算できる。インスリン抵抗性が高い人は炭水化物少なめで。
- GI値はそんなに気にしなくて良い。食べる量によって身体の反応は違うし、食事では色々混ぜて食べるし。低GI食品は精製度が低くて栄養価が高い傾向があるので、まあなるべくそういう食品を食べたほうが健康には良い。

・脂質
- 必須脂肪酸は毎日摂ろう。オメガ3脂肪酸はとても身体に良い。
- 低脂質・高ファイバーだとテストステロンレベルが低下するという研究。
- 高脂質・低炭水化物の方がタンパク質保持に良いという研究も。
- 総カロリーの20-25%を脂質で摂取。


The Baseline Diet 2009: Part 1-2
http://www.bodyrecomposition.com/muscle-gain/the-baseline-diet-part-1.html
http://www.bodyrecomposition.com/muscle-gain/the-baseline-diet-part-2.html


1/15/2014

体脂肪合成のメカニズム


体脂肪はトリグリセリドの形で貯蔵される。体脂肪の貯蔵に関わる重要な酵素は以下の2つ。

・LPL  lipoprotein lipase 
・ASP Acylation stimulating protein

炭水化物・タンパク質→インスリン→LPL
脂質→カイロミクロン→ASP

LPLは主にインスリンによって活性化される。インスリンは炭水化物とタンパク質の摂取により分泌される。LPLは脂肪細胞内で作られ、脂肪細胞外壁に出ていき、カイロミクロンとくっつき、トリグリセリドを取り出して分解し、遊離脂肪酸を脂肪細胞周辺に解き放つ。遊離脂肪酸は脂肪細胞内に入るか、血液中に放出されエネルギーとして利用される。脂肪細胞内に入った遊離脂肪酸はグリセロールと結合し、トリグリセリドとなる。筋肉組織と心臓組織にもLPLは存在し、これらの組織で遊離脂肪酸がエネルギーとして利用されるのを助けている。血中のカイロミクロンの存在もLPLの活動を増加させる。

ASPは脂肪細胞内に存在し、カイロミクロンによって活性化される。ASPは遊離脂肪酸とグリセロールからトリグリセリドを合成するのを促進する。 ASPはインスリンレベルを高める働きもある。


従って、「糖質オフの食事ならインスリンの分泌を避けられ体脂肪が増えない」というのは間違い。もし人体がそんなメカニズムだったら大変。まず血中の脂質を脂肪組織に取り込めなくなるので、血中の脂質濃度が高いままになり健康に悪い。そもそもエスキモーがなぜ生きていられるのかという話になる。体脂肪の分解と合成は常に起こっているので、肉ばかり食べることで体脂肪合成が止まるのなら、分解のみが進んでいき、いつかは生存不可能な水準(3%くらい)まで体脂肪率が低下して死ぬ。


参考: Lyle Mcdonald / The Stubborn Fat Solution > p.24-26