1/31/2014

Intermittent Fastingのレプチンとアドレナリンへの影響

IFでレプチンレベルに波が出来る。平均のレプチンレベルは良くなるっぽい。
アドレナリンに好影響がでるっぽい。アドレナリンはレプチンの支配から外れるらしい。

体脂肪率一桁ではゆっくり減量すること。体脂肪率一桁の維持を、性欲減退などの副作用なしに出来ている模様。リフィードとファスティングの方が、一日6回とか栄養摂取するよりも適しているのだろうか。

しかし72時間のファスティングの研究だったり、ラマダン対象の研究だったり。リーンゲインズのタイムフレームと、レジスタンストレーニングを組み込んだ研究はないものか。

Intermittent Fasting, Set-Point and Leptin
http://www.leangains.com/2010/03/intermittent-fasting-set-point-and.html

トレーニング前の栄養摂取


Fasted Training Boosts Muscle Growth?
http://www.leangains.com/2009/12/fasted-training-boosts-muscle-growth.html
炭水化物メインの食事を摂った場合と、絶食状態の場合で、レジスタンストレーニングをして、その後のタンパク質・炭水化物補給時における筋合成の度合いを比較した研究。 絶食時の方がアナボリックが高まった。絶食時の方がトレーニング中のカタボリックも盛んだろうから、長期的に見て筋肉が増えるのかは不明。

Pre-Workout Protein Boosts Metabolism
http://www.leangains.com/2009/12/pre-workout-protein-boosts-metabolism.html
トレーニング前のタンパク質(ホエイ)摂取と、炭水化物摂取を比較した研究。 タンパク質摂取したグループの方がEPOCが大きい。おそらく筋合成の差。

このブログの筆者(リーンゲインズの主唱者)は、「絶食+トレーニング前のアミノ酸もしくはタンパク質摂取+トレーニング後にメインの食事」でアナボリック効果を大きく出来るのではと言っている。絶食といっても、リーンゲインズでは2時間くらいまえに軽い食事を摂るプログラムもOKと言っているので、トレーニング時にインスリンの影響を排除できれば良いと考えている模様。


1/30/2014

レプチンについて

レプチンは、身体のエネルギーレベル(脂肪貯蔵とエネルギー摂取)を脳に伝える役割を持つホルモン。代謝率や食欲を変動させて、一定水準のエネルギーレベルに保とうとする。ただし、人間は太りやすさと痩せやすさは非対称。人間にとって飢餓回避が最も重要だったから。

主に脂肪細胞から分泌される。骨格筋や内臓からも少量分泌される。

脂肪細胞は、単なるエネルギーの貯蔵場所ではなくて、内分泌器官であるというのが現在の考え方。レプチン以外にもホルモンを分泌している。

男性は体脂肪率15%くらいからレプチンレベルの問題が大きくなってくる。体脂肪率が10%以下になると、血中のレプチンレベルが検知できないレベルまで低下する。

レプチンレベルは食事内容によっても変化する。特に炭水化物の摂取が重要。

レプチンレベルの変化は速い。減量を始めると、一週間以内にレプチンレベルが30-50%低下する。それ以降は体脂肪率の変化とともに変化していく。

短期間の過食でも、レプチンレベルは回復する。体脂肪が増加するよりも早く。短期間では炭水化物の摂取がレプチンレベルの回復に有効。脂質摂取はおそらく関係ない。脂肪細胞内でのグルコースの代謝がレプチンの合成と分泌に影響。

レプチンの働きは、骨格筋での脂質燃焼促進、脂肪細胞の代謝、肝臓の代謝、免疫機構、脳機能、思春期の始まり、生殖機能、etc。

レプチン抵抗性。太っている人はレプチンレベルが高いけど、レプチン抵抗性の獲得によりレプチンによるシグナルが身体に伝わりにくくなっている。だから肥満の人にレプチン投与しても痩せない。

ダイエットによりレプチンレベル低下した人のレプチンレベルを引き上げるのは効果がある。ただ、注射で注入しないといけないし、現状では手に入るとしても非常に高額。市販もされない。

インスリンレベルの上昇は主に皮下脂肪の増大によってもたらされる。
レプチンレベルの上昇は主に内臓脂肪の増大によってもたらされる。

食事制限でカロリー不足を作っても、運動でもカロリー不足を作っても、レプチンレベルの低下は変わらない。

レプチンレベルが低下すると、他の様々なホルモンに影響が出て代謝低下が起き、食欲が増し、NEAT的な活動量が低下する。

レプチンレベルの低下にどう対応するか。ターゲットとなる場所は、脂肪細胞での生産、脳へのシグナル、脳への輸送。
- 現状ではリフィードが最善手。5時間~3日の期間、高炭水化物・高カロリーの食事を摂る。体脂肪率が低下するほど頻繁にリフィードを行う必要。一回の食事ではレプチンは反応しない。
- 一定期間ごとに10-14日の維持期を入れる。頻度は体脂肪率によって異なる。
- 亜鉛とビタミンEが助けになるかも。
- 定期的な運動がレプチン感受性を高めるかも。
- インスリンとアドレナリンは、レプチンの脳への輸送を増やす。炭水化物中心のリフィードが効くもう一つの理由かも。運動でアドレナリンも有効なのかも。


Bodyweight Regulation: Leptin Part 1-6
http://www.bodyrecomposition.com/fat-loss/the-hormones-of-bodyweight-regulation-leptin-part-1.html
http://www.bodyrecomposition.com/fat-loss/the-hormones-of-bodyweight-regulation-leptin-part-2.html
http://www.bodyrecomposition.com/fat-loss/the-hormones-of-bodyweight-regulation-leptin-part-3.html
http://www.bodyrecomposition.com/fat-loss/the-hormones-of-bodyweight-regulation-leptin-part-4.html
http://www.bodyrecomposition.com/fat-loss/the-hormones-of-bodyweight-regulation-leptin-part-6.html
http://www.bodyrecomposition.com/fat-loss/the-hormones-of-bodyweight-regulation-leptin-part-the-last.html

1/28/2014

減量中のナトリウムと乳製品について

ナトリウム
- 身体の保水量増加は、低ナトリウムに慣れてから高ナトリウムに切り替えると起きる。相対的変化。常に高ナトリウムに慣れて、水分を抜きたい直前に低ナトリウムにすれば抜ける。
- 低ナトリウムのダイエットだと、食後にグレリンが大幅に増加し、代謝率の低下や脂肪貯蔵の増加につながる恐れ。
- 身体が脱水状態だと、脂肪分解が低下し、身体のタンパク質のロスが起きやすい。保水量十分だとその逆。

乳製品
- 減量中の体脂肪減少を増加させる。
- 低カルシウム状態での高タンパク食は骨を脆くする恐れ。乳製品はカルシウム豊富。


結論。減量中も、ナトリウムと乳製品はしっかり摂取しよう。

Contest Dieting Part 1
http://www.bodyrecomposition.com/fat-loss/contest-dieting-part-1.html

大豆タンパク質に含まれるイソフラボンについて

甲状腺機能が正常な人は、特に避ける必要はない。テストステロンレベルへの影響もほとんど無い。もちろん、狂ったように大豆タンパク質ばかりを食べれば問題が出てくる可能性はある。一日あたり20-25g以内が目安。

甲状腺治療で服薬している人は、服薬の前後は大豆タンパク質を避ける。

甲状腺機能に問題のある人は、大豆タンパク質の摂取を制限した方が良いかもしれない。ヨウ素の摂取が少ない場合に問題になる。

イソフラボンは、閉経後の女性には良い影響がありそう。

Effects of Soy Protein and Soybean Isoflavones on Thyroid Function in Healthy Adults and Hypothyroid Patients – Research Review
http://www.bodyrecomposition.com/research-review/effects-of-soy-protein-and-soybean-isoflavones-on-thyroid-function-in-healthy-adults-and-hypothyroid-patients.html

1/27/2014

ナッツを食べ過ぎても太らない!?

研究で、普通の食事にナッツを加えても体重があまり増えなかったり、体重が変わらなかったりした。

ナッツはマグネシウムやビタミンEやファイトケミカルなどを含み、健康に良い。しかしナッツは脂質が多くて高カロリーなので、何故食べても太らないという結果に?

1. ナッツを食べることで満腹感を得で、あとの食事の量が減った。
2. 消費カロリーの増加。タンパク質が多い(食事誘発性熱産生が高まる)、脂肪酸組成の影響、もしくはその両方。
3. 吸収されず排泄されるカロリーが増える。ナッツに含まれる繊維か他の含有物の影響。

これらの3つの要因で95%を説明する。大部分は満腹感の影響なので、もちろん食べ過ぎれば太る。

Nuts and Bodyweight – Q&A
http://www.bodyrecomposition.com/nutrition/nuts-and-bodyweight-qa.html

1/24/2014

タンパク質について

★タンパク質の消化率

動物性タンパク質は消化率が高い。植物性は低め。植物性タンパク質はアミノ酸スコアも低いので、植物性タンパク質中心に摂取する場合は多めに食べる必要。
What Are Good Sources of Protein? – Digestibility
http://www.bodyrecomposition.com/nutrition/what-are-good-sources-of-protein-digestibility.html



★タンパク質の消化速度

高齢になると、タンパク質への反応が鈍くなるので、アミノ酸濃度を急上昇させるタンパク質の方がアナボリック効果が高くなる。若いうちはあまり差がない。

一般的には、ホエイは血中アミノ酸濃度を急上昇させてアナボリック効果、カゼインはアミノ酸濃度を長時間保ち抗カタボリック効果と言われるが・・・

夜中寝てる間の絶食のあと、朝一にタンパク質を摂取した場合の身体の反応を調べた研究が多い。前回の食事が消化中の時にタンパク質を摂取したら身体はどう反応するかの研究は見当たらないので、現実の昼食や夕食で身体がどう反応しているのかはよくわからない。

今回の話は全て、トレーニング中後以外の時の話。トレーニングすると身体の反応が大きく変わってくる。

What Are Good Sources of Protein? – Speed of Digestion Part 2
http://www.bodyrecomposition.com/nutrition/what-are-good-sources-of-protein-speed-of-digestion-part-2.html
(テンダーロインのデータは、テンダーロインに似せたアミノ酸組成を静脈注射したもの)

WPHとWPIの消化速度はほとんど変わらない。

そもそも消化の速いタンパク質の方が良いのか?

通常の食事やトレーニング後は、より遅い、もしくは遅いのと速いタンパク質のミックスが良いとライルは言っている(高齢者除く)。ホエイとカゼインを含み、他の微量栄養素も含む牛乳もトレーニング後の回復に良い。

トレーニング前中は、吸収速いプロテインが良い。

ホエイは消化が速いので、アミノ酸燃焼されやすい。

What Are Good Sources of Protein? – Speed of Digestion Part 3
http://www.bodyrecomposition.com/nutrition/what-are-good-sources-of-protein-speed-of-digestion-part-3.html


★タンパク質のクオリティ

アミノ酸スコア: 実際に身体でどのように使われるのかや、消化率については何も語ってない。アミノ酸・タンパク質のリクワイアメントは年齢や運動種類によって変わる。

Biological Value(BV): 血流に入ったタンパク質がどれだけ身体に保持されるかの指標。摂取量と排泄量から算出。タンパク質摂取量やカロリー摂取量に影響される。タンパク質摂取量が多いとBV低下、カロリー摂取多いとBV上昇。現代先進国の人間やアスリートの高タンパク高カロリーの食事だとあまり参考にならない。

タンパク質のクオリティは、タンパク質とカロリーが不足している発展途上国では重要な問題で、各指標はそのためのもの。

カロリー十分で除脂肪体重1kgあたり2-3gのタンパク質を、高品質で色々な食材から摂取していれば、個々のタンパク質の差は問題にならない。

カロリー不足の状態ではタンパク質の差は重要に。乳製品のタンパク質(ホエイとカゼイン)が有利らしい(理由はここでは割愛されている)

What Are Good Sources of Protein? – Protein Quality
http://www.bodyrecomposition.com/nutrition/what-are-good-sources-of-protein-protein-quality.html


★アミノ酸組成

臓器、骨格筋、髪、肌、酵素、肝タンパク質など、それぞれ必要なアミノ酸組成は異なる。

大まかにわけて、基本的な健康と身体機能にとって必要なアミノ酸組成と、運動パフォーマンスの最適化に必要なアミノ酸組成がある。前者は普通に肉、魚、卵、乳製品、豆など高品質のタンパク質を食べてれば問題ない。

魚のタンパク質がインスリン感受性に良い影響を与えるという研究も。

What Are Good Sources of Protein? – Amino Acid Profile Part 1
http://www.bodyrecomposition.com/nutrition/what-are-good-sources-of-protein-amino-acid-profile-part-1.html

BCAA 分岐鎖アミノ酸。ロイシン、イソロイシン、バリン。筋肉の材料になり、運動のエネルギーとしても使われる。肉のタンパク質は15%がBCAA。ホエイが25%、カゼインが20%。

BCAA補給によるベネフィットを示した研究の多くは、十分なタンパク質を与えていない状況で行われていることに注意。欠乏状態と充足状態とでは栄養素の影響は異なる。

持久運動で消費されるカロリーの5-10%はアミノ酸を燃焼して賄われる。BCAAは特に使われる。持久運動の際、一時間あたり10-12gの吸収の速いタンパク質と炭水化物を摂取すると、筋肉のダメージを減らし回復を早める。ホエイ摂取お薦め。

ウェイトトレーニングではそれほどアミノ酸は消費されないだろう。

強度の高い持久運動による免疫力低下を防ぐには、十分なタンパク質摂取が必要。運動中の炭水化物摂取はさらに重要。

ウェイトトレーニングでは免疫力へのネガティブな影響はない傾向。毎日ハードなトレーニングをしない限りは。

What Are Good Sources of Protein? – Amino Acid Profile Part 2
http://www.bodyrecomposition.com/nutrition/what-are-good-sources-of-protein-amino-acid-profile-part-2.html

運動への適応。レジスタンストレーニングは筋肥大、持久運動はエネルギー生成に必要なミトコンドリアや酵素の増加。従って、それぞれの運動の適応に身体が必要とするアミノ酸は異なるだろう。

肝臓が身体に必要なアミノ酸を血流に放出する門の役割で、余分なアミノ酸は破棄されるか燃焼される。摂取したアミノ酸組成と血流に表れるアミノ酸組成はほとんど関係ない。BCAAは優先的に骨格筋に送られる。

BCAAは筋合成を促進する。具体的にはロイシンが。でもこれらの研究はタンパク質摂取が不足している状態だったり、高齢者を対象としてたりして、しっかり栄養摂取している若いトレーニーが追加でBCAAを摂取するとどうなるのかという疑問には答えていない。実際は、十分なタンパク質を摂取していれば良さそう。トレーニング時はホエイと炭水化物の摂取がお薦め。

高品質のタンパク質を様々な食材から得て、十分なカロリーを摂取していれば、特定のアミノ酸を摂取することでレジスタンストレーニングや持久運動のパフォーマンス向上がもたらされるとは考えにくい。

減量時にはタンパク質の必要摂取量が増加する。減量時は乳製品のタンパク質(wholeで)がお薦め。

魚のタンパク質(具体的には鱈)はインスリン感受性と、おそらくはレプチン感受性を改善する。タウリンの作用と思われる。

What Are Good Sources of Protein? – Amino Acid Profile Part 3
http://www.bodyrecomposition.com/nutrition/what-are-good-sources-of-protein-amino-acid-profile-part-3.html

亜鉛:免疫機構、食欲、レプチンレベル、テストステロンなどのホルモンレベルに関わる。対内に貯蔵出来ないので日々摂取する必要がある。多く含まれる食物は、牡蠣、赤身肉、レバー、蟹肉、チーズ、チキン。

鉄分:赤血球や甲状腺機能に関わる。赤身肉、レバー、内臓肉、チキン。

B12:ヴィーガンやB12の吸収に障害を持っている人以外は普通に食事していれば大丈夫。

カルシウム:骨の健康を保つ。十分に摂取すると、血圧を下げたり体脂肪を減らしたりする可能性。カルシウムは脂質の吸収や脂質の燃焼に影響を与えているかもしれない。乳製品。

What Are Good Sources of Protein? – Micronutrient Content
http://www.bodyrecomposition.com/nutrition/what-are-good-sources-of-protein-micronutrient-content.html



★脂質

脂肪酸の種類
- 飽和脂肪酸: 動物性の食品に含まれる。ある種の飽和脂肪酸はコレステロールレベルを上げるが、ほかは影響なし。
- 不飽和脂肪酸: 常温で液体。健康に対してはニュートラル。
- 多価不飽和脂肪酸: 主に植物性の食品に含まれる。オメガ3脂肪酸は魚油(EPA・DHA)と亜麻油・紫蘇油(ALA)。オメガ3脂肪酸はとても健康によい。
- トランス脂肪酸: たぶん健康にはそれほど良くない。摂取量による。タンパク質豊富な食品にはあまり含まれないので、ここではあまり触れない。
- MCT、CLA: タンパク質豊富な食品にはあまり含まれないので、ここではあまり触れない。

赤身肉:部分によって含まれる脂質の量が大きく異なる。飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸が半々くらい。わずかに多価不飽和脂肪酸も含む。

鶏肉:部分によって含まれる脂質の量が大きく異なる。皮なし胸肉はほぼ無脂質。大部分が不飽和脂肪酸で残りが飽和脂肪酸、わずかに多価不飽和脂肪酸。

豚肉:脂質が多い。テンダーロイン例外でほぼ無脂質。

卵:全卵のタンパク質のクオリティはとても高いが、白身だけだとそれほど高くない。コレステロールについては、少数のセンシティブな人以外は問題ない。脂質は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸が半々くらい、わずかに多価不飽和脂肪酸。

魚:種類によって含まれる脂質の量が大きく異なる。多価不飽和脂肪酸が多い。半分くらいは一価不飽和脂肪酸。

乳製品: 牛乳の脂質の大部分は飽和脂肪酸、少量の不飽和脂肪酸、ごくわずかの多価不飽和脂肪酸。

豆類とナッツ: 豆類は脂質が少ない。ナッツは脂質多いが、大部分が不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸。

大豆: 脂質多い。半分が多価不飽和脂肪酸、残りは飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の半々。植物性エストロゲンの問題。

What Are Good Sources of Protein? – Dietary Fat Content
http://www.bodyrecomposition.com/nutrition/what-are-good-sources-of-protein-dietary-fat-content.html





その他のチェックポイン後
・可用性
・タンパク質含有率、付随する脂質と炭水化物の量
・コスト

どのタンパク質がベストなのかはコンテキスト次第。

What Are Good Sources of Protein? – Wrapping it Up
http://www.bodyrecomposition.com/nutrition/what-are-good-sources-of-protein-wrapping-it-up.html

1/23/2014

本気で身体を作りたい人の食生活の基礎

・食事回数
- 普通の量の固形物の食事で5-6時間アナボリックの状態になる。この程度の間隔で食事すれば筋分解は心配しなくて良い。一日に4-6回の食事が目安。プロテイン粉末(ホエイ・ソイ)や少量の食事など、消化がすぐ終わるものを摂取した場合は、間隔を短くする。
- 一日の総カロリーが多い人は回数を増やして一回あたりの食事量を少なくした方が楽。
- 最近の研究だと、断続的断食や少ない食事回数の方が健康によいという結果に。

・栄養摂取タイミング
- 朝食は寝てる間のカタボリックを止めるのに大事という説と、断続的断食や実際の経験からそれには疑問符が付くという説。
- トレーニングする時は、前か途中か後(かそれら全てのタイミング)に栄養摂取した方が良い。栄養摂取は、タンパク質と炭水化物。

・寝る前、夜間の食事
- 内臓が正常に機能するには内臓の休息時間が必要という研究があるが、これは病院での研究で、アスリートに適用出来るかは不明。
- 夜中わざわざ起きだして栄養摂取するのは、回復に重要な睡眠を犠牲にするので止めたほうが良さそう。

・総カロリー
- 増量期は維持カロリーの10-20%オーバーが目安。
- オーバーカロリーでNEATが増える人は太りにくい。

・水分補給は十分にすること。一日に5回、トレーニング後に2回、クリアな尿が出ることが目安。

・タンパク質
- 推奨摂取量 1.1-1.4 g/lb (男)
- 必要摂取量以上のタンパク質を摂取しても筋肥大速度が上がるわけではない。必要摂取量を満たしたら、あとは炭水化物と脂質でカロリー調整。
- どのタンパク質が良いか。それぞれ一長一短がある(別記事にまとめる)。総摂取量とカロリーを確保すれば、あとは色々食べれば良い。

・炭水化物
- ウェイトトレーニングは筋グリコーゲンによってのみ行われる。高強度のウェイトトレーニングを行うには、一定量の炭水化物を摂取しなければならない。
- 参考としては、 ウェイトトレーニングする人なら、総カロリーの5割前後を炭水化物で摂取。2-3g/lbでも計算できる。インスリン抵抗性が高い人は炭水化物少なめで。
- GI値はそんなに気にしなくて良い。食べる量によって身体の反応は違うし、食事では色々混ぜて食べるし。低GI食品は精製度が低くて栄養価が高い傾向があるので、まあなるべくそういう食品を食べたほうが健康には良い。

・脂質
- 必須脂肪酸は毎日摂ろう。オメガ3脂肪酸はとても身体に良い。
- 低脂質・高ファイバーだとテストステロンレベルが低下するという研究。
- 高脂質・低炭水化物の方がタンパク質保持に良いという研究も。
- 総カロリーの20-25%を脂質で摂取。


The Baseline Diet 2009: Part 1-2
http://www.bodyrecomposition.com/muscle-gain/the-baseline-diet-part-1.html
http://www.bodyrecomposition.com/muscle-gain/the-baseline-diet-part-2.html


筋肥大速度と遺伝的限界


※当ブログの記事は全て、ナチュラル(薬物を使わない)を前提としています

トレーニングレベルによって筋肥大の速度は異なる。

年齢やホルモンレベルによっても筋肥大の速度は異なる。

骨格がっしりの方が筋肥大しやすいし最大筋肉量も大きい。テストステロンなどのホルモンレベルが骨の成長に影響。そしてこれらのホルモンレベルは筋肥大にも影響。

自分の状況を勘案して、増量期の増量ペースを決める。

What’s My Genetic Muscular Potential? http://www.bodyrecomposition.com/muscle-gain/whats-my-genetic-muscular-potential.html

マッスルボディの遺伝的限界

計算してみよう。
(ナチュラルのボディビルダーのデータから作られた計算式)

http://www.weightrainer.net/bodypred.html

1/22/2014

効率的に筋肉を増やす手順

筋肥大の速度は、トレーニング一年目で男は週に0.5ポンド増えれば良いほう。一ヶ月に1kgくらい。女はその半分。

肥大の手順(数字は男の場合)
1. 体脂肪率10-12%まで落とす。
2. 減量後は2週間の維持期を取り、内分泌系を回復させる。
3. 週に1ポンドペースで体重を増やす。筋肉と脂肪の増加は半々。
4. 体脂肪率が15%になったら増量終わり。
5. 2週間の維持期を取り、肥大した筋肉を固定化する。以下ループ。


General Philosophies of Muscle Mass Gain
http://www.bodyrecomposition.com/muscle-gain/general-philosophies-of-muscle-mass-gain.html


P-ratioの話。

減量期
- 太っていると脂肪減少が大きくて除脂肪体重減少が小さい
- 痩せていると脂肪減少が小さくて除脂肪体重減少が大きい
増量期
- 太っていると除脂肪体重増加が小さくて脂肪増加が大きい。
- 痩せていると除脂肪体重増加が大きくて脂肪増加が小さい。

トレーニング無しの増量では、スタート地点が痩せていると体重増の60-70%が除脂肪体重、太っていると増加の30-40%が除脂肪体重という研究データ。

ただし、もともと痩せている人が増量すると除脂肪体重が増えやすいが、減量で痩せた人が増量すると脂肪が増えやすい(内分泌系の影響か)。

体脂肪率が15%(男)を越えると脂肪が増える割合が高くなる(インスリン抵抗性の増加によりカロリーが脂肪に行きやすくなるのではないか)。

減量後に2週間の維持期を入れることで、内分泌系の回復を促し、増量時に脂肪が増える割合を低くしよう。維持期には一日あたり100g以上の炭水化物を摂取しすること(甲状腺ホルモンの回復のため)

Initial Body Fat and Body Composition Changes
http://www.bodyrecomposition.com/muscle-gain/initial-body-fat-and-body-composition-changes.html



詳しくは以下の記事を参照(2016年追記)

関連記事:
増量の考え方

増量と減量の移行期  

筋肥大期に有酸素運動を行うべきか

有酸素運動(低中強度)を筋肥大期に行うメリット
- 血行が良くなることで回復が早まる。
- 人によっては食欲を刺激する
- 運動能力の維持。持久力が高いほうがトレーニング中の回復も早くなる。
- 常に活動的だと筋肥大期にも脂肪を増やしにくくなるかもしれない。
- 減量期に急に有酸素運動を始めることが、減量期の有酸素運動で筋肉量の減少が起きやすくなる原因かもしれない。増量期にも有酸素運動をやって脂肪燃焼機能を保っておくことで、減量期にスムーズに脂肪減少できるかもしれない。

有酸素運動(低中強度)を筋肥大期に行うデメリット
- 筋肥大に使われる分のエネルギーが消費されてしまう・・・しかしやりすぎなければ大丈夫。ただガリガリの人は有酸素運動をやらずに体重増に徹した方がいいかも(有酸素運動が食欲を刺激するならやったほうがいい)。
- 回復に悪影響・・・強度と量と頻度に気をつければ大丈夫。HIITなどは避ける。


お薦めは、20-40分の有酸素運動を週に3-5回。強度は最大心拍数の70%以下。行うタイミングはウェイトの日と分けた方がいいが、まあウェイトと同じ日にやっても良い。栄養補給が気になる人はウェイトしてプロテインとエネルギーを補給しながら有酸素運動をやろう。


Cardio and Mass Gains
http://www.bodyrecomposition.com/muscle-gain/cardio-and-mass-gains.html

筋肥大の為のトレーニング頻度

各部位、5日に1回から週に2回。

Training Frequency for Mass Gains
http://www.bodyrecomposition.com/muscle-gain/training-frequency-for-mass-gains.html

減量期のトレーニング

1. 高強度・低中レップ・普通インターバル。

2. 中強度・高レップ・短インターバルト。
メリットは関節への負荷が低い、消費カロリーが多い、グリコ枯渇、ホルモンリリースうんたら。だけど筋肉の肥大及び維持には、筋肉にかかるテンションが重要なので、減量期にこのトレーニングだけやると筋肉量が減少しやすい。

減量期に一つだけトレーニングをやるなら、「1.高強度・低中レップ・普通インターバル」を選ぶ。ただし、トレーニングを組み合わせるのは構わない。(初心者は除く。初心者は大概のトレーニングが効果的)

減量期はトレーニングのボリュームを落とさないといけない。カロリー不足の状態では回復力が低下するので。(ドラッグユーザーは除く)

維持の為のトレーニングは、強化の為のトレーニングよりもボリュームと頻度を落として良い(強化のためのトレーニングに比べて、それぞれ1/3のレベルまで落として良い)。ただし、強度(扱うウェイト)は維持すること!


Weight Training for Fat Loss Part 1-2
http://www.bodyrecomposition.com/training/weight-training-for-fat-loss-part-1.html
http://www.bodyrecomposition.com/training/weight-training-for-fat-loss-part-2.html

1/19/2014

The Sutubborn Fat Solution メモ

体脂肪率が10%付近まで減量して、そこからさらに筋肉を残しつつ頑固な脂肪を落としたい場合。体脂肪率10%付近までは普通の減量で落とせ。(女性は17%くらい?)

 頑固な脂肪。男の下背部、脇腹、下腹部の脂肪。女の尻・太もも。


HSL(hormone sensitive lipase)の活動レベルが脂肪分解速度に影響を与える

テストステロンやコルチゾールやエストロゲンや成長ホルモンもHSLに影響を与えるが、カテコールアミンとインスリンが重要。

インスリンはHSLを不活性化する。血中のトリグリセリドもHSLを抑制する。何か食べればHSLは抑制される。

カテコールアミンはHSLを活性化する。カテコールアミンはアドレナリンで、副腎皮質から分泌され血液に乗って脂肪細胞に届けられる。

HSLの調整は、cAMPが行う。

アドレナリン受容体が重要。beta-2受容体にカテコールアミンがくっつくとcAMPレベルがあがり脂肪分解が進む。alpha-2受容体にカテコールアミンがくっつくとcAMPレベルが低下し脂肪分解が妨げられる。体脂肪の場所によって、このアドレナリン受容体の分布が異なり、脂肪分解が起きやすい場所と起きにくい場所が出てくる。

血行が良ければ、分解後の遊離脂肪酸が流れていく。悪いとまた脂肪細胞に戻る。筋肉や肝臓に運ばれた遊離脂肪酸は、グリコーゲンが少ないと盛んに燃焼される。

beta-2受容体は脂肪組織の血流増加にも影響。alpha-2受容体は逆。

成長ホルモンは筋肥大に関係ない。脂肪分解に関係ある。

コルチゾールは高いレベルが続くと身体に悪い影響。

甲状腺ホルモン

レプチンは通常より高いレベルにしても痩せる効果はない。低いレベルになると痩せを妨げる効果がある。非対称。
ダイエットの際にレプチンのレベルが下がらないようにするのはダイエットをスムーズにする効果がある。
レプチンは脂肪の分解や燃焼に影響を与える。また甲状腺ホルモンやテストステロンなど他のホルモンにも影響を与える。
体脂肪率が10%を切るとレプチンとても低下。

 atrial natriuretic peptide
《生化学》心房性ナトリウム利尿ペプチド◆【略】ANP

落ちにくい場所の脂肪細胞はアドレナリンalpha-2受容体の割合が高い。
落ちにくい場所の脂肪組織は血行が悪い。

体脂肪の脂肪酸が多価不飽和脂肪酸だと分解されやすい。不飽和脂肪酸だと分解されにくい。

agonistがレセプターにつくと活性化、antagonistがレセプターにつくと非活性化(ブロック)

脂肪分解促進には
- betaレセプターにagonist
- alphaレセプターにantagonist
頑固な脂肪組織はalphaレセプターが多いのでこれをブロックしたい。

4日以上のローカーボ(炭水化物の占めるカロリー割合20%以下)で、alphaレセプターが抑制される。

サプリならヨヒンビンでalphaレセプターが抑制される。

低強度運動 ノルアドレナリン出やすい 落ちやすい脂肪には効くが、頑固な脂肪には効かない。
高強度運動 アドレナリンも出てきて頑固な脂肪を分解しやすい。が、高強度運動では遊離脂肪酸を使いにくい。また乳酸が出て分解を阻害する。運動やめて乳酸濃度低下すると分解されてくる。

インスリンレベル低下、グリコーゲン枯渇時に運動すると頑固な脂肪分解されやすい。

男ならカーボベースの食事と朝食前の有酸素運動で体脂肪を落とせるが、女性の下半身の脂肪はそうはいかない。


★ 頑固な脂肪を落とすプロトコル4つ。組み合わせても良い。SFPは週に2回まで! オーバートレーニングに気をつける!

1. ローカーボ&低強度有酸素運動
ローカーボでalpha-2レセプターを抑制して脂肪組織の血流を上げて、その状態で低強度有酸素運動で脂肪燃焼。運動時間は45-60分。心拍130-140程度。

2. ヨヒンビン&低強度有酸素運動

3. オリジナルの頑固脂肪プロトコル(SFP1.0) 週に2回程度。
- 朝食前に行う(インスリンレベル低い)
- 運動の30分前にカフェイン、ヨヒンビンなどを摂取
- 5-10のウォームアップ
- 10分間のインターバルトレーニングを行う。
- 5分間休憩して、遊離脂肪酸を血中に放出させる。
- 20-40分の低強度有酸素運動を行う。
- 運動終了して一時間後に食事。(
改訂版のSFP1.0
- 一日のどの時間帯でも良い。食事から3時間以上開けるのが理想。
- カフェイン、ヨヒンビンなどのサプリメントは摂らなくても良い。
- 5-10のウォームアップ
- 10分間のインターバルトレーニングか、20分以内の高レップ・短インターバルのウェイトトレーニング
- 5分間休憩
- 20-40分の低強度有酸素運動を行う。
- 運動後すぐ食事して良い。インターバルトレーニング後はインスリンあっても脂肪燃えるらしい
脚の高強度トレの日に、SFP1.0をやるのがいい。脚の回復期間を取れるので。
メニューを無理にこなそうとせず、疲労具合と相談しながらやるのがいい。

4. SFP2.0
- 食事から少なくとも3時間空ける
- できればカフェイン、ヨヒンビンなどのサプリメント
- 5-10のウォームアップ。インスリンレベルを下げる。
- 5分のインターバルトレーニング。10-15秒の最高強度運動と45-50秒の回復目的の低強度運動を5回繰り返す。
- 5分間休憩
- 20-40分の低強度有酸素運動を行う。
- 5-10分のインターバルトレーニング。30-60秒の高強度運動と30-60秒の回復運動。
- 3-5分のクールダウン。
- 運動後すぐ食事して良い。


参考: Lyle Mcdonald / The Stubborn Fat Solution

1/15/2014

チートデイについて


チートデイ(もしくはリフィード)とは。
ダイエット期間中に、意図的に炭水化物中心にたくさん食べる日のこと。カロリー不足が続き体脂肪率が低下してくると、代謝低下が起きて体脂肪が減少しにくくなる。これを戻す働きがあると言われている。

脳を含めての人間の身体は、自分の身体の状態をモニターしていて、痩せてくるとこれを食い止めようとする働きが出てくる。具体的には、甲状腺ホルモンやレプチンのレベルが低下したり、テストステロン低下、コルチゾール上昇などが起きる。体脂肪が減少しにくくなり筋分解が起きやすくなるので、定期的にたくさん食べてこれらの内分泌系の機能を元に戻せたらいいね、という話。

一日程度ドカ食いしたところで、実際に戻るのかは不明。その人の遺伝的体質、食事内容、現在の体脂肪率、トレーニング内容などによって異なるだろうし、各ホルモンによっても低下レベル、低下するまでの期間と回復するまでの期間が異なるだろう。

体重減少が停滞している時にチートデイを入れると、体重がスルスルと落ちる現象がよくある。この現象についての推測は以下の通り。脂肪細胞から脂質が使われてその代わりに水が入り(グリセロールが水を引きつける)脂肪組織が減っていないように見えることがある。炭水化物を大量に摂取するとグリコーゲンと同時に水分が蓄えられることになるが、この時に脂肪組織に詰まっていた水分が引っ張りだされる、またはエネルギー摂取を検知した身体が安心して水を手放すよう何らかのシグナルを出して水分が放出される・・・といったメカニズムで、停滞期のチートデイで体重が一気に減少するのではないだろうか。仮にチートデイで代謝がいくらか戻るとしても、体脂肪減少に必要な消費カロリーを考えれば一日に数100gも体脂肪が減るようになるわけではない。


関連記事:
リフィード(もしくはチートデイ)の効率的なやりかた

体脂肪合成のメカニズム


体脂肪はトリグリセリドの形で貯蔵される。体脂肪の貯蔵に関わる重要な酵素は以下の2つ。

・LPL  lipoprotein lipase 
・ASP Acylation stimulating protein

炭水化物・タンパク質→インスリン→LPL
脂質→カイロミクロン→ASP

LPLは主にインスリンによって活性化される。インスリンは炭水化物とタンパク質の摂取により分泌される。LPLは脂肪細胞内で作られ、脂肪細胞外壁に出ていき、カイロミクロンとくっつき、トリグリセリドを取り出して分解し、遊離脂肪酸を脂肪細胞周辺に解き放つ。遊離脂肪酸は脂肪細胞内に入るか、血液中に放出されエネルギーとして利用される。脂肪細胞内に入った遊離脂肪酸はグリセロールと結合し、トリグリセリドとなる。筋肉組織と心臓組織にもLPLは存在し、これらの組織で遊離脂肪酸がエネルギーとして利用されるのを助けている。血中のカイロミクロンの存在もLPLの活動を増加させる。

ASPは脂肪細胞内に存在し、カイロミクロンによって活性化される。ASPは遊離脂肪酸とグリセロールからトリグリセリドを合成するのを促進する。 ASPはインスリンレベルを高める働きもある。


従って、「糖質オフの食事ならインスリンの分泌を避けられ体脂肪が増えない」というのは間違い。もし人体がそんなメカニズムだったら大変。まず血中の脂質を脂肪組織に取り込めなくなるので、血中の脂質濃度が高いままになり健康に悪い。そもそもエスキモーがなぜ生きていられるのかという話になる。体脂肪の分解と合成は常に起こっているので、肉ばかり食べることで体脂肪合成が止まるのなら、分解のみが進んでいき、いつかは生存不可能な水準(3%くらい)まで体脂肪率が低下して死ぬ。


参考: Lyle Mcdonald / The Stubborn Fat Solution > p.24-26

ダイエットの原則

1. カロリー収支と体重の関係。
・カロリー不足なら、不足分のカロリーが体脂肪か筋肉の分解によって賄われ、体重が減る。
・カロリー超過なら、超過分のカロリーが体脂肪の増加か、筋肉合成のエネルギーに使われ、体重が増える。ただし、筋肥大は十分なタンパク質を摂取することが条件。
・ダイエットではカロリー不足の状況を作り、その際、筋肉の減少をなるべく抑え、不足分のカロリーが体脂肪の減少によって賄われることを目指す。(臓器や骨などの量も変動するが、相対的に微量なので、筋肉と脂肪の変動量のみを考える)

2. 筋肉と体脂肪の変化量に運動が与える影響
・基本は、強度の高いウェイトトレーニングを行い、身体に筋肉をなるべく残すようシグナルを送り、食事制限でカロリー不足を作り出す。
・有酸素運動は消費カロリーを増やし、カロリー不足を増やす役割を果たす。長期的に見た場合、有酸素運動を行うことで体脂肪が優先的に減っていくことはない。強度の低い運動では運動中に脂肪が使われる割合が高く、強度の高い運動では運動中に脂肪が使われる割合が低いが、運動後の休息時には脂肪が使われる割合が逆転し、24時間で見ると運動強度にかかわらず脂肪が使われる割合は同じくらいになる。カロリー不足の状況では身体の回復能力が低下するので、ランニングなど関節に負担がかかる有酸素運動はあまりやりすぎない方が良い。食事制限でカロリー不足を作ったほうが時間も労力も節約でき、身体負担も軽くなる。体重が軽く消費カロリーが小さくてカロリー不足を作りにくい場合は、補助的に軽い有酸素運動を行う

3. 栄養摂取
・十分な量のタンパク質を摂取するのが最優先事項。ダイエットに並行して運動を行う人は、除脂肪体重1kgあたり2-3gのタンパク質を毎日摂取すると良い。食事量が減るとアミノ酸組成の補完が起きにくくなるので、穀物や野菜のタンパク質は摂取量にカウントしない方が無難。
・他にはEPAやDHAなどの必須脂肪酸、ビタミン・ミネラルが必要。それと健康のためには野菜や果物を食べよう。

 ・目標摂取カロリーから必要タンパク質分のカロリーを引き、残りのカロリーを脂質と炭水化物から摂る。炭水化物やや多めが普通のやり方。ある程度炭水化物を摂って筋グリコーゲンを補充しないと、強度の高いウェイトトレーニングを行えない。
・ダイエットにはGI値は気にしなくて良いが、精製度の低いものをエネルギー源とした方が健康には良い。
・飽和脂肪酸も適度に摂取する。飽和脂肪酸の摂取量が少なすぎると、テストステロンレベルの低下が起きる。 
・食事回数は多くても少なくても体重の増減には関係ない。ただ、プロテイン粉末など消化吸収の早い形でタンパク質を摂取する場合は、食事間隔が空くと血中アミノ酸濃度が低下して筋分解が起こりやすくなり、結果として脂肪が減りにくくなる。通常の固形物で食事を摂る場合は一日3食で十分。無理して4回5回に分ける必要は無い。一日の摂取カロリーを考える。タンパク質の摂取を確保できれば朝多めに食べるか夜多めに食べるかもどうでもいいが、考えるのが面倒な場合は、夜多めに食べる
・メンタル面と内分泌系・神経系の回復のために、週に1,2回くらい通常の食事の範囲内で好きに食べ、1,2ヶ月おきに体重維持カロリーの食事に戻すダイエット休みを2週間ほど入れると良い。

4. 分解と合成
・筋肉も脂肪も、分解と合成が並行して行われている。トータルで見て分解が優勢になれば量が減っていき、合成が優勢になれば量が増えていく。
・体脂肪を減らすには、分解し、臓器や筋肉など脂質をエネルギーとして使う組織へ運搬し、燃焼する、というプロセスを経る必要がある。細かく言えば分解されやすい部位とされにくい部位があるが、身体全体の体脂肪量で見れば、
かなり体脂肪率を低くしない限りは分解はボトルネックにならないので、普通の体脂肪率の人は単純にカロリー不足を作り出すだけで良い。