4/14/2023

大谷翔平選手のスクワットとデッドリフトを褒め称える記事

よく見かける大谷選手のデッドリフト動画ですが、彼が凄いのは扱っている重量よりも、体幹の姿勢・強さとフォームです。


動画:メジャーリーガー大谷翔平の筋トレ
https://www.youtube.com/shorts/EgX4fJETlsk

動画:デッドリフト225㎏を上げる大谷翔平
https://www.youtube.com/shorts/2BHj8t6Ml5Q



デッドリフトも下のスクワットも、挙上速度からすると、おそらく強度は80-90%1RMだと思いますが、ベルトなしで体幹を良い姿勢で固められています。そして、挙上中にまったく体幹がブレない。重心位置や、力の流れも適切で、怪我をしにくく、疲労を溜めにくい素晴らしいフォームです。

関連記事:スクワットとデッドリフトのバーの軌道と足裏の重心


スクワットのしゃがむ深さも適切です。

関連記事:スクワットの深さ/推奨のスクワット方法


首はあまり反らないほうがいいと思います。腰椎・胸椎に比べれば、デッドリフトでの頸椎の姿勢はそれほど問題を起こさないと思いますが、前を見たいならなるべく頸椎ニュートラルで目線だけ上げたほうがいいです。最近のフォーム(上図右側)だと、あまり首を反らなくなっていますね。


動画: 【大谷翔平】下半身トレーニング 180キロスクワット動画 #筋トレ #大谷
https://www.youtube.com/shorts/ibnrpMw72C0


大谷選手は、体幹、姿勢、フォームが本当に素晴らしい。もちろん本人の資質と努力もあるでしょうけど、良い指導者に恵まれたのだろうなと思います。体幹や姿勢を作り上げるのは、適切なトレーニングを地道に続けないと出来ないはずです。闇雲に頑張るだけではできません。


以下の図は良い姿勢を説明したものです。これはスクワットの図ですが、デッドリフトも同じです。作るべき体幹の姿勢は全く同じ。


関連記事:スクワットのバーの担ぎ方再考



ダルビッシュ選手のスクワットも見てみましょう。


動画:下半身ウエイトトレーニング Legs workout/Yu Darvish
https://www.youtube.com/watch?v=_g2U-89jfP4



トップ選手なんだから、このくらいの身体操作はできて当たり前・・・というわけではありません。正直、日本の野球選手のトレーニングフォームは改善の余地があることが多いです。



動画:ファンの皆さまの要望に応えて、再び澤村投手のアーリーワークにカメラが潜入!【広報カメラ】
https://www.youtube.com/watch?v=jz--wcfiYlk




動画:吉田正尚: ヘックスバーデッドリフト
https://www.youtube.com/shorts/yZFD2K5i73U




動画:ハーフデッドリフト260㎏を上げる中田翔
https://www.youtube.com/watch?v=NCFzURLA_IY




動画:中田翔の筋肉&トレーニング【野球】
https://youtu.be/v1adMG7bac4?t=94


上のケースのように背中を伸展させて動作を行うことには多くの問題点があって、
- 骨盤前傾により股関節の屈曲が制限されるので、股関節を深く曲げにくい。
- 骨盤前傾でしゃがむと鼠径部で骨がゴリゴリ当たることがあり気持ちよくしゃがみにくい。
- 体幹がコントロールできていないのでスクワットでbutt winkしやすい。
- デッドリフトではハムストリングが伸びた状態で強い負荷をかけることになるので、ハムストリングを痛めやすい。
- 腰を反りすぎてトレーニング中に痛めるケースはそれほどないと思いますが、脊柱起立筋群が緊張しっぱなしで常に腰が反ったポジションにあることで慢性的な腰の痛みになりやすい。

身体機能面で言えば、背中の筋肉に力をいれて背中を反って体幹を支えると、矢状面のプル方向(デッドリフトやスクワット)では辛うじてスタビリティを得られますが、矢状面のプッシュ方向、そして横断面、前額面ではスタビリティが得られません。特に野球は横断面での捻り動作が非常に重要な競技です。腰椎は捻り方向の力に耐えられるようにニュートラルで固め、胸椎を捻って強い力を生み出します。自分の身体で簡単に試せますが、背中を反った姿勢だと、捻り方向の力に対して腰椎を安定させることが難しいですし、胸椎は可動域が出ません。




他にも検索して出てきた動画をいくつか見てみましたが、スクワットとデッドリフトで体幹の良い姿勢が作れていないケースが多いです。トレーナーが、体幹、姿勢、それと呼吸について教えられないのでしょう。私はS&C業界に詳しくないですが、Eric Cresseyのブログなどを読むと、2010年代に体幹・姿勢・呼吸の理論がストレングストレーニングに組み込まれたはずで、大谷選手はそれを知っているトレーナーに教わったと思います。日本でプロ選手を教えるトレーナーはそれを知らないようです。

動画:<坂倉将吾選手が登場>強靭な肉体をつくるカープ選手のウェイトトレーニング冷静な梶山トレーナーに注目です!【カープ de エクササイズ(番外・坂倉将吾選手編)】
https://www.youtube.com/watch?v=lV65YmghyMM

動画:侍ジャパン社会人代表 候補選手強化合宿 トレーニング篇
https://www.youtube.com/watch?v=i_sqKFi5wzE

動画:筋肉V9戦士の筋トレ講座
https://www.youtube.com/watch?v=CbbrchX_w20




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