9/25/2021

身体の使い方ガイド

身体の使い方やコンディショニングの仕方を書いた記事をまとめます。

私がトレーニングを含めた身体作りで重視しているのは以下の4点です。


<持続可能>

若くなくても、体質に恵まれた人でなくても、怪我をしないで続けられるトレーニングをする。トレーニングで最も重要なことは、継続することです。どんなに素晴らしいトレーニング理論であっても、続けられなければ効果はゼロです。


<健康>

身体に無理な負担をかけない、痛みの無いトレーニングをする。肥大した筋肉や、重たいバーベルを持ち上げる力と引き換えに、関節がボロボロになることは目指しません。


<機能的>

特定の筋肉を個別に鍛えるのではなく、機能的に身体を使ったトレーニングをする。機能的なトレーニングにより、肩こり、腰痛、姿勢の歪みの解消といった健康面での効果も得られます。


<美しさ>

単に体脂肪を減らして筋肉を増やすのではなく、姿勢と動きを美しく、格好良くする。筋肉モリモリでも、腰が反って、胸郭が開いて、がに股歩きをするのは、あまり格好良くありません。


9/20/2021

手と指のケア(ベンチプレスの手首痛対策)


ベンチプレスで手首や手が痛くなる場合、下の動画のケアがおすすめです。手は細かい骨の集まりで構成されていて、これらの細かい骨同士が凝り固まっていると力が正しく伝わらなくなり、変なところに痛みが出たりします。そうならないように骨同士をほぐしていきます。

動画:【やってないならチャンス】手を強化すればもっとパフォーマンスが上がる
https://www.youtube.com/watch?v=0qPbI5AkA94



動画:指を絶対に軽視してはならない理由【必ず強化してください】
https://www.youtube.com/watch?v=ZBv8QErK6X4

2つ目の動画にある指をクリクリ回すケアは、下の動画の最後のほうで鈴木祐輔選手もやってますね。

動画:【神回】世界チャンピオンに教わるベンチプレス200kgあげる方法がヤバすぎた!!【鈴木佑輔】
https://youtu.be/fEfgH94VhYw?t=465


パワーリフターの人の動画で、ベンチに手をあてて体重をかけてやる手首のストレッチが推奨されている場合があるのですが、個人的にはこのストレッチには慎重になったほうが良いかなと思います。関節が固い人にはいいのかもしれませんが、 私はこれをやると手首が緩くなって痛めやすくなります。手首の曲げ伸ばし(掌屈・背屈)のストレッチは、反対側の手を当てて軽く伸ばす程度で良いと思います。

手と指のケアは、ジムに行く途中に歩きながらでも出来ますし、ベンチプレスのセット間インターバルでも出来るので、手首や手の調子が悪い方は試してみてください。

ちなみに足も同じように細かい骨で構成されているので、同じようなやりかたでほぐすことが出来ます。寝る前にやると、じんわり温かくなって気持ちが良いです。

9/18/2021

ベンチプレスで重要な脇の締め方(スクワットやデッドリフトにも使える)

バーベル種目をやる時に、前鋸筋に力を入れて肩甲骨を肋骨にぴったり張り付ける感じにし、両腕と胴体の間を窮屈にすると、肩周りや体幹が安定します。自分で実践していたのですが、この感覚って人に伝えにくいなと思ってました。

スポーツ向けの動画なのですが、この感覚(=脇を締める)を言語化していて、感覚を掴むためのエクササイズも構築しているので紹介します。自在に脇を締められるようになると、身体コントロールのレベルが上がり、パフォーマンス向上や怪我防止に効果的なので、バーベル種目をやる人も是非感覚を掴んで欲しいです。バーベル種目は脇を締めっぱなしで良いので比較的簡単です。動きの激しいスポーツだと、締めと緩めを切り替えていく必要があります。

動画:【肩甲骨操作】体幹の力をフルで腕につなげるためのトレーニング方法
https://www.youtube.com/watch?v=LCbcC3IufLM



9/11/2021

ベンチプレスのバーの握り方とブリッジ

前回の記事の続きです。

関連記事:ベンチプレスでの肩甲骨の動き

今回は、バーの握り方とブリッジについて。  

 

バーを握る手幅と握り方

バーの握り方の基本は、手首を寝かせて、指の付け根から被せるように握ります。指先で握ると肩を怒らせる力の入れ方になりやすいですし、バーを手の甲側に押し込むことになるので、手首に負担がかかります。指の付け根を曲げて握ると、手の甲側にバーが転がりにくくなるので、手首を寝かせても手首を痛めにくくなります。


上級者の人がバーは強く握り込まないと言っている場合もありますが、ピンポイントで前腕骨に荷重を載せられるのが前提なので、慣れないうちは親指以外の指(特に小指)をしっかり握って、バーがズレないようにするのも良いと思います。指の付け根から強く握ろうとしても、わしづかみのようにはならないので困ったことにはなりにくいです。

親指に力を入れると、拇指球のあたり(親指の付け根付近)が固く盛り上がって、バーを乗せにくくなるので、親指には力は入れないほうが良いです。拇指球付近の肉厚な部分を柔らかくしておいて、そこにバーを「むにゅっ」と押し付けると安定します。

 

8/28/2021

ベンチプレスでの肩甲骨の動き

最近、苦手なベンチプレスをちゃんとやろうと試行錯誤しているのですが、身体の使い方が結構しっくりくるようになってきました。

ベンチプレスは日本のレベルが非常に高くて、トップレベルのベンチプレッサーの方々が解説しているYouTubeが勉強になります。中でも鈴木佑輔選手の動画がわかりやすくて、自分には合っていました。


動画:ベンチプレス動作 詳細解説【SBDアスリート】鈴木 佑輔
https://www.youtube.com/watch?v=3l7IIc9Cx1Y


肩甲骨と腕の動きを理解する上で前提となる考え方が、

バーがトップポジション付近にある時(a)と、バーがミドルレンジを上下動する時(b)とでは、安全性と出力面で最適となる肩甲骨と腕の位置が異なる。

(a)「バーがトップポジション付近にある時」というのは、ラックアップ直後と、一度下ろしてから挙げていき、最後に肘を伸ばし切る位置です。

(b)「バーがミドルレンジを上下動する時」は、ラックアップ後に肘を絞ってスタートポジションに持っていき、そこからボトム付近まで下げて挙げてをするレンジです。


(a)と(b)とで、肩甲骨と腕の位置が違ってくるので、(a)から(b)、(b)から(a)にバーが移動するときは、それに合わせて肩甲骨と腕の位置を変えると、怪我リスクを小さくしつつ、高い出力を出せるフォームになります。


8/21/2021

レップ速度・挙上テンポが筋肥大とストレングスに与える影響


筋トレで筋肥大とストレングス向上を目指す場合に、レップ速度・挙上テンポをどのくらいにすれば良いのか、研究をもとに書いていきます。

先に簡単な結論を書くと、

・コンセントリック局面は、なるべく速く挙げたほうが筋肥大でもストレングスでも効果的。

・エキセントリック局面は、筋肥大目的の場合は2-4秒程度。挙上距離が短い場合や、ストレングス目的の場合は1-2秒でもOK。

・フリーウェイトやマシンを利用できて、関節に不安のない健康な人にとっては、スロトレは特にメリットがなく、普通の筋トレをやったほうが良い。

・TUT(筋肉にテンションがかかっている合計時間)よりも、トレーニングボリューム(筋肉が伸長と短縮を繰り返した数)を優先したほうが良い。


8/12/2021

伸長短縮サイクルの話

予備動作なしに筋肉を収縮させるよりも、まず筋肉を伸ばしてから収縮させたほうが、より強い力とパワーを発揮できます。この筋肉の使い方を、伸長短縮サイクル(SSC:Stretch-Shortening Cycle)と呼びます。例えば、しゃがんだ状態からジャンプするよりも、立った状態から素早くしゃがみこんでジャンプしたほうが高く跳べます。

主にプライオメトリクス(ジャンプ力を上げたりするトレーニング)の領域の話なのですが、レジスタンストレーニングでもエキセントリックからコンセントリックへの切り返しや、エキセントリックのスピードをどれくらいにすれば良いのか、といった点で関わってきます。もともとは、筋肥大とストレングス向上に効果的なコンセントリックとエキセントリックのレップ速度を調べていたのですが、これらの変数調整について説明するには、まずSSCのメカニズムを理解する必要があるな・・・と思い、この記事を書くことにしました。それと、スターティングストレングスの影響なのか、筋トレ業界ではSSCと伸張反射を混同しているのを見かけるので、正確な知識が普及したほうが良いなと。

下の2010年の記事を参考にしましたが、その後の研究でSSCに対する理解が大幅に変わっていたら申し訳ないです(たぶん大丈夫だと思います)。

The Stretch-Shortening Cycle: Proposed Mechanisms and Methods for Enhancement
https://journals.lww.com/nsca-scj/fulltext/2010/08000/the_stretch_shortening_cycle__proposed_mechanisms.10.aspx


7/23/2021

パーシャルとフルレンジの筋肥大効果の比較

パーシャルとフルレンジの筋肥大効果を調べた研究を見ていきます。

そんなのフルレンジに決まってるでしょ? と思われるかもしれませんが、わりと面白い研究が出てきていて、考察しがいがあります。 

フルレンジの定義を最初にしたほうが良いと思うのですが、研究だとそのへんが曖昧で、多くの研究で可動域が広いグループをフルレンジ、狭いグループをパーシャルとしていて、なんとな~くの相対的なグループ分けになっているので、研究内容に沿って見ていくとなると定義が困難です。

例えば、レッグエクステンションの研究だと、フルレンジは膝屈曲90°か100°。マシンの可動域がそれくらいですし、それ以上膝を曲げると力が入らなくなります。スクワットの研究だと膝屈曲のフルレンジはパラレル付近や安全にしゃがめる限界までとしているケースが多く、レッグエクステンションでのフルレンジ相当の膝屈曲90°をパーシャルとしている研究もあります。そして、もし膝関節の可動域の限界までをフルレンジとするなら、(そのような研究は無いと思いますが)ピストルスクワットでもやるべきということになります。このように何がフルレンジなのかを考えだすと定義するのが難しいです。

 

7/10/2021

肩甲帯のトレーニング(プッシュ・プル動作に重要)


肩甲帯は、肩周りの骨・関節・筋肉の一連のシステムのことで、肩甲骨・胸骨・鎖骨・上腕骨と、これらをつなぐ筋肉・靭帯で構成されます。身体イメージを作る場合は、肩甲骨周辺の骨と筋肉をまとめてイメージすると良いと思います。


解剖学的な肩甲帯の範囲と、上のイメージの範囲は完全には一致していないと思いますが、上のようなイメージを持つと実用面でやりやすく、また他に適切な用語が無いので、当記事では肩甲帯を上のイメージとして扱います。ローテーターカフも肩周りの安定に重要ですが、肩甲骨周辺の安定にはローテーターカフ以外にも前鋸筋や肩甲挙筋や菱形筋や僧帽筋(上部・中部・下部)など多くの筋肉が関与するので、ひっくるめて肩甲帯と呼ぶと便利です。


ショルダープレスやベンチプレスや腕立て伏せなどのプッシュ・プレス動作、懸垂やシーテッドローイングなどのプル・ロウ動作では、肩甲帯の「安定」と「可動性」の両方が求められます。肩甲帯の働きにより、肩甲骨の適切なポジショニングと、肩関節でのボール・ソケットのスムーズな動きが実現されます。

肩甲帯がうまく働かなくても、広背筋や大胸筋といった大きな筋肉で動作を行うことは可能です。ラットマシンやチェストプレスマシンといったマシントレーニングだと、肩甲帯の動きや安定が足りなくてもなんとかなる感じがします。ただ、フリーウェイトの場合は、プッシュやプルの動作中に肩甲帯が適切に働かないと、負荷が肘や肩に集中して、これらの部位を怪我しやすくなります。

ショルダープレスやベンチプレスなどプッシュ・プレス動作では、肩甲帯が安定しないと肩峰下インピンジメントなどになって肩を痛めやすいです。プル・ロウ動作では、懸垂で上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)になるケースが多いです。肘の痛みについては以前にも記事を書いたのですが、怪我の予防のために肩甲帯にフォーカスした記事を今回書きます。

身体機能レベルが高い人は、プッシュやプル動作でバーやグリップを握った時に、あまり意識しなくても肩甲骨周りの細かい筋肉に力が入って、自動的に肩甲帯が働き始めると思います。そのような人はあまりトラブルもなくトレーニングを続けられます。しかし、自動的に肩甲帯が働かない人もいます。私は肩甲帯の右側はすぐ反応してくれるのですが、左側が自動的に反応しづらいので、意識してアクティベートしないといけないです。

肩甲帯が自動的に働いてくれない場合、筋トレを続けていると肘や肩に問題が出やすくなるので、肩甲帯の働きを取り戻し、維持していくためのトレーニング方法を書いていきます。