5/08/2021

デッドリフト 腹圧のかけかた 体幹の固め方

私のやり方の説明です。コンベンショナル、ベルト無し。撮影可能なジムをビジターで利用してスマホで撮ってきました。画質が10年前の動画みたいですが数日前に撮ってます。

動画:デッドリフト 腹圧のかけかた 体幹の固め方
https://www.youtube.com/watch?v=7L11x3_1lbY


これが正しいやり方だと言いたいわけではなくて、デッドリフトで体幹を固めるのが苦手な人に参考にしてもらえればと。

腹圧のコントロール方法は、関連記事に詳しく書いてあります。

関連記事:筋トレでの腹圧の高め方・体幹の固め方


<口から息を吐く>

最初に口から息を「ハー」と吐き出して肋骨を締め、腰の反りを抑制します(鏡を息で曇らせる感じの吐き方)。お腹周りの腹圧に関わる筋肉が収縮し、これらの筋肉を意識しやすくなります。



<鼻から息を吸う>

肩が上がらないようにしながら、お腹周りの筋肉を意識しつつから息を吸い込み、肋骨の下端あたり(画像の黄緑の矢印あたり)を水平方向に360°膨らませます。ただ、前と横は意識しなくても膨らむので、後ろ側を意識的に膨らませると上手くいきやすいです。お腹は凹んだり突き出たりはしなくて、肋骨とお腹周りが同じくらい膨らみます(画像のピンク色の線)。腹式呼吸でも胸式呼吸でもありません。このやり方をすると、下背部(腰椎)だけでなく上背部(胸椎)も固めやすくなります。


吸い込む空気の量は、2、3秒で楽に吸いきれるほぼ限界まで。時間をかけて目一杯吸ったり、複数回に分けて吸って限界を追求したりはしません。

私は、息を吸いながらお腹をふくらませる腹式呼吸や、お腹を突き出してベルトに押し付ける腹圧の高め方がコンベンショナル・デッドリフトに向かないと考えているのですが、その理由は、

・お腹だけ意識すると、背骨と胸郭のポジションが崩れやすい。

・腹式呼吸だと上背部を固めにくい。コンベンショナル・デッドリフトは上体の傾きが大きいため、上背部に強い負荷がかかる。上背部がバーの重さに負けて曲がると、そのまま下背部(腰)も曲がりやすくなる。

・(どこまで影響あるのかわからないですが)腹式呼吸はリラックス向け。リラックスするのではなくて、テンションを上げたい。

私みたいな細い人間が言っても説得力が無いかもしれないので、スクワットについてのものですがガチ勢の動画を貼っておきます。(私の呼吸法はPRIがベースで、こちらもたぶんPRIがベースなので同じようなやり方になっています)

動画:Squat Pillar #2 | Breathing and Bracing | JTSstrength.com
https://www.youtube.com/watch?v=ZFiosv9_vis



<肩甲骨 下>

肩甲骨を下げます。



<肩甲骨 前>

肩甲骨を下げたまま前に出します。たぶん少し外転(肩甲骨が開く)してますが、肩甲骨を外転させるイメージではなくて肋骨に押し付けるイメージのほうが肩甲骨を固定しやすいです。バーを握って挙上してバーを下ろすまで、肩甲骨はこの状態で固定します。


スタート時点の肩甲骨のポジションがどうであれ、バーベルをぶら下げれば肩甲骨は下制を維持できる範囲で外転します。無理に寄せても、バーベルの重さで肩甲骨の寄せは維持できず、挙上中に肩甲骨が動くことになります。バーベルの重さは、「腕→肩甲骨→肋骨→背骨→骨盤→脚→地面」と伝わるので、肩甲骨と肋骨の接点は無駄な動きをしないように固定しておいたほうが良いです。それと肩甲骨を前に出すことで腕が実質的に少し伸びるので、デッドリフトに有利になります。

あと肩甲骨を前に押し付けておくと、胸椎の伸展を抑制しやすいです。デッドリフトは胸椎(むね)も腰椎(こし)もニュートラルで、背骨はS字カーブを維持するのが安全なやり方です。胸を張って胸椎を伸展しても体幹が安定するようなメリットはないですし、腕が実質的に短くなるので股関節を深く屈曲する必要が出てきます(股関節の可動域がギリギリの人は腰が曲がりやすくなります)。


<息を追加で少し吸う>

かがむと少し息を入れられるようになるので、追加で鼻から少し入れています。癖でやってる気もするので、やらなくていいかも。


 

<軽く踏み込んで臀筋に負荷を感じる>

脚がピクピクしているのは、軽く踏み込んで臀筋に負荷を感じるためです。自分の癖です。



<握る 体幹固める 目線を上げる→踏み込む>

バーを握る指に力を入れて、脇を絞るようにして広背筋に力を入れ、体幹を固めて、腹圧MAXにして、目線を前に向けます(水平からやや斜め下向きくらい)。以上の準備が出来たら、踏み込んでファーストプル開始。



<息を吐きだして体幹を緩める>

バーを下ろして立ち上がってから、息を吐き出して体幹を緩めます。




自分語りをしますと、20代の頃は腰痛で苦しみギックリ腰も2回ほどやりました。私は父と骨格がそっくりで、父も腰痛持ちなので、腰痛になりやすい骨格なのだと思います。30代で筋トレを始めたのですが、当初はひどいフォームでデッドリフトをやっては腰を痛めてました。

今は42歳で、この記事で説明したやり方でデッドリフトをやっています。トレーニングベルトは普段も着用していませんが、腰痛になることもなく元気にトレーニングできています。

 

関連記事:
デッドリフトで怪我をしないコツ

デッドリフトのやり方

デッドリフト時の脛の保護(脛当て)

2 件のコメント:

  1. いつも記事を拝見しております。鼻から吸うというのは目から鱗でした。大変勉強になります。

    返信削除
  2. たむさん、コメントありがとうございます!

    鼻から吸うか口から吸うかで体幹の固めやすさが結構ちがうのでぜひお試しください^^
    ベンチプレスもラックアップのときは鼻から吸うとやりやすいです。
    (レップ間の息継ぎは鼻から吸ってる余裕が無いので口から吸ったほうがやりやすいと思います)

    返信削除