1/28/2024

プロテイン100gを一度に摂取してもちゃんと筋肉に使われるという研究


(1)The anabolic response to protein ingestion during recovery from exercise has no upper limit in magnitude and duration in vivo in humans
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10772463/


プロテイン25gと100gを摂取したときの筋肉合成を調べている研究です。100gという大量のタンパク質を一度に摂取しても無駄にはならず、そのぶん多く筋肉合成されているという結果です。

「一度に大量にタンパク質を摂っても一定量以上は酸化されて無駄になるため、筋肥大を狙うには一食あたり30g程度に分散させて食べたほうが良い」という考えがありますが、それを否定する結果になっています。




<研究内容>

被験者は若い男性 身長180cm付近 体重70kg台後半 体脂肪率15%付近 

スポーツ週1回、エクササイズ週3回が除外条件。トレーニング歴は不明ですが、レッグプレス1RM200kg、ラットプルダウン1RM80kg、チェストプレス1RM90kgくらいなのでまったく運動していないわけではなさそう。


筋トレしてから、プラシーボ or プロテイン25g or プロテイン100gを摂取。

実験で使用したプロテインはミルクプロテインのため、構成割合はホエイ2割カゼイン8割。

筋トレ内容は、レッグプレス、レッグエクステンション、ラットプルダウン、チェストプレスを各種目10レップ×4セット。



結果のグラフを見ていくと理解が早いため、グラフを貼っていきます。

100g摂取グループは血漿アミノ酸濃度が高い状態が長時間続いている。




100gグループはタンパク質合成速度も高く、それが長時間続いている。


100g摂取しても酸化が大幅に増えるわけではなく、差し引きでは多くのタンパク質が筋肉になっている。


100g摂取のほうが筋肉になったタンパク質の量は多い。


100gという大量のタンパク質を一度の摂取してもちゃんと利用され、筋肉合成はタンパク質の摂取量に比例するという結果になっています。

ちなみにmTORなどの筋肥大シグナルは、摂取量に比例していません。(これらのシグナルを調べても、筋肥大スイッチが入ったかどうかはわかるが、どれくらい筋肥大したかはわからない)




計算上は、プロテイン25gの17%が筋肉になり、100gの13%が筋肉になりました。従って、25g摂取したほうが歩留まりは良いですが、それほど大きな差はなく、100g摂取すると筋肉のタンパク質量が大きく増えます。

ただ、長期的に見てこのペースで筋肉のタンパク質が増えていくはずがないので、食間に分解されていると思われます。

骨格筋は大部分が水分で、タンパク質の割合は20%ほどです。もし筋肉中のタンパク質が10g増えれば、筋肉は50g増えます。一日50g筋肉が増えたら、一ヶ月で1.5kg増えます。一年で18kg増えます。こんなハイペースで筋肉は増えないので、食後にこれだけ筋肉のタンパク質が増えたと言っても、食間に分解されて減っているはずです。

食べたタンパク質の大部分は長期的に見れば筋肉にならないのですが、長期的には体重1kgあたり1日に1.5-2.0g食べていれば筋肥大が最大化されるとこれまでの研究では示されているので、それくらい食べていれば良いでしょう。

今回の研究から示唆されることは、

・人体はフレキシブルなので、一度にたくさん食べてもちゃんと利用してくれる。

・一日3,4食に分けて食べる時間が無い場合は、一食を多めに食べてトータルで帳尻を合わせれば問題はなさそう。

・実際の運用面では、必要カロリーが多くてたくさん食べないといけない人は、分散させて食べたほうが楽です。例えば3000-4000kcalを一日2食だと、1食1500-2000kcal。カロリーも大変ですし、肉などタンパク質の多い食材を一度に大量に食べるのも大変です。


一度に大量に食べると、タンパク質もそれ以外の栄養素も消化吸収に時間が長くかかるので、体内の栄養供給の面では分散させて食べるのとそれほど差がありません。リーンゲインズなどTRF(Time-Restricted Feeding)の研究でも、減量時は普通に食べるのと同等に除脂肪体重を残せて、カロリーオーバーにすれば筋肥大することが長期の研究で示されています(ただしTRFで増量するのは食べるのがキツイ)。

関連記事:TRF(Time-Restricted Feeding)の研究

上級者のボディビルなどシビアな状況では分散させたほうが良いかもしれませんが、ほとんどの人にとっては、小分けにして食べても、まとめて食べても、どちらでも差はないでしょう。


<タンパク質の種類>

消化の遅いカゼイン主体だから長時間アミノ酸が供給されて筋合成が続いて酸化されなかったんじゃないの?という疑問に答えるために、(1)の論文では他の研究の結果を分析していて、ホエイとカゼイン(それぞれ45g)を摂取した場合のデータでも酸化される割合は変わらなかったとしています。

ただまあホエイ100gだとわからない。感覚的にはホエイ単品100gを一度に摂取だと結構酸化されそうな気もしますが・・・普通はホエイ単品100gとかやらないでしょうし、他の食材と合わせて食べれば消化が遅くなるため問題ないかもしれません。

昔の研究ですが、ボクサーの減量で食事頻度を変えて比較したものがあって、除脂肪体重変化に差が出ています。食事頻度は一日2回と6回、摂取カロリーは一日トータル1200kcal。食事頻度2回のほうが除脂肪体重の減少が大きかったです。中身が読めないのですが、カロリーきっちり管理していて、たしか流動食でホエイだったような・・・(内容はライル・マクドナルドの本で読んだ記憶)。従って、減量時にホエイや消化の速い食べ物を、間隔を空けてまとめて摂取はやめたほうがいいと思います。カゼインはアミノ酸供給が長時間続くので、減量時に間隔を空けて摂取しても良いでしょう。

(2)Effects of meal frequency on body composition during weight control in boxers
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8960647/


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