トレーニングプログラムとトレーニングメニューの違いについては、私のイメージだと
トレーニングプログラム:何らかの目標に向かって、強度(%RM)、セット数、レップ数、追い込み度などのトレーニング変数を調整していくもの。
トレーニングメニュー:トレーニング種目の組み合わせ。
なのですが、プログラムを組むのにもメニューを組むのにも、相互の影響を考慮しないといけないので、プログラムとメニューの境界を明確にするのは難しいと思います。とりあえずこの記事では、上記の定義のイメージで、プログラムとメニューという単語を使っていきたいと思います。
3つのモデル
トレーニングプログラムの考え方を理解するために、3つのモデルを用います。これらのモデルを統合して、プログラムの理解の仕方、実際のプログラムでは何を意図しているのか、身体にどういう反応が起こるのか、などを説明していきます。
・SRAモデルとフィットネス-疲労モデル
・土台-ピークモデル
・3種類の「疲労/要因/適応」モデル
私はテキストとかを読んだわけではないので、この記事での説明が学術的に正確な記述なのか不明ですが、学術的な理論自体が実際の身体の反応を正確に表してるわけではないので、実用性のある便利なモデルが得られれば良いというスタンスです。
SRAモデルとフィットネス-疲労モデル
筋トレをするとなぜ筋肉が太くなり、筋力がアップするのかというと、現時点で楽に維持できる水準(ホメオスタシス)を乱す刺激が外部から加わり、「もっと強くならないと刺激に負けてしまう・・・!」と身体がそれに反応して適応するからです。
<SRAモデル>
・Stimulus or Stress(刺激 or ストレス)・Recovery(回復)
・Adaptation(適応)
<フィットネス-疲労モデル>
SRAモデルはパフォーマンスのみについてのカーブですが、フィットネス-疲労モデルはパフォーマンス、疲労、フィットネスの3つのカーブを使って、刺激に対する身体の反応を説明します。
トレーニング(刺激)を加えると、身体はそれに反応して、元気なときに発揮できる力(フィットネス)が伸びます。ただ、トレーニングよる疲労がそのフィットネスの伸びを隠すため、トレーニング後しばらくの間はパフォーマンスが低下します。疲労が抜けてくると、元気なときに発揮できる力(フィットネス)に実際のパフォーマンスが近づいていきます。フィットネスから疲労を引いた残りが、パフォーマンスになるイメージです。フィットネス-疲労モデルを使うと、身体の内部で何が起こっているのかを理解しやすくなります。トレーニングプログラムを実施していく中で、トレーニングでのパフォーマンスにどこまで疲労が影響しているのかを想像するのに、フィットネス-疲労モデルの概念を頭に入れておくことは重要です。中級者になると、疲労を完全には回復させず、8,9割程度の回復度合いでトレーニングを続けていくことが多いので、トレーニングでのパフォーマンスにどこまで疲労が影響しているのか? フィットネスは伸びているのか?を考えていくことは重要です。
ただ、実際のトレーニングプログラムを考える上では、フィットネス-疲労モデルは使わず、各種の疲労(各部位の筋肉の疲労、全身の疲労、中枢神経系の疲労)についてそれぞれSRAカーブを作って、その組み合わせで考えていくとプログラムが理解しやすくなります。良いプログラムは、全ての種類の疲労が同時に大きくなることを避けて、疲労の種類をずらして回復を確保しながら、漸進的過負荷を続けるように出来ています。詳しくは後ほど説明します。(この記事の最後のほうに「リニアピリオダイゼーションでの各モデルの動き」という項があって、そこで具体的に説明しています)
土台-ピークモデル
トレーニングで目指す適応を、土台とピークの2つに分けて考えます。土台とピークを合わせた高さが、最大パフォーマンス(BIG3の場合は1RM)だと考えて下さい。ピークは土台の上に乗っかってくるものなので、土台が小さければ、小さなピークしか作れません。
<土台>
・筋肉量
土台の主役です。個人差はありますが、筋力の強さは筋肉量にだいたい比例します。自分の持つ筋力のポテンシャルを高めていこうとする場合、筋肉量を増やしていくことは非常に重要です。初心者のうちは少ないボリュームで筋肥大しますが、中級者、上級者になってくると、さらなる筋肥大に必要なトレーニングボリュームが増えていきます。土台を大きくするには、ボリュームを積みやすい中強度(主に60-80%1RMくらい)をメインにトレーニングしていくことが基本になります。
・バランス良く筋肉が発達している
例えばスクワットなら、左右のバランス、大腿四頭筋と臀筋のバランスなど。ベンチプレスなら上腕三頭筋と大胸筋のバランスなど。弱点となる部位があると、バーベル種目の重量が伸びにくくなります。
・多様な種目
いろいろな動きをして、いろいろな筋肉に負荷をかけていきます。多様な種目を実施していくことには、様々な身体動作を学習できる、疲労を一箇所に溜めずにボリュームを積める、筋肉が幅広く発達することで怪我をしにくくなる、などのメリットがあります。
もちろん、BIG3を軸にトレーニングをしていくのですが、土台作りをするときは、メインリフトにあまり特化せず、総合力を高める意識で幅広いトレーニングをしていくと、伸びしろが大きくなります。
例えば、メインリフトに変化をつけて、ベンチプレスは普通の手幅に加えてナロー手幅をやったり、スクワットもロウバー、ハイバー、フロントをやったり、デッドリフトはコンベンショナル、スモウをやったり。補助種目で、腕立て伏せをやったり、片脚種目をやったり、体幹や肩周りのスタビライザーを鍛えたり、etc。
・ワークキャパシティ
ワークキャパシティは、トレーニングをこなし、回復する能力のことです。長期的に筋肥大を続けていくには、トレーニングボリュームを徐々に増やしていく必要があります。高ボリュームのトレーニングをこなすためには、トレーニングをこなし、回復することが必要になってきます。
あまり重たくない重量での高ボリュームトレーニングや、軽い有酸素運動でワークキャパシティが増大します(トレーニングで乱されたホメオスタシスへの回帰には有酸素代謝が使われるので、軽い有酸素運動もワークキャパシティを高める効果があります)。
・怪我をせずトレーニングを続けられるフォーム
基本的なフォームが出来ていないと怪我をしやすくなり、トレーニングボリュームを積むのが難しくなります。
・ボリュームを積めるフォーム
1RMのためのフォーム(なるべく重たい重量を挙げるフォーム)だと、8レップや10レップでボリュームを積むのが困難な場合があります。そういった場合は、ボリュームトレーニングのためのフォームでトレーニングをします。
例えば、高いブリッジを組んで、2段階フォームでベンチプレスをする場合、そのフォームで8レップや10レップを何セットも行うのは困難なので、挙げきらず上下させるフォームでボリュームを積んだり、足上げでボリュームを積んだりします。
デッドリフトも、床引きでボリュームを積むのが疲労面で厳しい場合は、例えば、RDLで股関節伸展のボリュームトレーニング、ベントローで背中のボリュームトレーニングをして土台を作り、筋力を伸ばすフェーズで、5レップ以下の床引きデッドリフトをトレーニングしていきます。
この辺は、個人のフォームの違い、回復力などが影響してきます。1RMも10レップも同じフォームでやる場合は、特に意識しなくても大丈夫です。
<ピーク>
・神経系の適応
・種目を絞る
メインリフトの重量を伸ばすことを最優先するために、補助種目は少なくしていきます。
・パフォーマンスを最大に出すフォーム
1RM重視の場合は、種目によっては1RM用のフォームにしたほうが重量が伸びやすくなります。
・ピーキング
競技をしている場合は、大会で最高のパフォーマンスを発揮できるように調整していきます。
★★★既存のプログラムの想定効果を土台-ピークモデルで説明★★★
既存のトレーニングプログラムを使う時は、そのプログラムが土台に効果があるものなのか、ピークに効果があるものなのか、理解して実施する必要があります。
例えば、テキサスメソッドや5/3/1は、ボリュームの少ないストレングス寄り(筋力アップ重視)のトレーニングプログラムです。テキサスメソッドの場合、週あたりのスクワットのトータルボリュームは40レップくらいです。
The Texas Method
https://www.t-nation.com/training/the-texas-method/
5/3/1の場合は、週あたりのスクワットのトータルボリュームは、ボリュームの多い1週目で20レップくらいです(90%1RMの85%を限界までだと10レップくらいできるので)。5/3/1は様々なバージョンがあり、また補助種目次第で部位あたりのトータルボリュームはかなり変わりますが、そうすると裁量の余地が大きくなって、プログラムがシンプルでわかりやすいという長所がなくなっていきます。
5/3/1: How to Build Pure Strength
https://www.t-nation.com/workouts/5-3-1-how-to-build-pure-strength/
このようなボリュームの少ないストレングス寄りのプログラムを実施した場合の想定効果は、
ケース1:初心者
土台を広げるのにボリュームが少なくて済む初心者には、土台にもピークにも効果があるでしょう。筋肥大もするし、筋力も伸びます。ただし伸びていって中級者くらいになると、さらに土台を広げるにはボリューム不足になります。
ケース2:高強度トレーニングをあまりやってこなかった中級者
高強度・低レップトレーニングをほとんどやらず、中レップ・高レップの高ボリュームトレーニングを続けてきて、ピークに比べて土台が広がっている人は、ピークが土台に追いつくまでは、ストレングスを伸ばす効果があるでしょう。特に、高ボリュームトレーニングで疲労が溜まっていた場合、低ボリュームトレーニングで疲労が抜けることも重なり、一気にストレングスが伸びやすいです。
ケース3:普段から高強度トレーニングをやっている中級者
中級者くらいで、普段から高強度・低レップトレーニングを頻繁にやっている場合、ピークの伸びしろが小さいのでピークが伸びにくく、土台を広げるにもボリューム不足で、あまり効果が出ないでしょう。中級者くらいになると、下半身(膝と股関節の筋肉)の筋肥大に必要なトータルボリュームは週に10-20セットくらい(レップ数だと100-150レップくらい)必要になります。このケースの人が、これらのストレングス寄りのプログラムを使いたい場合は、補助種目でボリュームを補う必要があります。もしくは土台を広げるためのボリュームトレーニングのフェーズを作り、そのあとの筋力を伸ばすフェーズでこれらのプログラムを実施すると良いでしょう。
3種類の「疲労/要因/適応」モデル
トレーニングで、どのような疲労が発生するのか、その要因は何なのか、どのような適応が得られるのかについてのモデルです。他の分類の仕方もあると思いますが、トレーニングメニューやプログラムを考える上で、個人的にはこの分類が使いやすいので、便宜的に3種類に分けます。
多くのトレーニングは、複数の疲労と適応が同時に起こりますが、トレーニングのタイプによってどの種類の疲労と適応が大きくなるかには差があります。例えばスクワットを、15レップ×5セット@60%1RMだと、中枢神経系の疲労はあまりないですが、全身疲労と筋肉のダメージが大きいです。同じくスクワットを3レップ×4セット@90%1RMだと、筋肉のダメージはそれほどないですが、中枢神経系の疲労が大きくなります。
BIG3を軸にトレーニングしていくときに、この3つの疲労を考えていく必要がある理由は、トレーニング重量とボリュームが増えていくと、全身疲労と神経系の疲労の影響が大きくなって、筋肉のダメージは回復しても、全身疲労と中枢神経系の疲労が回復せず、個別の筋肉の肥大に必要なボリュームが積めなくなり、漸進的過負荷が行えなくなるからです。バーベル種目は、全身の筋肉に強い負荷を与えてまとめて鍛えられるのが長所ですが、継続的な成長を目指すときにそれは短所にもなってきます。
強度、レップ数、セット数、種目の組み合わせなどを調整して、疲労管理をしつつ、漸進的過負荷を続けて継続的な適応(=成長)を実現するための手段が各種のトレーニングプログラムです。ほとんどのプログラムでは、3種の疲労が同時に大きくなることを避け、それぞれの疲労が大きくなるタイミングをずらしながら、漸進的過負荷が行えるように組まれています。
それぞれの「疲労/要因/適応」について、特徴を書いていきます。疲労にはいくつも種類がありますが、数日間というスパンで問題になるのは、筋肉のダメージ、全身疲労、中枢神経系の疲労の3つです。(ちなみに筋肉のダメージは科学的に見て比較的クリアな現象ですが、全身疲労と中枢神経系の疲労や何だかよくわからない現象です。ここでは実用性のある便利なモデルとして使っていきます)
<筋肉のダメージ / 個別の筋肉のトレーニングボリューム / 筋肥大>
筋トレをすると、筋肉組織に微細なダメージが起こり、回復するのに数日間かかります。これが個別の筋肉の疲労(局所的な疲労)になります。高ボリュームのトレーニングや、高強度でのエキセントリックトレーニングでダメージは増えやすいです。筋肉はダメージへの適応力が高く、一旦ダメージが起きて回復すると、次のトレーニングからはダメージが小さくなります(リピーテッド・バウト・エフェクト)。
筋肉のダメージ自体は筋肥大効果がそれほど高くないと考えられますが、筋肥大にはある程度のトレーニングボリュームが必要で、筋肥大に必要なトレーニングボリュームをこなすと、必然的に筋肉のダメージが増えて疲労します。関連記事:筋肥大をもたらす刺激(2019年版)
<全身疲労 / バーベル種目のトレーニングボリューム / ワークキャパシティ>
全身がダルい感じの疲労です。イメージとしては、「スクワット10レップを多セットをやった場合の疲労」。重たいバーベルを使うコンパウンド種目で起こりやすいです。おそらく仕事量(重量×距離)に比例すると考えられ、スクワットやデッドリフトなど重たいバーベルを長距離動かす種目を、高レップ多セット行うと、全身疲労が強くなります。
体幹への負荷や、腹圧をどれだけ高めるかも影響する感じもします。例えば、同程度のRPE(追い込み度)でも、スクワットのほうがレッグプレスよりも全身疲労がきつい感じがしますし、床引きデッドリフトのほうがRDLよりも全身疲労がきつい感じがします。トレーニングをするための体力や回復力(ワークキャパシティ)を高めるのに、ある程度の全身疲労が起こるトレーニングは有効です。トレーニングの重量とボリュームを増やしていくために、全身疲労が起こるトレーニングを意識的に取り入れる必要はあります。ただ、全身疲労が過度な状態が長期間続くとトレーニングの質を保つのが難しくなり、疲労が酷い場合はオーバートレーニングになる恐れがあります。
トレーニングボリュームが増えていくると、BIG3だけで個別の筋肉の筋肥大に必要なボリュームをこなそうとすると全身疲労がきつくて困難になってきます。例えば、下半身種目を週に20セットというボリューム設定を考えると、スクワット10セット週2回といったメニューでこなすのはかなりキツイので、その場合はスクワット5セットを週2回、残りを補助種目といったメニューにして、個別の部位の筋肥大に必要なボリュームを確保するようにします。
<中枢神経系の疲労 / 高強度のトレーニング / 筋力>
中枢神経系の疲労は、90%1RM以上といった高強度のトレーニングを頻繁に行うと起こりやすいです。筋肉の疲労はそれほど無いはずなのに、パフォーマンスが低下した状態になります。高強度のトレーニングは筋力を伸ばすのに効果的ですが、高強度のトレーニングばかりおこなうと、トレーニングボリュームが足りず、筋肥大が起こりにくくなります。
トレーニングを考えてみると、例えばスクワットを、8レップ×5セット@70%1RM
2レップ×15セット@90%1RM
だと、重量ベースのトータルボリューム(重量×レップ数×セット数)は両者ほぼ同じで、筋肉はほぼ同じ仕事をすることになるのですが、70%1RMのほうは週2回ペースでも続けられそうな感じはしても、90%1RMのほうは疲労がきつくて続けるのはちょっと無理な感じがします。
同じトータルボリュームだけど、高強度だと疲労がきつくなる。この疲労の差分が「中枢神経系の疲労」のイメージです。
以下、あまりまとまりのない考察ですが。。。
ただ、科学研究だと、高強度のコンパウンド種目で中枢神経系の疲労が起きるというエビデンスは無いみたいです。この記事にいくつか研究が引用されています。
3 CNS Fatigue Myths
ざっと読んだ感想は、コンパウンド種目の疲労を単関節での筋出力で計測するのは、あまり意味ないのでは?という疑問もあって、毎日1RMやってみて1RMが低下するか調べる研究をしてみれば良さそうと思ったら、そういえばそういう研究があったなと思い出しました。
スクワット1RMが200kgくらいの人たちが毎日1RMトレーニングを続けても、1RMが低下していくような現象は起きていません。
Efficacy of Daily 1RM Training in Well-Trained Powerlifters and Weightlifters: A Case Series
https://www.researchgate.net/publication/284179354_Efficacy_of_Daily_1RM_Training_in_Well-Trained_Powerlifters_and_Weightlifters_A_Case_Series
脳がローカルの筋肉の疲労状態を感知して出力を制御するシステムがあるので、ローカルの筋肉が疲労すると脳は出力を下げようとすると思いますが、それは結局はローカルの筋肉の疲労が要因です。ローカルの筋肉が回復しているのに、脳の出力が低下することはありえるのだろうか? それもおそらく動作に選択的に脳の出力が低下するようなことが(ベンチプレスの「中枢神経系の疲労」は、おそらくスクワットやデッドリフトに影響しないと思われます)。熱疲労やメンタル疲労や睡眠不足で脳の出力が低下するのは理解できますが、それは脳の運動に関する出力がまとめて低下しているので、バーベルトレーニング界で「中枢神経系の疲労」と呼ばれる現象とは異なると考えられます。
この分野を深く調べたわけではないので、思いつきで書きますが、中枢神経系の疲労というのは、単にローカルの疲労かもしれません。
例えば高強度バーベル種目をボリューム多めでやると体幹などスタビライザーの筋肉の疲労がきつくなって、それらのスタビライザーがボトルネックになってトレーニングが続けられなくなるのかもしれません。
もしくはサイズの原理から、高強度でないと使われにくい速筋線維が高強度ではどんどん使われることになって、それらの筋肉のダメージがボトルネックになるのかもしれません。つまり普段よく使う遅筋繊維はわりかし早くダメージが回復しても、かなり高強度にならないと使われにくい速筋繊維がダメージを負ってしばらく回復せず、筋繊維全体で見た場合のMAXの出力が低下するのかもしれません。
アイソメトリックでの計測ですが、強度別の筋繊維の動員具合のグラフが以下の記事にあります。
The Evidence is Lacking for “Effective Reps”
https://www.strongerbyscience.com/effective-reps/
または、腱など関節周りの組織が高強度だとダメージが大きく、回復するのに時間がかかり、筋肉が強い力を発揮するのを妨げるのかもしれません。
ただ、「中枢神経系の疲労」という概念はバーベルトレーニング界で浸透していますし、プログラムを考える上で使いやすい概念であるので、科学界での中枢神経系の疲労とは違う感じもしますが、ここでは使っていこうかなと思います。
RPEの説明
トレーニングプログラムでは追い込み度(RPE)の理解と管理が重要になってきます。
例えばスクワットを、
(1) 8レップ×4セット@80%1RM
(2) 8レップ×4セット@70%1RM
といった2種類のメニューを見た時に、
「(1)は全セットほぼ限界までか。インターバルはかなり長く取らないと無理だろう。」
「(2)は、70%1RMの限界レップ数が11なので、1セット目がRPE7(限界まで3レップ残し)。ということは、追い込まないセットでボリュームを積む感じね」
といったイメージが出来ると、プログラムの意図を理解しやすくなります。
リニアピリオダイゼーションでの各モデルの動き
リニアピリオダイゼーションは、高ボリューム・低強度から始めて、直線的にボリュームを減らしながら強度を上げていくプログラムです。自分で考えたリニアピリオダイゼーションを、SRAモデル、土台-ピークモデル、3種類の「疲労/要因/適応」モデルを使って説明します。(真面目に変数を調整してあるので、脱初心者~中級者なりたてくらいの人にとって実際に使えるものになっています。高レップに慣れてない場合は、慣らしとして12レップ×3セットを1週、12レップ×4セットを1週やってから始めたほうがいいかもしれません)
種目はスクワットかベンチプレス、頻度は週2回でイメージしてください。
プログラムでは、3種の疲労をずらしながら、段階的に適応していくようになっています。
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