1/18/2022

スクワットのしゃがみの練習方法

自重スクワットやゴブレットスクワットだとスムーズにしゃがめるけど、バーベルを肩に担いでバックスクワットをすると、スムーズにしゃがめなかったり、バットウィンクが起きやすかったりする場合の練習方法です。

普段から身体を動かしていて、股関節のモビリティが十分な人向けの内容なので、股関節のモビリティが足りなくてしゃがむのが苦手な場合は、関連記事を参考にしてください。

関連記事:股関節のストレッチ・ウォームアップ

練習は大きく分けて2つあって、体幹を固める練習、しゃがみの練習です。


1/12/2022

スクワットのバーの担ぎ方再考

私は、ロウバースクワットは肩甲骨を強く寄せて、背中をガチガチに固めて担ぐものだと思っていて、以前は自分でもそうやっていました。下の画像が実例で、Mark Rippetoe のスターティングストレングスに書かれているようなやり方です。ただこのやり方は肩周りが窮屈で肘や肩に負担がかかる感じがするので、ここ数年はずっとハイバーでスクワットしています。


動画:筋トレ:スターティングストレングス・プログラムによるローバースクワット
https://www.youtube.com/watch?v=4nXeRHYVHGo


ハイバーに変えてから、姿勢のことなど色々と学んでいって、上のようなロウバーのフォームで肩甲骨を強く寄せて胸椎を伸展しながらスクワットすることは機能的な身体動作なのだろうか? と疑問が燻ってしました。ハイバーだと肩甲骨を強く寄せる必要はないですし、胸椎を伸展する必要もないです。ゴブレットスクワットや、セーフティスクワットバーでのスクワットでも同様です。

最近、ロウバーの担ぎ方を調べ直して、ロウバースクワットのパワーリフターでも肩甲骨を強く寄せず、胸椎も伸展しないフォームの人がいるのがわかって、ロウバーもハイバーと同じ姿勢でやっていいとスッキリしたので、今回の記事を書くことにしました。体幹、姿勢、身体機能の基本モデルが、ハイバーでもロウバーでも共通で使えるのがスッキリポイントです。


1/07/2022

スクワットやデッドリフトでの視線について

スクワットやデッドリフトの時に見る方向(視線)は、体幹の姿勢を崩さなければやりやすい方向でOKです。一般的には水平くらいか、やや斜め下が多いと思います。あまり首を反らして上を見ると、体幹の姿勢が崩れやすいですし、首に負担がかかりやすくなるので、極端に反らすのはやめたほうがいいかなと思います。視線を斜め下にすると重心が前に移動して前のめりになりやすい場合は、首を少しだけ反らしたり、目だけ上に動かすと良いと思います(上目遣い)。

首は体幹の背骨部分(胸椎と腰椎)ほどシビアなコントロールは要求されないので、ニュートラルを中心にある程度は動かしても大丈夫でしょう。デッドリフトだとかなり目線を上にする人もいます(逆に視線をかなり下にする人もいます)。


本題は、どこを見るかではなく、どうやって見るかです。ジムではパワーラックの前に鏡が置いていることが多いと思いますが、スクワットやデッドリフトの際に、鏡越しに自分の身体の一点やフォームを凝視したりせず、ぼーっと前を見て動作をすると、意識が身体の内部に向かい、身体をどう動かしているかを感じやすくなり、フォームやバランスが安定します。

パワーリフターの動画を見ると、遠い目をしながらスクワットやデッドリフトをしていますが、あんな感じの目です。

動画:Russel Orhii - 1st Place 841kg *WR Total* - 83kg Class 2021 IPF World Open Classic
https://www.youtube.com/watch?v=Kf03kexddpw


動画:John Haack 5 Weeks Out from Hybrid Showdown Meet
https://www.youtube.com/watch?v=AvpexkeFlnY


視覚情報に頼りがちな人は、目を瞑ってゆっくりと自重スクワットやゴブレットスクワットをしてみると、身体の内部の感覚を使いやすくなります。

ベンチプレスについては、視線は真上か、そこからやや足元寄りくらいが基本ですが、これもバーを凝視せず、天井をぼーっと見ると良いでしょう。


1/05/2022

「科学的に正しい◯◯」に対するモヤモヤ

筋トレ界隈で見かけることがある、「科学的に正しい」「科学的に証明された」「科学的根拠に基づく」といった記事や動画について思うことをいくつか。

「科学的に正しい◯◯」といった記事や動画は、論文をいくつか引っ張ってきて、それをそのまま実践に適用しているパターンが多いです。


論文を読む能力の不足や、個人差の考慮の不足など気になる点はいくつかありますが、内容自体は大雑把なガイドラインとして使うにはおそらく問題ないものが多いと思います(最高、最強、最効率とか言い出すと怪しくなってきますが)。私が引っかかるのは、「科学的」という言葉の使い方です。エビデンスを人体の取扱説明書みたいに考えて、実験結果をそのまま実践に適用しようとするやり方は、科学的ではないなと。

ついでに書くと、「解剖学」をそのまま筋トレの実践に適用しているケースも、「決め付き過ぎでは?」「他の部位との連動や全体の動きが見えていないのでは?」と感じることが多いです。これも自分の中で解剖学を使ってモデルを作って、全体像を組み上げた上で、それぞれのケースに適用していったほうがいいと思います。

12/25/2021

スクワット時のヒップシフト(尻の横移動)の対処事例

スクワット時のヒップシフト(尻の横移動)の対処方法です。実際にパーソナルトレーニングを受けていただいた方の事例に基づいているので、ヒップシフトの方向、モビリティと筋力の左右差が違うパターンの人の場合は、そのまま適用すると悪化するケースもあるのでご注意ください。


今回のお客様の特徴


<動きや筋力の左右差>

・スクワットで立ち上がる時、きつくなってくると右方向へのヒップシフトが起こる。
・ヒップシフトと同時にバーが反時計回りに回旋する。
・デッドリフトでも左に重心が乗る感じがする。
・左脚に比べて右脚が細い。
・左側の尻と左下背部が発達している。
・ブルガリアンスクワットで右脚がきつい。
・椅子に座って脚を組む場合、右脚を上にしたほうが楽に組める。
・足首の柔軟性の左右差や、捻挫歴はなし。
・野球歴がある
・右投げ右打ち


<立位と寝た状態での姿勢>

・アラインメントと可動域は、リラックスした状態での左右差はあまり無い。
・股関節は両側とも外旋の可動域が広め。


<左右差の起こるポイントの確認>

・足や足首には問題無し。(足裏のアーチが潰れないか、足首のアラインメントはまっすぐか)
・股関節の筋肉は左側が強く、右側が弱い。そのため骨盤の横方向への移動や回旋が起きやすい。
・立った状態での骨盤の高低差は無し。ただランジなどの片脚種目だと、尻の内側と外側の筋力差のため骨盤が安定せず、骨盤が傾きやすい。
・上半身(胸椎・肋骨・肩甲骨)が反時計回りへの回旋が得意で、時計回りへの回旋が苦手。


12/18/2021

デッドリフトの頻度とボリューム問題

デッドリフトの頻度とボリュームをどのくらいにすれば良いのかは、意見が分かれます。スクワット(+脚トレ)だと、トータルボリュームを多く、頻度は1回あたりのボリュームと回復次第というのがおそらく主流の考えで、ベンチプレスは高頻度、重い日や軽い日を織り交ぜていくけどトータルではボリュームは多くなるというのが主流だと思います。デッドリフトについては高頻度派も低頻度派もいて、トータルボリュームについての意見もバラバラの印象です。

色々と書いていたら長くなってしまったので、この記事の簡単なまとめを書きますと、デッドリフトのトレーニングのボリュームと頻度は、以下に挙げる個人差を考慮して決めていくのが良いかなと思います。


・スクワットとの被り度合い
スクワットとデッドリフトのフォームが近い人は、デッドリフトのためのトレーニングをあまりやらなくてOK。スクワットで下半身を鍛えつつ、週1回くらい80-90%1RMくらいの重量で床引きデッドリフトを行っていくのが目安になります。

スクワットとデッドリフトのフォームの差が大きい人は、デッドリフトのためのトレーニングを多めにやったほうが良いと思います。床引きしたり、背中やハムストリングスを補助種目で鍛えたり。補助種目で背中やハムストリングスの筋肥大トレーニングをする場合は、普通の筋肥大トレーニングと同じで週2回程度でOKです。


・ボリュームへの反応度合い
反応が良い人は低ボリューム、反応が悪い人は床引きと補助種目をトータルで考えて高ボリューム。まずは低ボリュームで始めて、伸びないようならボリュームを増やしていく。


・レップレンジへの反応度合い
低レップ(5レップ以下)の反応が良い人は低レップで床引き。

高レップ(8-10レップくらい)の反応が良い人は、床引きコンベンショナルは背中の疲労で怪我しやすいですし、全身疲労もきついので、タッチアンドゴースタイルかRDLでボリュームを積むと良いと思います。スモウは背中の負担がそれほと強くなく、挙上距離も短いため、高レップでもあまり危険な感じがしないですし、全身疲労もそこまできつくないので、床引き高レップしても良いかもしれません。ただこれは私個人の印象なので、自分の身体と相談しながら。

レップレンジへの反応の調べ方は、そのレップレンジで充実感のあるトレーニングができるか、そのレップレンジのトレーニングが好きか、で判断で良いと思います。私は遅筋優位な体質なので、全般的に高レップのほうが好きです。


・回復力

床引きデッドリフトは全身の疲労がきついです。回復力が高い人は床引きデッドリフトのボリュームが多めでOK。回復力が低い人は床引きのボリュームを減らし、補助種目のボリュームを増やしたほうが良いでしょう。


・技術レベル
デッドリフトのフォームがまだ固まっていない場合は、重量と追い込み度を下げたフォーム洗練のためのトレーニングを高頻度で行うと伸びが速いです。フォームが安定すれば、重量が上がってきたときに怪我をしにくくなります。フォームがすでに固まっていれば、デッドリフトの頻度はそれほど高めなくて良いでしょう。


・重量
普通の人はあまり気にしなくて良いと思いますが、挙上重量が300kgを超えるような人ですと、高強度(だいたい85%1RM以上)の床引きデッドリフトは週1回以下(10日に1回とか)の頻度で行う人もいます。高重量ほど神経系の回復が遅くなると考えられ、床引きデッドリフトの頻度は下げたほうが良いでしょう。



12/12/2021

スモウデッドリフトの様々なフォームと個人的なやり方


様々なスモウデッドリフトのフォーム


<足幅が狭い>



動画:Angelo Fortino 350 Kg (771 LB) Deadlift - 2021 USA Virginia Pro
https://www.youtube.com/watch?v=g_GZhsNoytM




動画:Ed Coan deadlift
https://www.youtube.com/watch?v=Q_LWQkn0HNU


<足幅が普通くらい> 



動画:Sumo Deadlift Tips and Tricks | 410kg/903lbs stiff bar deadlift |
https://www.youtube.com/watch?v=zbNmUpvI4-E



動画:YANGSU REN (81kg) - 400 kg Deadlift | Incredible result!
https://www.youtube.com/watch?v=Zm0HdjSD2bI


<足幅が広い>



動画:Dmitriy Nasonov 910 kg Total WR @ 82.5kg
https://www.youtube.com/watch?v=5MV_mfbQT-k



動画:2017ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会② 74kg級DEADLIFT
https://www.youtube.com/watch?v=6ddloVmwN04



12/04/2021

骨格の違いによるデッドリフトフォーム考察

腕と脚と胴体の長さのバランスによって、デッドリフトはフォームが変わってくるのでその考察です。

そのフォームを実行可能かは、股関節の骨の噛み合わせ(大腿骨頭の角度や太さ、骨盤のソケットの向きや深さ)が深く関わりますが、スムーズに動作しやすいフォームは骨格バランスが強く影響します。

スクワットについての記事ですが、股関節の骨の噛み合わせについては関連記事に詳しく書いてあります。

関連記事:股関節の骨の個人差とスクワットのスタンス


本記事では、主にナローデッドリフトのフォームを考察していきます。スモウも少々。

3タイプの骨格に分けて考えていきます。

(1)バランス型タイプ(腕の脚の長さが普通)

(2)腕と脚が長くて胴体が短いタイプ

(3)腕と脚が短くて胴体が長いタイプ



脚が短くて腕が長い体型の人もいますし、逆に脚が長くて腕が短い体型の人もいますし、大腿とスネの長さの比率によってもフォームは変わってきますが、とりあえず3タイプに分けます。




11/20/2021

腰痛対策シリーズ3回目:スクワットとデッドリフトでの腰痛のトラブルシューティング

関連記事:腰痛対策シリーズ1回目:腰痛の概略

関連記事:腰痛対策シリーズ2回目:腰痛を防ぐストレッチやトレーニング


スクワットやデッドリフトで腰を痛める場合

腹圧を高めて背骨ニュートラルを維持していれば、スクワットやデッドリフトで腰を痛めることはほとんどないと思います。ニュートラルポジションを維持できてる限りは、背骨はかなり頑丈です。

なぜ痛めるのかというと、背骨ニュートラルを維持できていないから。背骨ニュートラルを維持できないケースをいくつか見ていきます。


11/13/2021

腰痛対策シリーズ2回目:腰痛を防ぐストレッチやトレーニング

前回の続きです。

腰痛対策シリーズ1回目:腰痛の概略


今回は、腰痛対策(というかほぼ姿勢対策)のストレッチ等とトレーニングについて書いていきます。

ネットで検索すると腰痛対策のストレッチや体幹トレーニングがたくさん出てきますが、それらを闇雲にやるのではなく、現状を分析し、適切な種目を選んで実施していくのが重要です。分析→戦略→戦術の順ですね。

1. 現状分析
骨の配置と筋肉の状態がどうなっているか分析します。固く縮んでいる筋肉と、弱くて伸びている筋肉を洗い出しますが、解剖学的に個別の筋肉の状態を理解しようとするよりも、各関節の伸展や屈曲といった動作の方向で考えたほうが実践面では楽です。この記事では簡略化のために、猫背や反り腰といったパターンごとに振り分けをしてみていきます。パターンに沿わないケースもありますし、矢状面以外での問題もありますが、パターンごとに振り分けすることで対策を絞りやすくなります。

2. 戦略の決定
部位ごとに緩める筋肉、鍛える筋肉を決めて、それにフィットするストレッチや筋トレ種目を選んでいきます。弱って伸びている筋肉をストレッチでさらに伸ばしたりすると状況が悪化するので、戦略は非常に大事です。どんなに種目のやり方(戦術面)が上手くても、種目の選択(戦略面)が間違っていたら、良い結果は得られません。

3. 戦術の実行
選んだ種目を実施していきます。正確なテクニックで実施する必要があり、また同じ種目でも目的によってやり方を変える場合があります。例えば、プランクをやるなら呼吸はどうするか、息を吐ききってドローインの状態でやる? 息を入れて腹圧かけた状態でやる? それとも意識的に体幹は固めずに自然に呼吸をしながら? etc.

腰痛ストレッチや体幹トレーニングの種目については、ネットで検索すればいくつも出てきます。分析と戦略がしっかりしていれば、種目の選択と実施は正しく行えます。逆に分析と戦略が欠如していると、多すぎる情報に混乱したり、適切な種目を行えずに良い結果が得られなかったりします。

これから腰回りや骨盤周りといった各部位の各状況ごとにストレッチ方法や筋トレ種目の例を書いていきますが、その方法や種目が最高に良いから書いているわけではなくて、戦略にフィットする種目を適当に見繕って書いています。やりやすい種目やりにくい種目には個人差があるので、戦略を理解した上で、自分にあった種目を選択していくと良いでしょう。